PS3/Xbox 360ゲームレビュー

バイオショック インフィニット

超能力ビガーと多彩な銃器を組み合わせ、戦え!

多彩な銃器が登場する。武器によって戦い方は異なってくる
ビガーを入手すると体に大きな変化が

 本作は多彩な武器と「ビガー」が登場する。ビガーは“超能力”で、ゲームが進んでいく中でブッカーは様々な能力を獲得していく。ビガーの取得には薬を飲む必要がある。薬を飲むと手に穴が開いたり、燃え上がったりとグロテスクな演出が入る。「そんな薬を体に取り入れて大丈夫なのか?」と心配になってしまう演出は、これまでの「バイオショック」シリーズを受け継ぐもので、ファンはニヤリとさせられるだろう。

 ビガーの「マーダー・オブ・クロウ」は凶暴なカラスを呼び出し攻撃する能力。威力は低いが自動追尾で敵を攻撃し、敵の足止め効果が高い。地面に巣を埋め込み地雷のように使うことも可能だ。「デビルズ・キス」は炎の球を投げつける。当たると炎が飛び散り近くの敵をまとめて攻撃できる。こちらは追尾機能がないため、外さないようにしたい。

 「ショック・ジョッキー」は電撃を浴びせる能力。こちらもスタン効果があり、アメリカ大統領のワシントンの姿を模したロボット「モーター・パトリオット」など機械系の敵に有効なビガーだ。「バッキング・ブロンコ」は敵を空中に持ち上げる。浮かび上がった敵は銃で撃つとダメージが増加する。素早く動く敵に使うと有利に戦える。

 銃器はピストル、マシンガン、ショットガン、スナイパーライフルにRPGと豊富に揃っており、さらにより強力なマシンガンの「バーストガン」やグレネードランチャーの強化版「ヘイルファイア」といった武器もゲーム後半に登場する。

 武器は1度に2つしか持てないので、状況に合わせて持ち代える必要がある。マップ内にはティアで出現させられる武器がある場合もある。この時は武器の選択の幅が広くなる。ティアでスナイパーライフルを出現させて遠くの敵を撃ち倒してから、スナイパーライフルを捨て、代わりに落としていたショットガンを装備して接近戦を挑む、といった戦い方もできる。

 ビガーや武器はゲーム内のお金を使って強化することができる。全体的に強化の金額は高いため、すべてを強化することはできない。筆者の場合は、武器はショットガンとマシンガンに頼ることが多く、この2つを重点的に強化した。グレネードランチャーやRPGは威力は高いが弾数が少ないため、弾切れに不安があってあまり活用しなかった。武器の所持を2つに制限しているところからどうしても汎用性の高い武器に頼ってしまった。今回は武器を2つしか同時に持ち歩くことができないが、やはりゲーム性的に4つくらい武器を持ち歩けてもいいのではないかと思った。

 「バイオショック インフィニット」はステージを選択して再挑戦できるので、ステージの構成を把握した後、様々なアプローチで再挑戦できる。多彩な銃器は“やりこみ要素”としての一面もあると感じた。「マーダー・オブ・クロウ」で足止めしてから「デビルズ・キス」を食らわせるといったビガーの組み合わせ、武器との活用ももっと試していきたい。

 「バイオショック インフィニット」は1作目の「バイオショック」を手がけたIrrational Gamesが開発している。「バイオショック」では武器の弾も代えることができ、正面から勝つことが難しい「ビックダディ」をいかに迎え撃つかという、“罠を準備する”という独特のゲーム性があった。

 今作「バイオショック インフィニット」はそういった従来のアクションシューティングとは異なるゲーム性よりも、積極的に攻撃するという比較的オーソドックスなアクションシューティングのスタイルになっている。この部分は前作のファンにとっては賛否両方の感想を持つだろう。とはいえ本作の戦うシチュエーションは多彩で、様々な要素を組み合わせることで戦いの幅は広がり、「バイオショック」とはまた違った楽しさを間違いなく持っている。「バイオショック インフィニット」ならではの戦いを追求していきたい。

【スクリーンショット】
ピストルやマシンガン、RPG……銃は2つしか持ち運べない。どう組み合わせて使うかも重要だ
敵を味方につける「ポゼッション」
カラスをまといつかせて動きを封じる「マーダー・オブ・クロウ」
敵を浮き上がらせる「バッキング・ブロンコ」
電撃を浴びせる「ショック・ジョッキー」
銃やビガーのパワーアップの他、ステータスのアップできる薬品や、特殊な能力を付与できる「ギア」といった要素も
Amazonで購入

(勝田哲也)