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デル、20mmの薄さにハイスペックパーツを詰め込んだ「NEW ALIENWARE m15/17」。なぜレジェンドデザインに移行したのかゴヤネス氏に聞く

6月28日開催

 デルは6月28日、都内で発表会を開催し、最新のゲーミングノートPC「NEW ALIENWARE m15」(以下、m15)、「NEW ALIENWARE m17」(以下、m17)、「New Dell G7 17」、「New XPS 15」を発表した。発売日はNEW ALIENWARE m15/17、New XPS 15が6月28日、New Dell G7 17が2019年7月上旬をそれぞれ予定し、価格はNEW ALIENWARE m15が212,980円から、NEW ALIENWARE m17が232,980円から、New XPS 15が207,980円から。New Dell G7 17については価格未定。

【NEW ALIENWARE m15】
CPU:Core i7-9750H/Core i9-9980HK
GPU:GeForce GTX 1660Ti/GeForce RTX 2060(オーバークロック対応)/GeForce RTX 2070 Max-Q Design
メモリ:16GB
ストレージ:256GB PCIe SSD/512GB PCIe SSD/1TB PCIe SSD/2TB PCIe SSD/512GB RAID0(2×256GB)PCIe SSD/1TB RAID0(2×512GB)PCIe SSD/2TB RAID0(2×1TB)PCIe SSD/4TB RAID0(2×2TB)PCIe SSD
光学ドライブ:-
ディスプレイ:15.6インチワイド非光沢液晶/光沢有機EL液晶、1,920×1,080ドット表示(60Hz IPS)/1,920×1,080ドット表示(144Hz IPS、Tobii Eye Tracking対応)/1,920×1,080ドット表示(240Hz IPS、Tobii Eye Tracking対応)/3,840×2,160ドット表示(60Hz 有機EL)
サイズ:360.5×276×17.9~20.1mm(幅×奥行×高さ)
重量:約2.16kg
OS:Windows 10 Home 64ビット/Windows 10 Pro 64ビット
価格:(税別)212,980円~

製品ページ

https://www.dell.com/ja-jp/shop/cty/pdp/spd/alienware-m15-r2-laptop

【NEW ALIENWARE m17】
CPU:Core i7-9750H/Core i9-9980HK
GPU:GeForce GTX 1660Ti/GeForce RTX 2060(オーバークロック対応)/GeForce RTX 2070 Max-Q Design
メモリ:16GB
ストレージ:256GB PCIe SSD/512GB PCIe SSD/1TB PCIe SSD/2TB PCIe SSD/512GB RAID0(2×256GB)PCIe SSD/1TB RAID0(2×512GB)PCIe SSD/2TB RAID0(2×1TB)PCIe SSD/4TB RAID0(2×2TB)PCIe SSD
光学ドライブ:-
ディスプレイ:17.3インチワイド非光沢液晶、1,920×1,080ドット表示(60Hz IPS)/1,920×1,080ドット表示(144Hz IPS、eyesafe ディスプレイ テクノロジー、Tobii Eye Tracking対応)
サイズ:399.8×295.5×18.6~20.5mm(幅×奥行×高さ)
重量:約2.63kg
OS:Windows 10 Home 64ビット/Windows 10 Pro 64ビット
価格:(税別)212,980円~

製品ページ

https://www.dell.com/ja-jp/shop/cty/pdp/spd/alienware-m17-r2-laptop

【New Dell G3 15】
CPU:Core i7-9750H/Core i5-9300H
GPU:GeForce GTX 1050/GeForce GTX 1650/GeForce GTX 1660Ti max-Q Design
メモリ:最大32GB
ストレージ:256GB M.2 PCIe SSD/512GB M.2 PCIe SSD、1TB HDD
光学ドライブ:-
ディスプレイ:15.3インチワイド非光沢液晶、1,920×1,080ドット表示(60Hz)/1,920×1,080ドット表示(144Hz)
サイズ:365.5×254×21.6mm(幅×奥行×高さ)
重量:約2.34kg~
OS:Windows 10 Home 64ビット/Windows 10 Pro 64ビット
価格:(税別)97,733円~

製品ページ

https://pilot.search.dell.com/new%20dell%20g3%2015

【New Dell G7 17】
CPU:Core i7-9750H/Core i5-9300H
GPU:GeForce GTX 1050/GeForce GTX 1650/GeForce GTX 1660Ti max-Q Design
メモリ:最大32GB
ストレージ:256GB M.2 PCIe SSD/512GB M.2 PCIe SSD、1TB HDD
光学ドライブ:-
ディスプレイ:17.3インチワイド非光沢液晶、1,920×1,080ドット表示
サイズ:404×295.8×25mm(幅×奥行×高さ)
重量:約3.14kg~
OS:Windows 10 Home 64ビット/Windows 10 Pro 64ビット
価格:未定

【New XPS 15】
CPU:Core i7-9980HK/Core i7-9750H/Core i5-9300H
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:最大32GB
ストレージ:256GB M.2 PCIe SSD/512GB M.2 PCIe SSD/1TB M.2 PCIe SSD
光学ドライブ:-
ディスプレイ:15.6インチワイド非光沢液晶/光沢有機EL液晶/光沢タッチ液晶、1,920×1,080ドット表示(フルHD)/3,840×2,160ドット表示(4K)
サイズ:357×235×11~17mm(幅×奥行×高さ)
重量:約1.8kg~
OS:Windows 10 Home 64ビット/Windows 10 Pro 64ビット
価格:(税別)207,980円~

デザインとパフォーマンスを両立したいゲーマー向けのノートPC

 発表会には同社のALIENWAREグローバルプロダクトマーケティングマネージャーであるエディー・ゴヤネス氏が登壇し、新製品について紹介した。

同社ALIENWAREグローバルプロダクトマーケティングマネージャー エディー・ゴヤネス氏

 発表されたm15とm17は、1月に発表された「ALIENWARE AREA-51M」に採用されたものと同じ「レジェンドデザイン」を採用している。これまでの黒を基調とした外観である「ダーク サイド オブ ザ ムーン」に加えて、薄いベージュ色の「ルナー ライト」も追加され、スタイリッシュ感が増しているのが特徴だ。筐体にはマグネシウム合金を採用。これにより軽量化と薄型化を図れることとなり、構造的な強化も実現した。なお背面の排気口と本体上部のALIENWAREロゴはAlienFX照明が割り当てられており、光る。

 キーボードは、キーストロークが1.4mmから1.7mmへと深くなった。キーボードは中心にわずかなくぼみを持たせて配置されているので、「指を触れるだけでその打ちやすさは実感できる」とゴヤネス氏。それだけでなくキー自体も進化している。これまではエリアでしかRGBを指定できなかったが、キーごとに光り方を変えることが可能になっている。ほかにもNキーロールオーバーに対応したほか、複数同時にキーを押したときの誤入力を防ぐアンチゴースト機能も備えている。

 タッチパッドはプラスチック製からガラス製へと変更。手触りもよく、なめらかなタッチ感となっている。

NEW ALIENWARE m15
NEW ALIENWARE m17
キーボード部の拡大。m17には右側にテンキーが用意されている。タッチパッドは確かになめらかに指を動かせると感じた
本体色は「ダーク サイド オブ ザ ムーン」と「ルナー ライト」の2色用意されるほか、排気口とロゴが光る仕様だ
ルナー ライトの天板がまぶしい。m17は「17」、m15は「15」と右下にデザインされている

どのような条件でもパフォーマンスを維持するための仕組みが満載

 ハイパフォーマンスのCPUやGPUを搭載しているノートPCでは、パフォーマンスを維持することが非常に重要となる。m15/m17では、CPUに6フェーズ、GPUに8フェーズのレギュレーターを搭載した(旧モデルは4フェーズ)。これにより安定した電源供給を実現したいる。

 そこで気になるのは排熱問題だろう。熱がたまりすぎるとCPUはクロックを落とすため、パフォーマンスが低下してしまう。m15/m17にはハニカムパターンのある吸排気口が用意され、底面とキーボード上部から給気し、背面と側面で排気する仕組みが作られている。CPUとGPUのファン直径も大型になり、多くの空気を吸って排熱できるようになっている。

1つの基板の中にCPUとGPUを共存させることで薄型化を図ることが可能に
吸排気機構も進化し、熱をうまく逃がすようになっている
実機の底部はこのような形
背面の排気口

外部出力は背面に集中

 筐体に用意される入出力端子だが、HDMIやDisplayPort、Thunderbolt 3.0ポートなどは、ケーブルがゲームプレイの邪魔にならないよう背面に配置されている。USBポートはUSB3.1 Gen 1が左右合わせて3ポートある。

 そしてこだわりのひとつが有線LAN用のRJ-45端子を備えていること。「競合の製品では取りやめてしまっているものも多いが、まだ重要だと思うので付けた」(ゴヤネス氏)という。

左からHDMI2.0bポート(HDCP2.2出力対応)、Mini DisplayPort1.4、Thunderbolt 3.0 Type-Cポート、Alienware Graphics Amplifierポート、AC電源コネクタ
右側面に用意されるUSB3.1ポート×2
左側面。左から有線LAN端子、USB3.1ポート、ヘッドフォンジャック

「G」シリーズの最新モデルが登場。15インチの「XPS」シリーズも

 今回はALIENWAREのシリーズだけでなく、「G」シリーズの最新モデルも発表された。「New DELL G3 15」は15.6インチモデル。Core i7-9750H/i5-9300Hを選択でき、GPUもGeForce GTX1050/1060/1660Ti max-Q designと幅広いラインナップが用意される。スリムベゼルなのも特徴で、144Hzのディスプレイも指定可能だ。英語キーではRGBバックライトキーボードオプションを選ぶことができる。液晶ディスプレイにも144Hzのタイプを選ぶことが可能だ。

 「New DELL G7 17」は17.3インチ液晶となるモデル。CPUは「New DELL G3 15」と同じだが、GPUがGeForce GTX 1660Tiと、GeForce RTX 2060の2種類が用意される。

 このほか、発表会では紹介されなかったが、XPSシリーズの「New XPS 15」も発表されている。CPUはCore I5-9300H/i7-9750H/i9-9980HKを選択可能。GPUはGeForce GTX 1650のみとなっている。液晶ディスプレイはフルHDと4Kが用意され、有機ELもチョイス可能だ。

New DELL G3 15の特徴
New DELL G3 15本体
New DELL G7 17の特徴
New DELL G7 17本体
New DELL XPS 15。有機ELディスプレイはとても発色がよい

レジェンドデザインがこれからの主流に

 発表会終了後、エディー・ゴヤネス氏にインタビューする機会を得たので、ここから紹介していこう。

――以前のエピックデザインと新型で採用されたレジェンドデザインは何が違うのでしょう。

ゴヤネス氏: エピックデザインはここ10年のデザインの中で改良されてきました。カドが尖っていたり、メカニカルな印象がありますね。レジェンドはスムーズで有機的なイメージです。デザイン的には2002年より前に立ち戻る感じです。その当時のノートブックやデスクトップはカーブが多くて優雅な形ですよね。それに近くなっています。

 エピックの場合は「トライアット」と呼ばれるY字型が印象的です。そこが光るので1番目を引きます。しかしレジェンドでは排気口とALIENWAREのロゴ2か所が光ります。そうすると視線が1か所に集中しないで2つへ目が行きます。

 また使っている素材ですが、エピックはアルミ、レジェンドはマグネシウム合金になりました。またベゼルが狭くなったのでスリムになりました。形が変わったということが言えますね。エピックは武器のような戦闘的な印象を受けます。レジェンドの場合はとがったところがないので、ルーツに立ち返ったと言えます。

――しかし、尖ったデザインこそALIENWAREだと思うのですが。

ゴヤネス氏: それは今年から変わります(笑)。おっしゃることもわかります。2014年にエピックデザインは始まりました。それから5年ほどたっていますが、それによって定着しました。しかし競合がこのデザインをさんざんコピーしたので、路線を変えたいということもあります。

――新しいm15とm17は「New」を付けただけで型番が変わっていません。何か理由があるのでしょうか?

ゴヤネス氏: いい質問です。前の世代と今の世代と重なっているわけですが、最終的には今のレジェンドデザインに移行します。前の世代が終われば一つの世代に集約します。

――薄さを追求するに当たって捨てたものはあるのでしょうか。

ゴヤネス氏: メモリのアップグレードですね。そこはできなくなりました。でもそれだけだと思います。サブウーファーはありませんし、m15ではキーパッドもありません。そのあたりでしょうか。でもそれは絶対に必要なものではありませんよね。デザインを最適化することが優先です。ベゼルを削ることがプライオリティが高かったです。そうしなければ筐体がもっと大きくなっていました。サブウーファーはコストが上がりますのでバリュー感が消えてしまいます。メモリのアップグレードは薄さを追求するために、意図的にやりました。パフォーマンスも一つの要素ですが、そのために一つのちいさなマザーボードに全部載せなければいけません。そのような事情です。

――m15では240Hz対応のディスプレイも選べますが、需要はどのくらいあるのでしょうか。

ゴヤネス氏: どれだけニーズがあるのかは答えづらいし把握できていませんが、ずっと前にチューブ型のディスプレイが240Hzで動いているのを見たときはすごいと思いました。まあ少なくとも、プロとしてeスポーツの競技をされている人にとってはリフレッシュレートが高いものを欲しいというニーズはあると思います。

――m17に4Kモデルがないのはなぜでしょうか。

ゴヤネス氏: 今対応しているところですので注目していてください。出たタイミングでお話しできると思います。できあがれば提供開始します。

――ご自分で注文したことを考えた場合、オススメモデルはありますか?

ゴヤネス氏: 予算にもよりますね。あとは使い方にも。家がメインなのか移動先で使うのかによっても違います。デザインの好みもありますね。ゲーマーであればNew DELL G3 15やAREA-51mがあります。パワーが欲しいのであればAREA-51m、予算が限られているのであれば、New DELL G7 17もよいでしょう。私個人はm15の有機ELモデルが好きですね。4Kの有機ELです。デザインもセクシーですし。Core i7-9750を積んで、GPUはGeForce RTX 2070。そんな感じでしょうか。

――RJ-45を捨てなかったのは何か理由があるのでしょうか。

ゴヤネス氏: ゲーマーからニーズがあるからです。ゲーマーはワイヤレスを信じていません。遅延があったり不安定だったりしますから。それを心配せずにプレイしたいというニーズがあるからです。

――Tobii Eye Trackingを搭載し続けるのには何か理由があるのでしょうか。

ゴヤネス氏: もともと緊密なパートナーシップがありますし、より没入感のあるゲーム体験をするために採用しています。Tobii Eye Trackingは自分の体を使いますので、インプットするデバイスが増えることになります。自分の体の延長線上でつながれるので、体の反射をゲームにつなげられますから。対応するゲームも増える一方ですので、Tobiiが真剣にゲームへ取り組んでいることも理由の1つですね。

――最後に読者へひとことお願いします。

ゴヤネス氏: 一緒にゲームを盛り上げていきましょう。我々も皆さんがハッピーになるようにしていきます。