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【特別企画】春商戦のゲーミングPC選びのポイント ~デスクトップPC編~

ケース2 ~ とにかく低予算のゲーミングPCを考える

ケース2 ~ とにかく低予算のゲーミングPCを考える

 次のケースは、極力予算を抑えたゲーミングPC。特定のオンラインゲームをずっと遊び続けていた人が、「最近PCが不安定になってきたし、そろそろ買い替え時かな」というパターンだと、10万円以上のゲーミングPCは要らない。なるべくお金をかけず、ゲームも今よりマシに遊べればいい、というくらいのテンションだろう。

 市販の安価なPCでは、ビデオカードは搭載せず、CPU内蔵のグラフィックス機能を使っているものがほとんどだ。最近は内蔵グラフィックス機能も高性能になり、ブラウジングや動画再生などの一般用途で問題が出ることはほぼない。だが3Dゲームとなると、やはり荷が重くなる。

 そうは言ってもビデオカードを追加すれば、その分だけ予算が上がってしまう。ならばどうするのがいいのか……という問題に対して、いくつかアイデアを出してみたい。

【安価なCPUとビデオカードの組み合わせ】

最新設計ながら1万円程度と安価なRadeon HD 7750。ビデオカードを追加するならこれくらいは欲しい

 まずは素直に、安価な構成を選ぶアイデア。ゲーミングではない一般モデルの最も安価なPCに、BTOでビデオカードを搭載する、というのが手っ取り早いやり方だ。CPUはインテルのCeleron G1610や、AMDのA4-5300を搭載するものが多いようで、これらはCPU単体だと4千円前後で売られている最も安価な製品だ。

 追加するビデオカードは、いくら安く上げたくても、あまりに安価なものだと内蔵グラフィックス機能と比較して性能向上が期待できない。そこでズバリおすすめなのは、GeForce GTX 650、またはRadeon HD 7750あたり。どちらも単体だと1万円前後で、最新の設計が使われている。これなら比較的新しいタイトルでも十分プレイ可能だ。

 安価なPCはオフィス用などを想定しているため、それなりの値段になるビデオカードを追加するBTOメニューを用意していないショップもあるので注意していただきたい。筆者が調べた中では、PCショップ「フェイス」で、4万円前後のPCにGeForce GTX 650を追加し、合計約5万円でそれなりのゲーミングPCを作ることができた。コスト重視の方はぜひ参考にして貰いたい。

【AMD製CPUを選ぶ】

内蔵グラフィックス機能に強みがあるAMDのCPU

 「5万円でもまだ高い!」という方には最終手段。ビデオカードを使わず、CPU内蔵のグラフィックス機能で最善の道を探る。

 CPUは現在、インテルとAMDの2社の製品がある。AMDのCPUはインテルのものに比べて、CPUとしての性能では劣るものの、内蔵グラフィックスの性能が高く、比較的安価なのが特徴だ。この傾向はまさにゲーム向けで、価格も安く抑えられるなら喜ばしい限り。

 現状で最も安価なAMD製CPUはA4-5300で、搭載したPCは約4万円から販売されている。またCPUが4コアになり、内蔵グラフィックス機能も強化されたA10-5800Kを搭載したものも5万円程度で売られている。同じ5万円なら先に挙げたビデオカード搭載案のほうが3Dゲームでは有利だが、CPU性能では勝ることと、BTOをしない標準モデルを選べば納期が早い、といった利点もある。

 これで3Dゲームが快適に遊べる、とまでは言えないが、値段の割には頑張れるPCにはなる。数年前のゲーミングPCに負けないくらいのパフォーマンスがあるので、数年来遊んでいるオンラインゲームのプレイが前提なら、これで事足りるだろう。

【その他】

 とにかく安上がりなPCなので、いろんなパーツが絞られている。メインメモリは4GB程度のものが多いが、ゲーム中はゲーム以外のソフトを動かすこともないはずなので、4GBで不足することはほぼない。HDDも小容量になるが、それでも500GB程度はついているので、ゲーム用途なら問題ない。

 唯一注意してほしいのは、電源だ。BTOでビデオカードを高性能なものにした場合、消費電力も高くなり、電源が足りなくなる可能性がある。一見普通に動いていても、ゲームを動かすと電力不足から動作が不安定になったりするので注意が必要だ。ちなみに先ほど紹介した1万円クラスのビデオカードを追加するのであれば、500W程度の電源があれば十分だろう。

フェイスの「Seed Micro」シリーズは幅広いビデオカードを選べる。価格は39,970円+ビデオカード代
マウスコンピューターの「LUV MACHINES AAシリーズ」は標準でA10-5800Kを搭載しているモデル。価格も49,980円からとお手頃

(石田賀津男)