PS4版「レムナント:フロム・ジ・アッシュ」レビュー
レムナント:フロム・ジ・アッシュ
射撃と近接戦闘を両立させたアクションが新しい、探索型のアクションシューティング
- ジャンル:
- サードパーソン・アクションシューティング
- 発売元:
- DMM GAMES
- 開発元:
- Gunfire Games / Perfect World Entertainment
- プラットフォーム:
- PS4
- 価格:
- 4,980円(税別、通常版)/5,980円(税別、ダウンロードデラックス版)
- 発売日:
- 2020年6月25日
2020年6月18日 18:00
DMM GAMESは、アクションシューティング「レムナント:フロム・ジ・アッシュ」のプレイステーション4版を6月25日に発売する。昨年Steamや北米PS4にて発売された同作の日本語ローカライズ版であり、異次元から現れた生命体「ルート」の侵略によって荒廃した世界を舞台に激しい戦いを体験するサードパーソンシューティングである。
TPSながら、銃撃戦のみならず近接戦にも展開するハードなアクションが特徴で、3種類から選ぶ「アーキタイプ」や、スキル的な役割を持つ「武器Mod」&「トレイト」といったカスタマイズにより、自分好みのキャラクターを育てていくことも大きな魅力だ。
高難易度をうたう本作は、最大3人のオンライン協力プレイにも対応しているが、今回のレビューは発売前にプレイをしているため、ソロでのキャンペーンのプレイを主体としている。1人でも十分に楽しくプレイできたことを前置きしつつ、その内容と感触などをお届けしていこう。
軽快なアクションで、未知の生命体「ルート」に対抗せよ
小さな船で嵐の海を行くプレーヤーが目指すのは、孤島にそびえ立つ1つの塔。ところがそこへたどり着く前に船は転覆し、プレーヤーは海原へと投げ出されてしまう。何とか陸地にたどり着いたプレーヤーだったが、そこで出会った1人の人物とともに無数のクリーチャー達に襲われてしまう。そんなプレーヤーを助けたのは本作の主な敵、「ルート」に対抗する「Ward 13」なる組織の司令官だ。借りを作ってしまったプレーヤーは彼らに協力し、組織の創設者である人物の行方を追うこととなる。
プレーヤーがおもむく世界は次元を超えた先にあり、ストーリーを進行していく「キャンペーン」と、自動生成された世界の中で戦っていく「アドベンチャーモード」がそれぞれ独立して存在している。今回主にプレイをしたのは前者で、拠点となるWard 13での依頼を受け、その内部にある「クリスタル」から異世界へとアクセスしていくのである。
「ルート」は未知の生物であり、人間対人間のTPSで展開する銃撃戦とは趣の異なる戦闘が展開。ゲーム開始時にプレーヤーに最初に支給されるのは、セミオートながら連射の効く「ハンドガン」と、装弾数や連射は劣るものの単発の威力が高い「ロングガン」、そして肉弾戦に使用する「近接武器」の3カテゴリーの武器で、どれも決して上等なものではなく、弾薬も限られるため、ヘッドショットや後述する「武器MOD」などで敵の弱点を突いていく戦術は有効で、さらに無敵時間のある回避を交えた近接戦闘のアクションも重要となっている。
またこの手のシューターとしては珍しくスタミナの概念があり、走り続けたり連続して回避したりする回数が限られるため、それを考慮した立ち回りも必要となる。この手触りはなかなか新鮮で、本作の大きな特徴でもある。
人間のような四肢を持つルートに関しては、頭部とおぼしき部分へのヘッドショットは有効となるが、弱点が頭ではない者や銃撃に耐性を持った者なども登場するので、狙っていくべき戦い方であるものの絶対ではない。またルート達の攻撃手段についても、異界のクリーチャーらしい、こちらが考えつかないようなことを行なってくる者もいるため、繰り返し戦ってその性質を見極めることは必須だ。特に新たなエリアに移動したときなどは新たな敵が登場する可能性もあり、場合によってはわざとやられてみるのも戦略のひとつとなるだろう。
なおプレーヤーのアクション自体にはクセがなく、軽すぎず重すぎずの快適な操作感で、さらにエイムのアシストなどもあり、取っつきやすいバランスなのは高く評価したい点だ。
3種の「アーキタイプ」によって、戦闘スタイルが大きく変わる
プレーヤーの分身となるキャラクターは、性別やルックスを設定できる他に、ストーリーの序盤で3種の「アーキタイプ」を選ぶことになる。これはキャラクターのクラスのような位置付けで、中距離の戦闘に長けた「EX-カルティスト」、長距離射撃が得意な「ハンター」、強力な近接武器を初期装備で持つ「スクラッパー」が存在し、それぞれは支給される武器と、特殊能力を発揮する「武器MOD」、そしてキャラクターの能力値を上げる「トレイト」における初期パラメータが異なり、装備する防具によりルックスもずいぶん違っている。
ゲームを進めると別のアーキタイプが持つ武器が入手可能となり、武器MODやトレイトも後に習得可能となってはいるものの、それぞれは序盤から秀でた能力を発揮するので、基本的にはプレイスタイルに合わせて選ぶのがベストかと思われる。筆者はEX-カルティストを最初に選んで進めたが、後のプレイで選んだハンターのハンティングライフルによる遠距離射撃の気持ちよさと、敵の居場所をマーキングして攻撃効果を高める武器MOD「ハンターズマーク」の便利さに気づき、本稿執筆後はそちらを優先して進めようと考えていたりする。
武器MODは武器に装備する能力であり、その武器を使って戦うとパワーがチャージされ、フルになったところで発動できるアクティブスキル的なものだ。前述の「ハンターズマーク」の他、規定範囲内のプレーヤーのヘルスを回復する「メンダーのオーラ」や、撃った弾に炎上属性を付加する「ホットショット」など、効果は複数あり、プレイスタイルや戦況によって装備を変えて挑むというのが戦略となっている。
一方のトレイトは、レベルアップ時やアイテムとして入手する「トレイトポイント」を振り分けることでプレーヤーの能力を高めるパッシブスキル的なもの。ヘルスやスタミナの上限値や武器MODパワーの溜まる量、敵がこちらを感知する範囲など、こちらも複数が存在し、ゲームを進めることで振り分けられる項目が増えていくようになっている。
マップ探索においての素材やスクラップ(本作でにおける資金)の入手、そして敵との戦闘による経験は、これらのプレーヤーをパワーアップさせる要素に直結していて、積極的にゲームを進めることでプレーヤーが強くなっていくRPG的な面白さも備えている。
廃墟として構築されたフィールドでの探索や戦闘が楽しい!
本作のフィールドは、拠点となるWard 13のクリスタルから転送される異世界であり、キャンペーンの場合はイベントの目的によっておもむくエリアが増えていく仕組みだ。行く先のエリアはどこも退廃的な情景のもとに構築されていて、その手の世界観が好きな人には魅力的に感じられるはず。プレーヤーはそこに点在する「チェックポイント」を目指して探索や戦闘を行なっていくわけだが、その間にはダンジョンの出入り口やボスが存在することもあり、探索はより密度の濃いものとなるだろう。
もちろんそこには無数のルート達がはびこっているわけだが、原則として彼らはチェックポイントで休憩することで復活するため、“敵を先に倒してから休憩して進む”という攻略は通用しない。その反面、戦闘を繰り返してトレイトを増やしたり、資金を稼いだりすることができることもお伝えしておきたい。
キャンペーンと並行して進められるアドベンチャーモードでは、探索と戦闘に特化したダンジョンが展開され、キャラクター強化のためのアイテム収集や、プレーヤー自身の腕を磨くにはうってつけのモードであり、報酬を目当てにチャレンジしてみるのもいいかもしれない。
クセになるハイブリッドなアクションを堪能しよう!
派手さはないものの、ストーリーや世界観もしっかりと構築され、総合的な完成度の高さを実感できた本作。オンラインでの協力プレイも想定されていることもあり、ソロプレイでは難易度「ノーマル」の設定でも若干難しい印象はあったものの、決して無理な難しさではないというのがニクいバランスだ。
シューターとアクションを融合したハイブリッドなプレイフィールにはちょっとした中毒性があり、このレビューをある程度執筆できるところまで進めた以降も、時間を見て黙々と進めてしまうほどであった。この先では強力かつかなり個性的な武器も手に入るという情報もあり、さらにやり込んでみようと思った次第だ。ソロでもマルチでも楽しめる手触りのいいアクションを、ぜひこの機会に体験してみてほしい。
Published by EXNOA LLC. © 2020 Perfect World Entertainment Inc. and Gunfire Games, LLC. All rights reserved. Developed by Gunfire Games, LLC. Remnant: From the Ashes and Gunfire Games are trademarks, service marks and logos owned by Gunfire Games, LLC.