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【特別企画】プロゲーマーボンちゃん主催「ストリートファイターV」オフに親子で参加!

「Bonchan's Road Trip in KUMAMOTO」親子参戦レポート

3月21日開催

会場:イオンモール熊本イーストスクエア

 「ストリートファイターV(以下、ストV)」を主戦場とするプロゲーマー「ボンちゃん」が主催するユーザー参加型イベント「Bonchan's Road Trip」が2018年もスタートした。

 「ストV」はアーケード展開が行われなかったために、オフラインコミュニティーが育ちにくいタイトルとなっている。そのことを憂うプロゲーマーやゲーミングチームが、様々な手法でオフラインコミュニティーの発展に取り組んでいることをご存じの方も多いだろう。

 一例を挙げると、忍ismの代表でプロゲーマーであるももち選手は、JR大塚駅周辺のレンタルスタジオで定期的に対戦交流会を開催し、大阪に拠点を置くプロゲーミングチームCYCLOPS athlete gamingは、チームが所有する地下施設にイベントスペースを開設し、小規模の大会などを企画運営を行なっている。東京に拠点を置くTOPANGAは、チャリティーイベント「第7回TOPANGAチャリティーカップ」を去年行なっている。

 今回ご紹介する「Bonchan's Road Trip」も、プロゲーマーのボンちゃんが、スポンサーであるレッドブルと協力して、2017年から行なっているユーザー参加型のオフラインイベントである。

 2017年は、北海道、名古屋、東京、沖縄、福岡、広島、神奈川で開催され、ヘビープレイヤーやライトプレイヤーはもとより、普段積極的に「ストV」をプレイせず、動画視聴者などの初心者も数多く参加し、ユーザー同士の交流を深めることができたようだ。筆者も昨年から「Bonchan's Road Trip」に興味があったが、宮崎在住ということで参加する機会にめぐまれず歯がゆい思いをした。

 今年の開催地が発表され、最初の開催地が熊本ということで、筆者の地元宮崎からでも、3時間程度の移動で参加できる比較的近場であったため、小学5年生の息子と一緒にイベントに参加することにした。

 息子は筆者に似てゲーマーだが、FPSやTPSタイプのゲームを遊ぶことが多く、「ストV」のプレイ頻度はそれほど多くない。ゲーム自体は好きだが、筆者と一緒に遊ぶ程度のライトユーザーだ。筆者が「ストV」関連の動画やWEB番組を見ることが多い為、息子はプロゲーマーの存在を認識はしていたが、プロゲーマー個々を判別するほどの知識はなかった。しかしながら息子に「プロゲーマーに会えるベントに行かないか」と誘ってみると非常に興味を示し、ぜひとも参加したいと喜んでくれた。

 本稿では、今後加速度的にその機会が増えてくるであろう“eスポーツイベントに親子で参加する”という視点から、「Bonchan's Road Trip」熊本会場の模様をレポートしたい。

受付開始時間前から開場を待ちわびる参加者の長い列。息子は対戦前から興奮気味

準備中のイベント会場の様子
背後のスクリーンには、Bonchan's Road Tripの紹介動画を流している

 開場のイオンモール熊本には、開店時刻の9時頃に到着した。イベントスタートは12時で、いささか会場に早く着き過ぎたため、しばらくモール内で時間をつぶし、イベントの受付開始時刻となる11時の10分前にイーストスクエア前に移動すると、アケコンなどを所持した参加者がすでに40人ほど並んでいた。息子は受付に並ぶ大勢の参加者を見ると、早くも興奮気味だった。

 受付では、シール式の名札を作成した。プレイヤー名とLP、学生は所属学校などを記載して、胸と背中と持ち込んだアケコンに貼る作業を行なう。この名札はイベント中のコミュニケーションに多いに役に立った。他の参加者へ対戦を申し込みをする際にコミュニケーションが必要となるが、最低限度の情報がここに記載されている為、LPの情報や所属大学名が会話を始め易くさせ、参加者同士の心の壁にを低くすることに多いに効果を発揮した。特にLPの表記は子どもでもプレイヤーの強さが分かりやすく、LPの高いプレイヤーを見るだけで「あの人LP凄過ぎ!」と感動していた。

 受付を済ませ会場に入ると、10セット準備された対戦台で、すでに参加者同士の対戦が始まっており、参加者達のやる気を感じられた。筆者が会場内を一通り回りした頃に、主催者のボンちゃんが会場に現れた。イベントスタッフと簡単に打ち合わせのような会話をした後、イベント開始前にも関わらず、会場内に設置された対戦台を、順番に回り、参加者の輪の中に入りながら積極的に話しかけていた。初心者台の付近に来た際に、小5の息子も話しかけて頂いた。内容は使用キャラや、そのキャラを選んだ理由などを聞かれたようで、ボンちゃんとの会話が終わった後、息子が興奮を隠しきれないようで私に嬉しそうに報告してきた。

※LP = ストVにおけるプレイヤーの強さを数値で表したもの。

初心者の所属大学の違う大学生が集まって対戦をしている。名札の効果がここに出ている
初心者台付近に訪れて参加者とコミュニケーションを取るボンちゃん

イベントスタート! ボンちゃんが自らマイクを取ってブリーフィング

ステージ上のボンちゃん
「Bonchan's Road Trip」グッズ。トートバックの中にオリジナルデザインの30Φボタン、シール、ホログラムが入っていた
ステージ上で旗を掲げるボンちゃん
初心者台と書かれた対戦台
小学生対決 お互いに謙虚で礼儀正しく、すぐに意気投合し対戦を始める。微笑ましい光景で親としても満足する時間となった

 12時になったところで、ボンちゃんがステージに立ち、「ボンちゃん組手」、「ランダム2on2」、「サイン会&写真撮影会」の説明が行なわれた。今回のイベントでは、レッドブルグッズの物販も行なわれることが説明された。購入するセットに応じて「Bonchan's Road Trip」グッズがプレゼントされる仕組みだ。

 昨年の「Bonchan's Road Trip」では、参観者がボンちゃんへのコメントを自由に書き込めるアケコンが準備されていたが、今年は「Bonchan's Road Trip II」のロゴと日本地図が描かれた旗が準備されており、より多くの参加者がコメントを書き込むことが出来るようになっていた。説明用にステージ上に掲げられた旗には、イベント開始直後にも関わらず参加者のコメントが記載されており、参加者のボンちゃんへの熱い思いが伝わってくる。

 ステージ上のボンちゃんがイベント説明を終えると会場内から拍手が起こり、フリーの対戦会が始まった。対戦台の前にはプレイヤー層を示すプレートがあり、「初心者台」、「中級者台」、「上級者台」と記載され、同じレベルで対戦が行なえるように配慮されていた。筆者と息子は気軽に遊べる「初心者台」でプレイすることにした。初心者台の周りには、息子以外にも小学生の男の子がおり、すぐに仲良くなって話しかけたり勝負したりしていた。

 初心者台には、大人、学生、子どもが入り乱れる状態で、小学生達が特に積極的に対戦を申し込んでいた。大人、学生、子どもを問わず、対戦を申し込んでから了承し、対戦台に並ぶ風景は、「ストII」初期の横並びで対戦していた頃を思い出させる光景であり、とても懐かしく幸せな気分になっていた。

 対戦に浸っている中、ふと会場を見渡すと参加者がさらに増えていて、なおかつ通りすがりの買い物客が足を止めて会場の様子を眺めていることに気が付いた。「Bonchan's Road Trip」は、オフライン交流会が主な目的だが、人通りの多い場所を開催場所に選んでおり、eスポーツ自体の宣伝効果も期待できるイベントだと感じた。

【物販コーナー】

【ホログラム】
ホログラムは表がボンちゃんの写真。裏面がイラスト

【ギャラリー】
会場の風景、それを2階から見下ろす買い物客

プロゲーマーの力を見せつけた「ボンちゃん組手」

組手に臨むボンちゃん
次から次に組手をこなしていく
試合後は握手で終了
ボンちゃんに挑戦し敗れた息子

 13時になったところで「ボンちゃん組手」が始まった。組手前のフリーの対戦会中に、組手参加希望者は組手の順番が書かれた紙を受け取り、紙に書かれた番号の順に、ボンちゃんとステージ上で対戦することができる。他の参加者は対戦内容は巨大スクリーンで観戦できる。

 組手が始まってまず驚いたのは、ボンちゃんが負けないこと。参加者の中にはLP30000を誇る猛者もいる。ゲームセンターで乱入プレイを経験した方ならわかるかと思うが、高レベルのプレイヤー同士の対戦で、連勝を重ねるのは容易なことではない。

 しかし、ボンちゃんは負けない。体力でリードされ、体力が少なくなってもう駄目かと思う場面でも、最後の被弾をしない。粘って凌いで、いつの間にか逆転を決めている。ボンちゃんが使うナッシュというキャラの特徴が出ているのかもしれない。観客としてボンちゃんのプレイを観ると、驚きの連続で生観戦するのが楽しくてしょうがない。しかも実際に大勢の観客と共にプレイを観ることで、会場との一体感を強く感じる為、WEB配信で見るより数倍楽しい。

 また、組手中の会場の歓声にも非常に興味深い。ボンちゃんに負けてほしくないファンの声援と、対戦相手の勝利を願う友人の応援。ボンちゃんが負けそうなときには悲鳴と歓声が同時に起こる。ボンちゃんが見せる粘りと大逆転劇に会場がどよめきが起こり、対戦相手のミスでボンちゃんが生き残った時の大きなため息と落胆。プロがゲームをプレイすることで、こんなに人が感情を動かされるのだということを実感し、プロゲーマーの凄さを実感した。

 息子も愛用のケンでボンちゃんに挑戦して負けたのだが、ボンちゃんの強さを肌で感じたのか、対戦後に「ボンちゃんカッコイイ!すごい!」と負けたにも関わらず大喜びだった。アマがプロと同じ土俵で本気で戦ってその強さを体験できるのは、eスポーツならではの魅力だと感じた。

 「ボンちゃん組手」の結果は、全勝こそは逃したのもの、39勝1敗というプロゲーマーらしい成績となった。素晴らしい試合を見せてくれたボンちゃんに開場から大きな拍手と声援が送られた。

誰でも優勝の可能性有り!ボンちゃんも参加するランダム2on2

「ランダム2on2大会」の模様
息子と一般参加者のチーム
2on2に参加するボンちゃん。プロのプレイを近距離でみることができる
対戦するボンちゃんに釘付けになる小学生達

 次のイベントは「ランダム2on2大会」。イベント参加者は、クジを引いて、組み合わせをランダムで決定し、トーナメント形式で行なわれた。参加希望者はほぼ全員に近いと思われる60チーム(120名)の参加でトーナメントを行なった。

 このイベントはとても良かった。ランダムでチームを組むので、強制的に見知らぬイベント参加者同士で会話をするきっかけになる。特に良かったと感じたことは、息子のような小学生でも、大学生や一般の方との交流が行なわれることだった。

 子供から大人への話しかけは、イベントといっても敷居が高いように思える。このランダム2on2大会は、見知らぬプレイヤーがチームメンバーになるため、チームが決定するとすぐに会話が始まる為、会場全体が「会話を許可されたような空間」になった。相手チームとの会話も、試合後にスムーズに出来るようになり、ユーザーの交流会にはうってつけのイベントだと感じた。息子とチームを組んでくれた男性も対戦チームも、息子をとても大事に相手して頂いて親として感謝しきりだった。

 ボンちゃんもこのランダム2on2に参加するため、プロゲーマーと一緒にチームを組んで優勝することも夢ではない。また、大会の進行は会場内の各対戦台で行われる為、ボンちゃんのプレイを間近で見ることが出来る。

決勝まで進んだボンちゃんのチームがステージに上がって決勝を戦う頃には、参加した小学生が「プロゲーマーボンちゃん」のプレイに目をキラキラさせて食い入るように見つめる姿が非常に印象的だった。結果はボンちゃんチームの優勝だっだ。ボンちゃんのチームメイトの方も、対戦相手のチームも非常に強く、決勝に相応しい戦いを見せてくれた。

参加者全員で記念撮影。笑顔いっぱいのサイン会。

アケコンにサインするボンちゃん
記念撮影

 「ランダム2on2大会」終了後、参加者全員で記念撮影が行なわれた。その後、参加者達とのボンちゃんとの写真撮影、サイン会が開催された。ステージに参加者が1組ずつ上がり、ボンちゃんと談笑をしながらサインや記念撮影を進めていく。私達の順番になり、息子と私の持ち込んだ2台のアケコンに、ボンちゃんのサインをもらった。息子も大興奮で、サイン入りのアケコンにイベント参加で頂いたシールも愛用のアケコンに張り付けていた。

 今回は、普段別ジャンルのゲームを遊ぶ、息子を連れてイベントに参加したのだが、参加した息子は非常に満足した1日となったようだ。熊本から宮崎の帰路においても、ボンちゃんのプレイや大会のパートナーのこと、同じ小学生との会話など、楽しそうに語っていた。息子は確実にプロゲーマー「ボンちゃん」に魅了され、ストVをもっと楽しみたいと思ったようだ。

筆者も久しぶりにオフラインの対戦会に参加したのだが、普段と違った多くのプレイヤーと対戦でき、非常に満足のいくイベントだった。顔の見えるオフラインの対戦は、人との接点があるからなのか純粋に楽しい。イベントの運営も素晴らしく、ボンちゃんやイベントスタッフの方々おかげで、スムーズなイベント進行が行われてストレスを感じなかった。次の機会があれば参加したい。

 実は、筆者がボンちゃん組手に参加し対戦前の雑談中に、地元宮崎でのイベント開催を図々しくお願いしていた。そこでボンちゃんが「プレイヤーの少ない地方での開催を考えているので十分ありえます」というお話を頂いた。筆者の地元のようなストVの対戦人口が少ない地方から、たくさん要望が上がっているのでだろう。ボンちゃんの地方コミュニティー発展の思いを聞けて非常にうれしい気持ちになった。

今年の「Bonchan's Road Trip」の開催日程は下記の通り発表されている。今、話題のプロゲーマーとeSportsを間近で体験できる楽しいイベントなので、ゲーム好きな親子であれば満足できる内容なので、足を運んでみてはいかがだろう。

「Bonchan's Road Trip」開催概要
KUMAMOTO:3月21日(水・祝)イオンモール熊本 イーストスクエア(熊本県上益城郡嘉島町大字上島字長池2232)※終了しました
NIIGATA:7月16日(月・祝)イオンモール新潟南(新潟県新潟市江南区下早通柳田1丁目1番1号)
IWATE:9月24日(月・祝) イオンモール盛岡(岩手県盛岡市前潟4-7-1)
KAGAWA:11月23日(金・祝) イオンモール高松(香川県高松市香西本町1-1)

【ボンちゃんサイン入りアケコン】