PSPゲームレビュー

サモンナイト5

自由度の高いバトルシステムを搭載!

自由度の高いバトルシステムを搭載!
新システム「覚醒強化・響命/銘約」ではキャラクターが大幅パワーアップ! 覚醒強化専用の技も!

 バトルはシミュレーションRPGとしてはベーシックなタイプ。マス目で区切られたマップ上でユニットを動かし、味方ターン→敵ターンと交互に進めていく。しかしながら、「覚醒強化・響命」や「ブレイブポイント」といった要素が組み込まれ、「サモンナイト」シリーズらしいバトルシステムに仕上がっている。

 まず基本的な部分から紹介したい。プレーヤーは移動/攻撃/召喚/特殊能力/道具/待機型の6つのコマンド(キャラクターによっては一部のコマンドは使用できない)でキャラクターを動かすことになる。召喚は響友などによる召喚術やスキルを使用、特殊能力はキャラクター自体が持っている能力を発動、待機型は防御や反撃といった敵の攻撃に対しての行動を決定するコマンドになっている。

バトルパートはフル3Dに。カメラを回すことで4方向からマップを確認できる
敵の側面や背後から攻撃することでより高いダメージが与えられる。バトルの演出を自動スキップするオプションはないが、Bボタンを押せばスキップ可能
召喚や特殊能力の大半は発動にMPが必要。MPは攻撃したり、ダメージを受けたり、敵の攻撃を回避することなどで増えていく。なお、召喚は召喚ランクを満たしているキャラクターのみが使用できるコマンドで、攻撃/回復/補助など様々な効果の召喚術を使うことができる
待機型は敵の攻撃にどう対応するか決めるコマンド。「防御」であれば受けるダメージを一部カットでき、「反撃」であれば攻撃を受けた後に武器で反撃する。攻撃された際に一定確率で攻撃を受ける前に反撃する「先制」など、他にも様々な待機型が存在する

 基本システムはシンプルだが、移動、攻撃などの順序は決まっておらず、自由度は高い。キャラクター1人が1ターン内にできる行動は、移動1回、攻撃/召喚/特殊能力/道具のいずれか1回、待機型を選択とイメージしてもらえるといいだろう。ただし、特殊能力の中には「武器切り替え」という装備武器を持ち替えるコマンド(消費MP0)があり、これは何度でも、いつでも変更できる。待機型もいつでも何度でもターン終了するまでは変更可能だ。このため、キャラクターをいくら動かしても行動終了とはならず、ターン終了は任意で行なうことになる。

 キャラクター間の行動順も自由に決定できる。例えば、キャラクターAが移動→キャラクターBが移動して攻撃→キャラクターAが特殊能力を発動といった具合だ。これにより、高い自由度を実現している。

 続いて、本作や本シリーズならではのバトルシステムを紹介していきたい。

ブレイブバトルシステム

 「ブレイブバトルシステム」は、戦闘毎に設定された「ブレイブ条件」(ファーストアタックなど)を満たすことで「ブレイブポイント(BP)」が上昇し、ステージクリア後には後述のパーティ能力の入手などに必要な「ブレイブメダル」が得られるシステム。

 ブレイブ条件は共通タイプとステージ限定の2タイプがあり、敵を2体以上同時に撃破、1人も戦闘不能者を出さないなど、条件は様々。そして条件ごとにクリア後に獲得できるブレイブメダルの枚数が決められている。

 BPは自分より低いレベルの相手を倒したり、味方が倒されたり、パーティ能力を使用したりすることで減少し、ゼロになるとゲームオーバーになってしまう。このため、BPの管理は非常に重要。しかしながら、味方が敵より高いレベルであっても、いくつかのブレイブ条件はすぐに満たすことできるので、BPは増えるし、戦闘不能者が出ないように戦えばそれほど気にせずプレイできる。筆者はクリアするまでプレイしたが、1度もBPがゼロになってしまうようなことはなかった。

画面右上に表示されているのがBP。全員が戦闘不能になるのはもちろん、BPが0になってもゲームオーバーになってしまう
ブレイブ条件は様々。達成しようとしてバトルに敗北しては元も子もないのでできる範囲での達成を目指そう。後述の再戦を利用すれば何度でもトライできる

パーティ能力

 パーティ能力には「交代」(出撃中のキャラクターと控えのキャラクターを入れ替える)、「適才適所」(自軍ユニットのスキルの消費MPが-10%される)などがあり、自動で効果が発動するものと、任意発動で発動にはBPが必要になるものの2タイプに分けられる。自動タイプであればBPを消費することはない。自動タイプだけでもクリアは可能なので、BPを気にしたくないなら、自動タイプだけにしておくのといいだろう。

パーティ能力の多くはブレイブメダルを消費して習得する。能力に応じてポイントがあり、ポイント上限までしか能力をセットできないが、上限はブレイブメダルを消費すれば増やせる。特に自動タイプの能力はセットするだけ得なので上限までセットするよう心がけたい。また、ブレイブメダルはパーティ能力習得以外に、ショップの掘り出しものを購入するのにも必要になる

覚醒強化・響命/銘約

 「覚醒強化」はMP100以上になると選べるようになるコマンドで、一定ターンの間、キャラクターが強化され、習得していれば特別な技が使える。響友がいる召喚師のキャラクターは「覚醒強化・響命」、召喚師ではないキャラクターは「覚醒強化・銘約」となる。

 覚醒強化でのパワーアップや強化状態でのみ使える技の効果は高いため、積極的に使っていきたいが、主人公たちは他のキャラクターと比べて条件を満たすのが少し難しい。

 主人公以外の召喚師は響友が個別のユニットとして出撃することなく、召喚師自体のMPが100以上なら覚醒強化できるが、主人公とその響友だけはそれぞれ個別のユニットとして存在しており、2人ともMPが100以上にならなければ覚醒強化できない。主人公だけが出撃している状態ももちろんNGだ。さらに覚醒強化中は響友が小型化し、使える技が限定されてしまう。その代わりなのか、主人公の覚醒強化中限定の技はかなり強力になっている。

MPが100を越えれば、覚醒強化が可能に。MPは敵から攻撃されることでも増えるため、敵との接触の多い肉体派のキャラクターは覚醒強化しやすい。覚醒強化のコマンドは特殊能力内にあり、発動後、「そのターン内に攻撃」などの行動ができる。さらに強化中は通常攻撃が強力な技に変化する
条件を満たし、習得していれば、覚醒強化状態中には強力な覚醒響命術/奥義が使用できる

召喚盟友(サモンクラスタ)

 召喚師は自分の響友以外に「召喚盟友」(異世界調停機構に協力する異世界の仲間)を召喚できる。

 響友や盟友は機/鬼/霊/獣/無の5属性のいずれかに属していて、召喚師によって決められた属性の響友や召喚盟友が召喚できる。また、召喚術にはランクがあり、召喚するキャラクターの属性ランクに応じた術しか発動できない。召喚師の属性やランクは後述のクラスやアクセサリーによって変化する。

 使える召喚術が増えれば、より多くの状況に対応できるようになる。さらに召喚盟友が増えることで新たなパーティ能力が習得できるというメリットも。召喚盟友として過去作で登場したキャラクターも登場する。

サモンアシスト

 「サモンアシスト」は、アシスト人数に応じて、召喚術の消費MPが減少したり、威力がアップしたりするシステム。アシストしてもらうメンバーは攻撃などの行動後であってもOKと使い勝手がいい。ただし、アシストしたメンバーはMPを消費する。

アシストしてもらうキャラクターを選んだ後、発動する召喚術を選択すればサモンアシストが発動。消費MP減少、威力上昇など、アシスト人数に応じた効果が得られる

 これまで紹介してきた通り、様々なバトルシステムがあるため、「覚えることが多そう」と感じられるかもしれないが、順を追って新たなシステムが登場し、プレイしながら自然と習得できる作りになっている。

再戦/ミッション

 バトル自体に直接関わるものではないが、「再戦」と「ミッション」もここで紹介しておきたい。

 再戦は、クリア済みのイベントバトルに何度でも挑戦できるというもの。クリアすることで経験値やお金が得られるだけでなく、未達成のブレイブ条件を達成し、ブレイブメダルを回収することができる。

 登場する敵と同じ、もしくは低いレベルでバトルに挑んだ場合、達成するのが困難なブレイブ条件があるが、レベルを上げた後に再戦を利用すれば簡単に達成できる。また、ブレイブ条件は1回達成すれば達成済みとなるため、何回かに分けて挑戦し、1つずつ条件を満たせば、全てのブレイブ条件を達成することも難しくない。

 ミッションは通常のバトルとは違い、特殊な条件が課せられたバトル。こちらもクリアすることで経験値やお金が得られる。「スキル」や「召喚盟友」など、特別な報酬が用意されているミッションもある。

 中にはいくらキャラクターが強くなっても、頭を使わないとクリアできないパズルのようなミッションも。通常のバトルとは一味違った面白さがある。

経験値やお金稼ぎに便利な再戦とミッションだが、こちらも全滅したり、条件を満たさずに敵を倒してしまったりするとゲームオーバーになってしまう。イベントバトルと違い、ステージ途中で撤退が可能なため、クリアできないと思ったらすぐに撤退するようにしたい。撤退にはデメリットはなく、撤退までの状況に応じて、お金と経験値が得られる

 再戦とミッションのおかげで、戦闘を重ね、いくらでもキャラクターを強化できるため、シミュレーションRPGは本作が初という人であっても問題なくクリアまで辿り着けるはず。ちなみにバトルの難易度は「NORMAL」と「EASY」から選択でき、どちらを選んでもイベントや入手アイテムに違いはない。サクサク進めたいなら「EASY」を選ぶといいだろう。なお、難易度は1度選ぶと変更できない。

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(木原卓)