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【特別企画】遊んでわかったPS4の本当にステキな10のポイント
高フレームレート―軽快な操作性
(2014/2/28 00:00)
高フレームレート―軽快な操作性
家庭用機の世界では長らくフレームレートへのこだわりが蔑ろにされてきていた。PS3、Xbox 360ともに、2005~6年の発売当初こそ各ゲームで60fps環境を墨守する努力があったように記憶しているが、その試みはスクリーンショットの見栄えで競う風潮によってすぐに放棄された。凝った映像のAAAタイトルであれば当然のように30fpsが基準となり、スペックの限界を明らかに超えてきていた近頃の大作ではもはや30fpsすら守られず、時には文字通りのコマ送り状態にもなるのが当然になっていた。
しかし、ゲームプレイで重要なのはフレームレートだ。フレームレートの高低はダイレクトにプレイの快適性に影響する。それがプレーヤーの判断の早さを決め、入力のレスポンスを決めるからだ。ハードコアなPCゲームの世界では60fpsどころか120fps、144fpsと、ゲーマーの飽くなき高FPSへの探求が続いている。
ところがPS3/Xbox 360このかた家庭用機の世界では、フレームレートのへのこだわりが早々に捨てられてしまった。ぱっと見の豪華さに囚われるAAAタイトルでは特に。最近では30fpsどころかシーンによっては紙芝居状態になるゲームも珍しくない。120fps環境に体を慣らしてから家庭用機のFPSタイトルを遊ぶと、泥の中で踊っているようなレスポンスの悪さに、悪性のFPS酔いを誘発されてしまうほどだ。
その環境を当然として家庭用機でゲームを遊んでいる人も多いと思うし、その適応力は尊重するけれども、やはりフレームレートは高いに越したことはない。少なくともPS4には十分な能力があり、現時点で遊べるほ大半のタイトルが60fps動作を前提としている。ありがたいことだ。
例えば上述の「龍が如く 維新!」や「Battlefield 4」も基本60fps動作だし、「Need for Speed: Rivals」のようなハイスピードなレースゲームも、PS4版が60fps動作を実現したことは嬉しい。同タイトルのPS3版をプレイしたあと、PS4版をプレイしたなら、まるで体が軽くなり、意識の底から何かが解き放たれる感に包まれること請け合いだ。嗚呼これぞ次世代体験(ファミコン時代に戻ったとも言う)。
今後もPS4のゲームタイトルには、60fps動作を頑なに守っていってほしい。もう30fps以下のガビガビした動きはゴメンだ。初回同梱タイトルの「KNACK」や、「KILLZONE: Shadow Fall」のシングルプレイモードなど、SCEファーストタイトルが早速それを破っているのが気にかかるけども。
大容量メモリ―待ち時間が短くサックサク
PS4のどこがいちばん次世代的かを問うと、筆者がこれまでに取材したゲーム開発者は口をそろえて“メインメモリの多さ”を挙げた。そして筆者がPS4を遊んだ今、PS4のどこがいちばん次世代的かを問われたら、やはり“メインメモリの多さ”を挙げると思う。
PS4が搭載する8GBというメインメモリの多さは、これまでにないゲームを実現するためにも使えるが、ありがちなゲームにおいても、プレイ中の待ち時間に大きな好影響を与える。ステージ間のロードや、たくさんのデータにランダムアクセスするようなゲームシーンでの快適性が、PS3とPS4では段違いなのである。
ストレージ自体はPS3とPS4ともにBD/HDDであり、その速度に大差はない。問題は、PS4は膨大なメモリ領域にまかせて、いちどロードしたデータを捨てずにとっておいたり(キャッシュ)、次に使いそうなデータをバックグランドで読み込んでおくこと(プリキャッシュ)といったことが可能であることだ。これによるメリットはPS3とPS4の両方でリリースされているマルチプラットフォームタイトルのほぼすべてで如実に体感できる。
なかでも一番影響が大きいのはおそらく「FIFA」シリーズのマネージャーモード(監督としてリーグ戦に挑む遊び)だろう。常時、膨大な選手とチームのランダムデータアクセスが発生するこのモード。PS3版では、カレンダーを数日進める間に入れたお茶が冷めるほど遅く、なかなか次の試合に辿りつけないストレスで憤死しそうになる。
PS4版ならそんなことはない。カレンダーがパパパッと進んでいき、あくびをする間もなく次節の試合を遊べる。ロード時間が楽しさに水をさすことなく、何試合も続けて夢中で遊んでいられる。SSD装備のPC版に匹敵する快適さだ。これは膨大なメインメモリをキャッシュ領域として活用することで、実現しているのだろう。万歳。