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【特別企画】春商戦のゲーミングPC選びのポイント ~デスクトップPC編~

ケース3 ~ 今、最強のゲーミングPCが欲しい!

ケース3 ~ 今、最強のゲーミングPCが欲しい!

 最後のケースはハイエンドPC。数十万円するゲーミングPCを買う人はそう多くないが、トレンドを追うという意味では最先端の話題が満載だ。ミドルクラスでも応用の効く部分があるので、ぜひご一読いただきたい。

【最高級ビデオカードの複数装着】

現状最強のビデオカード「GeForce GTX Titan」

 ハイエンドゲーミングPCで注目されるのは、やはりビデオカードの存在だ。現在最高額となるビデオカードは、「GeForce GTX Titan(タイタン)」。モデルを表わす数字がなくなったことで驚かされたが、昨今の円安の影響も相まって店頭価格が13万円以上になったことにも驚く。

 GeForceシリーズには、複数のビデオカードを同時に使用して性能を向上させる「SLI(Scalable Line Interconnect)」という機能がある。GeForce GTX Titanは3-way SLIに対応しており、3枚同時使用が可能だ。足し算するとビデオカードだけで約40万円になるが、これを標準構成としたゲーミングPCもさっそく発売されている。

 一方、Radeonシリーズでは、Radeon HD 7990という製品が販売されている。これはRadeon HD 7970を2個搭載したような製品で、価格は約10万円。SLIと同様、複数のビデオカードを同時使用する機能「CrossFireX」に対応し、2枚同時(内部的には4個同時)に使用できる。

 ここまでの性能を要求するゲームは現状存在しないが(もしあったら大多数の人が遊べない)、最新ゲームを最高のグラフィックス設定にしても軽々動くとか、マルチモニターを使っての超高解像度でプレイするといったPCゲーマーの贅沢な夢を叶えるには必要だ。

【水冷システム】

Cooler Master製の水冷CPUクーラー「Seidon 120M」。取り付けも簡単

 一時話題になった、液体を使ってCPUなどを冷やす水冷システムは、最近はかなり落ち着いている。これはブームが去ったというよりは、ラジエーター(冷却装置)とCPUの取り付け具が一体化したシンプルな製品が各社から登場したことで、一般的になったという感じだ。現在ではラジエーターはPCに内蔵できるほど小型で、冷却液が充填された状態で売られていることから、簡易水冷とも呼ばれている。安いものは1万円程度から売られている。

 ハイエンドPCでは、この水冷システムを標準またはBTOで選べるものが増えている。水冷によるメリットは、ヒートシンクファンによる空冷に比べて冷却効率が良いことと、騒音を抑えられること。ただしラジエーターを冷却するためのファンはあるし、最近は空冷システムも進化してきているので、一概に水冷のほうが高性能とは言えない。

 CPUやビデオカードが高性能になれば、発熱も増すため、結果として冷却装置から発せられる騒音も大きくなる。それを少しでも小さくする手段として、水冷が選ばれることもある。またCPUだけでなく、ビデオカードも水冷化して販売するショップもある。そういったハイエンドな冷却システムもなかなか面白い世界だ。

【80PLUS電源】

SeaSonicの80PLUS Plutinum電源「SS-1000XP」。変換効率以外の部分にもこだわった製品

 PCの電源の性能は、ワット数以外にも見るべきところがある。電源は、交流の電気を直流に変換する仕事をしている。この変換の際、電気のロスが発生するが、それを少なく抑えた電源に与えられるのが「80PLUS」という認証だ。80PLUSの電源は、変換効率が80%以上の製品ということになる。

 さらに80PLUSにはランクがあり、下から順に80PLUS(無印)、Bronze、Silver、Gold、Platinumと行くごとに変換効率がよくなる。80PLUS Platinumの認証を受けた電源は、現状では最高級の変換効率の製品ということになる。ハイエンドなゲーミングPCは消費電力が大きいので、変換効率の高い電源を使うことで、かなりの節電効果を期待できる。

 1点注意してほしいのは、80PLUSはあくまで変換効率のみを基準にした認証だということだ。電源には他にも、耐久性が高いことや、安定した電気を送れることも求められる。同じワット数、同じ80PLUSのランクでも値段が大きく異なるのは、そういった別の要因が影響している。ハイエンドPCには、それに見合った品質の電源を選びたい。

GeForce GTX Titanを3-way SLIで標準搭載する、ドスパラの「GALLERIA Titan ZX 3Way」。価格は699,980円とまさにハイエンド
オリオスペックの「HYDROQuiet-OC」はCPUだけでなくGeForce GTX 680も水冷で、静音性の高さが売り。価格は279,510円

(石田賀津男)