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【特別企画】初見プレイでわかる! 「ヒットマン2」によるゲーマー資質診断
“あっさり派”、“こってり派”でガラリと変わるおすすめプレイスタイル
2018年11月19日 12:00
「ヒットマン2」をプレイしていて思うのは、本作は“ゲーマー宛ての挑戦状”なのではないかということだ。暗殺をテーマとしながらイメージは清潔、洗練、静謐といったもので、例えるなら、怪しい紳士から「君、この難問を解いてみたまえ」と言って問題が提示されるような感じだろうか。頭脳を使わずしては解答できないような、知的な佇まいすらもある。
つまり、本作はクイズなのだ。ファーストインプレッションやレビューで繰り返しお伝えしている通り、本作では暗殺という解答だけが決まっていて、その道筋の組み立てはすべてプレーヤーに委ねられる。ミスがあれば減点され、華麗な振る舞いには加点がある。
高評価を獲得するためにはかなりシビアなプレイも要求されるので、「難しい」と見るか「やりがいがある」とするかは意見のわかれるところだろう。裏を返せば、初見プレイ時に本作をどう感じるかでゲーマーとしての資質がわかってしまうという、試金石のようなゲームだとも言える。
しかし面白いのは、「ヒットマン2」は「とりあえずクリアできればOK」という“あっさり派”のゲーマーであっても、ゲームの深いところまで掘り進む“こってり派”のゲーマーであっても、どちら側でもしっかり楽しめる作りになっていること。「ヒットマン2」は、エージェント47そのもののような孤高で近寄りがたい雰囲気を醸し出しながら、それでいて実際は懐の深いゲームなのだ。
そこで本稿では、“あっさり派”と“こってり派”、それぞれにおすすめのプレイスタイルをご紹介したい。「自分はどっち派かな?」と考えながら読み進めていただければ幸いだ。
“あっさり派”は「ミッションストーリー」のいきなり追跡プレイがおすすめ!
初見プレイで本作を「難しい」と思った方や、「ゲームの大枠を理解して、とりあえずクリアまでたどり着ければ満足」という方は、“あっさり派”のプレイをおすすめしたい。
“あっさり派”スタイルとして猛プッシュしたいのは、「『ミッションストーリー』をいきなり追跡する」プレイだ。「ミッションストーリー」は、通常はマップの中で交わされる特定の会話を聞くことでアンロックされ、「追跡」が可能になる要素。
例えばレースサーキットが舞台の「マイアミ」ステージでは、ある整備士が電話で愚痴をこぼしている様子を目撃できる。そこでアンロックされるのが「完璧なマシン」というミッションストーリーで、47が代わりの整備士となり、ターゲットの乗るマシンに細工をする……というもの。
初見プレイで「難しい」と感じた場合、多くは「何をしたらいいの?」と迷ったり、動き回っているうちに敵に見つかって殺されてしまったりするのではと思うが、ミッションストーリーを追跡すると「整備士を尾行しろ」、「整備士に変装しろ」などの具体的な指示が出るので、次に何をするべきかが非常にわかりやすい。
しかも、従っているだけでマップの深いところまで潜入でき、暗殺までのお膳立てが整う。カジュアルに爽快な暗殺が体験できて、暗殺初心者にはぴったりだ。唯一の問題は「どこでミッションストーリーに出くわすか」なのだが、おすすめの「いきなり追跡」でこれが解決する。
方法は簡単で、メニュー画面から好きなミッションストーリーの「追跡する」にチェックを入れるだけ。するとプレイ画面にそのミッションストーリー開始地点へのガイドが表示されるので、あとはその場所に向かえばいいだけだ。
ミッションストーリーは暗殺のお膳立てだけでなく、「その場で何が起こっているのか」の全貌を知る足がかりになっている。ミッションストーリーを重点的にプレイすれば、それまでわからなかった悪党たちの悲哀やこじれた人間関係などが見えてきて二重に面白い。
最初はマップの移動すらままならなくても、何度もガイドに従っているうちに覚えてしまうし、重層的に張り巡らされたストーリーラインは何度も楽しめるものになっている。
中には周りの目が厳しくて「〇〇に変装しろ」などの指示自体の難易度が高いものもあるが、そこはおびき出したりタイミングを見たり、ゲーマーならではのアイデアでぜひ解決していただきたい。どうしてもという場合は難易度「カジュアル」で敵の数が減るので、試してみるのもいいだろう。
またプレイ上大事なのは「セーブ」だ。本作では、「見られていない」と思っている時に見られていたり、不用意にアイテムを落として「お前誰だ!」と戦闘状態になったり、1つのミスが命取りになる。だからこそ「ここまではOK。とりあえずセーブ」というプレイを心がけることで、失敗してもその地点から再開できるようになる。
救済措置としてオートセーブを細かく取ってくれるのである程度は安心なのだが、自分でセーブ地点を決めればより安心だ。セーブは不法侵入中でもいつでもできるので、しっかり活用することがクリアへの何よりの近道になる。
ひとまずゲームの全貌を知れる“あっさり”プレイは、「ヒットマン」シリーズに初めて触れるという人にこそ最適だ。カジュアルで爽快にプレイできるが、やってみると人によっては「“あっさり”すぎる」と感じてしまう場合もあるだろう。
“こってり派”なら、初見から思い切ったゼロ情報プレイがおすすめ!
「いやいや、たっぷりの手応えを感じたいんです。私は“こってり派”ですよ」という方には、ぜひ「ヒットマン2」の奥深さを体験していただきたい。
できることなら初見からミッションストーリーのガイド機能をオフにし、ほぼゼロ情報の47とまったく同じ状態で、マップを細かく探索するプレイは何よりおすすめだ。
こうすると、一般市民から敵兵までが口にする会話の1つ1つ、手に入れるアイテムの1つ1つが大事な情報源となってくる。その情報に従って行動してみたり、情報同士を組み合わせて推理してみたり。“クイズ”という意味での「ヒットマン2」の難易度と手応えは飛躍的に上がり、ゲーマーとしての力量が試される内容へと様変わりするだろう。
危険を冒して情報を探りに行く必要があるかもしれないし、推理した行動が的外れだったりするかもしれない。失敗を重ね、セーブとロードを駆使することもあるだろう。しかし乗り越える壁が高いほど、狙いがピタリと当たった瞬間、暗殺を達成した瞬間は何より気持ちいいはずだ。そうしたプレイを繰り返すことで、47としてのスキルが極まっていくようなスタイルだ。
さらに大体のストーリーラインを把握した後も「いかに暗殺のバリエーションを実行できるか」という奥深さが待っている。あるターゲットを1度毒で殺したとしても、絞殺、刺殺、落下死、溺死、感電死、スナイピングなどなど、あらゆる暗殺の可能性がある。こうしたプレイは「チャレンジ」として提示もされているので、まずはチャレンジ各項目の達成を目指すのもいいだろう。
それにレビューでも触れているとおり、本作には「ブリーフケース」という要素がある。本シリーズはステージをやり込むほどに持ち込めるアイテムと場所が増えていくが、「ブリーフケース」には現場をアレンジする自由度をさらに上げるような効果がある。
何を持ち込み、どう使うか。それによってどんな暗殺が可能になるか。まさにプレーヤーの想像力が試されるような、プレイの幅がグッと広がる開発元からの新たな挑戦だ。
またやり込みプレイの腕を披露するという意味では、「コントラクト」、「ゴーストモード」がある。
「コントラクト」は前作「ヒットマン」以前からあり、「自分が実際にプレイした暗殺を他プレーヤーにミッションとして提示する」もの。つまり各ステージの中で、プレーヤー自らがクイズの出題者となるような要素だ。
「これできますか?」程度のカジュアルなものから、プレイを極めた人の超絶難問まで、数々のミッションが投稿されるのが「コントラクト」の面白いところだ。“こってり派”ゲーマーなら、他プレーヤーのミッションに挑戦するだけでなく、ぜひ1度はこだわりのミッションを投稿してみたい。
また「ゴーストモード」は、「コントラクト」とは別の意味で“こってり派”プレーヤーの極地が楽しめる。このゲームモードは同じマップ、同じ開始地点、同じターゲットの暗殺を目指す1対1の対戦モードで、先に5ポイントを獲得したプレーヤーの勝ちとなる。
要はランダムな場所に出現するターゲットを5人倒せば勝ちとなるのだが、勝負のポイントは、悪影響は悪影響のままずっと残り続けるということ。例えば変装がばれてしまった場合、いくらターゲットを倒してもその変装はばれた状態が続く。つまり暗殺を焦って敵に見つかるような行動をとった場合、その時は1ポイント取れても後々状況が辛くなる可能性がある、ということ。
マップの把握とその場に適した暗殺手段を駆使し、綺麗かつ迅速な5人キルを目指すことが勝利につながる。アイテムの知識、マップの知識、そして冷静なプレイスキルがフルで要求される、「コントラクト」と並ぶ強力なエンドコンテンツとなっている。1つのステージをとことんやり込み終わったとしても、その先には他プレーヤーとの凌ぎ合いが待っている。“こってり派”としてハマればハマるほど、どこまでも楽しみは尽きることがない。
力量に合わせたプレイスタイルが「ヒットマン2」の面白さを加速させる
筆者はどちらかというと“あっさり派”のプレイスタイルでスタートしたが、「こっちのミッションストーリーはどうなるの? 今度はこっちをやったらどうなるの?」とプレイを進めるうちに、「マップが大体わかってきたからこの『チャレンジ』なら達成できそう」などとどんどんのめり込んでいった。
つまり最初は“あっさり派”でプレイしていても、慣れれば次第に“こってり派”のスタイルへと移り進んでいくような、やればやるほどその先のもう1歩が見えてくるような、深遠なゲームであることがわかってくる。
「ヒットマン2」は1本道のストーリーを楽しむゲームではないし、かといってオープンワールドとも違うプレイ体験だ。簡単にはクリアさせてもらえない気難しさも最初は感じるだろうが、この特異なゲーム体験を“ゲームという手段を使ったクイズ”と考えれば、すべて合点がいく。そもそもが「あなたならどうする?」という挑戦性をはらんだゲームなのだ。
これまで紹介してきたように、「ヒットマン2」は“あっさり派”でも“こってり派”でも存分に楽しめるようになっている。しかし言い換えれば、その違いは「ヒントをどれだけもらえるか」による難易度調整と捉えることもできる。こうしたヒントを「ありがたい」と思うか「屈辱」と思うかで、もうゲーマーとしての資質は判明しているだろう。
さて、読者の皆さまは“あっさり派”と“こってり派”のどちらだろうか? ぜひ「ヒットマン2」に触れて、自らのゲーマーとしての力量と資質を改めて発見していただきたい。
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