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ダークな世界観とメトロイドヴァニアを掛け合わせた「Venture to the Vile」体験版プレイレポート

アニプレが販売を担当する“奥行き”が重要な2Dアクション

【Venture to the Vile】

2024年 発売予定

価格:未定

 アニプレックスは、ダークな世界観を取り入れたPC用アクションアドベンチャー「Venture to the Vile(ベンチャー トゥ ザ ヴァイル)」を2024年に発売する。

 本作はシカのお面を付けた主人公が親友の「ルエラ」を探すため、フィールドに待ち構えているモンスター「ヴァイル」を倒しながら探索を進めていく2Dアクションタイトル。サイドビュー視点でゲームが進むなどメトロイドヴァニア要素を多く取り入れており、道中で獲得可能なアクションを駆使しながらステージクリアを目指す事となる。

 製品版の発売日や価格といった詳細は明かされていないタイトルで、今回は本作の体験版をプレイした。ゲーム序盤の一部をプレイできる内容で、薄暗いフィールドの探索や敵とのバトルを中心とした内容を体験できた。

 今回の記事タイトルにて「“奥行き”が重要な2Dアクション」と記載しているが、「Venture to the Vile」は2Dアクションゲームでありながらも“奥行き”を使ったフィールドデザインがポイントとなる。日本語としてややおかしな表現になっているが、この点についても後ほどしっかりと紹介していく。

【Venture to the Vile Announce Trailer】

 「Venture to the Vile」は、カナダのモントリオールに拠点を構えるStudio Cut to Bitsが開発を手掛けており、彼らのデビュー作となる。アクション「Bioshock Infinite(2K)」や「Grand Theft Auto IV(Rockstar Games)」を手掛けたクリエイターが在籍するチームが作り上げた2Dアクションだ。

 今回の体験版はフィールドの探索およびバトルに重きを置いた内容でストーリーについてはあまり明かされない。主人公キャラクターは腕につけたツメを振る通常攻撃とパリィ、ダブルジャンプとバックステップによる回避が可能で、主にこれらのアクションを使いながらステージの最後に待ち構えるボスを撃破することでクリアとなる。

 フィールドには虫や蛙のような敵や、動くことはないが攻撃を繰り出してくる植物などが点在する。ゲーム序盤ということもあってか敵の攻撃方法は比較的シンプルなため、しっかり覚えて見極めることができれば、問題なく先へと進むことができるだろう。また、1撃で倒せない敵も存在するため、あえて無視して探索を進めることでボスと戦うための体力を温存することもできる。

空中をゆらゆらと移動する虫のような敵にはジャンプ攻撃が有効
蛙のような敵は攻撃を数発入れなければ倒せない。少し強力な敵となる

 本作は2Dアクションゲームだが、序盤から奥行きが重要になっていくる。基本的には左右に移動して探索を進めるが、場所によっては画面奥や手前に移動できる道が存在し、それぞれ探索が可能だ。大きなドアが道を塞いでいることがあり、この際には別の道に進んでギミックを解除することで奥へと進めるようになったりもする。また、手前側を探索していると奥に広がるフィールドが背景として見えたりと、2Dのゲームでありながら、3Dゲームの強みを活かしたフィールドデザインになっている。

 基本的には左右への移動がメインになるため、2Dアクションゲームをベースにしつつ、探索可能なフィールドが奥側や手前側に広がっているという印象だ。

マップ内では奥側や手前側に進む道が存在する。ロード挟まずに一瞬で移動するためすぐに探索を再開できる

 実際にプレイしてみると分かれ道ではどちらに進めば良いのかが最初はわからず、進んでみると行き止まりということがある。その場合はもう一方の道へと進み、ギミックを解除することで、先へと進めるようになるため、ダメそうだなと思った場合は道を引き返してみるのがいいだろう。また、頭の中でマップの構造をなんとなく記憶しながら進むことでよりスムーズに探索できると感じた。

回り道をして高いところにあるレバーを解除し、ドアが開くと先に進める
マップ内にはジップラインのようなギミックも存在。主人公の奥にもジップラインが見えるが、手前側を探索していると奥側のマップが見えることもある

 バトルについても紹介していく。前述したようにゲーム序盤ということもあってかフィールドの敵との戦闘は易しい印象。しかし、マップの奥で待ち構えているボスがかなり強力だ。

 今回の体験版では大きな虫のボスを撃破することでクリアとなる。外見はキリギリスのような見た目だが、移動速度がかなり早い。画面の端から突進して主人公にダメージを与えてくるほか、時には棘のようなものを体から出し周囲に攻撃を仕掛けてくる。時々、攻撃の手を休めて止まる瞬間があるため、その隙を狙ってダメージを与えることが攻略のカギだ。

かなり強力なキリギリスのボス。壁に囲われてしまうため逃げることはできない
ときどき棘のようなものを出して範囲攻撃を仕掛けてくる。同じ場所で回転をはじめたときは急いで離れよう

 主人公の体力上限は7で、攻撃を受けるごとに1ずつ減っていく。回復ポーションを3つ持っているため、これを使うと体力を全快できるが、この回復がやや特殊で回復までに時間がかかる。ボタンを押してから全快するまでが遅く、途中で敵の攻撃を受けると回復が途中でキャンセルされてしまい、ゲームオーバーになるということがしばしばあった。そのため、ボス戦では体力に余裕があるときに前もって回復するか、安全なタイミングを見計らって回復するのがコツになる。

 個人的な注目ポイントは動作環境によるものもあるとは思うが、非常に操作キャラクターの反応が早い点だ。昨今のゲームではあえてキャラクターのモーションを少し遅くすることで、攻撃の重さを演出するタイトルがあるが、本作はキビキビとキャラクターが動いてくれる。体力が7とシビアながらも、思った通りに動いてくれるため道中でのミスを極力減らすことができる。空中攻撃もボタンを押してすぐに攻撃が出るため、かなり操作が快適な印象だ。

 なお、今回のボスの直前にはセーブポイントが存在し、もし負けてしまってもすぐに再挑戦できる。また、ここでは回復ポーションの補充もできるため、フィールド探索で満身創痍になった場合も、ポーションを補充してボスに挑戦できる。

体力が回復するまで数秒かかるため注意が必要だ
マップ内にはセーブポイントが点在し、体力が0になるとここに戻される。ボス戦の前にも用意されているので、負けてもすぐに再挑戦可能だ

 そのほか、本作ではゲーム内の時間経過によって景色が移り変わる。昼間は明るいが夜になると暗くなり不気味さが増してくるだろう。また、敵のいない街も存在し、ここには多数のNPCが存在する。ここではサブクエストを引き受ける事ができ、登場人物たちのバックボーンが明かされるという。また、各ステージのボスを撃破すると新たなアクションが使えるようになるため、バトルの幅が大きく広がるだろう。

 体験版ではあまりストーリーにフォーカスされないが、ゲームを進めていくことで主人公は新たな能力が獲得でき、それに伴って禍々しい姿へと変貌していくことになる。体験版においても人型でありながら攻撃時には腕からツメが出てくるなど、既に人ならざる部分が垣間見えている。物語が進むにつれてどのような姿へと変わってしまうのだろうか。

 なお、本体験版は7月14日より7月16日にかけて京都府にて開催されるイベント「BitSummit Let's Go!!」のアニプレックスブースにて試遊が可能だ。会場で本作をプレイすると特製3Dステッカーがプレゼントされる。是非とも初見クリアを目指して挑戦してほしい。

マップ内にもNPCが存在。製品版ではサブクエストを受けることができるようだ
ちなみにこちらは筆者がボスに苦戦を強いられて日が傾き始めてしまった場面。探索中もゲーム内時間が進み景色が移り変わる