「フレームアームズ・ガール シルフィー」レビュー

フレームアームズ・ガール シルフィー

FAガールが「デスクトップアーミー」とコラボ。入門者にもサクッと組める難易度でお手軽&キュート

ジャンル:
  • プラモデル
開発元:
  • コトブキヤ
価格:
4,800円(税別)
発売日:
2018年9月27日

 Dear 本稿をごらんの皆様。皆様はコトブキヤの”オリジナル”プラモデルシリーズに触れたことはあるだろうか。オリジナルロボットシリーズ「フレームアームズ」にはじまり、それを美少女化したスピンオフシリーズ「フレームアームズ・ガール」、未来のプラモデル対戦コンテンツをイメージして展開される「メガミデバイス」、そして「キットブロック」として細分化されたパーツを組み合わせ自由にメカを創り出す「ヘキサギア」と武器やディテールを追加して楽しむ「M.S.G」シリーズ。

 これらのシリーズは総じて広大かつ深遠な”沼”を構築するほどに魅力的で組み立てる方も楽しい――と私は思っているのだが、たとえば「方々で見かける作品がどれもハイクオリティ」だとか「組み立てが複雑そう」とか、そういう点で……もしかして、ハードル、上がってない?と。

パッケージアートもBLADE氏によるもの。明るい彩度で可愛さUP

 本稿で紹介する「フレームアームズ・ガール シルフィー」は、メガハウスが展開する「デスクトップアーミー」と「FAガール」がコラボしたものだ。イラストレーターのBLADE氏がデザインしたちまっとコンパクトな体躯に、「FAガール」にある3mm径軸&ハードポイントや幅広い可動域を追加してコトブキヤ各種製品群との互換性を広げている。以下でその魅力を語りつつ、初心者の方々には「自分にもできるんじゃないか?」みたいな気分になって頂こうと思う。願わくば読み終わったらすぐ模型ショップに走って買って組んで沼に落ちて。

シンプルイズベスト、とりあえずこれ持っておけばOK

 まずは道具だよな、というところ。筆者は「気が向いたら/アイデアが降りてきたら塗装する」属「ブンドドを楽しみたい」系ファンで、今回の「シルフィー」はとりあえず素組み――塗装なし、接着なし、成型そのままを活かすためゲート処理は最大限という方針で組み立てた。

 そこで使用したのは、片刃ニッパーとデザインナイフ。デザインナイフはパーツを切断した際にできる細かい出っ張りを削ぎ落とすために使っている。安く済ませるなら細身のカッターでもいい。片刃ニッパーは……かっこ付け。ゲートを残して切断→切り詰めて切断する「2度切り」の手間を減らすという点で便利だし、パーツに余計なダメージを加えず白くなる部分が少なく済むという点で実際便利。削ぎ落としの部分を丁寧にやるならもっと安価なニッパーでも十分、なはずだ。

 組み上げるだけなら、これさえあれば十分。まずはプラモデルを組む楽しさを知ってほしい。あとは塗装だとか、改造だとか、「やりたいこと」に合わせてそれぞれ道具を揃えていけばいいんだ。

パーツ点数は少なめ、なのに可動域はバッチリ

 次いで収録されたランナーを見ていこう。マルチカラー成型のためランナー数自体は16枚と多めだが、パーツ数自体はあまり多くない。各部位のパーツは可能な限り一体化されているが、そのなかでイメージに近いカラーリングと可愛らしいフォルム、幅広い可動域からなる遊ぶ際の楽しさを両立させている。

ボディ
髪パーツと武装の一部
台座と武装、関節
表情パーツは3種、これに加えてタンポなしパーツに貼り付けるデカールが付属

 それぞれのパーツはスネと胴の黄色いチップ状のパーツを除き、指でつまんでもしっかり保持できるサイズなのではめ込みやすい。手足の付け根にくる球体状の関節はハマったときにパチリとしっかりした感触があるのでわかりやすいし、髪パーツは多少細かく分かれているが完成後の表情パーツ変更を容易にすべく前髪、後ろ髪、カチューシャ状のヘッドパーツとユニット化されている。

文字通り、シルフィーの顔になる部分。もふもふの髪
細分化されたパーツによる多色構成の腕パーツ。美しい

 そして、100円玉4枚程度のコンパクトサイズにモリモリと可動域を詰め込む……というのが本製品における設計の妙技である。ひねりと曲げの可動を分化したり、関節を複数設けることによって、まるでリアルな人間のように鋭い角度まで手足を曲げ、背を丸め、首を回し見上げ見下ろせる。その名の通り風の妖精のごとく舞うツインテールもグリグリと動かせるので、好みのポージングを心ゆくまで表現できるのだ。

思い切り曲がる関節。かかとには展開式のアンカーを備え接地性を向上

 また、股関節には引き出しギミックを組み込むことで蹴り上げ角度を確保。組み上げたら思い切って――しかし優しく――グッと引っ張ろう。大胆なポーズも簡単につけられる。

小さな身体に大きな魅力、シルフィーはかわいい

繊細なこだわりまで貫き通す、ここすき

 お腹。

 本稿に掲載している画像でおわかり頂けるかどうかという点だが、お腹。イラストを忠実に再現し、つるりと、ぷにっと、ぴっちりと、されどもっちりと成型された、お腹。ランナーの時点で思わず2度見する。

もうこの時点で感じる「圧力」

 とくに「FAガール」に言えることだが、必ずどこかでとんでもないこだわりを感じさせる成型がある。「シルフィー」に加え「フレズヴェルク」と「バーゼラルド」はお腹、「轟雷」はあの……なんていうの……下部装甲……?下部装甲、のシワ。そして総じて臀部と太もものラインが綺麗。これを塗装するとして、どう可愛くしてやろうか……という夢がひろがる。

 ともあれ、こういう「メカなのに美少女」という魅力を前面に押し出してくるのが、私が「FAガール」にハマった理由というわけです。次項で触れるがこの可愛さをさらに増す方法を「規格を同じくする」ことでコトブキヤ自身が提示しているのが嬉しい。改造はいらないし、成形色そのままでも十二分に楽しめる。家に帰って寝るまでの短い時間でちまちまと組み、気が付いたらめっちゃ可愛いキャラクターが立っているのだ。

「規格が同じ」のいいところ。ミキシングで差を付けろ

 さて、コトブキヤの輩出するプラモデル群は概して「3mm径」で穴と軸が統一されている。強度が必要な部分はときどき5mmで、あとは「ヘキサギア」用の6角形穴と「ヘキサグラム」だ。ついでにランナーの外枠も3mm径の軸として使える。

 規格が同じだとどうなる?知らんのか、再現なくミキシングができる。

 これがとんでもなく嬉しくて、楽しくて、地平線がどこまでも続く大平原を走り回っているような気持ちにさせる。「M.S.G」をコテコテに盛ってもいい、関節に「ヘキサギア」や「フレームアームズ」のパーツを仕込んでもいい。たとえば「武装を盛りたいなぁ」とか、「このパーツ、合うんじゃない?」といった思いつきから、これだと思ったパーツを適宜仕入れて遊ぼう。

 というわけで、以前から集めて組み上げておいた「ウェポンユニット04 マルチミサイル」をモリっと搭載。耳っぽいパーツを取り外してやれば3mm穴が露出し、そこから様々なパーツを組み込める。このほかにも「シルフィー」には膝、肩、手首などに3mm穴が備えられているため、色々と融通が利く。腕や足をまるごと交換するというのもひとつの組み方だ。

 本稿は小さな身体に遊ぶ楽しさをギュギュッと詰め込んだ「フレームアームズ・ガール シルフィー」のレビューであった。本稿の執筆現在、11月には「グライフェン」が発売されるし、12月には「轟雷」の改修型「轟雷改 Ver.2」も発売予定。素体そのままドールのような遊び方ができる「レティシア」は2019年1月に発売を控えている。そう、「FAガール」は1度落ちたら熱く抜け出せない底なし沼。この記事が沼に飛び込むきっかけになればこれ幸い。

メカものによくある「お約束」。「アーマメントディスプレイ」というらしい
ドラゴンホース製「1/12ペーパージオラマ S-001 木箱A」と、轟雷と、シルフィー。かわいいの塊。ドラゴンホース製ペーパークラフトは買ってすぐ素手で作れるのでジオラマの素材にぴったり