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目指したのは“フィギュアがコントローラーになる”ゲーム!合体フィギュアのSFシューター「スターリンク バトル・フォー・アトラス」インタビュー

2019年4月25日 発売予定

価格:未定

 2019年4月25日の発売が決定したユービーアイソフトのプレイステーション 4/Xbox One/Nintendo Switch用SFシューティングアクション「スターリンク バトル・フォー・アトラス」。弊誌ではUBIDAY2018でのプレイレポートステージイベントレポートを掲載しているが、今回はさらに本作のインタビューをお伝えする。

 インタビューのお相手はUbisoft Toronto「スターリンク バトル・フォー・アトラス」クリエイティブディレクターのローラン・マルヴィル氏。UBIDAYで気になった部分をまるごと聞いてきたので、ぜひご覧いただいたい。

Ubisoft Toronto「スターリンク バトル・フォー・アトラス」クリエイティブディレクターのローラン・マルヴィル氏。抱えているのは「スターフォックス」のアーウィン
【『スターリンク バトル・フォー・アトラス』ゲームプレイトレーラー】

フィギュアがゲームに深く影響するデザインコンセプト

――まず、「スターリンク バトル・フォー・アトラス」開発のきっかけを教えていただけますか。

ローラン氏: 5年前、パリの本社から「とにかく新しいものを作って」というオーダーがありました。そこでプロトタイプをたくさん作っていったのですが、その1つとして出てきたのが「組み替えて遊べる戦闘機」だったんです。

 その時はレゴブロックに端子を付けて、そのブロック同士を繋ぎ合わせるとゲーム画面上のブロックも同じように変化していくというものでした。これが面白くて、パリ本社に提案したのが最初のきっかけですね。


レゴブロックで作られたプロトタイプ


機体も3Dプリンターで出力したものをブラッシュアップしていった

――本作で大事にしているコンセプトは何でしょうか。

ローラン氏: ゲームのコアは3つあります。1つはモジュラーを組み合わせること。今お話したアイデアのように、フィギュアを自由に組み合わせて遊べる仕組みです。

 2つめは、生きた世界のオープンワールドであること。本作の世界には様々な勢力があり、お互いに影響しあっています。その中でプレーヤーが何をやっていくか、自由に選択していけます。

 そして3つめはクリエイティブコンバット。つまり、武器の組み合わせによる相乗効果といったところでしょうか。武器の種類は様々ありますが、たとえば氷の銃で敵を凍らせて、そこに炎のミサイルを当てることで、温度差による大ダメージを与えることができます。武器や機体の特性を活かして、自分がコンボを生み出していくような戦い方ができるんですよ。

――UBIDAY2018で本作をプレイして感じたのは、フィギュアの組み換えがゲームプレイに深く関わっているということです。このタイプのゲームとしては、他にも「ディズニーインフィニティ」やamiiboなどがありますが、ここまでゲームとフィギュアの距離が近いタイトルは珍しいです。こうした設計には狙いがあるのでしょうか?

ローラン氏: 良い質問です! フィギュアを買って、ゲームに繋ぐと表示されて遊べるものはこれまでにもありましたが、私達はもっと新しいことにチャレンジしたいと思いました。

 「スターリンク バトル・フォー・アトラス」でやりたかったのは、目の前のフィギュアも1つのコントローラーなんだ、と実感できるようなものです。ただ組み換えて遊べるだけでなく、その組み換えも含めてゲーム体験の1つになるようなイメージですね。ですから、なるべくコントローラーに近い位置で組み換えができるようにしているんです。

 フィギュアを集めて、好きなように組み合わせて、それがストーリーやゲーム体験に影響していく。そういうものをゴールにしたいと思って作ってきました。

バラエティ豊かなモジュール。本作ではこれらがコントローラーの1つとして機能する

――組み換えの面白さという点では、UBIDAYでのデモプレイで、翼を3つ重ねていましたよね。組み合わせはどこまで自由にできるのですか?

ローラン氏: 翼は左右に3つずつ重ねられます。翼の形は直線型、45度型、90度型の3種類があって、それぞれ端子の場所が違います。たとえば機体に90度型の翼を付けると端子は上を向くので、そこに翼を重ねると縦に伸ばせます。すると武器の位置はさらにその上に付けられるので、そうすると胴体を障害物に隠しながら敵を撃てる戦闘機ができあがるわけです。

 取り付ける翼は左右バラバラでもいいですし、前後が違っていても機能します。武器を反対に取り付ければ弾が後ろに発射されるなど、どう遊んでもいいように作っているので、ぜひ色々試してほしいですね。

――4つ重ねるとどうなるのでしょうか?

ローラン氏: 4つ以上付けても、ゲーム側にちゃんと反映されます。ただ、重量オーバーで機体が動かなくなってしまうんですよ。

――機体のデザインには、日本人の方も参加しているそうですね。

ローラン氏: そうです。今作ではおもちゃのデザイナーを多く集めていて、彼もチームメンバーの1人です。10年以上おもちゃ業界でデザイナーをされていた方で、本作のためにチームメンバーに加わってくれました。

――それぞれの機体はどれも特徴的ですが、制作上のこだわりはなんでしょうか。

ローラン氏: たとえば、ある戦闘機はF1レースカーからインスピレーションを得て作っています。ほかにも航空機や宇宙船など、共感しやすいポイントを残しつつ、飛び立てるようなイメージが沸くようにしました。

こちらがF1レースカーからインスピレーションを得た機体。1番はじめに考えられた機体だという

フォックスを使うと「スターフォックス」第1作、第1ステージの曲が流れる!

――本作のポイントだと感じたのはもう1つあって、戦闘機の操作がとてもスムーズなことです。ここがベースにあってこそのフィギュアの組み換えの面白さだなという印象を持ったのですが、ゲーム側での制作のこだわりは何でしょうか。

ローラン氏: とても嬉しい意見ですね。Ubisoftでは、ゲーム開発で重要な3つの「C」があると言われています。それはカメラ(Camera)、コントロール(Control)、キャラクター(Character)です。今のお話はコントロールについてですが、ゲームの基礎としてとても力を入れたところです。

 本作は地上や宇宙空間を飛びながら、オープンワールドの中で自由に遊べるものです。どこかの場所で操作性がダメだとすべてが台無しになりますから、操作のスムーズさは特に気を付けたところですね。

――本作はミッションをどのように進めていくようになるのでしょうか。

ローラン氏: 「スターリンク バトル・フォー・アトラス」は自由にプレイできるオープンワールドゲームですが、基本のストーリーを進めるメインミッションと、その他にサブミッションも用意されています。

 メインミッションでは操作方法や惑星探査のチュートリアル的要素も含まれていて、このメインミッションを進めることで様々なサブミッションが増えていくイメージです。

 サブミッションには敵との戦闘、鉱物の採集、動植物の生態の調査など様々にありますが、どうプレイを進めるかで敵「レギオン」との勢力図が動的に変化するのがポイントです。それによって、たとえばボスの強さも変わります。弱らせてから倒してもいいですし、強いまま倒して経験値を多く獲得するのもいいでしょう。

 また宇宙空間では、ドッグファイトも楽しめます。宇宙空間には「レギオン」だけでなく「アウトロー」という勢力もいて、彼らの支配が強い場所になっています。


敵勢力との争いがゲーム上の大きな目的となる。プレイによって巨大なボスも弱めることができるそう

――ローランさんはアニメのファンというお話も聞いたのですが、何か日本アニメへのオマージュが込められていたりするのでしょうか。

ローラン氏: ありますよ! たとえばですが、「UFOロボ グレンダイザー」って知っていますか? コントローラーに「チェイス」というパイロットをセットすると、彼女が走るカットシーンが流れます。これは「グレンダイザー」の主人公が走る姿からヒントを得ています。

 チームのみんながアニメファンなので、ほかにも色々散りばめられています。それに「スターフォックス」! これはオマージュではなくもう本人なんですが(笑)。私が最初に遊んだ3Dゲームが「スターフォックス」だったので、彼らが本作に出てくれることをとても名誉に思っています。

 Nintendo Switch版で使用できるフォックスですが、彼はスリッピー、ペッピー、ファルコといった「スターフォックス」のメンバーを呼び出して戦闘できます。そのときには「スターフォックス」第1作、第1ステージの曲がオーケストラアレンジで流れます。懐かしくもあり、楽しんでもらえる要素だと思いますよ。


「スターフォックス」ファン必見のフォックスとアーウィン。Nintendo Switch版専用のフィギュアなので購入の際はご注意を!

――では最後になりますが、発売後の拡張についてはいかがでしょうか。

ローラン氏: あります。が、今は秘密です! 拡張についてはどんどんしていきたいですし、サポートも予定しています。ぜひ楽しみにしていてください。

――期待しています! 本日はありがとうございました。