【特別企画】

CANDY TUNEも活用! 新たな推し活プラットフォームを提案する新会社アソビダス設立

【アソビダス】
設立:2025年7月
事業概要:推し活領域におけるプラットフォーム事業

 アソビシステムとミダスキャピタルは、新たな「推し活AXプラットフォーム」を運用するための新会社アソビダスを共同設立したことを2月3日に発表した。出資会社にはGENDAも名を連ねている。

 アソビダスは、新たな「推し活AXプラットフォーム」を運用するための新会社だ。規模の大きな推し活市場において、アカウントやサービスなどが統一されたプラットフォームを提供することで、事業者側の収益の最大化や、AIの力で新たな価値へと変革するAX(AI Transformation)を支援するのが狙いだ。

 今回、アソビダスの設立発表会が行なわれ、会場にはアソビダスの田村光紀代表取締役CEOのほか、出資元となるアソビシステムの中川悠介代表取締役、ミダスキャピタルの吉村英殻代表パートナーが登壇し、新会社について説明を行なった。

 加えて、実際に「推し活AXプラットフォーム」を運用している、アソビシステム所属のアイドルグループ、CANDY TUNEと大相撲、伊勢ヶ濱部屋の伊勢ヶ濱春雄親方も登壇したので、本稿ではそれらの内容についてお届けしたい。

新たな「推し活AXプラットフォーム」を運営するアソビダスを設立した田村光紀代表取締役CEO

推し活市場をターゲットに展開するプラットフォーム「SUKISUKI」

 発表会では初めに、アソビダスの田村光紀代表取締役CEOより、推し活市場の現状などについての説明が行なわれた。日本推し活総研の調査によると、推し活人口は約1,384万人で市場規模は3兆5,000億円にものぼるという。推し活の現状としてはファンクラブやチケット販売、グッズのストアなどサービスごとに独立しており、アカウントや決済情報が連携されておらず、利用者にとって不便な状況となっている。

 加えて特定のグッズのみが転売のターゲットとして買い占められたり、購入後も未入金のアカウントがあるなど、正しい形でファンに還元できていない事例も多い。さらに運営する側にとっても日々の問い合わせ対応や、グッズの梱包、発送などアナログな運営業務の負担は大きいという。

 アソビダスが現在提供している「SUKISUKI」はこうした状況を改善するための「推し活AXプラットフォーム」となる。SUKISUKIを使うことで、ファンクラブやWebサービスなど、全てが共通のアカウントで管理され、決済情報なども統一される。

推し活の現状として、全てのプラットフォームが独立しているため、利用者も運営側も不便と説明
新たな「推し活AXプラットフォーム」により、全てが一元管理され、利便性も向上

 SUKISUKIの事例としては、現在アソビシステムに所属するアイドルグループ、CANDY TUNEが実際に利用して、サービスが提供されている。CANDY TUNEのオンラインくじやデジタルトレカ、オンラインチェキ購入者に名前を呼んでもらえるオンライン特典会などのサービスにより成果を上げているという。

 「推し活」の言葉通り、SUKISUKIはアイドル以外にも導入事例があり、それが大相撲の伊勢ヶ濱部屋後援会の運営サポートだ。こちらも伊勢ヶ濱部屋後援会の運営で利用されており、照ノ富士引退伊勢ヶ濱襲名披露大相撲限定福引を提供するなど、遠方のファンでも楽しめるサービスを提供して高評価となっているようだ。

 今後はサービスを拡充し、SUKISUKIとは別のネーミングでリリースする予定もあるほか、2.5次元舞台やミュージカル、VTuberなどのエンターテインメント領域や、スポーツチームや地域創生などの領域にもこの「推し活AXプラットフォーム」を活用していくとしている。

事例として「SUKISUKI」を活用するCANDY TUNEを紹介
もう1つの事例として大相撲の伊勢ヶ濱部屋後援会の運営サポートを紹介
今後はアイドル以外にも2.5次元舞台やVTuberなどでも導入を進めていく

CANDY TUNEも大満足。伊勢ヶ濱親方は遠方のファンに向けてのサービスに手応えあり

 発表会場にはCANDY TUNEのメンバーも登壇。自身の活動やSUKISUKIについてのインタビューが行なわれた。

 TikTokで火が付いた楽曲「倍倍FIGHT!」の反響を聞かれると、メンバーの福山梨乃さんは「SNSを通じて日本だけでなく海外の方からもたくさんのリアクションをいただいております。私たちの曲で、世界中の皆さんとつながれていて、その熱量を肌で毎日感じております」と語った。

 続いてSUKISUKIの活用について聞かれると、小川奈々子さんは「オンライン特典会は遠方の方とも繋がれるのでとても嬉しいですし、オンラインくじはファンの方がとても喜んでくれる大切なコミュニケーションの場になっています」とサービスを提供する側の魅力をアピールしてくれた。

 村川緋杏さんは、SUKISUKIを活かして今後どのような挑戦をしたいかという質問に対して「私たちは“KAWAII”文化を世界に届けることが目標です。アソビダスの皆様のお力をお借りいたしまして、世界中の皆さんと言葉や距離も超えて、推し活を楽しめるような環境を作っていき、ゆくゆくは私たちもワールドツアーに挑戦できるようなグループになりたいです」と展望を語った。

 最後は立花琴未さんが「これからもアソビダスの皆さんとご一緒しながら世界中にハッピーを届けていきたいと思っています。本日はありがとうございました」とインタビューを締めくくった。

登壇したCANDY TUNEのメンバーたち
福山梨乃さん
小川奈々子さん
村川緋杏さん
立花琴未さん

 続けて、2025年7月に伊勢ヶ濱部屋を引き継ぎ、十代目 伊勢ヶ濱親方となった伊勢ヶ濱春雄親方(元第73代横綱・照ノ富士)も登壇し、伊勢ヶ濱部屋で活用するSUKISUKIについてコメントした。

 長い伝統を持つ相撲界において、このタイミングでテクノロジーを導入することへの考えを問われると、親方は「相撲は長い伝統文化を何より大切にしているところですが、やはり新しいデジタルやAIを活用して、より多くのファンの方たちと深く関わり、もっと世界中に相撲を知ってもらうというきっかけを、アソビダスと一緒にどんどん広めていけたらいいなと思います」と答えた。

 オンライン福引きなどの新しい試みに対する、部屋のメンバーの反応については、「オンラインを通じて、足を運んでいただけない遠くにいる方たちと通じ合えて、より魅力を感じてもらい、記念品などを届けることができるサービスには、みんな本当に期待しています。ファンの方を近くに感じ、支えてもらえているという感情を、力士たちもより抱くようになってきています」としており、全国のファンとの繋がりに手応えを感じている様子を示した。

 1月31日に行なわれた引退相撲で、実際にSUKISUKIを活用した手応えについて聞かれると「デジタルを使うことで、近くにいない方でも楽しむことができ、本当にその国技館で一緒に見ているような感覚になってもらえたと思います。皆さんからお祝いの言葉をいっぱいいただいていますし、良かったんじゃないかなと思います」と好感触の様子を示した。

伊勢ヶ濱春雄親方はとにかくド迫力
遠方のファンとの交流を支えてもらっているとアソビダスの「推し活AXプラットフォーム」を評価

アニメやゲームも視野にビジネスをさらに拡充

 発表会終了後の囲み取材では、アソビダスの今後の取り組みについて掘り下げて聞いてみた。現在運用している「SUKISUKI」だが、サービスの拡充とともに別の名称でのリリースも検討しているようだ。

 そして、筆者が個人的に気になったのは、プレゼンテーションで語られた今後の拡大領域において、VTuberや2.5次元、スポーツなどは挙げられている一方で、アニメやゲームなどの二次元周りについての言及がない点だ。これらについては、実績がないのか、あるいは計画はあるが入れていないのかを確認してみた。

 アソビシステムの中川氏は「VTuberの流れからゲームなども含めて対応していこうと考えており、今後はその分野も進めていきたい」とコメント。アソビダスの田村氏も「アニメとかもやってみたいんですけどね。アニメは日本の国産文化として一番強いので、是非関わっていきたい」と現状未着手であることを語った。

 今回の座組からアイドル系は得意そうだが、アニメ系は実績がなかったり弱かったりするのかと踏み込んでみると、田村氏は「そうですね。これから営業や提案をしていく段階です」と回答しており、今後の注力領域であることを示唆した。

 以上、アソビダスの発表会の模様をレポートした。推し活の問題点の中でも挙げられていたように、現状はグッズショップやファンクラブ、チケットサイト、配信サービスなど、各社がそれぞれ独立したアカウントで管理、運営をしている。プラットフォームの統一は理想ではあるが、これらを全て1つのプラットフォーム上で運営し、活動するというのはなかなかハードルが高そうにも感じる。

 今後は、アソビシステム所属のアーティストやVTuber(キズナアイのマネジメントも同社が行なっている)などから、順次SUKISUKIを利用していき、そこで必要なサービスを順次拡大していくことになると思われるが、プラットフォームが順調に広がりを見せ、統一されたプラットフォームが実現できるかは、今後の同社の成長次第と言えるだろう。

左からアソビシステムの中川悠介代表取締役、アソビダスの田村光紀代表取締役、ミダスキャピタルの吉村英殻代表パートナー