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「FFXIV」第6回14時間生放送! 吉田Pの「へいよー」でツイッタージャックも果たした会場レポートと開発者ミニインタビュー

ゲストには中村悠一さん、サブ放送では去年好評だった麻雀大会も

12月14日 開催

 スクウェア・エニックスは12月14日、MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」(以下、FFXIV)恒例の「14時間生放送」を開始した。この番組はその名の通り、「FFXIV」のタイトルにちなんで14時間ぶっ通しで行なわれ、1年に1回のペースで開催されてきた。今回の放送は、6回目となる。

 本稿では生放送のレポートの他、開発者へのミニインタビューも行なったので、その模様をお届けしよう。

 イベントはスクウェア・エニックス本社内で行なわれ、「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏、コミュニティーチームの室内俊夫氏ほか、開発主要スタッフが登壇してのオープニングを皮切りに、「第56回プロデューサーレターLIVE」、えどさん”、ふみいちさんとの特別クエストチャレンジ、サンクレッド役の声優・中村悠一さんによる「ゆういち散歩」、麻雀大会、ツイッター連動企画など、様々なイベントが実施された。

室内氏(右)はまさかのフォーギヴンのコスプレで登場

 オープニングには吉田直樹氏と室内俊夫氏のお馴染みの2人に加え、松田洋祐代表取締役、祖堅正慶氏、織田万里氏、石川夏子氏、髙柳早紀氏、鈴木健夫氏、市田真也氏、松澤祥一氏と、開発の主要スタッフが登場し、それぞれ一言ずつユーザーへの感謝の言葉を感慨深そうに述べた。

 吉田氏が「かわいくない」という理由で没にしたというフェルトマスコット系のキャラクターぬいぐるみ(いわゆる「ぬい」)で吉田氏に色々ちょっかいを出す石川氏の姿には、くすりと笑い声が漏れた。

 その中で、吉田氏が「FFXIV」の冒険者数が1,800万人に達したことを松田社長に報告すると、松田社長は祝辞と共に、次は3,000万人を目指そうと檄を飛ばす場面もあった。さすがにその数の登録者数を目指すには開発者をもっと増やさないと……と真剣に考える吉田氏の姿も見られた。

登壇者らへ、一言インタビュー!

 今回の放送に登壇した「FFXIV」開発メンバーらに、放送の合間の短い時間ながらインタビューを行なうことが出来た。「今年1年を振り返りつつ、来年の抱負」をテーマに語ってもらい、いくつか他の質問にも答えてもらうことが出来たので、ぜひ目を通してほしい。

【プロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏、グローバルコミュニティプロデューサー室内俊夫氏】

左から、室内氏(?)、吉田氏

――今年1年の総括と来年の抱負をお願いします。

吉田氏:色んなことがありましたし、「漆黒のヴィランズ」がセールス的にも評価的にも過去最高をとれたのは何より嬉しいです。ですが、既に過去のことになっていて、日々、色々やることがあって、ようやくこの14時間生放送で年内の大きな仕事が一区切りといった風です。今日は普通に楽しんでいけたらなと思っています。あと、スタッフはものすごい成長してくれましたね。今年はそれが何より嬉しかったです。

室内氏:イベントが多かったので、「漆黒のヴィランズ」が出たのがもう一年くらい前なんじゃないかというくらい、時間が経つのが早いです。来年に向けては前回のアレ(※フェンフェス)から2年経つということはまた大型イベントの年なので、その準備をしないといけないですね。そろそろと言いながら、もう全力で走らないといけないのですが(笑)。

吉田氏:これまでは勢いでいけたところがあったけど、逆に正気に返ってきて「あれ、もしかしてこれもう準備しないといけない」と、”やらなきゃいけない”感じになってきているのは、僕としてはよくないなと思っていまして。やっているほうが飽きるのは良くないと思うので、色々趣向を凝らしていければな、と思っています。僕らが楽しくやっているほうが、結果としてユーザーの皆さんも楽しいはずなので、そこは忘れないようにしながら、なんとなくこなすだけの定常業務にならないようにしていきたいです。パッチもかなり先まで計画はできていますよ。

――例年と比べて何か違った部分はありましたか?

吉田氏:スタッフの成長が一番大きいんですが、彼らからの提案も1段レベルが上がりました。僕もMMOの経験とかMMOを遊んできて、自分ならこうするのになと温めてきたアイディアは、ほぼ「漆黒のヴィランズ」までに突っ込めたかなと思うので、ここからはまた新しいステージに向かっていかなければならないかと。他のMMOがやっていないこと、「FFXIV」だからできることなどをやっていかなきゃいけないと思っています。ですが、自分の引き出しをひっくり返し直しても良い案が見つからなくて苦しい時に、スタッフのほうからいいアイディアがきて、うまく組み合うようになってきたと感じます。

 振り返るとコンテンツの横幅のボリュームがすごいことになっていて、単純な定常アップデートをかけるだけでもテキスト数が昔の1.3倍くらいになっていまして、かつてはこのローテーションでローカライズ出来ていたのがもう無理、という状態になっていたり。増員しないと間に合わないとか、新コンテンツをやるなんていったらそれがますますなので、そのあたりを見直す1年になったかなと思います。至らぬところが出始めているとも思いますが、ここでそれらを全部完璧にやろうとするほうが全員疲れて破綻するので、この規模だと仕方がないところもあり、うまくバランスはとりたいなと思っています。

室内氏:色んなことをやってくれるスタッフが充実したなぁという、1年でした。国内イベントはもちろんのこと、海外でも、我々は吉田が動くときは一緒にアテンドしてインタビュー対応をしたりだとか通訳の方との打ち合わせだとかの裏方をやっているのですが、そこに関しても私以外にやってくれるスタッフが増えたと感じます。層が厚くなったと思う1年ですね。と、こんな格好で真面目な話するのもなんなんですけど(笑)。

吉田氏:この格好でよく平気でこういう場に立てるよね(笑)。俺、そういうところ尊敬するよ(笑)。

室内氏:仮面かぶっちゃってるんで、なんなら強気ですよ(笑)。

吉田氏:ジバニャンのときもそうだったよね、俺、日野さんのあの冷たい目覚えてるもん(笑)。

室内氏:このシリーズの中で過去一番こわかったのが、日野さんの目です(笑)。

――フォーギヴンの着心地はいかがですか?(笑)

室内氏:最初は涼しいかなと思ったんですけど、今は暑いですね(笑)。

吉田氏:毎年gamescomに行っているんですけれど、毎回開催される都市がケルンで、我々が泊っている宿のすぐ近くに、こういうものしか売っていないお店があるんですよ。何故か毎年そこで室内が着る衣装を買うんですよね。

室内氏:最初はゲームに負けたら恥ずかしい恰好をする、みたいな企画だったはずなんですが、すっかり定着しちゃいましたね。

吉田氏:これね、3万円以上して結構高いんですけれど、領収書切れないので毎年僕のポケットマネーなんです。誰か止めてくれればやめられるのになって思い続けてますよ(笑)。

室内氏:僕、もう最初から試着しちゃってますしね。

吉田氏:今年はフォーギヴンだな、とか言いながらね(笑)。

――今日の吉田さんのパーカーと色違いのものを、斎藤(陽介)さんが着ていらっしゃいましたね(笑)。

吉田氏:それね、この後触れるつもりだったんですけれど、結構酷い目にあっていて(笑)。

 最初にこれを着て出たのが5.1の時のパッチノート朗読会だったと思うんですけれど、その後に一度会社に着てきたら、「FFXIV」チームでもない全然知らない社内の人から「あっ、吉田直樹着用モデル」とか言われて、そしたらなんか周りもみんな口に出していないだけで同じことを思っていたような視線を感じまして(笑)。

 そしてそのあと自分のブースに戻ってきたら、みんな、「それが噂の吉田直樹着用モデルか」みたいな「プークスクス」的な反応なわけですよ。それでもう会社に着てこれなくなったんですよ、せっかく気に入って買ったのに(笑)。もう放送で着るしかなくなったと思って今日着てきたら、斎藤さんがなんだか色違いの同じやつ着ていたじゃないですか。麻雀のほうの放送で絶対何か言ってるんだろうなって思ってますよ(笑)。「俺は吉田リスペクトだから」とか(笑)。そんなわけでもう着れないから、誰かにプレゼントしようかなって(笑)。

――(笑)。ありがとうございました。

【サウンドディレクター祖堅正慶氏】

祖堅氏

――今年1年の総括と来年の抱負をお願いします。

祖堅氏:今年は「漆黒のヴィランズ」が発売されましたが、開発とオリジナルサウンドトラックとオーケストラコンサートが同時だったので、開発始まって以来しんどい前半を迎えました。後半は、パッチの製作がいつも通り大変なんですけれど、今回サウンド面でもシステムに色々コンフィグをいれたりフィルタをいれたり、ボトムのシステムにテコ入れをしたので、今までやれていなかったところをやっていっているという感じですね。

 コンサートやって思ったんですけど新規のお客様がすごい増えていて、オーケストラコンサートはじめてきたという方が半数くらいいらっしゃったんで、引き続き色んなお友達を誘って冒険したあとに音楽も聴いてもらえると嬉しいなと思っています。来年はノープランですけれど、開発は全力でがんばります。あとそろそろTHE PRIMALSのライブをやりたいですね。

――大分祖堅さんのサポートをしてくれるスタッフも増えたかと思いますが、彼らに何かひとことお願いします。

祖堅氏:サウンドで新人をとるにあたって、効果音スタッフというのはずっと採用していたんですけれど、コンポーザー枠として新人をとるというのがなかなかできない環境にあったんですが、こうして新たなコンポーザーを募って「FFXIV」に参加してくれることになって、色々アレンジの幅も広がりましたね。彼らも「FFXIV」のクオリティが非常に高いということがわかって色々悩んでいるようですが、彼らは若いので、若いエキスを「FFXIV」に注ぎ込んでほしいですね。おじさんばっかりになってもしょうがないんでね(笑)。僕にはなかなかできない表現も彼らならやってくれると思って、僕も楽しみにしています。

――いつもたくさんのことにチャレンジしてきていると思いますが、それでもまだチャレンジしてみたいことは何かありますか?

祖堅氏:オーケストラコンサートもそうなんですけれど、こういうパッケージング以外でも何かできるといいなと思っていて。というのは、パッケージは海外のお客さんが物流的に難しい地域などもありまして。この中身をオンデマンドとかで何か配信できたりとかするといいなぁ、と模索しているんですが、なかなか技術的に難しいところです。過度な期待はして欲しくないですけれど、トライはしてみようともがいています。

 あとは冒頭にも言ったように、大きな拡張版を作ったし、オケコンもやったし、インストアイベントもやったので、あとはやはりね、THE PRIMALSをやらないとね。光の戦士も待っていると思いますので。

【リードアーティスト鈴木健夫氏】

鈴木氏

――今年1年の総括と来年の抱負をお願いします。

鈴木氏:やっぱり「漆黒のヴィランズ」を作るまでが大変で、自分が担当していたのは第1世界の背景やカットシーンの他、キャラクターだと新種族周りとかもやっていたんですが、拡張版って作るのにすごい期間がかかるので、そこを作り切るのが大変でした。自分が予想していた以上に多くの皆さんから称賛をいただき楽しんでいただけたので、前半の苦労はそれで全部吹き飛びました。フィールドも拡張版じゃないと足せないので、新しいフィールドを楽しんでいただけたのも嬉しいですし、今回新種族を足すというのも達成できましたし、思いのほかカットシーンを楽しんでくださってよかったと言ってくださる方が多かったので、頑張った甲斐がありました。

 これだけの評価が取れたのは積み重ねの部分があると思うし、自分だけじゃなく開発のスタッフそれぞれが積み重ねてきたものが評判につながっていると思ったので、このまま積み重ねていって、来年ももっといいものを作り続けていきたいなと思います。

――拡張3本目ですが、これまでの拡張と比べてどうでしたか?

鈴木氏:これまでの拡張に比べて1、2を争うくらい大変でしたね。基本、ジョブは増えていくんで、開発目線でいうと後半になればなるほど辛くなるんですよ。新しい武器を作るにしてもそうですし、どの拡張よりも大変になります。

 拡張ごとに特色を持たせるのも苦労するポイントで、一回目の拡張だとフライングマウントができる背景を作れ、というのがありました。絵作りを大きく変えなければならなかったので、とても大変でした。

 その次の2回目の拡張は泳いだり潜ったりしながらゲーム体験を変えていきながらストーリーを進めていくのがあって、これまた大変でしたが、今回はもうそういう追加はなしと聞いていたので大丈夫だと思っていたら、天候が光の氾濫を引っ張ったまま絵作りしなければならないっていうのが逆に大変でしたね。

 今まで昼から夜に移り変わっていくことに頼れる絵作りによってプレーヤーの経験に紐づけられていたんですが、今回は光天候のところを開放してもまた次のエリアで光天候になるし、同じ見た目だと面白くないし、そこで調整するのが大変でしたね。

【世界設定/メインシナリオライター織田万里氏】

織田氏

――今年1年の総括と来年の抱負をお願いします。

織田氏:「漆黒のヴィランズ」の反応とかを話したいところなのですが、既に忘れかけているほどあまりに忙しく、もっと先のパッチの設定やシナリオを方々からせっつかれている状態なので、感慨にふけっている場合ではないですね。なので仕込みの一年という感じが強く、前半は追い込みとリリースがありましたが、もう遠い記憶になってしまいました。

 来年は……、運営が長いタイトルになってきて、どうしても作っている側にも慣れっこみたいな空気が出てしまいますし、常に新しい挑戦を忘れないということでユーザーさんの動向を見守りながら寄り添っていけたらと思っています。

――世界設定で、ユーザーの皆さんの注目ポイントで織田さんが驚いた部分などはありますか?

織田氏:海外特有の反応なんですけれど、ラケティカ大森林が中南米の神話とかをモチーフにしたのがやたらに刺さっていたみたいですね。海外のインタビューを見る限り、中南米を扱ってくれてありがとう、みたいな反応をされているんですよ。こちらはそんなに意識していないし、日本人が古代文明を意識すると極自然にインカやアステカになってしまうので、逆にその反応が意外でした。

――世界設定本第3弾は……

織田氏:なかなか言いづらいところではありますが、ありがたいことに反応が良いですし、その声があることは承知しております。元々僕は出版業界の出身で本を作りたいのですが、グッズの統括をしている担当から「世界設定本を作るにしても、絶対通常業務を遅らせるな、それをやったらすぐにでも取り上げる」と言われていまして、色々企画書は出しているんですけれど、形になるかはまだ未定、という感じです。

――去年CEDECに出られましたが、来年またチャレンジされたりというご予定はありますか?

織田氏:お声がけいただければぜひ、とは言ってももちろん通常業務に差し障りのないところでしかやれないのですが、ああいうところに出ていくというのは業界にとっても大切なことだと思いますし、新しい仲間をお迎えするということでも大切な場だと思うので、また良き機会があればと思っています。

【メインシナリオライター石川夏子氏、クエストデザイナー高柳早紀氏】

左から、高柳氏、石川氏

――今年1年の総括と来年の抱負をお願いします。

石川氏:とにかく今年は「漆黒のヴィランズ」をリリースできて、気が付いたらキャラクターがヒートテックを着ていて(笑)、あっという間の1年でした。来年はとりあえず2月に5.2があるんですけれど、パッチを並走しつつこの勢いを保ち続ければと思っているので、(※吐き出すように)休めない……(笑)。

高柳氏:「漆黒のヴィランズ」を上半期走り続けていて、親の声よりきいたラヒ、くらいで(笑)。でもユーザーの皆さんに喜んでもらえたなら何よりですね。5.1からヨルハのほうの実装もやっていてこれから続いていくので、ヨコオさんと盛り上げて行けたらな、と思います。

――「漆黒のヴィランズ」が出て、その称賛の声は届きましたか?

石川氏:それはもう、本当にありがたいくらいにたくさんいただきました。私は元々売り切りのゲームにいたので、発売から3週間もしたら話題を見かけなくなるような感じだったんですけれど、MMOであるという特性がいい方向に働いていて、話題が途切れずに聞こえてきて、そうするとそれを聞いた他の人がまた新しくプレイをはじめてくれたり、また感想をいただけるという、私の開発の体験のなかでこれまでなかった体験ができていますし、書く方としてもこれだけ長い間連載することがありませんので、すごく新鮮な喜びをいただいております。

高柳氏:メインストーリーの傍ら、私はカットシーンがないサブクエストのプロットから実装までをやっていて、サブクエストまでみなさんお声をいただき、そこを拾っていただけて嬉しかったですね。プロットは初挑戦だったので、こわごわしながら石川さんに「大丈夫かなぁ」なんて毎日言っていました(笑)。

――これからチャレンジしてみたいことはありますか?

石川氏:私はずっとエイプリルフールのイシュガルド学園の漫画原作の依頼がくるの待っているんですが、来ないまま来年のエイプリルフールを迎えようとしているので、イシュガルド学園じゃなくてもいいんですけれど、エイプリルフールネタの依頼をお待ちしております(笑)。

高柳氏:来年こそ好みのミッドランダ―を実装します。

石川氏:この子、やばいんですよ(笑)。放っておくと全部イケメンにするから、画面にいるNPCが全部イケメンだらけで、慌てて「ちょっとアベレージを下げてくれる?」という(笑)。

高柳氏:実は5.1でもイベント班に内緒で、ミッドランダーの顔を新しく作っちゃいました(笑)。エレゼンもいいなぁと思いつつ私がミッドランダーが大好きなので、キャラクター班の子と仲良くして、ミッドランダーかハイランダーどちらかでまた新しい子を生み出したいなぁと思っています(笑)。

【リードアーティスト市田真也氏】

市田氏

――今年1年の総括と来年の抱負をお願いします。

市田氏:無事に5.0を作り切ることができて、そして今はもう5.2に向かっていますけれど、それがチーム全体で進めていけていてほっとしています。チーム全体が成長していて、若手も力を伸ばして作品として良いものが出来ていて、この力をうまくひとつにまとめて、今後も良いものを作っていきたいなと思います。

――来年はこうしよう、とかありますか?

市田氏:MMOはずっとひとつのサイクルを繰り返していくので、新しい体験をユーザーのみなさんに届けたいということがあるので、新しいグラフィックだったりユーザー体験だったり、そういった何かを入れられるようにというのは来年も出し続けられるように頑張りたいです。

――同じチームで開発を続けてきて、今年ならではの変化はありましたか?

市田氏:新しくチームとして加わってくれるメンバーに、「FFXIV」をプレイしてそれで開発に加わりたいと思ってきてくれている人たちが増えてきました。元々いたメンバーも、外から見たこのゲームの素晴らしさみたいなものを客観的に聞くことができて、だから「次はこうしよう」みたいな刺激を受けたり、ベテランもまたそこで活気づいて、今までにはなかったコミュンケーションが生まれていますね。若手が押し上げてきていますよ、どの部署でも。

――5.0のなかで記憶に残っていることは?

市田氏:新種族はロスガルが背中を丸めた独特な風貌をしているので、共通リソースがあまり使えなくて占有コストがめっちゃかかったなぁ、と(笑)。あと背が大きいので武器がグリップに収まりきらないとか、あとマウントの調整とかも大変でしたね。

【リードプロジェクトマネージャー松澤祥一氏】

松澤氏

――今年1年の総括と来年の抱負をお願いします。

松澤氏:すごくコミュニティの面でも大きな盛り上がりがある年でしたね。プレーヤーの皆さんが盛り上がったタイミングを開発がキャッチして、それを更にお返しするというような、プレーヤーの皆さんと一緒に作ってきている感じがするというのが印象的な一年でした。

 来年に関しては、そろそろ次の大きな準備(※ファンフェス)をしなければならないので、プロジェクトメンバーは長めのスケジュールを今から組まないとといけないわけで、楽しみな反面、不安もたくさんありますね。

――今年ならではの大きな変化がありましたか?

松澤氏:プロジェクトマネージャーのチームとしてはメンバーのみんながすごい成長してきて、チームとして仕事が進むようになり、個人的には助かります。プロジェクトマネージャーとしては、お客様がツイッターで呟いたことなどをまとめて開発にフィードバックする作業とかもあるので、プレーヤーの方々と一緒に作っているのを実感しています。

――今後の展開で何か言えることはありますか?

松澤氏:言いたいことはいっぱいあるんですが、言えないんですよ(笑)。ただ、「FFXIV」は国産のMMPRPGとしては稀有なポジションにいると思いますし、フリートライアルも14日間から無期限に変えたのもそうなんですが、他がやっていないことはうちがやる、みたいな感じなので、ここからさらに攻めの姿勢を続けていければと思っています。……が、具体的にどのようなことに挑戦するかというのはまだ言えないので、追い追い吉田の口から発表されれば、ということでお願いいたします(笑)。

第56回 「FFXIV」プロデューサーレターLIVE

 今回は、いつもの吉田氏、室内氏の2人に加え、祖堅氏もPLLに参加。年内に5.18から実装されることが報告された。12月24日に希望の薗エデン:覚醒編および希望の薗エデン零式:覚醒編に関する週制限が緩和される予定であることが発表された。(ただし予定が変動する可能性あり)

 2020年2月中旬公開予定のパッチ5.2「追憶の凶星」だが、このパッチ以降インスタンスダンジョンは各パッチ1つずつ追加するように変更される。なお、新IDは開発陣からは通称「アシエン官邸」と呼ばれているそうだ。

 新たな蛮族クエストはキタリ族で、ギャザラー専用クエストとなる。キタリ族がいるのは第1世界のラケティカ森林らしいというヒントがあった。

 新たなクロニクルクエストは、ウェルリト戦役。どうやら帝国が絡んでいそうな何かであることだけが明かされた。

 新たな討伐・討滅戦は、ルビーウェポン破壊作戦、及び極ルビーウェポン破壊作戦。もうひとつ討伐戦が追加されるが、ネタバレになるためパッチ公開まで秘密になる。

 また、希望の薗エデン:共鳴編と、希望の薗エデン零式:共鳴編が追加される。スクリーンショットでは雷のステージが紹介されたことから、覚醒編で登場したリヴァイアサン、タイタンに続き、次はラムウが登場するのではないかと思われる。

 新たな装備強化コンテンツが始動。具体的なシリーズタイトルはまだ明かせないとのことだが、ロスガル族の故郷「シタデル・ボズヤ」を巡る物語になる。

 イシュガルド復興アップデートに伴い、ディアデム諸島にも改修が入り、ギャザラー専用コンテンツとして新生する。イシュガルド復興で利用可能なアイテムを採集できる。ギャザラーでも蒼天街復興券が入手できるようになる。ディアデム諸島には襲ってくる敵はいないので、安全に採集が可能。

 マテリアシステムが改修され、装備品を失わずマテリア精製が可能になる。つまり錬成度が100%になればマテリアを回収し、錬成度が0%にもどる。

後半戦は祖堅氏を迎えての質問コーナー

 質問コーナーでは、「曲のインスピレーションが湧くのはどんな時?」、「音楽の師匠は?」、「最近お気に入りのアーティストは?」「漆黒作曲のエピソード」などなど、様々な質問に答えていた。

 時折観覧席側に座っていた石川氏から、楽曲発注時のエピソードについてサポートも飛んだ。また、ファンフェス2020-2021が開催決定。欧米と日本の3ヶ所で行なわれる。詳細は公式の続報を待とう。

NGCクエストでは、ラッパー吉田氏が爆誕!

 吉田氏と鈴木氏に加え、ゲームタレントえどさん“とふみいちさんを迎え、NGCクラフト委員会が制作した特別なクエストに吉田氏がチャレンジするコーナー。

 NGC企画「スゴロクエオルゼア クリスタルブレイブ」は、プレーヤーが六面ダイスを使用して、出た目の数だけ進み、進んだあと止まったマスの効果によってクリスタルを得たり失ったり、ハプニング指定のマスに止まった場合は12面ダイスを振ってその指示に従う、といった内容。

 様々な罰ゲームで、開発の暴露話から、私物を色々とプレゼントすることになってしまうプレーヤー4名。吉田氏はエスティニアンのフィギュア、鈴木氏はリーンの似顔絵、そのほか「ランジート」のテーマでラップするふみいちさん、えどさん“などなど、この時点で会場は大盛り上がりだったのだが、鈴木氏も「エメトセルク」のテーマでラップバトルに加わることに。

鈴木氏手書きのリーンの似顔絵

 会場が笑い転げる中、次の罰ゲームは吉田氏が「ティターニア」のテーマでラップバトルへと参戦する由々しき事態に。テーマが「ティターニア」なのに、「HEY YO!」を連発する吉田氏。その瞬間にはツイッターで「ヘイヨー」と「へいよー」がトレンド入りするほどの騒ぎとなった。

 なお、鈴木氏と吉田氏の即興ラップの歌詞はこちら。

【テーマ:エメトセルク 】歌:鈴木健夫
 エメトセルク エメトセルク おまえのそこ猫背 好きだぞ
 エメトセルク エメトセルク おまえのその白髪 好きだぞ

【テーマ:ティターニア 】歌:吉田直樹
 HEY YO! HEY YO! HEY YO! ティターニア
 HEY YO! HEY YO! みんなどうしておこりんぼ
 HEY YO! HEY YO! おまえの名前 ティターニア

ラッパー吉田氏、爆誕の瞬間

 会場にいた関係者はもちろん爆笑の渦だったが、それだけでは終わらず、吉田氏は当分この「へいよー」を、様々な場所で引きずることとなる。合掌。

えどさん“とふみいちさんから贈られた、お祝いのケーキ。我々メディア陣もご相伴にあずかった。フルーツたっぷりのクレープケーキ、大変美味でした!

ゆういち散歩と、麻雀大会決勝戦

 サンクレッド役の声優・中村悠一さんをゲストに加え、「ゆういち散歩」と題し、中村さんとラッパーの吉田氏(笑)がゲーム内に登場。バトルコンテンツやハウジング訪問など、ゆるゆるとまったり進むコーナー。

 登場してすぐに吉田氏に、「次のパッチでラップ入るんですか」とジャブをかます中村さん。なお中村さんは控室で吉田氏のラップを見ていたようだが、メイクさんが真顔で「これ、なんですか?」と聞いてきたそうで、大変居た堪れない気持ちになったそうだ。その話に「もう帰りたい」と頭を抱える吉田氏。

サンクレッドでレイド参戦! ゆういち散歩

 ゆういち散歩では、吉田さんがAアライアンス、中村さんがBアライアンス、室内氏がCアライアンスとでパーティを組み、残りの21人を募集して複製サレタ工場へと行くことに。だが、パーティを組む最中もずっとsayやアライアンスチャットで「へいよー」と言われ続けていた吉田氏は、ひたすら項垂れるばかりだった。(これでも取締役である)

 ジョブはもちろん吉田氏は黒魔道士、室内氏は白魔道士、そして中村さんはガンブレイカーでの参戦。中村さんのキャラクターは、有料衣装として販売されている蒼天~紅蓮時代のサンクレッドの衣装かつ、キャラクターもサンクレッドとなっていた。このアライアンスに参加できたプレーヤーは、まさに本物のサンクレッドと一緒にプレイをすることが出来たのだ。

 「プレイ中無言にならないように」という室内氏の指摘を受け、収録の秘話などを色々明かしたり、吉田氏や室内氏と「今後レベル80タイタンみたいなのも欲しいよね」と和やかムードで進んでいく24人レイド。途中Bアラタンクの中村さんが死亡したりといったハプニングもあれど、無事にクリア。最後には参加者たちの記念スクリーンショットに参加するというファンサービスも忘れない。

 そして24人レイドのあとはプレーヤーのお宅訪問企画へ。時間の都合で残念ながら1人のおうちにしかお邪魔できなかったものの、仕切りを活かして地下を広く見せる工夫のあるハウジングに3名とも「すごい」と食い入るように画面を見つめ、様々なハウジングテクニックをチェックしていた。

 最後に中途半端に余った時間を使って、希望の薗エデン零式:覚醒編へと向かった吉田氏と中村さん。中村さんはいつの間にかメインジョブのナイトへとジョブチェンジ。吉田氏がピュアレイの誘導ミスで数名を巻き込み死させるハプニングに、吉田氏は「本当に申し訳ない……」とひたすら画面の前で項垂れている場面もあった。

 結局1回のワイプを経て無事にクリアしたものの、最後の最後デルタアタックで再び吉田氏が死亡した瞬間に倒し切っておしまいとなったオチに、今日はもうだめだと魂が抜けたような姿を見せた。

 そして吉田氏はここでスクウェア・エニックスを後にし、急いで並行企画として別会場で実施されている「ドマ式麻雀実装約1周年記念ファイナルファンタジーXIV麻雀大会2019」の決勝戦へと向かった。

 この麻雀大会は、なんと進行や実況解説にプロ雀士も参加する、本格的な麻雀放送となっており、参加者は松野泰己氏、齊藤陽介氏、髙井浩氏、前廣和豊氏、祖堅正慶氏、河本信昭氏、中川誠貴氏、高橋新氏と、豪華メンバーが勢ぞろい。

 進行は、優月みかプロ(日本プロ麻雀連盟)、実況解説は山田史佳プロ(日本麻雀101競技連盟)が務めており、決勝戦に残ったのは松野泰己氏、齊藤陽介氏、河本信昭氏。そこに吉田氏を加えて行なわれた決勝戦では、河本氏が圧勝での優勝となった。

 長い14時間生放送はこの後も「打ち上げ」と称し、5.1から「ヨルハ」コラボにて参加中のヨコオタロウ氏なども加わり、都内某焼肉店にて続いていた。開発者たちの普段見られない顔が見られる麻雀大会や、打ち上げ。自分たちが遊んでいるゲームを作っている人たちの意外な素顔を見ることもできる14時間生放送なので、次回の放送は恐らく1年後となるだろうが、楽しみに待っていてほしい。