先行体験
「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」プレビュー
あの極悪難易度を誇る「サガ」シリーズが、遊びやすく変貌!? 難易度カジュアルが本当にカジュアルだった
2024年9月5日 20:00
- 【ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン】
- 10月24日 発売予定
- 価格:
- 6,820円(パッケージ版/ダウンロード版)
- 22,000円(e-store限定版)
スクウェア・エニックスから10月24日に発売予定のプレイステーション 5/プレイステーション 4/Nintendo Switch/Steam用RPG「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」。(Steam版は10月25日発売予定)
「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」は、1993年12月10日にスクウェアから発売されたスーパーファミコン用RPG「ロマンシング サ・ガ2」のフル3Dリメイク作品。「ロマサガ」シリーズの特徴として、ストーリー面、戦闘面において高い自由度が魅力の作品で、プレーヤー独自の歴史を作ることができるようになっている。
今回は、「ロマサガ2 リベンジオブザセブン」のプレビュー版を一足早く体験することができたので、3Dで描かれるジェラールとヘクターについてや、新たに追加された難易度についての掘り下げつつ、そのプレビューをお届けしよう。なお、使用機材はNintendo Switchとなる。
まずは「ロマサガ2」の物語について振り返ろう
プレーヤーはバレンヌ帝国の皇帝となり、「七英雄」の打倒を目指していくことになる。ちなみに、七英雄とは古代、数多くの悪しき魔物を倒し、いずこかへ消えた者達のことで、「いつの日か、七英雄は戻ってきて世界を救う」という伝承のことだ。
そんな七英雄が、ついに復活した。帝都アバロンの東の港町ソーモンを占拠した七英雄の1人クジンシーによって、皇帝レオンの長男であるヴィクトールが殺害される。七英雄は世界を救う存在ではなく、人類の敵だと確信した皇帝レオンは志と能力を継承する術「伝承法」を教わり、自らの命を犠牲にしてクジンシーの技を見切り、「伝承法」を受けた次男ジェラールは、見事クジンシー討伐を果たしたのだ。
その後、皇帝に即位したジェラールも命尽きる時、伝承法によって次代の皇帝へと志と能力を託す。こうして、何千年にも渡る歴代の皇帝達による、七英雄との戦いが歴史に刻まれていくのだった。
自由度が高さが魅力の作品で、各種イベントで複数の攻略法があり、七英雄を倒す順番もプレーヤーによって異なる。イベントをクリアした後に何百年か経つと新たなイベントが発生することもあり、まさにプレーヤーの手で紡いでいく物語となる。
「ロマサガ」が誰でも遊べる難易度に!? クジンシー戦で驚愕
本体験版では、難易度を「カジュアル」、「ノーマル」、「オリジナル」から選ぶことができる。カジュアルはストーリーを中心に楽しみたい人向け、ノーマルが通常の難易度、オリジナルはオリジナル版「ロマサガ2」や「サガ」シリーズに慣れている人向けの難易度となっており、難易度は途中で変更することが可能になっている。また難易度によって物語の内容は変わらないそうだ。ゲームバランスはプレビュー用に調整されているため、実際の製品版のゲームバランスとは若干異なる。
とりあえず、まずは本当に「サガ」でストーリー中心にカジュアルに遊べるのだろうかという疑問を持ちつつ、「カジュアル」を選択して遊ぶことにした。なお、今回のプレビュー版には「ゴブリン襲来」と「沈没船」という2つの場面をプレイすることができた。
まずは「ゴブリン襲来」というモードからスタート。「ロマサガ2」の経験者ならわかると思うが、七英雄の1人であるクジンシーが復活し、皇帝レオンがクジンシーに殺され、帝都アバロンにゴブリンが襲来、ジェラールへと代替わりしたところになる。
ジェラールが登場するシーンを見て、思わず「おぉ……」という感嘆の声が漏れる。
ドット絵ではなく、3Dのジェラールが動いている……!
これだけで筆者には割と感動ものなのだが、ヘクターも、ヘクターも動いて喋っている……(感涙)
最早、冒頭のカットシーンからなんとも感無量である。永遠にジェラールとヘクターを眺めていたい。そんな気持ちに囚われるものの、まずは本作を進めて見なければならない。そう、カジュアルがいかほどにカジュアルかを知らなければならないからだ。
まずは帝都で雑魚のゴブリン戦を体験する。
……なんと言おうか。まさに「普通のRPGのバトル」である(悪口ではない)。そもそも「サガ」シリーズと言えば、雑魚戦でも簡単に全滅する極悪難易度なバトルで有名である。しかし、このゴブリン戦、カジュアルを選択したこともあり随分と簡単だ。
とは言え、ゴブリン戦などまだ序盤。早速ゴブリンを倒し尽くした後、ゴブリンの巣穴をせん滅するか、あるいはソーモンに向かいクジンシーを討つかの選択を迫られる。
ゴブリンの穴は、元々放置しておいても問題のないダンジョンだ。更に、ここは「カジュアル」の威力(?)を感じたいので、ソーモンへ直行してクジンシーと戦うことにする。
ここで加える仲間も回復の使える宮廷魔術士男を選ぶことが多いが、あえて肉弾戦で挑むため、ジェラール、ベア、ジェイムズ、ヘクター、アンドロマケーと、完全に自分の好みだけで選んだパーティで、いざクジンシーの館へと向かう。
そして、道中の敵もさくさく倒しながら、いざクジンシーと対面。クジンシーとの戦いへ。
……なんと言おうか。「普通のRPGのボスバトル」である(悪口ではない)。クジンシーとの戦いと言えば、強力な技をそこそこ閃かせてから挑む、という覚えがあったが、何もせずに直行して、クジンシーとの戦いで次々と技を閃きまくり、そのまま倒すことができた。
すごいぞ、カジュアルモード! 「サガ」シリーズが本当に誰でも遊べる難易度になっている! 回復役も要らず、ちょちょっと手持ちの傷薬を使うくらいでクジンシーを倒せてしまった。これならば、初めてシリーズ作品をプレイする人や、ストーリーだけを手軽に楽しむことができるだろう。
もちろん原作をはじめとしたシリーズ作品をプレイしており「そんな『サガ』は『サガ』じゃない……!」というこだわりがある人は難易度を上げてほしい。
一方の難易度オリジナルでは、がっつり技を閃かせて挑まないとあっという間に全滅してしまった。そこまでの手応えはいらないけれど、脳筋で勝ててしまうのもな……と、程よい難易度で遊びたい人は、間を取って難易度ノーマルにしてみると良いかもしれない。
沈没船では、既に技を色々閃いたデータで色々なことが楽しめる
次は、沈没船で七英雄のスービエとの戦いを楽しむことができた。
先程のジェラールのデータは、ほぼほぼ初期のパラメータという感じで、技を閃きまくるのが楽しかったが、こちらはパーティメンバー全員、技は既に大分閃いており、HPも全員450~600前後と大分育ったデータになっていた。
さて、今更だが本作のバトルシステムについてここで触れておきたい。
本作はタイムラインバトルとなっている。タイムラインバトルをいう言葉だけを聞いていたので筆者はてっきり「サガ エメラルドビヨンド」のように完全ターン制でタイムライン上で敵と味方の行動順を入れ替えたりして連携を狙っていくタイムラインバトルを想像していたのだが、本作のタイムラインバトルは、各キャラごとに行動順が回ってきて、行動順が来たらコマンドを入力するタイプのタイムラインバトルだった。
タイムラインは画面左上に表示されており、そこで確認することができる。
また、先程から「技の閃き」について触れているが、技は相手が強敵であるほど閃きやすく、行動リストに電球マークがついている行動は、新たな技を閃きやすい。
個人的には、「サガ」シリーズでタイムラインバトルと謳うのであれば、「サガ エメラルドビヨンド」のシステムを踏襲してほしかったのだが、あまりに別ゲームになってしまうので採用されなかったのだろうか。最新作にあたる「サガ エメラルドビヨンド」のバトルがあまりに神がかっていたので、この点は少々残念だ。
ちなみに「サガ」シリーズには通常RPGにあるレベルの概念がない。戦闘を重ねることでHPやBP(いわゆるMPに相当するもの)、各種パラメータが少しずつあがっていくことで強くなるのだ。
なお、戦闘には「陣形」というものがある。選んだ陣形によって、特定位置のキャラクターの能力値が上昇したり、行動順が変わるなど様々な効果が得られる。今回はフリーファイトとインペリアルクロスしか選べなかったが、恐らく原作に登場した陣は概ね登場するのではないかと予想される。
勝てなかった敵に陣形を変えて挑んだら勝てた、ということもあるほど、重要な要素のひとつである。
陣は、SFC版だと選んだ陣形の通りにフォーメーションが変化したのだが、本作ではバトル画面で視覚的な陣形によるフォーメーションの変化がわかりにくかった。(少なくとも、インペリアルクロスで十字のようにフォーメーションを組んでいるようには見えなかった)
一応、敵の全体攻撃で俯瞰的なカメラアングルになると十字になっているのがかろうじてわかるのだが、やはり陣形を変えたら目に見えて今の陣形がわかるようにしてほしかったところである。
陣形を増やす手段はオリジナル版「ロマサガ2」と同様に、アバロンの戦闘陣形訓練所にて特定クラスの皇帝で話すことで習得できる。
さらにオリジナル版「ロマサガ2」にはなく、本作で新たに追加となった「サガ」シリーズお馴染み要素もある。それは「連携」だ。
連携とは通常であれば単発で出る技や術が、一定の条件を満たすことで間髪入れず連続で繰り出されるもの。
と、言葉で説明するとちょっと難しめに感じるのだが、「連携」という言葉からイメージできるシステムそのものである。基本的に単独で技・術を発動させたときよりも、敵に与えるダメージや効果が大きくなる。画面右下のオーバードライブゲージが満タンになることで、任意で連携技を出すことができる。
「ロマサガ2」に連携システムが導入されたことにより、難易度オリジナルでも攻略の難度は多少下がっているように心配するファンもいるかもしれないが、難易度オリジナルは連携ありきでSFC版に近い難易度となっており、連携が導入されれば簡単になるなんてことはこれっぽっちもないので、安心して全滅してほしい。
と、バトルの話を連ねてしまったが、話を戻して、スービエ戦では敵の弱点を突いた攻撃や、回復の術などを駆使してバトルを楽しむことができたのだった。
やはり「サガ」シリーズはバトルが面白い、個人的な推奨は難易度ノーマル
「サガ」シリーズはとにかく皇位継承システムと奥深いバトルが面白いのだが、本作でもオリジナル版とは微妙に形を変え、それでいて進化した「ロマサガ2」の新たなバトルを体験させてもらった。
閃きシステムや連携システムで得られる爽快感と、ギリギリの駆け引きのバトルのドキドキ感はやはり「サガ」シリーズならではである。
「サガ」シリーズは少々尖ったところのあるゲームで、特にバトルの難易度が非常に高く、これまで難易度の設定というものはなかったのだが、本作でついに実装された難易度設定により、誰でも気軽に「サガ」の世界観を楽しんでみてもらえるようになったのは、筆者としては素直に嬉しいのひとことに尽きる。
筆者のように、かつて「ロマサガ2」を遊んだものとして、もう一度遊びたくても、時間のかかるゲーム設計だけに難しかった、という人にも気軽に遊んでもらえるのがカジュアルモードだ。
ただ、「サガ」はあの極悪難易度あってこそ、と思う筆者もどこかにおり、自身と敵の一挙手一投足と、閃くか閃かないか!? というところに一喜一憂するあの手に汗握るバトルを他の難易度でぜひ体験してほしいとも思う。そこで、オリジナルほど厳しくはなく、カジュアルほど易しくはない、難易度「ノーマル」にぜひチャレンジしてみてほしい。
難易度ノーマルは戦闘のバランスが絶妙で、「サガ」シリーズが難しいと言われている理由も感じ取れつつ、オリジナルほどギリギリの戦いを強いられないので、ちょうど良い塩梅になっている。難易度はいつでも変更できるとのことなので、自身の遊び方によってその都度難易度を変えてもらうのでも充分だ。
今回、Switch版をプレイしたが、「ゴブリン襲撃編」、「沈没船編」を選んだ時こそ長めのロードが発生したが、そこ以外はあまりロードが気にならなかったのも嬉しい点だった。まだ製品版でのプレイではないため、ロード時間などの詳細はわかりかねる部分もあるが、今年4月に発売されたばかりの新作「サガ エメラルドビヨンド」のSwitch版では少々重たい場面があったため、念のため記させてもらいたい。
BGMはさすがのイトケンサウンド。今回は体験できた箇所も少なかったため、聴けた音楽も少なかったが、アレンジはいずれもさすが伊藤賢治氏といったところで、SFC版のイメージを損なうことなく、それでいて現代のサウンドとして見事に生まれ変わっている。
また、ドット絵で慣れ親しんだキャラクターがイケメンになって帰ってくるのは純粋に喜ばしい。筆者は「ロマンシング サガ リ・ユニバース」もプレイしているため、イラストではイケメンになったキャラクターたちを見ているのだが、3Dになると格別さが増す。
あの当時のファンも、新しいプレーヤーも、ぜひどんどんプレイしてみてほしい一作だ。楽しみにしていてほしい。
(C) SQUARE ENIX
※バトルのゲームバランス等、一部の仕様については製品版と異なります。