「MHF VS.クエスト チャンピオントーナメント in Winter 2012」開催
5年先に続く具体策は今年中に発表。運営「第2世代」の宮下氏も登場
株式会社カプコンが提供するXbox 360/Windows用オンラインハンティングアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン」(MHF)のオフラインイベント「VS.クエスト チャンピオントーナメント in Winter 2012」が1月21日から、大分県、宮崎県、高知県、兵庫県で開催された。主催は株式会社テクノブラッド。
今回は29日に開催された兵庫大会の様子をお伝えする。毎回恒例となっている「MHF」運営プロデューサーの杉浦一徳氏によるプレゼンテーションでは、初めて運営ディレクターの宮下輝樹氏が登場。2月1日に行なわれる大型アップデート「フォワード.3」に関する情報だけでなく、杉浦氏が構想する「MHF」の今後についても触れられた。来場者が100名を越えた会場では、トーナメント大会のほか、新モンスター「アビオルグ」の体験会なども開催された。
■ 強化派生に「FYシリーズ」が登場。アップデート直前の情報をプレゼン
「MHF」運営プロデューサーの杉浦一徳氏 |
「MHF」運営ディレクターの宮下輝樹氏は、本イベント初登場 |
杉浦氏と宮下氏によるプレゼンテーションでは、まず「フォワード.3」に関するより詳細な情報や、その後のアップデート情報が明かされた。
「フォワード.3」の新情報としては、「Fシリーズ」の強化派生先として「FYシリーズ」が新たに追加される。これは「FXシリーズ」よりも強化の難易度が簡単に設定されたもので、このシリーズへと強化すれば、そこからさらに既に発表のあった「HCシリーズ」へと繋がるというもの。スライドでは2月1日から登場するクエストで入手できる「FYシリーズ」の防具が紹介された。
より具体的な数字が明らかになったのは、今回追加されるアイテム「ギルドへの推薦状」について。これを持った状態で大型モンスターを狩猟するとハンターランクポイントが追加されるというものだが、具体的にはHCチケット50枚で「ギルドへの推薦状」1枚と交換でき、その1枚で4,000Pほどが取得できるという。これについては、交換率をより得な方に修正していくつもりだと宮下氏が話した。
また新スキルについて「ネタに走り過ぎじゃないの?」と宮下氏が杉浦氏から突っ込まれると、「そう言われるとそうですが、『フォワード.4』では、実際に使ってもらえるような攻撃的なものを用意しています」と述べ、より実戦的なスキルを求めるユーザーには、次回に期待してほしいことをアピールした。
今後のアップデートについては、これまで通り年3回の大型アップデートを重ねる予定だと発表された。ただし、冬のアップデートが2月にずれてしまった影響で、春のアップデートも5月末になる予定だという。アップデートの遅れについては、新モンスターの「タイクンザムザ」を4月に投入することや、その分アップデートのボリュームを増やすことで対応したいと杉浦氏は話した。また秋のアップデートは、例年通りの時期になるという。
HC(ハードコア)防具への強化派生の前段階として、「FYシリーズ」が実装される。スライドではその1例のビジュアルとスキルが公開された | ||
このほか、イベント武器の「HCシリーズ」への強化派生や、「Nの塊」の新たな装備が発表された | ||
プレゼンでは、装備の所持数や、HCチケットの所持数など、ゲーム内のデータも公表された |
■ 気になる疑問を一問一答。杉浦氏が構想する「MHF」の今後も
上記のアップデート情報に続いて、ユーザーから寄せられる疑問や質問をスライドで紹介し、杉浦氏と宮下氏がそれに直接答える「一問一答」のコーナーもあった。
まず「MHF」初心者にとって猟団に入りづらい状況を改善してほしい、という意見に対しては、「誘う側も誘いやすく、誘われる側も誘われやすい、という両方の面での改善を検討しています。これは『フォワード.3』では入りませんが、『フォワード.4』での施策を予定しています」と宮下氏が述べた。
「今回もG珠は追加されるの?」という質問に対しては、「今回は10個近く入りますし、次回も入ります」と宮下氏が回答した。「今回入るG珠の特徴は何かあるの?」という杉浦氏の質問には、「G珠としては珍しく、ステータスがマイナスされて、スキルを打ち消すようなものがあります」と話した。
G珠関連では「過去の『衝撃』シリーズのクエスト配信をしてほしい」という意見も多く寄せられているそうで、これについては「衝撃」シリーズと「脈動」シリーズのクエストを毎週配信することで、G珠の獲得する機会を増やしていくと宮下氏が述べた。
また、新しい他のカプコンゲームのキャラクターを使用した「コラボキット」の展開については、杉浦氏が「今後も継続して出します。『フォワード.3』では出ませんが、『フォワード.3』の実装以降、順次登場させたい」と述べた。
宮下氏が発案したという「5のつく日」のキャンペーンは今後も行なわれるのかとの問いには、宮下氏が「お客様にアンケートを取ったところ、続行を望む声が90%もあり、ぜひ続けたいと思います。5のつく日に加えて、月末の週末といったタイミングでもやろうと考えています」と語った。
狩人祭における入魂の対象モンスターの種類を増やしてほしいという意見には、「将来的には、基本的には全てのモンスター、全てのクエストで入魂できるようにしたい」と宮下氏が話した。ただし、「モンスターの対象を増やすと適正な入魂ポイントの判断にも時間がかかるし、メンテナンスの時間も限られています。そのため、できる範囲でやっていきます」と杉浦氏が語った。
このコーナーでは、剛種クエストで消費するチケット枚数の見直しも「フォワード.3」で行なわれることがと明かされた。会場では、「ヤマツカミ」、「シェンガオレン」、「ラオシャンロン」の剛種クエストはチケット1枚でクエストに挑戦できるようになる。また「ナナ・テスカトリ」の撃退編も、3枚で挑めるようになるそうだ。
また杉浦氏は、他のプロジェクトとの兼任が多くなっている自身の状況に触れた。杉浦氏は、「去年から100%『MHF』を専任できる人間が必要だと考えていて、そこで宮下を選出しました」と述べ、その理由については「『MHF』を最も愛しているからです」と語った。「できがいいか悪いかは別ですが、愛がある分、カバーできるだろうと思っています。宮下はゲーム内では特にぐいぐいと引っ張っていくはずなので、これからも変わらぬご愛顧をお願いします」と、今後の「MHF」運営を担うことになる宮下氏を改めて紹介した。
最後に、「『MHF』はいつまで続くの?」という質問には、杉浦氏が「サービス終了の予定はありません」とはっきりと語った。今年は「MHF」が次にどのような展開をするのか具体的なことを発表するとも話し、その時には「これからの5年を示せるプレゼンテーションをしたいと思っています。ご指摘をいただいているたくさんの宿題にも応えられそうです」と前向きな考えを示した。
杉浦氏は「運営はサービスを長く続けることで評価される」という自身の考えを改めて説明し、「オンラインゲームというのは、絆も、思い出も、全てがサーバーの中にあります。使ってくれたお金のことを考えても、サービス終了によってそれらが全て失われてしまうのが最も許せない」と語った。「言い方は悪いかもしれませんが、お客様から何を言われても、上から何を言われても、ずっと続いていくゲームになればいいなと思っています。チームとしても、2代、3代と世代交代をしながら続けられる強力な組織を作ることを考えています。その2代目にあたるのが宮下であり、新しいチームです。その中で、お客様が5年、10年と楽しめるゲームを作っていけたら」と杉浦氏は「MHF」運営の今後を述べた。
杉浦氏と宮下氏が1つ1つ丁寧に質問に答えていった。中には狩人祭の「2億魂」の件で呼び出され、バケツを持って立たされている宮下氏の写真も登場した |
■ アイテムなしで最速を目指す!「VS.クエスト チャンピオントーナメント」
観客を加えると100人以上の来場者となった兵庫大会 |
目指すは金色に輝くプーギートロフィー |
来場者が2人1組で挑む大会の参加者は、34チーム68名。予選では、特異個体「リオレイア」を相手に、討伐までの時間で順位を競った。
参加者の使用武器を見ると、ランスやガンランスが人気。接近してモンスターの攻撃をガードしつつ、翼などにも攻撃しやすいのが理由だろう。ただそれ以外の構成で臨んだチームも好成績を出しており、必ずしも早い討伐に向いた構成とも言えないようだ。
戦術で目立ったのは、アイテムボックスには目もくれずに駆けていくチーム。ほとんどダメージを受けずに連携攻撃を決める見事なチームもあったが、逆に「リオレイア」から連撃を食らって気絶、さらに毒までもらって倒されてしまう姿も多く見かけられた。アイテムに関しては、マップが新大闘技場なのでバリスタも使用可能。これを使うかどうかでも選択が分かれていた。
予選1位のチームは、ヘビィボウガンと弓というガンナー2人の構成で、唯一3分を切る2分57秒03を記録した「水蜜党-黄桃ショウコ支部」。以下は「闘技党 NONSTYLE」、「がのカタルシ子」、「とっぷをねらえ♪」が続き、この4チームが決勝トーナメントに進出した。
やられる前にやれ! の精神でアイテムを持たずに「リオレイア」へ突撃するチームが多数。しかし手痛い反撃を受けてしまい、倒されて逆にタイムをロスする場面も多かった |
予選では「水蜜党-黄桃ショウコ支部」が頭ひとつ抜けた印象 |
決勝トーナメントはVS.クエストを使った対戦となった。ターゲットは激個体「アクラ・ヴァシム」の討伐。
第1試合は予選1位の「水蜜党-黄桃ショウコ支部」対、4位の「とっぷをねらえ♪」。両チームともガンランス2人の構成で臨んだ試合は、互いに罠を使わない真っ向勝負が展開された。結晶の爆発をバックステップで綺麗に避けるなど、お互いに無駄の少ない動きで攻撃を仕掛けていったが、先に討伐したのは予選では後塵を拝した「とっぷをねらえ♪」だった。
第2試合は予選2位の「闘技党 NONSTYLE」対、3位の「がのカタルシ子」。こちらは「闘技党 NONSTYLE」が双剣と弓、「がのカタルシ子」がランスとヘビィボウガンという、全く違う構成での対戦となった。お互いに罠を使わず実力で競い合った試合は、「がのカタルシ子」が「アクラ・ヴァシム」を積極的に裏返すべく攻撃を集中させ、狙いどおり裏返したところにさらに畳み掛けて一気に討伐。こちらも予選タイムでは劣るチームの勝利となった。
3位決定戦は「水蜜党-黄桃ショウコ支部」対「闘技党 NONSTYLE」。こちらは「水蜜党-黄桃ショウコ支部」がハンマーと双剣、「闘技党 NONSTYLE」はハンマーとランスと、どちらも準決勝とは異なる武器を選択。試合は互いに拮抗した状態で進み、双方ほぼ同時に討伐を果たした。1秒あるかどうかの僅かな差で試合を制したのは「闘技党 NONSTYLE」だった。
決勝戦は「とっぷをねらえ♪」対「がのカタルシ子」という組み合わせ。なお決勝戦は2本先取で勝利。ただし恒例となっている特別ルールで行なわれ、チームごとに同じ武器種は1度しか使えない。もし3試合目に突入すれば、2人で合計6種類の武器種を使うことになる。
1戦目は「とっぷをねらえ♪」がハンマーとランス、「がのカタルシ子」が片手剣とガンランスを選択。どちらも的確に攻撃を当てていく中、「とっぷをねらえ♪」はハンマーでスタンを狙い、さらに「アクラ・ヴァシム」を裏返すのにも成功する。状況的には有利に見えたが、先に討伐を果たしたのは竜撃砲を的確に使ってダメージを稼いだ「がのカタルシ子」だった。
2戦目は「とっぷをねらえ♪」がガンランスと双剣、「がのカタルシ子」が双剣とハンマーを選択。ここで初めて双方が罠を持ち出した。「とっぷをねらえ♪」は開幕に竜撃砲を外してしまい、さらに「がのカタルシ子」が設置した睡眠罠を踏んでしまい、時間を大幅にロスしてしまった。「がのカタルシ子」はハンマーでスタン、裏返しと決めてコンスタントにダメージを与え、序盤の優勢を譲らないまま先に討伐を果たした。
「がのカタルシ子」は予選では出遅れたものの、決勝トーナメントでは終始安定した動きで強豪チームに打ち勝った。他の会場での優勝経験もあるそうで、試合後のインタビューでは「2連覇できて嬉しい」と語っていた。
イベント終了後、杉浦氏と宮下氏にイベントの感想と今後の意気込みに付いて一言ずついただいた。
杉浦氏: 兵庫大会には400名以上の参加希望をいただきましたが、会場の広さの都合で100名ほどしかご参加いただけなかったのは申し訳なく思っています。こういうイベントにそれほどの規模のお客様がお申し込みいただけるというのが、昔に比べるとお客様とのつながりができてきているなと思います。本当に感謝感激です。
宮下氏: 杉浦と2人コンビで表に出たのは初めてだったので、何を言わされるかとドキドキヒヤヒヤしていましたが、盛り上がっていただけてよかったです。今後もイベントにはちょくちょく顔を出したいと思います。引き続き「フォワード.3」、「フォワード.4」と盛り上げていきますので、よろしくお願いします。
全国47都道府県での開催を目指している「VS.クエスト チャンピオントーナメント」も残り8県。次回は「フォワード.4」に合わせて5月に開催されるはずなので、未開催地のプレーヤーは楽しみにお待ちいただきたい。
「フォワード.3」の先行体験会も実施され、新モンスターの「アビオルグ」の狩猟に挑戦できた。肉質を下げる「強酸弾」を使えるライトボウガンの進化武器を試す人もいた |
恒例となっているビンゴ大会も開催。1位にはNポイント8,000ポイントが当たるとあって、毎度かなり白熱する |
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(2012年 1月 30日)