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「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」βテストレポート
ゲームパッドモードがWindows版に実装! カスタマイズは、それ自体がやりこみ要素
(2013/4/26 00:00)
ゲームパッドモードがWindows版に実装! カスタマイズは、それ自体がやりこみ要素
フェーズ2からWindows版でゲームパッドが使えるようになった。ゲームパッドではチャットの入力以外のすべての操作が可能。LTとRTそれぞれに、十字キーの上下左右と「A」、「B」、「X」、「Y」の4つのボタンに相当する8つのクロスホットバーがあり、計16のアイコンを一度に利用できる。クロスホットバーはRBで切り替え可能で8セットまで登録可能。これだけあれば戦闘や生産はもちろん、エモートやアイテム、マクロもばっちりサポートできる。
ゲームが始まってすぐに、ゲームパッドかキーボード/マウスのどちらの操作方法を選択するのか確認するダイアログが表示される。この選択は序盤のチュートリアルをどちらにするかと言うだけのもので、その後もコンフィグからいつでも変更できる。使用するデバイスとUIは紐付けられているわけではないので、マウス&キーボードのUIをゲームパッドで操作したり、その逆も可能だ。
ゲームパッドのクロスホットバーへのマクロ登録は、アクションメニューやインベントリなどから、登録したいアイコンを決定ボタンで選んだ後、設定したいボタンを押すとアイコンがセットされる。この登録作業はわりあい煩雑で、時間がかかった。
ターゲットの選択には左右の十字キーを使う。上下はパーティーメンバーを順番にターゲットしていく。マウス&キーボードにある数字キーでのターゲットも、マクロを組むことで可能になる。クエストでアイテムを使う必要がある時には、対象をターゲットして決定ボタンを押すと自動的にヴィジットが開いて、カーソルが必要な場所に合う。このあたりは非常に便利で素早いプレイが可能になる。スティックを使った移動も日本人にとってはなじみ深いものだ。
今回はゲームパッドで4人パーティーでのインスタンスダンジョン「監獄廃墟トトラクの千獄」にも挑戦してみた。パーティープレイでは敵をターゲットして攻撃をしたり、パーティーメンバーを回復したり、チャットをしたり、ドロップアイテムのロットがあったりと忙しい。ソロプレイである程度慣れていたつもりだったが、盾にかけるはずのケアルを間違えて自分にかけたり、ロットの決定操作で焦り、仕方なくマウスで操作したりとスムーズにいかない場面もあった。マウス&キーボードでは、操作で混乱することはほとんどないので、ゲームパッドの操作は筆者にとっては少し難易度の高いものに感じられた。
例えば、ジャーナル画面を開いてギルドリーヴを開始し、目的リストからマップを呼び出してモンスターの位置を確認し、自分のいる場所を知り合いに告げるためにチャットをする。こういったシステム周りの操作や、戦闘中にエモート画面を開いたり、アイテムを使ったりといった操作に、ゲームパッドではたくさんのボタンを使うため非常に煩雑だ。
それを解消してくれるのが、アクションメニューにあるゼネラルアイコンと、マクロだ。この2つはマウス&キーボードでも大変重宝する機能ではあるが、ゲームパッドの場合必須と言える。マクロを使ってカスタマイズすることでゲームパッドは劇的に機能が向上する。ゲームパッドではカスタマイズによって操作性が上がり、その分キャラクターの動きがよくなる。そのため、ゲームパッドのカスタマイズ自体が、かなりのやりこみ要素を含んだコンテンツと言えるだろう。
バトルシステムは完成系に近づくが、まだ物足りなさもあり
αテストではとりあえず入れてみたという程度だったバトルシステムも、フェーズ2ともなるとかなり形になってきた。CBTでは戦闘周りのUIが改良された。特に便利なのが自分をターゲットしたモンスターから、赤いラインが伸びてくるという「ファイナルファンタジーXII」伝来のエフェクトだ。この追加によって、どのモンスターに攻撃されているのかがわかりやすくなり、カメラの範囲外から突然遠距離攻撃を食らって理由もわからず倒されるという理不尽さがなくなった。
他にもモンスターの周囲を囲うサークルの色で、そのモンスターが敵対状態なのか、それぞれの状態がわかるようになった。サークルに付いた矢印マークで、誰にヘイトが向かっているのかもわかる。
そういった表示周りについては着実に進化しているが、気になるのは戦闘自体のバランスだ。モンスターのHPやスキルの攻撃力が調整されて、以前よりもスピーディーな戦闘が可能になった。とはいえ、例えば筆者は今回幻術士でプレイしてみたのだが、幻術士には移動しながら使えるスキルや詠唱なしで発動できるスキルがなく、魔法詠唱中に攻撃を受けたり、場所を移動されたりすると発動がキャンセルされる。
「FFXIV:新生エオルゼア」では、発動した魔法はミスが存在する通常攻撃と違って必ずヒットするようになっており、その代わり詠唱中に攻撃を受けることで詠唱が中断されることがあり、この詠唱キャンセルで打撃系とのバランスをとってある。しかし、モンスターによっては頻繁に発動をキャンセルされることもあり、イラッとしてしまう。発動キャンセルが続くと、普段なら絶対に負けないような格下の相手でもあっさり倒されてしまうと、なんだか釈然としない気持ちで復活するのも仕方ないことだ。この件については、βフォーラムでも開発者からのコメントがあり、フェーズ3に向けて調整を検討しているようだ。
もう1つ気になるのは、序盤のスキルの少なさだ。幻術士は序盤の攻撃手段が「ストーン」と「エアロ」の2つしかなく、延々とこの2つを撃ちつつ合間に「ケアル」というワンパターンの戦い方しかない。ソロの序盤は単調だという意見もあるだろうが、レベル15辺りまでその状態が続くので、さすがにスキルが少なすぎるのではないかと思わざるを得ない。
世の中にあるMMORPGは、アクション性は少ないがスキルの数がとても多いタイプと、戦闘に使えるスキルを絞ってその分アクション性を上げているタイプに大別される。「FFXIV:新生エオルゼア」はそのどちらにも寄り切れておらず、全体として少々物足りない印象を受ける。
たくさんのクラスを育てて、アディショナルスキルを組み合わせたオリジナルの戦術が組み立てられるようになってくれば、アーマリーシステムの楽しさを満喫できるようになるのかもしれないが、そこに到達するまでの道のりが単調で長すぎると、脱落者が増えてしまうのではないかと心配になる。
グローバルクールダウン(GCD)も戦闘を単調にする原因になっている。魔法の場合、一度発動した後は2.5秒のクールダウンタイムが発生するのだが、攻撃魔法も回復魔法もポーションもほぼすべてが一括した動きになるので、GCD開けを待つ間、なんの操作もしない空白時間が生まれる。こちらもβフォーラムにフィードバックが投稿されており、フェーズ3で序盤の調整がはいる予定だそうなので期待したい。
なんだか不満ばかり書いているようだが、戦闘が楽しくないわけではない。ストレスフルだった以前とは、比べ物にならないくらい快適で遊びやすくなっているのは間違いないし、後発のMMORPGとしてより高い期待を持っているからこそだ。派手なエフェクトは賛否あるが、これも洋ゲーにはない国産らしい一面だろう。