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お婆ちゃんだってプレイアブル! 市民全員が味方になる「Watch Dogs Legion」の衝撃
「市民こそパワー」というコンセプトに正直感動した!
2019年6月11日 17:02
- 2020年3月6日 発売予定
- 価格:9,072円(税込)
「Ubisoft E3 2019 Conference」で発表されたタイトルの中で、最大の注目作となったのは「Watch Dogs Legion」だ。
これまで圧倒的な勢力を持つ体制側に対し、ハッキング技術を駆使して反逆するレジスタンスを描いてきた「Watch Dogs」シリーズは、3作目の「Watch Dogs Legion」にしてついに明確な主人公をなくした。いや、正確に言えば、“街に暮らす市民全員が主人公になる”としたのだ。
本作のクリエイティブディレクターを務めるUbisoft TrontoのClint Hocking氏によれば、「Watch Dogs Legion」では市民らをスカウトし、人々を抑圧する独裁国家となったイギリスに立ち向かう軍団(Legion)を結成することになるという。
そして、作り上げた軍団の一人ひとりは実際に操作できる。ゲーム内ではロンドンの人々の暮らしがシミュレーションされており、市民それぞれにバックグラウンドがあり、セリフがあり、アニメーションが用意されている。腕っぷしの強い兄ちゃんをスカウトしてもいいし、70歳のお婆ちゃんをスカウトしてもいい。プレーヤーが彼らを仲間に引き入れたなら、今度はプレーヤーが彼らの能力を最大限発揮させる番だ。
筆者は、「Watch Dogs Legion」のコンセプトに痛く感動した。というのも、ここで登場する市民はエイデンやマーカスといった過去作の主人公よりもグッと私たちに近い存在だからだ。
市民それぞれにバックグラウンドがあることは、能力がそれなりに限られていることでもある。格闘センスもハッキング能力もすべてに秀でたマーカスを操る爽快さも唯一無二だが、市民たちの戦い方は「各人ができることをやる」という協力戦であるところが実にいい。
特に会場で盛り上がったのは、お婆ちゃんのプレイアブルシーン。肩書に“ハッカー”と書かれたこの淑女は、足腰が弱ってきているのか足取りも重いし、どう見ても戦闘能力はない。
ただし目標に近づくと、ハッキング用のガジェットをガチャッと取り出し、建物に侵入して必要な情報を抜き去っていく。動きは決して素早いとは言えないが、防護マスクで顔を隠し、警備兵の首元にスタンガンを押し当て、着実な手際で仕事を完遂させた。
入手した情報はまた別のレジスタンスへと引き継がれ、囚われていたJimmyという男性を助け出すことに成功する。助けると同時にJimmyを仲間に引き入れると、今度はJimmyがプレイアブルになる……と、どんどん数珠つなぎでミッションが続いていく。
本作で描かれるのは、自分たちの暮らしを取り戻すための市民の結集だ。独裁国家の手から世界を救う。それを実現するのは1人のヒーローではなく、我々市民たちである。市民たちの結集こそが、腐敗した国家を転覆させるほどのパワーを持ち得る。こうしたメッセージは、そのまま「Watch Dogs Legion」をプレイする人にも響いてくる。“市民こそパワー”という本作のポリシーから、実に多くの勇気をもらえる気がするのだ。
まだ発表されたばかりのタイトルに期待をかけまくってしまったが、ぜひそんなゲームであってほしいと思うばかりだ。発売は2020年3月6日。その時を楽しみに待ちたいと思う。