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宮崎市全面協力の地方ゲームイベント「第1回 宮崎アソビロード」に親子で参加!

アナログゲーム、レトロゲームのみの市、1日ゲームセンターなどの複合イベントを体験

11月23日開催

会場:宮崎県宮崎市若草通商店街、カリーノ宮崎、ボンベルタ橘

 11月23日は勤労感謝の日。3連休初日ということもあり、各地でゲームイベントが開催されていた。メーカーイベントでは「Nintendo Live 2018 京都大会(国立京都国際会館)」や「ARCREVO Japan 2018(TOC五反田メッセ)」。eスポーツイベントとしては、「Predetor League 2019 日本予選ラウンド1(オンライン)」や「RedBull Bonchan's Road Trip in KAGAWA(イオンモール高松)」等々、全国各地で様々なイベントが開催された。

 そんな中、筆者の居住地である宮崎県宮崎市において、ゲームイベントが開催された。若草通商店街を中心としたイベント「第1回 宮崎アソビロード」である。

 「宮崎はアソビに飢えている!」を合言葉に、実行委員長「平川らいあん」氏が音頭を取って企画された、南九州最大規模の集合サブカルイベントである。ボードゲーム、人狼、レトロゲームのみの市、eスポーツを組み合わせ、商店街のアーケード内を中心にイベントスペースを設け、積極的な参加者はもとより、連休中に商店街に訪れた通行人を巻き込んで大きな盛り上がりを見せた。

 筆者はゲーム系のイベントに度々連れて行く小6の息子に「ゲームのイベントが若草通りであるから行かないか?」と誘うと、当然のように「いっしょに行く!」と大喜びで返答が帰ってきた。アナログゲームが主体のイベントとは言わない親のズルさを心中で謝りながら、宮崎アソビロードへ連れ出すことに成功した。

 本稿では、地方で行なわれるサブカル系イベントに親子で参加し、地方から発信する新しいゲームイベントの模様をレポートしたい。

【第1回 宮崎アソビロード】

商店街がゲームを楽しむ喜びにあふれた空間に様変わり

 11月中に野外イベント開催ということで、南国宮崎とは言え天気だけが心配だったが、透き通るような青い空の好天に恵まれた。好天だと、11月でも服装に困るほど暖かくなる宮崎市である。この日は本イベントの開催を祝ってくれているようであった。

 若草商店街に入ると、宮崎のゆるキャラ「ひぃくん」が描かれたホワイトボードの看板が出迎えてくれた。スタッフが描いたのか手作り感いっぱいの看板で微笑ましく、イベント前にも関わらず息子と筆者に笑みがこぼれる。

【若草通商店街】
宮崎市中心部に位置する若草通商店街。筆者の青春時代には、ゲームセンターが2店ほどあったが、今ではどちらも閉店している

 ホワイトボードの看板を通り過ぎて、商店街の奥に目をやると、驚きの光景が目に入ってきた。

 13時のイベント開始後でそれほど時間が経過していないにも関わらず、ボードゲームに興じる人々の多いこと。親子連れと思われる方々や、ご年配のご婦人まで、イベントスタッフの丁寧な解説を興味深々で聞きながらボードゲームを楽しむ姿を見ることができた。

 また、「昭和玩具とレトロゲームのみの市」と題して開かれたショップには、昭和ゲーマー世代に直撃するお宝満載で、見るだけでも興奮するショップは久々である。

初めて目にするアナログゲームに少々不満げな小6の息子が、みるみるボードゲームにハマって行く

 会場の一角に、ボードゲームが遊べるテーブルを発見した。小6の息子にパズルのようなゲームを勧める。すると「ゲームイベントって、こんなゲームばかりなの?」と少々不満げな顔で筆者を見上げる息子。この反応は想定内であったので「とりあえずやってみたらどう?」と再度強めに勧めてみた。息子は筆者の勧めに従い、しぶしぶ席に付くと、スタッフのお兄さんにゲームのルールを素直に聞き始めた。

 息子が体験したゲームは筆者も経験の無い「Ubongo 3-D (ウボンゴ 3-D)」。スタッフ曰く、「スウェーデン生まれのパズルゲーム『Ubongo』は、2-Dのパズルなので、比較的簡単なんですが、『Ubongo 3-D』は元の『Ubongo』と比較するとかなり難しいです」とのこと。初体験が難しいボードゲームになってしまい、少々不安ではあったが、息子は自然と「ウボンゴ 3-D」に集中しはじめた。

【ウボンゴ 3-D】
スウェーデン生まれの「Ubongo」の発展型。ゲームイメージは、不定形の枠に複数ピースを組み合わせ、隙間なくはめ込むテトリスのようなルール。立体になったことで、ベースの「Ubongo」より難しいとのこと
「ウボンゴ 3-D」のテーブルで説明を受ける小6の息子。説明を受けた後は同じテーブルのご婦人がスタッフに説明を受けている間も黙々とプレイする

 「ウボンゴ 3-D」を始めてから数分すると、息子の手元でいつの間にか、良さそうな感じの形になっていた。スタッフの方に確認すると「おしいですね。上の段も下の段も同じ図系になるように組めれば完成です」と説明される。息子は少し残念そうな顔をしたが、ルールがだいたい理解できたようで、また「ウボンゴ 3-D」に集中して取り組んだ。

 向かい側のご婦人は「面白いけど難しいわね。もうちょっと簡単なゲームは無いかしら」と別ゲームのオススメをスタッフに聞いていた。新しいゲームの説明を筆者も一緒に聞いていたが、ふと息子の手元を確認するとパズルを解いていた。担当スタッフも驚きのスピード攻略したため、ご婦人も「すごいじゃない! これ本当に難しいわよ。やっぱり若いと頭が柔軟なのね」と褒められて、息子は満足気な顔を見せていた。

【パズルを解いた息子】
筆者も気が付かないうちにパズルをといてしまう息子
半信半疑でとりあえず、完成の喜びをアピールする息子

 1問目が解けたことで気を良くしたのか、次のお題の準備し始める。スタッフがお題のパーツの選び方を教えると、自ら対象のピースを選んで次のお題に挑戦を始めた。イベント開始時の不満げな感じは全く無くなり、完全に集中していることが分かる。「近くにいた別のスタッフと「ウボンゴ 3-D」や他のボードゲームについて色々、説明を受けていると、息子がまた「できた!」とお題の完成の宣言をした。その顔は誇らしげで、先ほどの顔とは全く違って喜びと自信に満ち溢れていた。

 お題をクリアしてご満悦の息子に「ウボンゴ 3-D」ブースから移動しようと息子に促すが、「ここでしばらく遊びたい!」と自己主張する12歳。筆者は仕方なしに、息子がこの場で遊んでいる間に、ステージイベントを見学することにした。

ルールに従って自分でピースの選定する息子
次のお題を完成させる息子。さっきとは違ってご満悦である
息子が次のお題に挑戦中に、ボードゲームについて色々教えてくれたスタッフで「宮崎ボドゲやろうよ実行委員会」の「せうゆ」さん。イベントに使用するゲームの選定基準などの運営についても色々教えて頂き、日本では発売されていない「MEGA MAN(ロックマン)」のボードゲームも見せて頂いた

オープニングイベントには、有野課長からもお祝いのメッセージが届き、宮崎市市長もステージに登壇!

 ステージイベントでは、オープニングイベントが開催されていた。「宮崎アソビロード実行委員長」の平川らいあん氏と、イベントMCの小野一絵氏が進行を行ない、「宮崎アソビロード」について説明をした後に応援メッセージを紹介した。

 「宮崎アソビロード」実行委員長の平川らいあん氏は、番組「ゲームセンターCX」と仕事で関係が有り、有野課長と番組スタッフから「宮崎アソビロード」への応援メッセージが届いていた。応援メッセージの存在は、イベント前からYouTubeで告知されており、知っている方も多かったようだか、やはり知らない観客の方もいたようで、有野課長のビデオメッセージに驚きの声が上がっていた。

 また、本イベントは、宮崎市の「まちなか公共空間活用促進事業」の補助金が出ていることもあり、戸敷 正(とじき ただし)宮崎市市長が登壇し、オープニングイベントに花を添えた。

【第1回『宮崎アソビロード』告知 有野課長&菅P(メチャ愉快ver.)2分30秒】

【オープニングセレモニー】
MCの小野一絵氏(左)と右平川らいあん氏(右)
アソビロードに興味を示す有野課長
オープニングイベントに登壇した戸敷 正宮崎市市長
ステージイベントの観客席

 オープニングイベントの後、「鉄拳7」のプロゲーマー2人によるeスポーツエキシビジョンマッチが行なわれた。今回のステージイベントでは、チクリン選手と、ちりちり選手のエキシビションマッチと、小野一絵氏による「鉄拳7」チャレンジが行なわれた。

【「鉄拳7」エキシビションマッチ】
チクリン選手(左)とちりちり選手(右)
対戦中の2人
チクリン選手はギース、ちりちり選手はシャヒーンとお互いメインキャラを使用
チクリン選手はアケコン、ちりちり選手は純正コントローラーを使用。対称的な2人のプロプレーヤーを見ることが出来たことも面白かった

レトロゲームのみの市。NAMCOのゼビウスとご対面。未知の卓上ゲーム機はアステロイド?

 ステージイベントが一区切り付いたので、ボードゲームスペースで遊ぶ息子の様子を見に行くと、小さいお子さんに「ウボンゴ 3-D」の説明をしていたので、息子にはしばらくそのまま指導してもらうことにし、「レトロゲームのみの市」のブースを見学することにした。

いつの間にかウボンゴ 3-Dを指導する立場へクラスチェンジした息子

 「レトロゲームのみの市」で特に私の目を引いたのは、「ゼビウス」の実機である。ゼビウスの基板をコントロールボックスに接続し、RGB21端子入力対応のブラウン管モニターに映し出しモニターを無理やり縦置きにする豪快な展示であったが、私と同世代と思われる男性達が、吸い込まれるように次々とプレイしていった。

【ゼビウス】
おそらくPCモニターであるがメーカーは不明。RGB21入力があるPCモニター自体も特殊であるため、希少である
エアキャップの上に無造作に置かれる業務用ゼビウス基板。ナムコ製品は需要が多いため、他の基板と比べてもお高いはずなので気になる

 「ゼビウス」以外にも、筆者の記憶にない卓上ゲーム機や、ゲーム関連雑誌、ファミコンなどのレトロゲームのソフト、周辺機器、グッズ等が所せましと並んでいた。また、レトロゲームを遊ぶためだろうか、「レトロフリーク」の実機と対応アケコンの展示も見られた。

【レトロゲームのみの市】
ゲーム雑誌の中でも比較的コアの雑誌が並んでいた。筆者は愛読書であった「バックアップ活用テクニック」に目がいってしまう
ファミコン、スーパーファミコンのスティックコントローラー(アケコン?)も陳列さている
中身はアーケードゲームのポスターらしい。思い切って全部買い占めれば良かったと後で後悔する
筆者も知らない卓上型ゲーム機。ゲームの内容はおそらく「アステロイド」

若草通りを離れて別会場へ。そこにはゲームセンターCXの出張ショップが限定開店!

 今度こそ息子を連れて移動しようと、三度ボードゲームブースへ向かうと、新しいゲームにハマっているご様子。息子がハマっている次なるゲームは、カードゲーム「犯人は踊る 第三版」。

 息子がプレイするところを見た限りでは、ババ抜きとUNOの合わさったようなルールだった。パーティーゲームだったため、沢山の方と楽しそうに遊んでいたが、時間が押し迫っていたため、息子を説得して移動することにした。

【犯人は踊る 第三版】
次にハマっていたのは「犯人は踊る 第三版」
いっしょに遊んでいる相手の表情を伺う息子
誰のどのカードを選ぶか、真剣に悩んでいる。楽しさが顔からにじみ出ている

 息子が説得に応じたのは、宮崎アソビロード開催記念限定出店である「ゲームセンターCXショップ」に向かうからである。「ゲームセンターCX」ならびに有野課長の大ファンである息子は、ショップへ行くことを楽しみにしていた。

 さっそくショップが設置されている「カリーノ宮崎」内に入ると、ショップの案内看板が目に入ってきた。息子は、看板にある2階へ促す説明を読むと、逸る気持ちを抑えつつ2階へ移動した。

【ゲームセンターCXショップ】
看板を隈なく確認する息子

 「ゲームセンターCX」のブースに来ると、ブース内で買えるグッズの一覧の看板が目に入る。その隣には、グッズの陳列棚が設けてあり、すぐ手に取れるように並んでいた。ブースの奥には「ゲームセンターCX 15大事件簿」と題して、色々な出来事がパネルに細かい説明文付きで展示されていた。息子はそのパネルを1枚1枚丁寧に見ながら、笑顔を見せていた。

 パネルを一通り見た後、有野課長を宮崎に呼ぶ署名活動を行っているということで、息子と筆者と2人で別々に署名を行なった。 ブースを出る際には、両手にあふれんばかりのグッズを抱えており、特に有野課長と王様のクッションをとても大事に抱えていたことが可愛らしかった。

【ゲームセンターCXショップ】
綺麗に陳列されたグッズ置き場
まあまあな価格のお菓子
息子が1番興味を示したのはパネル展示
カメラマン「阿部」のパネルで大喜び
願いを込めて著名する息子
クッションが大のお気に入り

eスポーツイベント会場では「鉄拳7」のトーナメントが開催!優勝者はプロとのエキシビションマッチ!

 1日限定ゲームセンターということで、「ボンベルタ橘 地下1階」のブースでは、アーケードゲーム筐体が4台設置され、「鉄拳7」の対戦大会が行なわれた。

 1日限定ゲームセンターは、ゲーム筐体はすべてフリープレイで遊ぶことができ、小さいお子様から、筆者と同世代の方々まで、幅広いプレーヤーを集めることに成功していた。

【eスポーツイベント会場】
ゲームセンターの無い今、子供達にはアーケード筐体は新鮮に映ったかもしれない
「鉄拳7」を楽しむ子供達
プロゲーマーに挑む宮崎の鉄拳プレーヤー

 eスポーツ大会として行なわれた「鉄拳7」の大会は、16名の参加で、ダブルイリミネーション方式を採用して行なわれた。決勝戦は、ウィナーズはフェイ・ウェイ使いの「カルデラ選手」、ルーザーズはカルデラ選手によってルーザーズに落とされたリン・シャオユウ使いの「いえも選手」が勝ち上がって行なうことになった。

 グランドファイナルに相応しい、強力なコンボの応酬となった。試合はいえも選手の奮闘もあったがあと一歩届かず、カルデラ選手の優勝となった。優勝者のカルデラ選手は、プロゲーマーの2人と3先のエキシビジョンマッチを行なった。

 1日限定ゲームセンターにおけるすべてのプログラム終了後、宮崎鉄拳プレーヤーとプロゲーマーとイベントスタッフによる記念撮影が行なわれたところでイベント終了の時間となり、「宮崎アソビロード」も閉幕した。

【「鉄拳7」eスポーツ大会】
試合を観戦するギャラリー
優勝者カルデラ選手 V.S. チクリン選手
優勝者カルデラ選手 V.S. ちりちり選手
最後は、宮崎鉄拳プレーヤーとプロゲーマーとイベントスタッフで記念撮影。鉄拳プレーヤーの話では、本ブースは、昔ゲームセンターで遊んでいたメンバーの同窓会の様だったと喜びの声が上がっていた

イベント時間内にすべてを楽しむことが出来ないほどの圧倒的なボリュームのイベント「宮崎アソビロード」

 「宮崎アソビロード」は、とにかくイベントが盛りだくさんで、1日ではすべてを遊び尽くすことはできなかった。筆者が取材抜きでイベントに参加していたなら、ボードゲームが面白過ぎて、ボードゲームのブースだけで1日を過ごして居ただろう。各ブースのスタッフの方々は、優しく丁寧に対応してくれたおかげで、子を持つ親としても安心して遊ばせることができる空間となっていると感じた。

 本イベントの実行委員長の平川らいあん氏をはじめ、場所の提供を行なった宮崎市、若草通商店街、カリーノ宮崎、ボンベルタ橘。ゲーム筐体の貸し出しを行なったビリヤードG'z。イベントにて「鉄拳7」の使用を許可したバンダイナムコゲームス。そして、本イベントにかかわったすべてのスタッフの方々。それぞれの力が一体となって作り上げたアットホームで宮崎らしいイベントであったと思う。ぜひ第2回、第3回と続けて貰って、宮崎のみならず他都道府県からもゲームファンが多数訪れるようなイベントとなってくれることを宮崎人の1人として期待したい。

【大成功だった「宮崎アソビロード」】