PSPゲームレビュー

サモンナイト5

任意で経験値を消費することで、キャラクターをレベルアップさせ、スキルを習得する強化システム!

任意で経験値を消費することで、キャラクターをレベルアップさせ、
スキルを習得する強化システム!

 召喚盟友を得たり、ミッションで奥義を習得する以外に、レベル/スキル/クラス/装備によるキャラクター強化がある。

 レベルアップのシステムは他のゲームと比べて少し変わっていて、経験値をいくら得ても自動でレベルアップすることがない。経験値を消費することでレベルが上げられるようになっている。

経験値を消費してレベルアップ! レベルアップ時にはボーナスポイントが得られ、任意で特定のパラメーターが上げられる。ただし、1レベルに対して割り振れるボーナスポイントには制限がある

 スキルの習得・強化にも経験値を消費する。習得できるスキルはクラスに依存し、クラス共通、各クラス専用の2タイプに分かれる。

 クラスは特定の条件を満たすことで増え、戦闘中でなければいつでもチェンジできる。選んだクラスによって基本ステータスや召喚ランクが変化する。

レベルアップと同様にスキルの習得・強化にも経験値が必要になる。中には最大まで強化することでマスター効果が得られるスキルも
クラスによって基本ステータスが変化。召喚師の場合は召喚ランクも変化する。育成方針に応じて、クラスを設定し、レベルアップでのボーナスポイントを割り振りたい

 レベルアップやスキル習得は任意で行なうため、序盤のチュートリアル的なステージであっても、レベルアップを怠っていると負けかねない。前述の通り、ゲームオーバーになるとセーブデータをロードしてやり直すことになってしまうため、イベントバトルの前にはセーブを欠かさないようにしてもらいたい。なお、イベントバトルに突入後であっても、バトル開始前の戦闘準備画面ではレベルアップやスキル習得、クラスチェンジ、装備変更が可能。そのステージに登場する敵の最大レベル以上であればクリアは難しくなく、3レベル以上高ければ、大抵のバトルは圧勝できる。

 装備品は武器とアクセサリーの2タイプ。武器はキャラクターによって数が異なる。新しい武器に持ち替えるのではなく、アイテムとお金を消費し、所持している武器を強化する方式をとっている。武器強化では攻撃力やクリティカル率などの上昇に加え、アクセサリーを消費することで、特殊な技を使えるようにしたり、特定属性を付与したりできる。

 響友や盟友も武器と同様にアイテムとお金で強化可能。使える召喚術が増えたり、消費MPが減るなどの恩恵が得られる。

鍛冶工房では、お金とアイテムを消費して、武器や響友が強化できる。強化に必要なアイテムは主にバトルで得られる。強化に必要なアイテムやお金が足りなければ再戦を利用するといいだろう

 アクセサリーは1つだけ装備でき、装備することでステータスや状態異常への耐性が上げられる。中には召喚ランクが付与されるものもある。通常、響友と同じ属性の召喚盟友しか召喚できないが、このタイプのアクセサリーを利用すれば他属性の召喚盟友が召喚できるようになることに加え、召喚師ではないキャラクターも召喚コマンドが使えるようにすらなる。

アクセサリーを装備することで、ステータスの底上げ、状態異常への耐性をアップしたりできる。アクセサリーはショップで購入したり、スキルを使って敵から奪うことなどで入手できる
召喚ランクが付与されているアクセサリーを装備すれば召喚師ではないキャラクターも召喚が使えるように!

最後に

 昨年7月に制作決定の発表があった後、ゲームアーカイブス版「サモンナイト」、「サモンナイト2」、PSPリメイク版「サモンナイト3」、「サモンナイト4」と順に発売され、ファンの期待の高まる中、とうとう発売に至った本作。前作(オリジナル版)からはなんと約6年半振りとなる。

 物語は単体で楽しめるように作ってありつつも、シリーズのキャラクターが登場するなど、ファンには嬉しい要素が詰め込まれている。また、飯塚武史氏が描く魅力的なキャラクターを活かしたアドベンチャーパートのビジュアルはとても美しく、物語を盛り上げてくれる。

 バトル面では、シミュレーションゲームに慣れ親しんだプレーヤーならすぐに取っ付けるようなバトルシステムでありつつも、自由度が高く、召喚といった独自性のある要素が組み込まれていることで、本作ならではのバトルが楽しめる。あえて言うなら、マップ全体がひと目でわかるようにカメラを引けるなり、全体の位置関係がわかるミニマップが表示できる機能、ゲームオーバー時にセーブデータをロードするのではなく、バトル前まで戻る機能、バトル演出や敵の移動がスキップできたりするオプションなどがあれば、より快適に遊べたのではないだろうか。

 難易度は「NORMAL」と「EASY」が選択できるが、残念ながら1度決めたら変更は不可。しかしながら、再戦やミッションでいくらでもキャラクターを強化できるため、難しくてクリアできないという事態は起きないだろう。難易度に関しては、レベルアップやスキル習得が任意な点、再戦やミッションを利用するかどうかにより、プレーヤーによって感じ方は大きく異なると思われる。筆者の場合、ミッションを一通りこなし、ブレイブメダル回収を兼ねて再戦を何度か利用し、レベルを充分に上げたため、難易度は低めに感じた。

 筆者のクリアタイムは難易度「NORMAL」で約31時間(※プレイスタイルで時間は前後する)クリア後にはスキルやパーティ能力、アイテム、お金などを引き継ぎ、主人公や響友を変更しての周回プレイが可能。2周目以降は経験値を多く入手できたりもするので、サクサクと進められる。夜会話など、収集要素をコンプリートするには何週ものプレイが必要になることだろう。

 ファンタジーの世界観が好きで、シミュレーションRPGに興味がある人には1度は試してもらいたい本シリーズ。「5」ではあるものの本作から始めても充分に楽しめ、少し時間をかければ誰でもクリアできる設計になっているので、シミュレーションゲーム初心者の人にもオススメしたい。

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(木原卓)