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【E3 2013】新ハードに全力投入のEAプレスカンファレンスレポート
次世代感溢れる作品、続々!「BF4」ほか注目タイトルを総ざらい!
(2013/6/11 12:42)
現地時間6月10日、世界最大級のゲームパブリッシャーであるElectronic Artsは、ロサンゼルス市内でプレスカンファレンスを開催し、今秋以降に投入予定の次世代機向け11タイトルを一挙公開した。
中でも注目となるのは「Battlefield 4」、「FIFA 14」、「Need for Speed Rivals」などの定番タイトルに加え、Microsoftの Xbox プレスカンファレンスでも紹介されたメカアクションFPS「Titanfall」、人気RPGの最新作「Dragon Age: Inquisition」、そしてサプライズ公開された「Mirror's Edge」新作など、日本国内でも人気を集めそうなタイトルが目白押しだ。
その他にはFrostbite 3エンジンを用いて「Plants VS Zombies」が驚きのTPS化を果たし、同エンジンを用いてDICEが「STAR WARS」をゲーム化するなど、意外性に富んだ発表も複数行なわれている。EA Sportsブランドからは「NBA Live 14」、「Madden NFL 14」、「UFC」といった北米向けを意識したタイトルも次世代機対応をコミットし、EAが目指す次世代の形が明らかになってきた格好だ。
EAはFrostbite 3に、EA SportsはIGNITEエンジンに開発体制を統一!
1時間にわたったプレスカンファレンスの冒頭ではElectronic ArtsのCOO、Peter Moore氏が登壇し、EAでは次世代コンソールPS4およびXbox Oneに大作タイトルを続々投入するとの意気込みを表明。
その裏づけとして、今後EAが手がける全てのブロックバスター級タイトルにて、EA DICEが開発したFrostbite 3 エンジンと、EA Sports部門の集大成的な技術となる IGNITE エンジンの2つに開発テクノロジーを共通化していくことが明かにされた。
Frostbite 3エンジンはDICEによる「Battlefield 4」(北米にて10月29日発売予定)にて市場デビューする予定の次世代ゲームエンジンだが、早速、本カンファレンス内にて採用タイトルが多数紹介されている。
・「Titanfall」
Respawn EntertainmentによるメカアクションFPS「Titanfall」。2014年にXbox OneおよびXbox 360、PC向けにリリース予定とされる。Xbox プレスカンファレンスで初披露となった 本作は、EAプレスカンファレンスでも注目株。巨大ロボットの鈍重なイメージを覆す、クイックで高いアジリティを感じさせるアクションが特色だ。必要に応じて乗り降りして戦い方を変えられる点など、フリーフォーム対戦型FPSとして要チェックの存在になりそうだ。
・「Plants VS. Zombies: Garden Warfare」
欧米を中心にヒットしたタワーディフェンス系ゲーム「Plant VS. Zombies」を開発したPopCap Gamesは、Frostbite 3エンジンの力を借りて驚きのTPSを開発。多彩な植物たちが、個性的な能力を生かしてゾンビを撃退していくというとってもファンキーな作品だ。映像品質は圧倒的に高まったものの雰囲気はオリジナル作品そのもので、植物毎の残機システムなどタワーディフェンス系システムも色濃く継承していのが面白い。Xbox OneとXbox 360向けに先行発売予定で、発売時期は未定。
・「Need For Speed Rivals」
人気レースゲームシリーズの最新作もFrostbite 3エンジンを採用し、次世代機もターゲットに入れて2013年11月に登場予定だ。カンファレンスでは独特のマルチプレーヤーシステムが初披露。レーサーと高速警察に分かれて対戦する点は以前と同じだが、レーサー側がまず他のレーサーたちと公道バトルを始め、その戦いが佳境に差し掛かったあたりで警察側プレーヤーが乱入できる点がユニーク。次第にレースがメチャメチャにされていくなか、最後には警察ヘリも登場して……とドラマティックなエスカレーションを見せるゲーム展開が見所になりそうだ。
また本カンファレンスでは「Need for Speed」の映画化も発表された。2014年の劇場公開を予定しており、鋭意撮影中とのことだ。
・「Dragon Age: Inquisition」
Biowareによる人気ファンタジーRPGシリーズの3作目となる「Dragon Age: Inquisition」はムービーのみのお披露目となった。本作はFrostbite 3 エンジンで開発が進められており、シリーズ初のオープンワールドシステムを採用するという。発売時期は2014年秋で、プラットフォームの発表はされていないが、映像の品質や表現から見て当然、次世代機対応となりそうだ。
・「Star Wars: Battlefront」
Frostbite3エンジンを用い、DICEが開発する「STAR WARS」シリーズ作品。十数秒のイメージ映像以外には何のアナウンスもなく詳細は明らかになっていないが、DICE開発であること、「BATTLEFRONT」という副題から、「Battlfield」色のある対戦型FPSになるのかもしれない。プラットフォーム、発売時期なども一切不明。
・「Mirror's Edge」
2008年に発売されたパルクールアクションの傑作「Mirror's Edge」の新作が電撃発表され、会場の喝采を浴びた。発売時期は“完成次第(実質未定)”と、品質重視の開発を匂わせるアナウンスだが、短いトレーラーの中でも白基調で清潔感のある世界観、柔軟な移動アクション、CQC、そして前作のヒロインであるFaithの姿がフィーチャーされており、ファンにとっては非常に嬉しいお披露目となった。次世代のテクノロジーでどれほどのスポーティなゲーム性が実現するか非常に楽しみな作品だ。
真打「BF4」による次世代マルチプレイには念願のコマンダー機能も!
今回のプレスカンファレンスでもやはり最大の注目株は「Battlefield 4」だ。会場では何と64人マルチプレイが実演され、本作の次世代感溢れるマルチプレイシーンがつぶさに披露された。
中でも注目は、「Battlfield 2」以来となるコマンダーモードの復活だ。コマンダー役のプレーヤーは戦略マップ視点で各ファイアチームに対して攻防その他の指令を出すことができるほか、各種の支援攻撃を発動することも可能。また本作ではタブレット端末からもコマンダー機能を利用することができるようで、60数名のプレーヤーがPCで兵士をプレイする中、コマンダー役が手元のタブレットで様々な操作を行なって隊員たちを支援する様子が壇上で実演されている。
マルチプレイの内容そのものも、旧作とは別次元の内容だ。輸送ヘリから降下した攻撃チームは、地下モールのような施設内から都市部への進入を開始。その目前で突然、天井が崩落する。すると、地上を走行していた戦車もろとも地上構造物が落下し、大爆発。ここで地上への進路が急遽開け、攻撃チームはルート変更を余儀なくされる。
地上に進路を取った攻撃チームは運河沿いで攻防を繰り広げつつ、戦闘艇に飛び乗って水上船へ。敵の攻撃ヘリに追い立てられ、今度は高層ビルへ突入、高層階から水平射撃で攻撃ヘリを撃破するや、見晴らしの良い場所から地上の敵戦車部隊を発見し、支援攻撃を要請するとコマンダー役の操作によりトマホークミサイルが飛来、敵地上部隊を殲滅した。
ビルを占拠した攻撃チームは屋上から次々にパラシュートで脱出。すると、致命的なダメージを受けた高層ビルが崩落を始め、さきほどまで戦場であった高層階もろとも瓦礫となって海上に水しぶきを上げる……。
このように従来では有り得なかったほどのダイナミクスが戦場全体を支配するようになっており、戦闘中に地形そのものが大幅に変わっていくというゲーム内容になっているのだ。次世代機スペックに裏づけされたFrostbite 3 エンジンの威力が遺憾なく発揮されたゲーム性と見ていいだろう。
本作は今年秋に発売予定。プラットフォームはPC、PS3、Xbox 360に加え、本日行なわれたXboxプレスカンファレンスにてXbox One版の存在も明らかになっている。E3期間中にさらなる詳報をお届けする予定なのでお楽しみに。
IGNITEエンジンの詳細も披露。次世代機版「FIFA 14」はよりゴージャスに!
EAタイトルがFrostbite 3エンジンを全面採用したことと同様に、次世代機向けのEA Sports作品はすべてIGNITEエンジンで大幅な強化を図る模様だ。
これまでIGNITEエンジンの全貌は明らかになっていなかったが、今回のプレスカンファレンスではタイトル毎に搭載されたIGNITEエンジンのさらなる機能が明らかになった。
まず、おもに北米向けのコンテンツとなるバスケゲーム「NBA Live 14」では、BounceTekと呼ばれるテクノロジーを搭載。これはボールの物理を現実に即してシミュレーションすることにより、NBA選手の多彩に変化するドリブルをプレーヤー操作でも再現するというものだ。「FIFA 14」でも「Real Ball Physics」としてボールの物理挙動がリアルに再現されると言われており、共通のテクノロジーを別の形で表現している格好となる。
アメフトゲーム「Madden NFL 14」ではTrue Stepと呼ばれる技術で、アメフト選手のパワフルで素早いステップを再現。これも「FIFA 14」で導入された Precision Movementと呼ばれる、1歩ごとに選手の動きを物理演算するテクノロジーに近い。このほかAIを強化するPlayer Sense機能、選手同士のぶつかり合いをリアルに表現する War in the Trenches機能と、スポーツゲームとしての根本的な進化がEA Sports作品全体で共有されている模様だ。
現役チャンピオンも登壇して豪勢なお披露目となった総合格闘技ゲーム「UFC」では、Fullbody Deformationという新機能が紹介。これは選手の肉体のあらゆる部位が、相手選手やフェンスとの接触に応じて適切に変形するというもの。金網に押し付けられてゆがむ皮膚や、組み技で各接触面が盛り上がり密着する様子などが克明に描写され、よりリアルな映像表現が可能となる。
そしてワールドワイドでの期待作となる「FIFA 14」では、これまで発表されてきた機能に加え、次世代機向けフィーチャーとして新たに Living Studium、 Pro Instincts、Elite Techniqueという3つの新機能が、FCバルセロナの生え抜き選手たちをフィーチャーしたトレイラーと共に紹介された。
1つめはスタジアム全体をよりリアルに表現する機能で、トレイラーではカンプ・ノウに形作られた巨大なモザイクを確認できる。後者2つはそれぞれ選手のAIやモーションをさらに強化する機能と見られる。トレイラー内ではメッシ、ピケ、セスク、チャビ、イニエスタといったそうそうたる選手たちが実際の試合でのフィーリングを語っているが、このあたりが実際にゲームでどう関連してくるのか。EAブース取材にて詳細を掴み次第、詳しくお伝えしよう。