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ロジクール、ASTRO Gamingを独立したブランドとして立ち上げ

ワイヤレスヘッドセット「A50」と「A40」のリニューアルバージョンをお披露目

6月11日開催

 ロジクールは6月11日に都内の会場で発表会を開催し、同社の「ASTRO Gaming」ブランドの新製品となるヘッドセット2機種とヘッドセットアンプ1機種を発表した。

 今回発表されたのは、ワイヤレスヘッドセットの「ASTRO A50 Wireless ゲーミングヘッドセット+BASE STATION」(以下、A50+BASE STATION)に加えて、従来より発売していた有線タイプのリニューアルバージョンとなるヘッドセット「ASTRO A40 TR ゲーミングヘッドセット」(以下、A40)、ヘッドセットアンプ「ASTRO MixAmp Pro TR」(以下、MixAmp)。

 「A50+BASE STATION」は8月1日発売で価格が37,750円(税別)。「A40」単体および「MixAmp」単体と、「A40」と「MixAmp」が同梱されるセット品は6月27日発売。価格はA40単体が18,880円、MixAmp単体が18,750円、セットは31,250円(いずれも税別)。

ASTRO A50 Wireless ゲーミングヘッドセット+BASE STATION
ASTRO A40 TR ゲーミングヘッドセットとASTRO MixAmp Pro TR

ASTRO Gamingを独立したブランドとして展開

 発表会ではロジクールの榊山大蔵氏が登場してプレゼンを行なった。今回のキーポイントとしてとして、「家庭用ゲーム機」、「プロシーン&メインストリーム」、「ゲーミングライフエクスペリエンス」を挙げる榊山氏。家庭では大きな音でゲームを楽しむことはできない人も多いので、ヘッドフォンで大音量の体験をするためにも、メインストリームの人には使ってもらいたいと語る。またそれだけでなく、プロの大会やコンテンツを作るYouTuberなどにも最高のエクスペリエンスを届けたい、とも。

ロジクール 榊山大蔵氏

 そしてこれまでASTRO Gamingブランドは、同社の「ロジクールG」ブランドの元で展開してきたが、今後は独立したブランドとして展開するとのこと。「中長期的なビジョンを考えて決断した」(榊山氏)。

 榊山氏はASTRO Gamingの強みとしてデザイン性を挙げる。スピーカータグ(ヘッドセットの外側の部品)が外れるので、世界大会の時に独自ブランドのものを作ったり、自分のキャラをあしらったものを作ったりできるとし、それぞれのシーンに合わせてオリジナリティのあるものを作れるのがASTRO Gamingの強みであると語る。

 ASTRO Gamingの製品がターゲットとするのは、プロおよびプロシューマー、コアゲーマーの3種類。中でもプロシューマーの重要性を語り、「プロとして生計を立てるわけではないが、勝敗にこだわりたいのがプロシューマー。この層のコミュニティを活性化につなげたい」と榊山氏。プロ層については、同社はこれまでもトレードショウにブースを展開したり、イベントのオフィシャルパートナーとなっているほか、トップチームのサポートもしている。「プロだけの世界ではないので、体験してみたいという思いに答えてブースを設けている。こうしたイベントに足を運んでASTRO Gamingブランドの製品に触れてほしい」(榊山氏)。

サウンドのクオリティにこだわったASTRO Gaming

 今回発売される3製品については、ASTRO Gaming史上最高のサウンドを体験できると語る榊山氏。ゲーマーの声を形にして、レイアウトやユーザビリティ、先進の操作性を提供した。

 ヘッドセットのサウンドシステムについては「ASTRO Audio V2」へとバージョンアップ。新開発された40mmのドライバーを搭載したほか、マイクのイコライザ機能をアップデート。A50については新たなオーディオチェンバーデザインを取り入れた。これらはロジクールGの開発陣と協議しながら進められたとのこと。A50に取り入れられているワイヤレステクノロジーでは安定して利用できる2.4GHzのトランスミッターを採用。これもロジクールGの開発陣と話し合った結果なのだそうだ。

日本におけるロジクールのロードマップ。赤い○があるのが新製品

 またゲーム大会などのシーンでは、ケーブルをスッキリとさせることが重要。これを考えて縦型だった前モデルのMixAmpを横型に配置し直し、ヘッドセットケーブル以外はすべて背面で利用できるようにした。実際に使われている状況を見て、現場の声を形にしたのが新しいMixAmpだ。

 そのほか、ゲーム配信などをする人のクオリティアップにつながるようなハードウェアアップデートも行われた。具体的に挙げると、従来はプレイステーション4やPCを経由したときにノイズが入りやすかったのだが、ノイズを避ける構造にしたとのことだ。

A40発売10周年を記念するバージョンも発売されるs

ASTRO Gamingのアンバサダーにk4senさんが就任

 発表会ではこのほか、ASTRO Gamingのアンバサダーとして、新たにk4sen(かせん)さんが就任したことも発表された。

 k4senさんは昔から人に何かを伝えるのが好きだったそうで、このためゲーム配信などを通じて「感動や熱意、笑いを届けることを仕事にしてきた」(k4senさん)。

ASTRO Gamingアンバサダーに就任したk4senさん
岸さん(左)、うりゅるさん(中左)、k4senさん(中右)、榊山氏(右)でトークセッションも

 なお今回発売される3製品だが、日本国内としては2世代目だが、海外ではそれ以前からの歴史があり、A40もA50も4世代目の製品となる。発表会に登場した、ロジクールGブランドのアンバサダーである岸大河さんはA50を試したそうで、「音がまろやかでコンパクトになった。しかしぼやけるのではなく定位置から音が出ている」と語る。また「ワイヤレスというのが好きなポイント。BASE STATIONに置くだけで充電できるのはよい」とも。「充電のこりやDolbyサラウンドの選択など、インジケーターでわかるのがよいですね」(岸さん)。

 ワイヤレスになったことによる遅延については気になるユーザーも多いと思うが、岸さんは2日前から「Apex Legends」をした結果「まったく感じなかった」ときっぱり。それよりも、これまで聞こえていなかったのが聞こえる感覚がして、リアリティあふれる音になったと感じたそうだ。

 k4senさんはASTRO Gamingのファン歴は数年なのだそうだが、全世代のA50と比べても、音がクリアで定位性がよいと感じたそう。「足音の位置がよりクリアになるし、(ワイヤレスなので)配信の時に映ってもスタイリッシュなところがいい」(k4senさん)。

 個人的に感動したのはMixAmpのダイヤルにLEDが追加されたこと。海外のゲーム大会などでは部屋が暗いので、どのレベルにボリュームが来ているのかわかりにくいのだそう。そのためもあってとてもうれしい機能だと語る。しかし榊山氏によるとLEDを追加するのは結構大変だったそうで、難産だったそうだ。

 k4senさんは発表会の最後に、今後の抱負を聞かれて「A50もA40もいろいろな人に対して最適なヘッドセット。ブランドアンバサダーとして応援していきたい」と語った。

気になる性能は?

 発表された「A50+BASE STATION」と「A40」、新「MixAmp」だが、「バトルフィールドV」をプレイして、手元にある前世代の「A40」と比べてみたところ、確かに音がクリアになっているほか、低音の響きがよく、サラウンドの効果が十分に発揮されていると感じた。A50も音の広がりや定位製がよく、確かに遅延などは感じなかった。右のヘッドホンにあるボリューム調整ダイヤルも感覚的に分かりやすいと感じた。

 なお「A50」が2.4GHz帯を採用した理由について榊山氏に尋ねてみた。前世代の「A50」では5.8GHz帯が採用されていたが、音が途切れることがあったりと不満があったそう。これらを総合的に判断し、ロジクールGでも実績のある2.4GHzへと変更したのだそうだ。

 これらを含めた総合的な使用感については、レビューとしてお届けできればと考えている。

A50&BASE STATIONの外観
左側のアップ。A50ではスピーカータグは外れない
右側部分
イヤーパッドの拡大。取り外すことが可能
サイズ調整はここで行う
BASE STATION外観
BASE STATION背面部。PCとPS4の切り替えや光デジタル入出力などを配置
イヤーパッドの拡大。取り外すことが可能
A40(左)とMixAmp(右)
A40の左側
A40の右側
A40ではこのようにスピーカータグが外れる。マイクを右にしたり左にしたりすることも可能だ
MixAmpの外観。手前にあるのはヘッドフォンジャック
MixAmp背面。こちらに接続部がまとめられてスッキリした
こちらが前バージョンのMixAmp