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日本代表を決める戦いがが熱い「ホビージャパン・ゲームフェスティバル2019」

初めての人にも楽しめるボードゲーム体験会もたくさん

6月29日、30日開催

会場:ベルサール西新宿

 ホビージャパンは6月29日と30日、様々なボードゲームの体験や、「ドミニオン」、「パンデミック」などの日本選手権を行なうイベント「ホビージャパン・ゲームフェスティバル2019」を、東京・ベルサール西新宿で開催した。

 本イベントは年1回ホビージャパンが主催するゲームイベント。「ドミニオン」の日本選手権では150人以上の選手が予選に参加し、日本一の座を競う。今回「ドミニオン」は世界選手権は行なわれないものの、「パンデミック」の優勝者は世界選手権参加の権利と、渡航費用が賞品となる。この他にも様々なタイトルの日本選手権が行なわれた。

 さらにコマをはじいて追いかけっこを行なう「アイスクール」、鉄骨や作業員などをバランス良く配置していく「メン・アット・ワーク」、お題の通りにブロックを積み上げていく「TUKI」など様々なボードゲームを体験することもできた。今回はイベント初日の風景をレポートしていきたい。

たくさんの選手だけでなくボードゲームファンが集まった
その場で説明を受けながらゲームをプレイする体験コーナーも充実

 今回のイベントの目玉は「ドミニオン」の日本選手権だ。午前と午後で合計で150人以上のプレーヤーが集い日本一の座を競う。2008年に生まれ、日本でも2009年から展開している長く人気を誇るカードゲームである。プレーヤーは小国の領主として自分の領土拡張を目指していく。

 プレーヤーは山札からカードを引き、デッキに領土カードを組み入れることで、領土を拡張していくのだが、こちらを重視しすぎるとアクションカードや様々なものを購入できる財宝カードを持てなくなる。時にはカードを“廃棄”してデッキをスリム化するなど、駆け引きが求められる。4人で1つのテーブルを囲み、最も領土を広げたプレーヤーが勝ちとなる。

 そして本作の大きな特徴が「拡張セット」の存在だ。長い歴史を持ちルールが改訂されながら「ドミニオン」は成長している。そして拡張セットによって「勝利の筋道」が設定されている。山札から得られるカードはランダムであるが、どう使えば勝利に近づくかは“定石”ともいえる戦略がある。

 選手権で勝つにはこの定石をいかに身につけ、そしてそれが実現できる運があるかだという。試合ではどの拡張セットが山札に組み込まれるかは直前まで明らかにされない。他のプレーヤーと競いながら必勝の方法を模索していく、上級者はその駆け引きが熱いとのことだ。

【ドミニオン日本選手権】
午前と午後で150人以上のエントリーがあった。勝ちことで次の日の決勝戦に進める

 もう1つの日本代表選手権が行なわれたのが「パンデミック:サバイバル」。これは「パンデミック」というゲームの拡張ルールとなる。「パンデミック」は、世界に蔓延する病気に対し、どう立ち向かうかをボードゲームで表現したものだ。ボードには世界地図が描かれ、バンコク、上海、など実際の都市で感染が広がる様が再現されるのはリアルな雰囲気がある。

 本作の大きな特徴はテーブルを囲むプレーヤー達は協力して感染を食い止めると言うこと。対戦型ではなく、協力型ゲームなのだ。刻々変わる状況に合わせ協力していく。「パンデミック」は4人まで参加可能だが、4人だと状況への対応が手広くできるが、アクションを行なうためのカードの山札の減りが早く、戦略性がより求められるとのことだ。

 日本選手権である「パンデミック:サバイバル」では、2人のプレーヤーが1チームとして参加、チーム対戦となる。ここでは同じ条件でプレイがスタートする。感染の発生場所も同じで、状況も同じ、その状況にいかに効率よく対処するかを競うことになる。最もうまく状況に対処したチームが勝ちになるのだ。

 勝つためには「状況を先読みすること」。山札はあらかじめ運営者によって組まれているが、「クリアするためにはどうすれば良いか」を考えて組まれている。これを予想するのがこのゲームのコツだという。またターン時間は限られていて、パートナーと打ち合わせをするとその時間はとても短い。様々な要因が絡む奥深い戦いが繰り広げられていた。

【パンデミック:サバイバル日本選手権】
2人で1チーム。同じ状況の中、どこまでうまく対処するかを競う

 そして競技だけでなく、ボードゲームの試遊がある。こちらをメインで訪れている人も少なくなかった。気になったゲームを買うことができるのもポイントが高い。「D&D」の販売はかなり力が入っていた。2日目には「D&D」のコーナーもあったとのことで、こちらを見ることができなかったのはちょっと残念だった。

 各試遊コーナーはホビージャパンスタッフの丁寧な解説も入っていて初心者や子供でも楽しくプレイできる。次回の「ホビージャパン・ゲームフェスティバル」には足を運んでみてはいかがだろうか?

【アイスクール】
ペンギンの学校での追いかけっこ。鬼役のプレーヤーから逃れながら魚を食べる。不安定なペンギンのコマをはじいて進め、鬼役はゲートボールのようにぶつける。今回はデモ用の大きな版を使ってのプレイとなった
【メン・アット・ワーク】
カードを引くことで条件が出され、プレーヤーは工事現場が崩落しないようにバランスを取りながら人や鉄骨を配置していく
【TUKI】
出されたお題の通りにブロックを積んでいく。白いブロックは“雪”で、隙間埋め用のパーツであり、これを活用することで他のブロックをしっかり固定していくのだ。イヌイットが作る道しるべや看板などを示す石の塔がモデルだという
【老師敬服】
道場の主である「老師」となり、弟子を雇い、自らの道場を広げていくゲーム。プレーヤーは弟子に様々なアクションを起こして彼らに様々な能力を付与していくのだが、他のプレーヤーは「敬服」することでアクションカードの消費なしに氏のアクションをコピーできる。この敬服をいかに集めるかが勝利のカギで、いかに相手プレーヤーのアクションをコピーしながら自分を有利にしていくかを求められる
【アズール】
タイル職人となり、王様を満足させる壁を作るゲーム。同じ色を揃え並べていくが、余ったタイルは減点になるなど駆け引きの要素がある。ボードに並ぶタイルが美しいゲームだ
【販売コーナー】
気に入ったゲームがすぐに買える。「D&D」コーナーも充実していた