PS3ゲームレビュー
テラリア
コツコツ地道に作り上げていく感覚がたまらない!
- ジャンル:
- モノづくりアクションアドベンチャー
- 発売元:
- 開発元:
- Re-Logic/Engine Software
- プラットフォーム:
- PS3
- 価格:
- 4,179円
- 発売日:
- 2013年5月23日
- プレイ人数:
- 1~4人(オンライン時最大8人)
- レーティング:
- CERO:C(15歳以上対象)
(2013/5/23 15:00)
スパイク・チュンソフトは、プレイステーション 3用モノづくりアクションアドベンチャー「テラリア」を5月23日に発売した。価格はディスク版が4,179円、ダウンロード版が3,300円。ディスク版には、アイテムの作成方法と全アイテムの取得方法を掲載した「アイテムレシピ大全」(冊子)が同梱される。開発はRe-Logic/Engine Software。
「テラリア」は、土や木などのブロックで構成された広大な世界の中で、ブロックを自由に掘り素材を集め、アイテム作成や家などを建てながら独自の世界を作り上げていく“モノづくりアクションアドベンチャー”ゲーム。2011年5月に発売されたPC版「テラリア」は、累計販売数200万本以上を記録。PS3版は完全ローカライズのほか、新たなモンスター・装備品・ペットを追加。また、独自機能としてチュートリアルモード、全体マップ表示機能、オフラインマルチプレイモードが用意されている。
国内外のPCユーザーを中心に高く評価されている本作だが、実は筆者「テラリア」をプレイするのは今回が初めて。よって、ここでは予備知識を持たない人向けにファーストインプレッションをお届けする。
何をするゲーム? ~探索して集めた素材でアイテム作成!~
8bit風ドット絵が印象的な本作。まずはPS3版のオリジナル要素「チュートリアル」をプレイ。キャラクターの動かし方、アイテムの入手方法/使い方/切り替え方/作り方、魔物との戦い方、地面の掘り方、足場の作り方、家の建て方をサクッと教えてくれる。
見本なしのテキスト指示で操作するため、項目によっては「あれ、なんで合格しないの?」と若干頭を悩ませる人もいるかもしれないが、まずはあわてず「何をどうすればいいのか」しっかり確認して欲しい。家を作る際のブロックは、まず地面から順に置いていくことを忘れずに。1度設置したブロックは以後どこからどう削ってもいいのだが、最初だけはまっとうな物理法則が適用される。
ここで確実に覚えておきたいのは、右スティック押し込みによるカーソル操作モードの切り替え。右スティックでカーソルを動かす操作は「マニュアルカーソルモード」と「オートカーソルモード」の2種類があり、前者はPCのマウスよろしくブロック単位で細かく指定するときに適しており、後者は右スティックを倒した方向にCPUが最適と判断したブロックに自動でカーソルをあわせてくれる。後述する穴堀りのときは、オートカーソルモードが非常に便利だ。
基本的な事柄をだいたい把握したら、さっそくゲームを開始。主人公キャラクターの性別、髪型、髪・目・肌・シャツ・肌着・ズボン・靴の色、難易度、名前を決定。続いてはワールドサイズを「せまい」、「ふつう」、「おおきい」から選択すると、マップ構成がランダムで自動生成されていく。
自動生成されたマップにポン! 放り出される主人公キャラクター。まずは、剣、つるはし、斧といった初期装備を頼りに、マップ内を探索しつつ“素材”を集めることになる。余談ながら、ゲーム開始直後は「もちもの画面」で方向キーに「武器」、「つるはし」、「斧」など多用する装備やアイテムを登録しておくことをおすすめする。後述するが、本作では探索中に突如マモノ(敵)に襲われることが珍しくない。方向キーに登録しておけば、LRボタンでシーケンシャルに選ぶよりも迅速かつ安全確実。なお、方向キーの登録内容は1度ゲームを終了すると消えてしまい、ゲームを再開するたびに登録しなおしとなる。地味に面倒くさいため、後日アップデートなどで修正してもらえると非常にありがたいのだが……。
マップ内の地形は、木、土、石といった各ブロックで構成されている。木を切るときは斧、土や石を掘るときはつるはしをもってR1を押しっぱなしにすれば、切り倒された木や掘った土や石が“素材”に変化し、もちもの画面にストックされていく。集めた素材は、家のなかに設置したワークベンチ、かまど、かなどこで“アイテム”に加工する。「テラリア」では、新たな素材を入手することで作成可能なアイテムの種類がどんどん増えていく。
出現地点やマップの表層で手に入る素材では、目を見張るようなアイテムは作れない。そのため、プレーヤーはマップの幅以上に“地下”に向かってどんどん掘り進むことになる。実は本作、下に掘り進むほどレアな素材が手に入りやすくなる。ただし、掘り進んだ深度に比例して出現するマモノも強くなるため、それに対応する武器や防具の作成も重要になってくる。
冒険の拠点“家作り”~新たな家を作ってNPCを誘致しよう”~
ゲームを進めていくうえで、素材とあわせて必要不可欠なのが“家(ハウジング)”。家を作らないと落ち着いてアイテムが作成できないし、なにより夜間に出現するゾンビなどの強いマモノから身を守れない。ゲーム開始直後、探索に集中するあまり夜になって慌てて家を作るも間に合わず、といったことがないよう注意されたい。
家の構成は、チュートリアルにもあったとおり外壁(縦6ブロック×横10ブロック以上)、内壁(カベ)、ドア、ワークベンチ、イス、光源(たいまつなど)が最低条件。面白いのは、一定条件を満たすとさまざまなNPCが家に移り住んでくること。最初に作った家にはゲーム開始直後にいた「ガイド」が住み着くが、以降シルバーコインを50枚以上集めると「しょうにん」、ハートマークの体力最大値を増やすと「ナース」など、新たなNPCが順次姿を現わす。ちなみにNPCは“ひとりに1部屋ずつ”部屋が必要。大きな家を作り、その中に部屋を2つ作れば、2人のNPCを住まわせることもできる。
NPCは、冒険に役立つさまざまなアイテムを売ってくれる。最初にいるガイドも、助言だけでなくアイテムのレシピを教えてくれるなど、これまた実にありがたい存在。なお、作った家にNPCが居住できるかどうかは、その家にキャラクターを移動させて「ハウジング画面」で「ハウジングチェック」を行なえばすぐ確認できる。NPCは冒険を格段に楽にしてくれるので、余裕があれば随時チェックしておくといいだろう。
インタラクティブな楽しさ満載! ~コツコツ何かを作るのが好きな人はぜひ!~
本作は、いわゆる“箱庭”的な遊び方ができるアクションアドベンチャー。一般に、こういった作品はアバター的な楽しさに特化しがちだが「テラリア」はマモノとの戦いにも相応の比重が置かれており、そのあたりのバランスが実にいい。戦闘システムは極めてシンプルだが、そのぶん地形を使った戦い方など工夫のしがいがある。やや調整不足かな? と感じられた部分もあったが、まだ難易度ハードを体験していないのでこのあたりは要確認といったところ。
全体としては、マップを地道に切り崩して自分だけのフィールドを作り上げていく“コツコツ感”が楽しくて仕方がない。ベタな例えで恐縮だが、レゴブロックやジグソーパズル、あるいは帆船模型などに通じる“地道な努力”の積み重ね。それが、自由度の高いシステムを駆使したプレーヤーそれぞれの“創意工夫”により、さらなる奥行きと広がりを見せていく。
「こういうチマチマしたやつは性格的にあわない。絶対ヤダ!」という人もおられるだろうが、その一方で地道にコツコツやっていくような作品が愛しくて仕方ない! という人も数多くおられるだろう。200万本という販売実績はその最たる例といってよく、地面を掘り進めているグラフィックを見て「ピン!」ときた人は、この機会にぜひ手にとっていただきたい。
Published by 505 Games (and Spike Chunsoft for Japan region).
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