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4K/120Hzディスプレイやデュアルマザー仕様のゲーミングPCケースを出展!
「COMPUTEX TAIPEI 2019」ASUSブースレポート
2019年5月29日 16:54
- 5月28日~6月1日 開催
- 会場:台北南港展示センターホール、台北世界貿易センターホール、台北国際会議センター
5月28日に開幕したIT系の総合トレードショー「COMPUTEX TAIPEI2019」。ご存じない方は、台湾で行なわれているPCなどのIT系「東京ゲームショウ」と思ってもらえればほぼ間違いはない。毎年5月末~6月に開催されているので、筆者にとっては今年もこの時期がやってきたかという感じだ。
これまでお伝えしているように、設立30周年を迎えたASUSTeK Computerも毎年このCOMPUTEX TAIPEIにブースを構えている。今年はゲーミングブランドである「ROG(Republic of Gamers)」のブースと、それ以外のノート製品やスマートフォン製品、ロボットなどを展示する「ASUS」ブースを隣り合わせる形で2スペースで展開していた。本原稿では、本誌の読者にとって気になるROGブースを中心にご紹介していこう。なお今回紹介する製品のほとんどは日本での展開は未定で価格も未定、ということをお断りしておく。
赤を基調としたブース内の照明
ASUSブースに一歩入ると、ROGのイメージカラーである赤を基調とした照明が照らされており、白を基調としたとなりのASUSブースとは対照的なイメージを抱く。ブース内には既発売の製品のほか、先日発表されたモバイルディスプレイ「ROG STRIX XG17」などの新製品や、4K/120Hzディスプレイなどの今後発売を予定しているモデルなどがずらっと並んでいた。
ゲーマーにとって気になるのはやはりディスプレイの表示だ。ここを高めるために一番気にしているという人も多いだろう。こうした今のゲーミングソリューションを気にしているのか、「PANEL SOLUTION」として、5月23日に発表された「4K AMOLED」、「4K/120Hz」で動作する「Zephyrus S」の試作機を筆頭に、144Hz/3msに加えて、VESA(Video Electronics Standards Association)が認定する「HDR400」に対応するディスプレイを持つ「ROG ZEPHYRUS S GX701」、240Hz/3msの「ROG STRIX SCAR III」が展示されていた。
PCには「OVERWATCH」などがインストールされており、体験することも可能だった。AMOLEDはさすがの発色で、それぞれの色がはっきりと表現されており、とてもきれいな印象。画面サイズが小さかったので4Kの恩恵はあまりわからなかったが、動作の追従性はよかったように思う。一方120Hz駆動のマシンは、4Kでも重さを感じさせないスムースな動きが印象的だった。
HDR400のマシンでは、ディスプレイの発色性を見せたいためか、インストールされているのは「OVERWATCH」ではなく「ANTHEM」。プレイヤーや岩肌、敵モンスターなどのテクスチャーが多く、色合いの差がはっきりしている感じなので、HDR400対応の威力を見せつけられた感じだ。
240Hzのモデルでの「OVERWATCH」体験プレイは、さすがの240Hzだなという感じ。今回試した4モデルの中ではもちろん、「OVERWATCH」の素早い動作の追従性はとてもよく、一番なめらかでヌルヌルと動いてプレイが楽しめた。ちなみに筆者へどのモデルが一番欲しいかと尋ねられれば、4K/120Hzの「Zephyrus S」と答えるかもしれない。
4Kでありながら120Hz以上に対応する液晶ディスプレイ
液晶ディスプレイつながりでこちらも。先ほどのPANEL SOLUTIONとは別の場所に置かれていたのが、4Kの大画面で120Hz以上のリフレッシュレートを持つ液晶ディスプレイだ。
「ROG SWIFT XG438Q」は43インチでありながら120Hzのリフレッシュレートを実現したモデルで、「RADEON FreeSync 2 HDR」に対応している。これはディスプレイに用意されているHDR情報をGPU側から取得できるようにして、正確な発色を目指す機能だ。「アサシン クリード オデッセイ」のムービーが流れていたが、剣の光や防具の色合い、色の深さがとてもきれい。そして時折舞う砂埃の感じなどが目の前で起きているかのように思える。
「ROG SWIFT PG27UQ」は4Kでありながら144Hzでの駆動が可能な液晶ディスプレイ。こちらは27インチで、G-SYNCにも対応する。リフレッシュレートの違いによるムービーが流れていたのでとても比較しやすかった。高リフレッシュレートのディスプレイはとにかくなめらかだ。
なお、こちらは、台湾での発売が今年月中旬以降と決まっている。日本では未定だが、早く発売してほしいと思う。
持ち運び可能なので大会での運用も検討されている「ROG STRIX XG17」
「ROG STRIX XG17」についてはすでに紹介しているので特に目新しいことはないが、手軽に持ち運べて遊べるので、デモで置かれていたような、Nintendo Switchを使っての利用や、ノートPCの上部に取り付けての活用を提案する展示などが行われていた。
これからの展開だが、ゲーム大会に提供していったり、友だちの家に持っていったりしてプレイするシーンを展開したいという。ただしNintendo Switchで240Hzディスプレイを使っても宝の持ち腐れ感は否めないので、もう少しシーンを提案していく必要があると思う。
ノイズキャンセリングマイクの威力は絶大
5月26日に行われたプレス向け内覧会で紹介されたヘッドセット「ROG THETA」と「ROG THETA ELECTRET」がデモ付きで置かれていたので早速チェックしてきた(関連記事参照)。
まずは「ROG THETA ELECTRET」からチェック。流れていたのは「天空の城ラピュタ」でパズーが演奏する「ハトと少年」。トランペットの高音部が響き渡る特徴的な音楽だが、高音部の再現性をよくする独自の「ELECTRET DRIVER」が効いているのか、かなりクリアな印象。ボリュームを上げるとちょっとキンキンする感じもあるが、少し押さえれば高音のクリア加減がよく分かった。
7.1chサラウンドに対応する「ROG THETA」だが、ドライバが左右4基ずつ用意されているだけあり、耳の周りに心地よいサラウンドサウンドが広がる。ノイズキャンセリングマイクの威力もすごく、相当な騒音があるブースでもクリアに聞こえた。前モデルとも比較したが、ノイズキャンセリングが搭載されていないので、声が反響してしまい、何をしゃべっているのかわからなかった。
ゲーマー向けの新筐体も展示
上記のような製品のほか、PCの筐体についても展示されていた。「ROG ITX GAMING CASE」は、ゲーミングPCとしてはもはや定番となったガラス基板で構成されているが、現在の縦置きだけでなく、横置きでの使用も可能。比較的コンパクトな筐体なので、日本市場での展開も検討しているそうだ。
なにげにおいてあったモンスター筐体を展示。実はこれ、マザーボードを表裏で2枚搭載できる。1台の筐体で2台のPCを作り上げる、というものだが、ほんとに買う人いるのかなと思ったところ、ASUS社内では「これいいよね」と、もし発売されたら購入しそうな人が多かったのだそうだ。
初心者さんいらっしゃい!気軽にゲーミングPCを楽しめる「TUF GAMING」
ROGブースのとなりにあるASUSTeK Computerのブースには、同社が展開するもう1つのゲーミングブランド「TUF GAMING」の製品が置かれていた。同じゲーミングブランドなのでなんでROGブースに展示されないのか、広報担当の方に聞いてみたが、TUF GAMINGは入門者用のブランドだから、とのこと。ROGはコアゲーマー向けのブランドというイメージがある意味固定されているので、初心者は敷居が高く感じるのかもしれない。気軽にゲームをするためのブランドとしてTUF GAMINGがある。
ブースにはインテルとAMDのプラットフォームに対応するマザーボードのほか、デスクトップマシンやノートPC、キーボードにマウスに加えて、ビデオカードに冷却ファンも展示。デスクトップPCに使われていたCPUはCore i7-9700Kと上位クラスのものだが、ビデオカードはGeForce RTX 2060にGeForce GTX 1660とエントリー向けだ。