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カードになっても「LoL」感満載! 「リーグ・オブ・ルーンテラ」ファーストインプレッション

ユニバース好きにはたまらないテキストの数々

2020年 リリース

 ライアットゲームズは、Android/iOS/PC用デジタルカードゲーム「リーグ・オブ・ルーンテラ(LoR)」を2020年にリリースする。

 「LoR」は、10月16日の10時より行なわれた生放送「Riot Pls」にて突如発表されたタイトルで、世界的に総人口1億人を超えるPC用MOBA「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」のIPが使われたタイトルだ。ターンが存在せず、相手と交互に行動するという斬新なルールで、独特な駆け引きが発生するカードゲームとなっており、これまでのDCGとは違った新鮮な体験を味わえる。

 また本作では、カードのイラストだけでなく、その効果に演出、フレーバーテキストなど、様々な要素に「LoL」らしさが盛り込まれている。エズリアルのカードでは軽量のスペルを連続で使用したり、ティーモのカードでは毒キノコを大量に仕掛けたりと、「LoL」でのチャンピオンの特徴を上手く捉えられているだけでなく、ヤスオの兄であるヨネなど、ストーリーでしか語られていないキャラクターが登場したりと、「LoL」以上に「LoL」のユニバースを楽しむことができ、「LoL」ファンであれば必見のタイトルだ。

 すでに事前登録が開始されており、アナウンスプレビューとして一部の人がプレイできる。筆者もプレイすることができたので、早速インプレッションをお届けしたい。

一手一手を慎重に。交互に行動するシステムで深い読み合いを楽しめる

 本作の最も特徴的なゲームシステムとして、ターンが存在しないところにある。「LoR」におけるターンはラウンドと呼ばれており、攻撃側と防御側がラウンド毎に入れ替わる仕組みだ。攻撃側のプレーヤーが先にカードを1枚使用したら、次に防御側がカードを1枚使用できる。

一手行動するごとに行動権が入れ替わる。相手の行動をみてから最善手を選択するのが重要だ
攻撃側は攻撃するユニットを、防御側はどのユニットでどの敵を防御するか選択できる。防御側のほうが有利なトレードを行ないやすい

 そのため、何も考えずにカードを使用するのに必要なコスト「マナジェム」を使い切ってしまうと、いきなり強力なカードを使われてピンチに陥ってしまう可能性がある。どの順番で、どのタイミングで、どのカードを使用するか、いつ攻撃するかなど、ひとつひとつの行動を慎重に行なう必要があるので、非常にスリリングな読み合いを楽しめる。

例えばこのシーン。自分の手札には相手のユニットを全て破壊する「破滅」がある。使ってしまいたい場面ではあるが、相手のマナジェムが最大なので、真っ先に「破滅」を使ってしまうとその後に再展開される可能性がある
「破滅」を我慢していると、相手はこちらの盤面を見かねて全体除去を内蔵したユニット「彷徨いし者」をプレイしてきた
「彷徨いし者」は単体でもかなり驚異となるユニットなので、相手のマナジェムがなくなったいまこそ「破滅」を使う。もしも自分が先に「破滅」を使用していたら、アニビアの卵が全て除去された上に、「彷徨いし者」が残ってしまう場面だった

好きなチャンピオンでデッキ構築する楽しみ。「LoL」でのプレイ体験を「LoR」でも

 「LoR」をプレイして最も驚いたのは、「LoL」でのチャンピオン性能をそのまま再現できている点だ。筆者は好きなチャンピオンである「アニビア」を主軸にしたデッキを組んだが、アニビアのスロウ&AoEで敵を倒していく快感を「LoR」でも感じられた。他にも、ヤスオは、スタン(行動不能)またはリコール(手札に戻す)させる時にその敵を攻撃するという効果で、打ち上げてから全ての敵をウルトで薙ぎ払う様が再現されている。

 また、そのうえでカードゲームならではのプレイフィールがある。筆者はフレヨルドとシャドウアイルを使ったデッキを構築した。1度ユニットを倒してから蘇生させる「破滅の編纂者」とアニビアを組み合わせ、アニビアを増殖させるというカードゲームらしいコンボを使えた。

「LoL」で最も好きなチャンピオンであるアニビアをチョイス。レベルアップ時にはアタック時のダメージが2になる
アニビアのアタック時の効果で一網打尽。「LoL」での、ウルトのAoEが上手く決まったときの爽快感を味わえる
味方1体をキルし、その後それを蘇生させる効果を持つ「破滅の編纂者」。アニビアに使うことで、アニビアを増殖させられる
アニビアが場に3体も。どのカードゲームでも同じだが、自分の考えたデッキが回ったときは脳汁が出る

「LoL」ファンはたまらない! あのチャンピオンたちがカードに!

 本作の主なカードの種類は、「ユニット」と「スペル」、「チャンピオン」の3種。ユニットはフィールドに召喚して戦わせるカードで、スペルは使用した瞬間に効果を発揮するカード。そしてチャンピオンは、「LoL」のプレイアブルキャラクターであるチャンピオンたちがカード化されたものだ。基本的にはユニットと同じ扱いだが、それぞれのチャンピオンに定められた条件を満たすことでレベルアップし、効果がより強力になるという特徴がある。ティーモであれば「毒キノコを15個以上植え付けた時」、ルシアンであれば「光の番人 セナが力尽きた時」などレベルアップの条件は様々で、「LoL」での性能やストーリーが元になっていることが多い。「LoL」プレーヤーであれば効果テキストを読むだけで楽しくなってくる。

 また、全てのカードは“地域”に属している。地域は全部で6つ。それぞれが固有のカードプールとなっており、デッキを組む際は最大2つの地域を選択して構築することになる。デッキに入れるカードは40枚で、カード1種類につき3枚まで入れられ、チャンピオンカードはデッキに6枚までだ。

 なお、「LoR」の詳細はこちらの記事でもお伝えしているので参考にしてほしい。

「ユニット」フィールド上に召喚して直接戦ってくれるカード。もちろんユニットには、味方のユニットを守ったり、敵のユニットにダメージを与えたりなど様々な効果を持つカードがある
「スペル」1回きりの効果を持つカード。ユニットと違い使い捨てになるが、強力な効果が多い
「チャンピオン」基本的にはユニットと同じだが、レベルアップという固有の効果を持つ
レベルアップ後のルシアン。ステータスと効果が強化されている。2丁拳銃使いらしく、2度攻撃する効果に変化する
各カードのフルイラストとフレーバーテキストをみることができる。フルイラストでは、ルシアンとカードイラストにセナも描かれていることがわかる
フレーバーテキストではストーリーやキャラクターたちの特徴に触れられる。「LoL」ユニバースが好きな人にはたまらない内容だ
「LoR」の各地域。左から「ピルトーヴァー&ゾウン」、「ノクサス」、「アイオニア」、「フレヨルド」、「デマーシア」、「シャドウアイル」。すべて「LoL」舞台であるルーンテラの地域名だ

 「LoR」はすでに、1回目のプレビューとは思えないほどのクオリティになっている。チャンピオンをレベルアップさせる気持ちよさや読み合いの奥深さ、「LoL」の世界観に美しいビジュアル、そのすべてが高クオリティで実現されている。

 正式なリリースは2020年とまだまだ先のことになるが、今後もドラフトモードやフレンド機能、ランク戦など、まだまだ新機能が実装されて進化していくと思うと楽しみで仕方がない。