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「ドラゴンクエストVII Reimagined」試遊レポート。「バースト」や「どこでも転職」などの新システムで、遊びやすさを徹底的追求!

【ドラゴンクエストVII Reimagined】
2026年2月5日 発売予定
※Steam版は2026年2月6日発売
価格:
通常版 8,778円
豪華版 15,800円
超豪華版 29,800円
デジタルデラックス版 10,978円

 スクウェア・エニックスは、2026年2月5日に発売予定のプレイステーション 5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PC(Steam/Microsoft Store on Windows)用RPG「ドラゴンクエストVII Reimagined(リイマジンド)」(以下、「DQVII R」)のメディア向け試遊会を開催した。

 2000年にプレイステーションで発売された「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」を「Reimagined(リイマジンド)」のタイトルのもとにリメイクした作品で、2012年発売のニンテンドー3DS版のゲームシステムなども踏まえ、現代のプレイスタイルを強く意識し、遊びやすさを追求した内容で開発が進められている。

「DQVII R」のフィールド移動シーン。直近に発売されたHD-2Dリメイク作品とは趣がずいぶん異なる

 この試遊会では開発中のプレイステーション 5版を使用し、ゲーム本編で訪れる2つの町や村を起点とするエピソードを進める過程で、本作の主なゲームシステムを体験することができた。本稿ではそのレポートをお届けしていこう。

【『ドラゴンクエストVII Reimagined』 続報トレーラー】

ニンテンドー3DS版をベースに、ドールをスキャンして構築した「ドールルック」のキャラクターが活躍する

 「ドラゴンクエストVII」は、「ドラクエ」シリーズ史上初めて3DCGを採用した作品だ。フィールドやダンジョンの背景が斜め見下ろし型となり、視点を自在に動かせる冒険は実に新鮮だったわけだが、この「DQVII R」は全てが3DCGとなった3DS版をベースにグラフィックスを精細化、キャラクターには「ドールルック」という独自の表現を採用している。

 ドールルックとは、鳥山明氏のキャラクターイラストをもとに立体物のドールを制作し、それを3DスキャンしたデータからキャラクターCGを構築する手法だ。実際のゲームの画面はどことなく人形劇を思わせるような温かみを感じられる。ドット絵を発展させたHD-2Dリメイクタイトルからの確かな進化を感じられるはず。

フィギュアのような姿で登場する主人公達。鳥山氏のキャライラストを見事に昇華していて、イベントやバトルで実際に動く姿を見ると感動する
ドールルックのキャラクターが繰り広げるイベントシーン。これはエンゴウの火送りの儀のシーンだ

 体験した最初のシナリオは、序盤で訪れるエンゴウの村。主人公(アルス)とマリベル、キーファら3人は占い師の予言に従い、炎の山の祭り「火送りの儀」に参加する。近年のリメイクシリーズのシステムを踏襲し、それまでのあらすじや行くべき場所が表示されるのは、期間が空いた後のプレイ再開時などにはありがたい機能だ。

冒険の書のロード時に表示されるストーリーのあらすじ

 こうした遊びやすさへの配慮はメニュー画面でも確認することができ、細かく設定できる「難易度設定」やチュートリアルの「旅の心得」、特定ハードにおける決定ボタンの変更など、幅広いプレイスタイルに対応した仕様だ。

難易度は主人公達やモンスターの強さのほか、モンスターの行動やバトル後の回復など細かく設定可能だ
決定ボタンの変更や方向キーのショートカットなど、かゆいところに手が届く仕様

 バトルは3DS版と同じくシンボルエンカウント制を採用。ドールルックなモンスターは接触するとバトルになるわけだが、後方からボタンで斬りかかることでダメージを与えられ、レベル差があるときはそのまま倒したりすることもできるそうだ。

エンカウント時に斬りつけることで小ダメージを与え、先制のチャンスに
モンスターの見た目や動きも実に豊かで、見ていて楽しくなる

 バトルは「めいれいさせろ」による任意コマンド選択か「さくせん」で設定したAIによる行動というおなじみのシステムに加え、「オートバトル」も導入された。これは「さくせん」で設定したAI行動とはまた違って、全員が高速で「バッチリがんばれ」準拠の戦闘を行う自動戦闘モードで、特別な戦い方が必要のないダンジョンの移動時やレベル上げなどで重宝するはず。

高速でバトルを行うオートバトル。行動のAIは賢いので、任せて安心

 バトルの新システムの一つに「バースト」がある。これは敵から攻撃を受けるなど特定の条件を満たすと、そのキャラクターの感情が高ぶって「バーストチャージ状態」となり、次のターンにバーストを発動できるようになるというもの。バースト発動時は、身につけている呪文や特技とは別の「職業とくせい」の効果を得られ、バトルを有利に進められる。

バーストチャージ状態になると身体から白いオーラが出る
バーストを発動させると、職業依存の特別な力が発揮される
バーストは任意に発動が可能。「さくせん」でオート時にどう使うかも設定可能だ

 バーストチャージ状態は一定時間維持することができ、「めいれいさせろ」であれば任意の発動が可能だ。ボスなどの強敵のバトル前にバーストチャージ状態にしてからバトルに挑めば、より有利になるといった戦術も成立する。一方でボスモンスターもこのバーストを使ってくることもあるので、その対策も必要となりそうだ。

ボスモンスターのバーストチャージ状態。強力な攻撃に備えよう

 ダンジョン探索において、主人公らの支えとなるのが「女神像」の存在だ。ダンジョンの要所で見つかる女神像は回復の泉とセーブポイントを兼ねた存在で、HP・MPの全回復と冒険の書への保存が行える。ダンジョンマップもあるので、迷って困るようなことはないと思うが、探索ではひとまずこの場所を目指すのが確実だと感じられた。

女神像はダンジョンの安らぎポイントだ。ボス前などにあるので必ず立ち寄ろう

職業は2つをかけもちして、その能力を発揮できる!「どこでも転職」で戦況に応じた転職も可能

 主人公と仲間キャラクターにはそれぞれ「職業」があり、バトルではそれに準じた戦法で戦い、勝利したときに得る「職業熟練度」によって「職業ランク」が上がっていく。世界のどこかには「ダーマ神殿」があり、そこで新たな職業に就くことができるわけだが、本作は2つの職業を「かけもち」することが可能となった。

職業ランクはバトルを行うことで上がり、呪文や特技を身に着けていく
かけもちしている職業は両方の力を発揮。バーストも2種類発動する

 かけもちした職業は両方の呪文・特技や職業とくせいを備えているので、単純に冒険やバトルでの選択肢が増え、ランクも同時に上がっていくため、基本職から上級職への転職も楽になり、キャラクターの育成はさらに楽しくなるはず。なお転職はダーマ神殿だけでなく「ダーマの水晶」を使った「どこでも転職」により、旅先での転職ができるようになったことも注目すべき点だ。

どこでも転職が行えるダーマの水晶
転職できる職業は最初は基本職、条件を満たすと上級職になれる

 試遊の後半で体験したハーメリアの町からの冒険では、主人公らはレベル20前後まで成長していて、職業のかけもちによりたくさんの呪文や特技を身につけていた。装備は武器と盾が見た目にも反映され、その他に兜と鎧、アクセサリー2つを装備することができる。「モンスターの心」はアクセサリー扱いとなり、装備することで特殊な能力を発揮できるようになっていた。ハーメリア周辺は水没していて、船による移動も体験し、そのときはフィールドやダンジョンとは異なり、ランダムエンカウントとなることもわかった。

水没したハーメリア周辺は船で移動する。このときはランダムエンカウントになる
ハーメリアを海に沈めたボスモンスター、グラコスとの戦い
強敵モンスターがドロップするというモンスターの心。アクセサリーとして装備できる

 バトルでの仲間のAIも賢く、オートバトルを使うことで冒険はサクサク進み、試遊範囲の最後に待ち受けるボスまでたどり着き、それを倒して体験を無事終えることができた。

状況に応じて的確に戦ってくれる仲間達は実に頼りになる
呪文や特技の選択時、対象にどんな効果があるかアイコンで表示される
フィールドには通常のモンスターよりも強力なオーラをまとった強敵モンスターも出現。倒すとモンスターの心が手に入り、1度倒すと出現しなくなる

 HD-2Dのリメイクシリーズも完成度は高かったが、ドールルックを導入した本作は、これまで以上にキャラクターに感情移入しやすくなった印象がある。キャラクター個々も近年のCGアニメを見ているような愛らしさやコミカルさを備えていて、イベントシーンも想像以上にドラマチックだった。

メインストーリーのイベントシーンはボイスによる演出が入っている

 先日配信された「State of Play」では、成長した姿のキーファがパーティーに再加入するという衝撃のストーリー展開も明らかとなった。今回の試遊範囲に大きな変化はないようだが、前後の展開も大いに楽しみである。

【『ドラゴンクエストVII Reimagined』 続報トレーラー】

 現代の最高の技術をもって開発が進められている「DQVII R」。発売はもう少し先となるが、PS版や3DS版をそれなりにやり込んだ筆者も、数時間の試遊をかなり楽しむことができたので、「ドラゴンクエストVII」を遊んだことがある人もない人も、期待を高めつつ待っていただければと思う。