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動物だらけの刑務所から脱獄せよ! 「Back to the Dawn」体験版プレイレポ

TRPGのような“なりきり”プレイが醍醐味

【「Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~」Nintendo Switch 2版・Nintendo Switch版】
3月5日 発売予定
価格:
通常版 4,928円
LIMITED EDITION 7,898円
※PlayStation 5版は2026年発売予定

 クラウディッドレパードエンタテインメントは、Metal Head Gamesが開発するNintendo Switch 2/Nintendo Switch用サスペンス脱獄RPG「Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~」を3月5日に発売する。また発売日は未定だが、プレイステーション 5版も発売される予定だ。

 本作は元々SteamにてPC版がリリースされているタイトルで、このたび新たにコンシューマー版が発売される。それに伴い、各字幕言語のブラッシュアップや、日本語および中国語のキャラクターボイス追加なども行なわれている。

 今回はそんな本作のゲーム序盤をプレイ可能な体験版を試遊することができたので、そのゲーム性や魅力について、できるだけ詳しくレポートしていきたい。

【「Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~」発売日アナウンストレーラー】

受刑者は動物たち! 刑務所からの脱獄を目指すアドベンチャー

 本作はドット絵で表現されたアドベンチャーゲームで、個性豊かな動物たちが服役する刑務所のなかでとある事件の真相を探っていく……というストーリーになっている。

 主人公のトーマスは、テレビ局の記者を務めているキツネ。化学工場による汚水排出問題を調べるなかで、市長の汚職を疑うのだが、その矢先に無実の罪で収監されてしまう。

河川の汚染問題を取り上げていたトーマスだったが……
突如濡れ衣を着せられ、刑務所行きに
友人の弁護士・リードと協力して事件を追う

 ゲームプレイとしては基本的に見下ろしまたはサイドビュー視点で進行し、刑務をこなしつつ自由時間にはマップ内を探索。限られた1日の制限時間の中で動物と会話をして情報を集めたり、その情報を引き出すためのアイテムを探したり、いざというときのために筋トレをしてステータスを伸ばしたりと、様々な行動を取ることができる。進行に応じて点呼や面会が発生するなど刑務所ならではの要素を通じて物語が描かれていく。

 コンシューマー版で実装された日本語CVでは、トーマス役を「THE FIRST SLAM DUNK」宮城リョータ役などで知られる仲村宗悟さん、ボブ役を「ファンタスティック・ビースト」ジェイコブ・コワルスキー役の間宮康弘さんが担当。ほかにもさまざまなキャラクターに声が付いており、物語への没入感を高めてくれる。

 刑務所のなかにいる受刑者の数は総勢47人。病的なほどおしゃべりなミーアキャット、いつも詩を口ずさんでいる中年のパンダ、被害妄想に陥っているセンザンコウなど、ユニークな背景をもつキャラクターが揃っている。会話をしたり、プレゼントを贈ったりすることで好感度が上がり、色々なメリットを得られるようになる。

まずは知り合いになるところからスタート
関係を深めることで、キャラクターの背景が明らかになっていく
受刑者以外の動物と仲良くなることも……?

 プレーヤーに与えられる制限時間は21日間で、何か行動を行なうたびに時間が経過していく。しかも点呼や食事時間、運動時間など、刑務所内のスケジュールは厳密に定められている。ゲームをクリアするには効率よく情報を集め、事件の手がかりを探しつつ脱獄の計画を練らなければならない。

 しかし刑務所は、暴力や金、権力がものをいう世界。そのなかを生き抜くには武器や道具などのアイテムを集めたり、経験値を貯めてアビリティを獲得したりすることが重要となってくる。

突然恐喝してくる受刑者
上手くいけば言葉で説得することも可能

 また刑務所内の仕事や各ギャングのミッションをこなすことで、受刑者の身でありながら金を稼ぐことができる。

どんなロールプレイを楽しむ? 自由に攻略できるゲーム性

 実際に本作をプレイして強く印象に残ったのは、自由度の高さだ。プレーヤーが選択できる行動の幅がとても広く、たんにミッションを消化していくだけではない面白さを味わえる。自分だけの“役”を作り込んで遊べるという意味で、TPRGを彷彿とさせる部分もあった。

 まずゲーム開始時には「経歴」を選択することが可能で、魅力的なバックストーリーと共に、それに応じた「初期特長」を得ることができる。

各経歴にはデメリットも存在

 また、アビリティには特長とスキルの2つがあり、それらをどう取得していくのかはプレーヤーの自由。たとえば「マブダチ」の特長を解放すれば受刑者の好感度を上げやすくなり、「カツアゲ」の特長を解放すれば相手の所持金を奪えるようになる。

力・敏捷・知力・魅力のそれぞれに特長とスキルが設定されている

 その一方でスキルにも戦闘時の“バフ”として機能するものから探索に役立つものまで、色々な種類がある。プレイスタイルに合わせてビルドを組み立てることができるので、ロールプレイにはもってこいだろう。

特長と違い、スキルは特定の手段で発見する必要がある
関係を深めると、その受刑者の持つスキルを学べるように

 またマルチエンド形式で、攻略の進め方が無数に存在することも大きな魅力。たとえば刑務所内には3つのギャング勢力が幅を利かせているのだが、特定の条件を満たせばそこに仲間入りすることができる。正義の記者として品行方正に振る舞うのではなく、あえて“ワル”な道を進むのも楽しそうだ。

各ギャングはそれぞれ刑務所内の施設を牛耳っている
しばしば垣間見えるギャング同士の緊張関係

 ほかにもプレーヤーには、図書室で本を読む、ボクシングの試合にエントリーする、運動場の植物を採取して自室で栽培する、素材を集めてアイテムを作る……など、さまざまな行動の選択肢が与えられている。

色々な本を読める図書室
ひそかに実施されている刑務所ボクシング
行動の成否を決めるのはダイスロール

 その一方、リアリティの高さも本作の特徴だ。たとえば身体と心の健康状態を示す「健康値」や「心境値」といったステータスのほか、空腹を示す「満腹度」、排泄のタイミングを知らせる「消化値」などが設定されている。ミッションや脱獄のことばかり考えていると健康を損ねてしまうので、毎日の生活にも気を遣わなくてはならない。

おだやかなランチタイムだが、薬を盛るという選択肢も……

 さらに「魅力」を保つためには、歯を磨いたりシャワーを浴びたりすることも必要不可欠だ。刑務所での暮らしがある意味リアルに再現されており、そのことも没入感を高めてくれる要素となっている。

 陰謀渦巻くストーリーと、ギャングが支配する治安の悪い刑務所というスリリングな舞台設定。声優の演技も相まって、ドラマのなかに入り込んだような気分でロールプレイを楽しめる作品だと感じられた。

看守の目をかいくぐり刑務所内を探索
刑務所の外が描かれるパートも

 なお今回の体験版でプレイできる範囲は2日目までだったが、その時点で2時間ほどが経過していた。プレイスタイルにもよるかもしれないが、かなりしっかり遊べるゲームだと感じたので、ボリューム不足を心配している人にも太鼓判を押してオススメできる。

 また体験版ではプレイできなかったが、もう1人の主人公としてパンサーの潜入捜査官・ボブのパートも用意されている。こちらも同じ刑務所が舞台となっているが、トーマスとは別のストーリーが繰り広げられるため、実質的に二度楽しめる形だ。

 コンシューマー版が発売されるこのタイミングで、ぜひプレイしてみてはいかがだろうか。