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「World of Tanks」今年初の大規模イベント「紅白WoT合戦」開催!

ユーザー大会の決勝も同時開催。ユーザー主体の大規模イベント

1月12日 開催

会場:LFS池袋

 1月12日、ウォーゲーミングジャパンはWebMoneyの協賛でPC用オンラインタンクバトル「World of Tanks(以下、WoT)」においてオフラインイベント「紅白Wot合戦」をLFS池袋 esports Arenaにて開催した。

 本イベントは有名プレーヤーが紅白に分かれ、ポイントを競い合うチーム戦をするというユーザー主体のイベント。イベントに先駆けて、ゲーム内でも関連イベントを実施しており、当日来場できなくても、ミッションに参加することで各陣営どちらかを応援し、勝利をサポートすることが可能だった。また、会場ではイベント以外にもランダム戦に参加し、好成績を収めることでチームを支援することができた。

 紅組のチームキャプテンは強豪クラン「CarenTiger」のリーダーとして数多くの大会にて優勝経験が持つAki00vさんが務め、コントリビューターとして0miki0さん、Dynamicpapaさん、Takapeさん、4DeN1Nさんが参加。

 一方の白組には、有名クラン「CROWN」の指揮官であり、APAC LEAGUEの解説も務めたyamato_noobさんがキャプテンを務め、コントリビューターとしてMoudameさん、LF_kameさん、Takashi1919_さん、So_Mu3さんが参加した。司会を務めたのはウォ―ゲーミングジャパンのSAMO氏。また、「World of Tanks」ASIA Regional Publishing Directorのアレキサンダー・デ・ジョルジョ氏(以下、アレックス氏)も登壇し挨拶を行なった。

当日司会を務めたSAMO氏(上)と、挨拶を行なったアレックス氏(下)
紅組のメンバー。左からTakapeさん、Aki00vさん、Dynamicpapaさん、0miki0さん、4DeN1Nさん
白組のメンバー(下)左からSo_Mu3さん、yamato_noobさん、Moudameさん、LF_kameさん、Takashi1919_さん
ランダムマッチで勲章やMバッチを獲得すれば、チームにポイントが入るルールだ

様々なイベントが開催!

 まず行なわれたのは「30vs30 グランド国家戦」。名前の通り30vs30の大規模マッチだ。各チームが使用できる戦車は、国家連合といわれる国の組み合わせをチームリーダーがドラフトで選んで決定。その国々のTier8通常戦車から自由に選ぶことができた。

ゲーム内ミッションでも区分けされている国家連合。人気なのは強力な重戦車が使用できるソ連が属する「ユニオン」。「アライアンス」「ブロック」は装甲や俯角を生かし守りやすい戦車が多い。「コーリション」は癖の強い戦車が多いが、瞬間火力が高い車両も属している

 1試合目はじゃんけんに勝った紅組が強力な重戦車「IS-3」を有する国家連合「ユニオン」を選択。一方の白組は「アライアンス」、「ブロック」を選択し、余った「コーリション」を白組が使用することになった。紅組は集団戦に強い組み合わせで、白組が守りに強い組み合わせとなった。

 試合は機動力を生かした紅組がラッシュをかけるが、守りに強い白組がそれをいなし、じりじりとした展開に。お互いに1歩も譲らない打ち合いが続き、いつの間にか4vs4の状態になっていた。ここで紅組の「UDES 03」が速力を生かしてポジションを変えたことにより白組のラインが崩れてしまい、そのまま紅組が勝利した。

他の重戦車に比べて高い機動力を持ち、チームでの連携が得意なソ連重戦車「IS-3」は、プレミアム車両を除けばランダム戦でも人気のTier8車両。イギリス重戦車「Carnavon」は速力こそないものの高いDPMと砲塔装甲を持ち、守りに強い。「VK 100.01 (P)」は、Tier8最高クラスの装甲をもったドイツ重戦車だ

 2試合目は紅組と白組の選択した国家連合が入れ替わる形になった。2試合目のマップは「クロンダイク」。少数でも守れる場所がいくつか存在しするため、1試合目よりもじりじりとした展開になる可能性があった。試合は赤側が白組の攻めをいなし、引き込むことでライフを削る。結果、白組の戦線に穴が開き、そこを逃さずに白組の戦車が孤立した戦車を囲んでたたき、そのままなだれ込むように全滅。紅組の2連勝で集団戦は終了した。

 総勢60名もの大人数が1つの会場に集まり、試合を楽しむ姿は見ていて壮観だった。会場は自走砲の弾がヒットするだけでも歓声や笑いが起こる程の一体感があった。また、各試合の与ダメージトップと0ダメージを除いて最低ダメージの参加者には景品が送られていた。

「装輪車両」で駆け抜ける「P1グランプリ」!

 続いて行なわれたのは、実装予定の新車種「装輪車両」を用いたレース。使用された「PANHARD EBR 75」にちなんで「P1グランプリ」と名付けられた。装輪車両は今までの戦車とは違い、4つのタイヤで走る戦車で、操作に癖があり、カーブを曲がるだけでも難しい車両。その代わりに、今までにない走破性を持っている。

 レースは「パリ」、「ツンドラ」を使用し、カーブの多いコースだっただけでなく、発砲は禁止だが体当たりが許可されていたため、至る所でクラッシュや横転が多発し、見ていて面白い展開に。会場も笑いに包まれたが、中には操作が非常に上手いプレーヤーもおり、称賛の声もあがった。全3レースが行なわれたが、終始紅組のメンバーが上位を獲得した。

双輪車両は現時点で一部のユーザーに配布されており、圧倒的な速度をいかして偵察を行なうことが得意な戦車。従来の軽戦車と比べて、後退時にもスピードが下がらないという特徴がある

クラン戦と同一ルールで進撃戦も実施

 最後に行なわれたのはTier10車両を用いた進撃戦。10vs10で行なわれる進撃戦は、クラン戦などで用いられるルールで、攻撃側と防御側にそれぞれ分かれて複数回戦闘を行ない、勝利した側がその都度そのマッチでの相手側の最終拠点(城塞)に近づいていくというもの。

 今回はオフラインで初の進撃戦であり、ルールも特殊なもの。拠点戦で多く見られる限定戦車は使用できないほか、最初の1戦はランダムに選んだマップを使用した。

拠点戦などで行なわれるルールをイベント向きに調整したもの

 1試合目はTier10車両ではマッチングしない「ワイドパーク」が登場。会場は大いに盛り上がった。試合は紅組が東側の線路下にラッシュをかけようとするも足並みがそろわずに失敗。大量の戦力を失い白組が勝利した。

 続く2試合目では紅組が取り返すも、3試合目では白組が敵を全滅させるよりも陣地を占領した方がいいと判断。これが功を制し白組が勝利。ここで勝てれば大量のポイントを得られた白組だったが、4試合目のマップは稜線やブッシュが多いため防衛側が強い「レッドシャイア」。防衛側の白組は要所に重戦車を、その後ろにそれを支援する戦車をそれぞれ配置し、しっかりと守り切って勝利し、ピンチを凌ぎ、ここで1セット目が終了した。

オートローダー同士の打ち合いは息をつく間もない乱打戦。会場も大いに盛り上がった

 2セット目は時間の都合上2戦だけ行なわれた。マップは重戦車が打ち合うことが多いマップ「パリ」。ここで注目されたのが白組が選択した日本重戦車「T57 Heavy Tank」と、紅組が選択したフランス重戦車AMX50Bのぶつかり合い。どちらも自動装填装置(通称オートローダー。リボルバー拳銃の様に打ち続けたのちリロードが必要になる)を搭載した戦車で、瞬間火力が非常に高い代わりに打ち切った時のリロードが長い車両。57Heavyの方が装甲、攻撃性能共に上回っているが、50Bの方が速力がありチームの連携がとりやすい。

 試合は開幕、紅組が速力を生かしクロスファイアの陣形を作ろうとするも、ポジションに入る前にライフを払ってしまう。これが大きな痛手となった結果、攻撃性能で上回る白組が乱打戦のような打ち合いを制し勝利した。最終戦のマップは「ステップ」。再び守りやすく、防りやすいマップということもあって防御側の紅組が有利だ。試合は紅組が見事な連携を見せ白組を封殺し、勝利した。

中戦車の連携は素晴らしく、即席のチームとは思えなかった

ユーザー主催の大会「JUC」決勝も同時開催

 本イベントでは第5回 Japan Users Championship(以下、JUC) オフライン決勝戦も行なわれた。JUCは、ウォ―ゲーミングの協賛で国内のPC版「WoT」をプレイする有名プレーヤーやクランマスターが主催する大会で、ランダム戦だけでなく、チームバトルや集団戦の楽しみを知ってもらうために行なわれているもの。チームごとの参加ではなく、応募した様々な腕のプレーヤーを、実力が均等になるように運営が振り分けてチームが結成されるというのが特徴で、今まではオンライン上で行なわれていたが、今回晴れてオフラインで行なうこととなった。試合の形式はBO5。5vs5で、攻撃側、防御側に分かれて争う。マップはそれぞれのチームが選択したものを選び、最終戦のみランダムで選ばれる。

 今回予選リーグを勝ち上がってきたチームは「PRAVDA USSR(以下、USSR)」と「方天画戟」の2チーム。どちらも試合前にチーム名の由来を話し、USSRはメンバー3人が北海道に住んでいることが理由だと話し、交通費が高いことをネタにして笑いを取った。一方の方天画戟は砲塔の回らない中国駆逐戦車「WZ-111G FT」が予選で活躍したことから中国の兵器の名前を由来としたとのことだ。

チーム PRAVDA USSRのメンバー(上)と、方天画戟のメンバー(下)

 1、2試合目のマップは「プロホロフカ」。ランダム戦でも攻めつらいマップの代表格であるプロホロフカだが、5vs5となると視界をとれていない場所ができやすいため横取りの動きを軽中戦車がしやすい。実際、1試合目は方天画戟の中戦車が機動力を生かして有利を作ることで勝利した。

 攻防入れ替わった2試合目は激しい展開に。開幕、USSRの「Object 430U」に対して方天画戟の中戦車がラッシュをかけるも、430Uは敢えて前に出る判断で生存し、1両を返り討ち。一旦スポットを切り有利なポジションから打ち続けることができるはずだったが、方天画戟側が430Uが再び視界を取られた瞬間に振り向き撃ちを当てるというスーパーショットでこれを撃破。一気に試合を優勢にした。その後も方天画戟は見事な車線管理で有利なポジションを取り続けたことが要因で勝利した。

スーパーショットから一気に囲んで殴る展開に。実況席からも称賛の声があがった

 3、4試合目の戦場は「ヒメルズドルフ」。「プロホロフカ」とはうって変わって打ち合い中心の市街地マップだ。3試合目にUSSRは市街地では使い辛く、砲塔が回らない代わりに高い砲性能を持つドイツ駆逐戦車「Jagdtiger」と、同じく砲塔の回らないオートローダーフランス駆逐「AMX 50 Foch」を選択。この2両の火力と高い貫通力が生き、撃ち合いをUSSRが勝利した。

 4試合目、方天画戟は対抗するようにTier10イギリス駆逐戦車「FV217 Badger」を選択。こちらは砲塔が回らず、超鈍足な代わりに超装甲と砲性能を有する車両だ。試合はBadgerが自陣付近での曲がり角での待ち伏せを見事に決めた後、装甲を生かして前進。砲塔の回らない駆逐通しの殴り合いにも勝利して有利を作っていく。Badgerのつくった有利がUSSRの陣形を崩し、方天画戟が勝利。見事優勝を果たした。

Badgerは速力を犠牲にした代わりに、撃ち合いで強い車両

 JUC決勝後、紅白合戦の結果発表も行なわれ、こちらは紅組が僅差で勝利した。

集団戦やレースで好成績を収めた紅組の勝利で終わった

 筆者も長く「WoT」をプレイしているが、ランダムマッチにしか参加したことがなかった。しかし、今回のイベントを通じて、チームメイトと協力して戦う集団戦の魅力を味わうことができた。また、本イベントではミッションという形でオンラインでも参加することができ、オフとオンの融合が緩やかだが為されていたのも好印象だった。何よりも、その場で集まったチームにも関わらず、試合中に指示を出す声が聞こえたのがイベントの一体感を深めていたように思う。

 今年の「WoT」は様々な試みがゲーム内外問わず行なわれるということなので注目していきたい。

会場には多くの参加者が訪れ、大いに賑わった