「GALLERIA RL5C-R35T」レビュー

GALLERIA RL5C-R35T

どんなゲームでも戦える高コスパ薄型ゲーミングノートに新モデルが登場! 「Apex Legends」で早速検証してみた

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
149,980円(税込)
発売日:
2021年7月15日

 サードウェーブから、ゲーミングPCブランド「GALLERIA(ガレリア)」の2021年夏のノートPC、4モデルが発表された。

 GALLERIAは、国内を代表するゲーミングPCブランドとして高い人気と知名度を誇り、多くのPCゲーマーや、eスポーツアスリートがGALLERIAシリーズの製品を愛用している。

 今回発表された4モデルは、最新世代のCPUやGPUを搭載したモデルであり、よりコストパフォーマンスが向上した魅力的な製品だ。ここでは、その4モデルの中で2番目に性能が高いモデルである「GALLERIA RL5C-R35T」を試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。

【GALLERIA RL5C-R35T】
15.6型液晶を搭載したゲーミングノートPC「GALLERIA RL5C-R35T」

インテルの最新第11世代CPUとNVIDIAの最新GPUを搭載

 「GALLERIA RL5C-R35T」(以下、RL5C-R35T)はミドルレンジ上位に位置するゲーミングノートPCである。まずは、基本スペックから見ていこう。

【GALLERIA RL5C-R35T】
CPU:インテル Core i5-11400H(6コア/12スレッド、2.70GHz~4.50GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti(4GB)
チップセット:HM570
メインメモリ:16GB DDR4-3200MHz SO-DIMM(8GB×2)
ストレージ:512GB NVMe SSD
液晶ディスプレイ:1,920×1,080ドット(FHD)、15.6型144Hz 非光沢液晶
光学ドライブ:なし
OS:Windows 10 Home
電源:120W ACアダプター(19V)
本体サイズ:360×244×20mm(横×縦×厚さ)
本体重量:約2.0㎏(バッテリー含む)
価格:149,980円(税込)

 CPUは、インテルのCore i5-11400Hを搭載。最初の2桁が11になっていることからもわかるように、2021年5月に登場したばかりの最新の第11世代Coreプロセッサーであり、開発コードネームTiger Lake-Hと呼ばれていた製品である。

 Core i5-11400Hは、6コアのCPUであり、最大12スレッドを同時に実行可能だ。また、ベースの動作周波数は2.70GHzだが、負荷に応じて最大4.50GHzまで向上する。Core i5とはいえ、6コアなので、数世代前の4コアのCore i7よりも高い性能を発揮する。極めてコストパフォーマンスの高いCPUだ。

 そしてゲーミングPCでは、CPU以上に重要になってくるパーツがGPUだ。本製品では、NVIDIAの最新世代GPUGeForce RTX 3050 Tiが搭載されている。ご存じの通り、ここ数年、マイニング需要やAI需要などでGPUの供給が逼迫しており、特に上位の製品は本来の想定価格よりも価格が上がってしまっている。RTX 3050 Tiは、RTX 2060と同程度の性能を備えながら本体価格に影響を与えないようになっており、コストパフォーマンスに優れている。

 メインメモリは16GBで、最新ゲームをプレイするにも十分だ。ストレージは、NVMe対応の高速SSDで、容量は512GBである。こちらも、ゲームのプレイが中心なら不満はないレベルだ。

 本体のデザインは、メタリックグレーを基調としたシンプルなデザインは目立ちすぎず、好感が持てる。厚さが20mmと、ゲーミングノートPCとしてはトップクラスのスリムなボディで、重量も約2.0kgと軽いため、持ち運びも苦にならない。ACアダプターは120W仕様でやや大きいが、こちらも重量は実測で約568gであり、十分、本体と一緒に持ち運びできる圏内だ。バッテリーは3セルの46.74whであり、バッテリー駆動も一応可能だが、バッテリー動作だと液晶のリフレッシュレートが30Hzに固定されてしまうため、ゲームプレイには向かない。フレームレートをあまり意識しなくていい軽めのゲームや、メールチェックやネットサーフィンなどで活用したいところだ。

【本体外観など】
GALLERIA RL5C-R35Tの上面
GALLERIA RL5C-R35Tの底面
付属のACアダプター
ACアダプターの仕様
本体の重量は実測で1885gであった
ACアダプターの重量は実測で568gであった
デバイスマネージャーを開いたところ

144Hz対応の非光沢液晶が魅力!

 本製品は、1,920×1,080ドット(フルHD)対応の15.6型液晶ディスプレイを搭載している。ゲーミングノートPCを選ぶ際に、忘れてはならない重要なポイントが、液晶ディスプレイのリフレッシュレートだ。リフレッシュレートとは、液晶の画面を書き換える間隔のことで、1秒間に何回書き換えが可能かを表す数値だ。例えば、リフレッシュレート60Hzの液晶なら、1秒間に60回の書き換えが可能なのに対し、リフレッシュレート120Hzの液晶なら、1秒間に120回の書き換えが可能である。当然、リフレッシュレートが高ければ高いほど、素早い動きもカクカクした感じがなくスムーズに表示されるのだが、その分コストも高くなる。

 また、液晶のリフレッシュレートは、あくまで液晶が書き換え可能な最大スペックを表しているものであり、実際のゲーム時に、どれだけフレームレートを上げられるかというのは、CPUやGPUの性能に依存する。例えば、リフレッシュレート240Hz対応の液晶ディスプレイを搭載したゲーミングノートPCでも、CPUやGPUがローエンドなものだと、実ゲームでは30fpsも出せないといったことになりかねない。

 一般的なノートPCでは、リフレッシュレート60Hzの液晶が採用されているが、本製品では、倍以上の書き換え速度を誇るリフレッシュレート144Hz対応の液晶が採用されている。144Hzと60Hzの差はかなり大きく、eスポーツ大会で好成績を獲得しているようなプロゲーマーでなくとも、FPSやTPSのプレイヤーなら、すぐに気がつくはずだ。

 ちなみに筆者の息子は、「Apex Legends」にハマっており、数年前に自作したゲーミングデスクトップPCで、毎日「Apex Legends」をプレイしているが、60fpsでは動きがカクカクして、エイミングがやりにくいといっている。最新の高性能ゲーミングデスクトップPCを借りる機会があったのだが、そちらで「Apex Legends」をプレイすると、平均フレームレートが200fps程度出ていたので、そっちに慣れてしまうと、平均60fpsそこそこしか出ない自分のゲーミングPCでは、プレイの快適さがかなり落ちてしまい、戦績にも影響するとのことだ。

 ハイエンドなゲーミングディスプレイでは240Hzや300Hz対応製品も登場しているが、60Hzと144Hzの差と144Hzと240Hzの差では、前者の方が大きい。また、最新ゲームで240fpsを安定して出すにはかなり高性能なCPUやGPUが必要になり、ノートPCではなかなか難しい。そうしたことから勘案しても、リフレッシュレート144Hzの液晶パネルを搭載するというのは、バランスのよいチョイスである。

 そして特筆しておきたい点として、液晶ディスプレイの表面処理が、いわゆる光沢(グレア)加工ではなく、つや消しの非光沢(ノングレア)加工になっていることも高く評価できる。光沢液晶は、一見鮮やかに見えるが、周囲の外光が映り込みやすいため、eスポーツに代表される競技シーンには適さない。また、長時間プレイしたときの目への負担も非光沢の方が少ない。液晶周囲の額縁(ベゼル)部分も狭く、見た目もすっきりしている。液晶上部には、HD画質のWebカメラとWindows Hello対応の顔認証用IRカメラが搭載されており、ビデオ会議や顔認証でのログオンが可能だ。

【液晶ディスプレイ】
液晶は144Hz対応で、解像度は1,920×1,080ドット。表面処理は非光沢仕様だ

豊富なインターフェイスもチェック。RGB LED搭載のテンキー付キーボードを採用

 キーボードはテンキー付きの全102キーで、配列は日本語仕様だ。主要キーのキーピッチは実測で約19mmで窮屈には感じないが、「ね」や「る」などの一部のキーピッチがやや狭くなっていること、右SHIFTキーが小さいこと、テンキーにカーソルキーが食い込んだような配列になっていることなど、配列には気になる点もあるが、ゲームをプレイするという観点からはあまり影響はないだろう。

 キーボードの剛性感は高く、キータッチも心地よい。また、キーボードにはRGBシングルバックライトが搭載されており、発光色を専用ユーティリティ「Gaming Center」によって自由に変更できる。キー1つ1つを別の色で光らせることはできないが、キーボード全体の色を無段階にレインボーカラーで変えていくことも可能だ。

 キーボード右上には、電源スイッチと動作モード変更スイッチが用意されている。動作モードはOfficeとGamingの2種類があり、動作モード変更スイッチを押すたびに切り替わる(Gaming Centerでも変更可能)。Officeモードでは、液晶のリフレッシュレートが30Hz固定となり、パフォーマンスも低下するかわりに、その分ファンの音やバッテリー消費を抑えられる。なお、キーボードのバックライトはバッテリー駆動時は点灯しない。

 ポインティングデバイスとしてはプレシジョン(高精度)タッチパッドを採用。タッチパッドのサイズは実測で約116×75mmと大きく、プレシジョンタッチパッドということで操作性も良好だ。

【キーボードとタッチパッド】
キーボードバックライトの発光色を赤にしたところ
キーボードバックライトの発光色を緑にしたところ
設定ユーティリティの「Gaming Center」
「Gaming Center」でキーボードバックライトの色を設定できる

 RL5C-R35Tは、インターフェイスも豊富に搭載している。右側面には、SDカードスロットとUSB 3.1 Gen1 Type-A×2、左側面には、USB 2.0 Type-Aとマイク端子、ヘッドホン端子、背面には、USB 3.1 Gen2 Type-CとHDMI出力、有線LANポートが用意されている。USBポートは合計3つあるので、マウスなどを繋ぐにも十分であろう。有線LANは2.5Gbps対応であり、高速転送が可能だ。無線通信機能も充実しており、最新のWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応した無線LANと、Bluetooth 5.1を搭載する。

【RL5C-R35Tのインターフェイス部分】
RL5C-R35Tの右側面
RL5C-R35Tの右側面のアップ。SDカードスロットとUSB 3.1 Gen1 Type-A×2が用意されている
RL5C-R35Tの左側面
RL5C-R35Tの左側面のアップ。USB 2.0 Type-Aとマイク端子、ヘッドホン端子が用意されている
RL5C-R35Tの背面
RL5C-R35Tの背面のアップ。USB 3.1 Gen2 Type-CとHDMI出力、有線LANポートが用意されている

ゲームでのパフォーマンスをチェック! 「FFXIV」最新拡張も快適に遊べる!

 「RL5C-R35T」が完成度の高いゲーミングノートPCというところがわかったところで、もっとも気になるゲームでのパフォーマンスについて見ていこう。

 まず、先日公開されたばかりの国産MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークテスト「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を実行してみた。

 1,920×1,080ドット最高品質でのスコアは12728で「とても快適」という評価、1,920×1,080ドット高品質(ノートPC)でのスコアは14213で同じく「とても快適」という評価で、本機でとても快適にプレイできるという結果が示された。

 「FFXIV」のベンチマークは、拡張パックがリリースされるタイミングに合わせてアップデートされており、今回使った「暁月のフィナーレ」は7月11日に公開されたばかりの最新ベンチマークで、スコアの評価基準が大きく変更されている。以前のベンチマークでは、スコアが7,000を超えると、一番上の評価である「非常に快適」になっていたのだが、今回のベンチマークでは、15,000超が「非常に快適」に変更されている。2021年11月に登場予定の最新拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」では、負荷の高い多人数コンテンツが増えるため、それを想定したものとなっているのだ。さすがに15,000超は出なかったが、「とても快適」は上から2番目の評価であり、2021年11月に登場する最新拡張パッケージも快適にプレイできるといってよい。

 また、超精細なグラフィックスで負荷が高いRPG「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークテストでは、1,920×1,080ドット高品質でのスコアは5401で「やや快適」という評価に、1,920×1,080ドット標準品質でのスコアは7595で「快適」という評価になった。さすがに、「FFXIV」ほどの余裕はないにしても、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」も不満なくプレイできるパフォーマンスを持っているといえる。

 さらに、ストレージ性能を計測する「CrystalDiskMark 8.0.3」は、シーケンシャルリード(Q8T1)が2508.05MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が1727.66MB/sという結果になった。NVMe対応SSDでは、シーケンシャルリードが3000MB/sを超える製品もあるが、RL5C-R35Tのストレージも十分に高速であり、OSやゲームの起動もあっという間だ。

 また、Gamingモードでゲームをプレイしたり、ベンチマークテストを実行しても、ファンの音が極端に大きくならないことも嬉しい。Gaming Centerで、ターボモードをオンにすると、ファンが最大回転数になり、少し音が気になるが、通常モードなら音に関しても十分合格だ。

【各種ベンチマーク結果】
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」1,920×1,080ドット最高品質の結果
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」1,920×1,080ドット高品質(ノートPC)の結果
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」1,920×1,080ドット高品質の結果
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」1,920×1,080ドット標準品質の結果
「CrystalDiskMark 8.0.3」の結果

「Apex Legends」ではコンソールを上回る144fpsでのプレイも可能!

 続いて「Apex Legends」を対象に、具体的なゲームのパフォーマンスを見ていこう。

 最初に「Apex Legends」でのフレームレートを計測してみた。計測にはFrapsを用いて、実際のゲームプレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート、最低フレームレートを5回計測し、その平均を採用した。

 まず、「Apex Legends」の画質に関する設定はデフォルトのまま計測したところ、平均フレームレートが95fps、最高フレームレートが128fps、最低フレームレートが69fpsという結果になった。「Apex Legends」をやりこんでいる息子に感想を聞いたところ、「普段は、自作ゲーミングデスクトップPCで『Apex Legends』をプレイしているが、それだと画面がカクカクするのが気になる。このノートPCでプレイしたら、画面の表示がずっと滑らかでプレイしやすい。戦績もよくなった。以前借りていた最新の高性能ゲーミングデスクトップPCに近い感じ」とのことだ。

 本機ではこのデフォルト状態でも「Apex Legends」を十分快適にプレイできることがわかったが、見た目にあまり影響しない範囲で、画質に関する設定を変更することで、さらにフレームレートを上げることができる。PS5の「Apex Legends」は現在60fpsが上限になっているが、近日中に120fpsへの対応を表明している。フレームレートに上限のないPC版では、今後120fpsが下限になってくるだろうし、本機は144Hz対応液晶を搭載しているのだから、その性能を最大限に発揮できるように、平均フレームレートが144fps近くになる設定を探してみた。

 その設定が以下の画面キャプチャだ。この設定でフレームレートを計測したところ、平均フレームレートが143fps、最高フレームレートが190fps、最低フレームレートが108fpsまで向上した。この設定では、室内光の表現などがカットされるが、ゲームをプレイする上ではほとんど気にならない。息子にこの設定でプレイさせてみたところ、「さらに滑らかになった気がする。こっちのほうがいいな」との感想だった。たまたまかも知れないが、この設定で数回プレイしていたら、チャンピオンにもなったようだ。

 参考までに、平均フレームレートが120fps近くになるような設定も紹介する。この設定でフレームレートを計測したところ、平均フレームレートが120fps、最高フレームレートが153fps、最低フレームレートが92fpsとなった。平均フレームレート144fpsの設定よりも画質は多少上がっているので、144fpsまでは不要だという人は、こちらの設定もお勧めだ。

【「Apex Legends」で性能を徹底検証】
「Apex Legends」をプレイしている息子
平均フレームレート144fps近くを出すための「Apex Legends」のビデオ設定(その1)
平均フレームレート144fps近くを出すための「Apex Legends」のビデオ設定(その2)
平均フレームレート144fps近くが出る設定で息子が2,3回プレイしたら、チャンピオンになった
部隊の合計キル数は10で、息子は4キル1アシストという結果
平均フレームレート120fps近くを出すための「Apex Legends」のビデオ設定(その1)
平均フレームレート120fps近くを出すための「Apex Legends」のビデオ設定(その2)
画質とフレームレートのバランスがとれた設定ともいえる

ゲーミングノートPCを知り尽くしたサードウェーブらしい魅力的な製品

 今回紹介したRL5C-R35Tは、最新CPUと最新GPUを搭載したゲーミングノートPCであり、パフォーマンス、使い勝手、価格の三拍子揃った魅力的な製品だ。GALLERIAシリーズのゲーミングノートPCの中ではミドルクラスとなる製品だが、現時点で登場しているゲームだけでなく、今後登場するゲームも快適にプレイできるだけのパフォーマンスを備えている。長年GALLERIAシリーズを開発してきたサードウェーブらしい製品であり、初めてゲーミングノートPCを購入するという人はもちろん、数年前に買ったゲーミングノートPCのパフォーマンスに不満があるという人にもお勧めしたい。また、ゲーミングノートPCは、通常のノートPCよりも性能が高いため、ゲーム以外の用途で使う場合でも快適だ。テンキーを備えており、外観も特に奇抜なデザインではないので、3D CADなど負荷の高いアプリを使って仕事をしている人にもお勧めできる。

【完成度の高いゲーミングノートPC】
完成度の高いゲーミングノートPCであり、幅広い層にお勧めできる