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ハリポタファンの夢を叶える! 日本配信迫る「ハリー・ポッター:魔法同盟」の使命

Niantic、WB Gamesエグゼクティブがゲーム内容詳細をプレゼン

今夏 配信予定

利用料金:無料(アイテム課金制)

 NianticとWB Gamesは、Android/iOS用ARゲーム「ハリー・ポッター:魔法同盟」を2019年夏に配信する。利用料金は無料で、ビジネスモデルはアイテム課金制。

【編集部追記】
7月2日、日本での配信が開始されました。

 「ハリー・ポッター:魔法同盟」は、現実世界と連動する「ハリー・ポッター」をテーマとしたARゲームで、海外では米国を中心に配信されている。日本での配信日は今夏とされているが、今回は配信前に、日本語版に関するプレゼンテーションと、デモ版を実際に触れる機会を得た。

 本稿では、Nianticプロダクトマネジメントエグゼクティブプロデューサーのジョン・ファビアン氏、WB Games San Francisco副社長兼スタジオヘッドのジョナサン・ナイト氏より実施されたプレゼンテーションの内容をお届けする。

Nianticプロダクトマネジメントエグゼクティブプロデューサーのジョン・ファビアン氏
WB Games San Francisco副社長兼スタジオヘッドのジョナサン・ナイト氏

 両氏からは、「ハリー・ポッター:魔法同盟」の世界観や、ゲームの流れ、大まかな機能に関する詳細が話されていった。デモ版の手触り等については別稿にてご紹介しているので、そちらをご覧いただきたい。

ゲームで「魔法がすぐそばにある感覚」を表現

 まず登壇したのはNianticファビアン氏。ファビアン氏は、Niantic CEOのジョン・ハンケ氏がGDC 2019で講演したNianticのミッションである「探索」、「運動」、「社会」を改めて述べた。

 Nianticとしては「Ingress」、「ポケモンGO」に続くARゲームの登場となるが、「ハリー・ポッター:魔法同盟」ではNicanticとWB Gamesのビジョンが当初から一致していた。両社の幹部が一堂に会した最初の話し合いですら、「あれほどスムーズに運んだミーティングはない」とハンケ氏が振り返るほどだったという。

 実際のゲームの内容については、WB Gamesナイト氏から説明があった。本作が掲げるコンセプトは、「『ハリー・ポッター』ファンの夢を叶える」こと。WB Gamesの担当は、ゲームデザイン、UX制作、サウンドデザイン、VFXなど。ARゲームの仕組みを使い、プレーヤー自身が主人公となって、「ハリー・ポッター」の世界を楽しむようなイメージだ。

“ファンの夢を叶える”ことが「ハリー・ポッター:魔法同盟」の使命となっている

 本作では、「ハリー・ポッター」の現実世界と魔法世界が“実はすぐそばにある”という設定をゲームの中で実現しようとしている。魔法世界の現象や生物は、本来マグル(魔法世界での人間の呼び名)の目に触れてはいけない。しかしゲームの中ではある“大厄災”が起こっているため、魔法世界の動物や人、ものが現実世界に溢れてきている。

 そこで要請されるのがプレーヤーというわけだ。プレーヤーは魔法使いであり、世界中の魔法使いと力を合わせて「魔法世界の危機を救う」ために行動を起こしていく。

ゲーム要素1:街を歩いて魔法の力を溜める

 ナイト氏が本作の「ゲームの柱」として掲げたのは3つ。すなわち「魔法はいつも君のそばに」、「魔法使いとしての自らの潜在能力を悟る」、「団結して強くなる」だ。

 「魔法はいつも君のそばに」は、本作の世界に入ると魔法の世界がたちまち表れてくるゲームの機能やアイテムを意味している。

 本作は実際の地図情報や位置情報を使用するが、マップは現実とは少し違うビジュアルとなっており、いたるところに「宿屋」や「温室」といったチェックポイントが浮かんでいる。

 「宿屋」では食べ物を獲得でき、魔法を使うのに必要なエネルギーがチャージできる。また「温室」では、魔法の薬を作成するのに必要な植物を採取できる。

ゲーム要素2:魔法使いとして振る舞う

 こうした街を歩いていると実感できるのが、「魔法使いとしての自らの潜在能力を悟る」という2つ目の柱だ。まず本作では、「魔法省のID」を作成できる。このID、要は自撮り写真なのだが、「ハリー・ポッター」らしいフィルターや装飾を加えることで、「魔法省が発行した自分だけのID」を作れる。

 またマップを歩いていると、魔法の「痕跡」を示すアイコンがポップアップする。アイコンをタップすると、「魔法動物が鎖に繋がれている」、「スネイプ先生がガラス瓶に閉じ込められている」などといった事件に遭遇する。

 ここで魔法を使用し、事件を解決していくのがプレイの基本だ。画面上に示された模様を杖を振るようになぞると、状況に応じた魔法が発動する。事件を解決すれば、アイテムや魔法動物、キーパーソンなどが手元の事典に登録されていく。

 事典の項目は「闇の魔術」、「ホグワーツ校」、「不可思議な人工物」などと多岐にわたっており、コレクション要素にもなっている。数多くの事件を解決し、事典を埋めながら、魔法使いとしてのレベルを上げていくという仕組みだ。

街で起きている事件を解決していく
解決した事件に合わせてコレクションが埋まっていく

ゲーム要素3:一緒に戦って謎を解き明かす

 最後の「団結して強くなる」という柱は、仲間と協力するゲーム要素を意味している。マップ上にある「砦」では、最大4人の仲間で敵と直接対決する「魔法使いチャレンジ」をプレイできる。

 また現実世界に魔法が溢れ出るようになった“大厄災”の原因を知る手がかりが、ゲーム内で断片的に得られるようになっている。他の魔法使いと情報交換しながら、謎を明らかにしていくこともプレイの楽しみのひとつだとした。

本作は成長要素も特徴的。3つある職業にそれぞれスキルツリーが存在する

 ナイト氏によれば、こうした要素以外にも様々な仕組みを用意しており、正式配信後も新しい要素を加えていく予定だという。そうして配信を継続し、「未来永劫続くようなゲーム」にしていきたいと結んだ。

 なお「ポケモンGO」における「Pokemon GO Plus」のような外部デバイスが発売されるかどうかについて質問されると、ファビアン氏は「そういったプランは発表してない」と含みのある言い方で答えた。もしかしたら何かしら企画中であることを期待しながら、まずは配信日を楽しみに待ちたい。