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ガンホー・吉本興業・サイバーエイジェントが出資するmspo株式会社が、モバイル向け新サービス「mspo」の提供を今日から開始

9月28日 発表

会場:ヨシモト∞ホール

 ガンホー・オンライン・エンターテイメント、吉本興業、サイバーエージェントの3社が出資する合弁会社「mspo」は9月28日、モバイルゲーム向け新サービス「mspo(エムスポ)」の提供を開始したと発表した。会場となったヨシモト∞ホールには、mspoの代表取締役社長である寺田美絵氏のほか吉本芸人も登場し、公式アンバサダー発表・就任式やmspo-1グランプリと題したゲーム対決も行なわれた。

無料でカジュアルゲームが遊べ、対戦に勝利して集めたmポイントはギフトカードや他社ポイントに交換可能

 本日の司会を務めたのは、吉本のピン芸人であるタケトさんと、お笑いタレントの横澤夏子さん。最初にステージに登壇したmspo代表取締役の寺田美絵氏は「簡単に説明するなら、エムスポはモバイルゲームで遊ぶと商品がもらえるサービス」と解説。基本構成としては「ゲームで勝つ、賞品をためる、ギフト券などと交換の3つからなっているサービスです」と説明した。

司会を務めたタケトさんと横澤さん、そしてmspo代表取締役社長の寺田氏

 このうち、“ゲームで勝つ”については「対戦形式で、4勝勝ち抜きバトルではライフが2つ付与され、2敗する前に勝ち抜きます。8勝勝ち抜きならばライフは3つ。ただし、負けても何度でもすぐに再チャレンジすることができます」とし、負けてもデメリットがないことを強調。

 “賞品をためる”では、「まずは、勝ち抜きバトルに勝ち抜いてコインを溜めます。これを消費して、今度は“mポイント”と呼ばれるポイントを溜めるための勝ち抜きバトルに参加します。このmポイントはAmazonギフト券や、将来的にはdポイントとの交換も可能になる予定です」として、勝つことで最終的にはAmazonなどでの買い物ができるようになると解説。

コインを溜め、これを消費してmポイントを溜めるバトルに挑む。勝てばmポイントが得られ、これはギフト券やポイントに交換が可能

 ここで「こうして見ると、今はやりのeスポーツのように思われるかもしれませんが」と前置きし「ゲームの高い専門知識とスキルや、オフライン大会へのエントリなどはまったく必要ありません。誰でも、いつでも、気軽に、無料で、カジュアルに遊べるのがエムスポです」と、その方向性の違いについてコメントした。

 エムスポ導入タイトルについての発表も続けて行なわれ、9月28日時点では人気の「どうぶつタワーバトル」、「組体操タワー崩し」、そして新作としては「消しゴム落とし 戦」、「おこづかいクイズ QuQ(キュキュ)」の4タイトルが出そろうとのこと。どれも無料でルールも簡単なため、誰もが気軽に遊べるだろう。

エムスポを導入する最初の4タイトルがこちら。大人気作品2本と、新作が2本となっている

「どうぶつタワーバトル」開発者も対戦した、「どうぶつタワーバトル対決」

 寺田氏の説明が終わると、エムスポ導入タイトルの1つである「どうぶつタワーバトル」にちなんで、動物の名前がつく吉本芸人が公式アンバサダー候補としてステージに招かれた。登壇したのは、「麒麟」、「和牛」、「パンサー」の3組。それぞれが絶妙なトークを繰り広げた後、最終的には「麒麟」のコンビが任命され、寺田氏よりエムスポ公式アンバサダーのタスキを渡された。

公式アンバサダー候補として登場したのは、左から「和牛」、「麒麟」、「パンサー」の各コンビ。公式アンバサダーに任命されたのは「麒麟」の2人で、頑張ってエムスポを広めていきますとコメントした

 とはいえ、その他の2組にもせっかく来てもらったからという体で、司会の1人である横澤さんを含め、優勝者にはmポイント100万ポイント分が贈呈されるというゲーム大会、mspo-1グランプリが4組で行なわれることに。タケト氏が「100万ポイントがどのくらいかと言いますと、Amazonギフト券に交換すると100万円分になるということです!」と発言すると、対戦することになった芸人たちは大興奮。ここで、あまり表に出てくることはない「どうぶつタワーバトル」開発者であるYuta Yabuzaki氏が登壇し、プレイ解説を行なった。

累計600万ダウンロードを誇る「どうぶつタワーバトル」の開発者、Yuta Yabuzaki氏が登場し、最後には対戦も行なった

 100万mポイントがもらえるということで、確実にどうぶつを配置していく人、ギリギリで攻める人などがいたが、ガチ勝負だったにもかかわらず優勝をさらったのは、やはり公式アンバサダーの「麒麟」だった。

100万mポイントを手に入れ、ガッツポーズ姿を取る「麒麟」

 すると、台本になかったというエキシビションマッチの話が飛び出し、優勝者の「麒麟」と開発者のYabuzaki氏が対戦するカードが急遽成立。「麒麟」の2人は「負けても100万mポイントは回収しないでくださいね」と泣きを入れてから戦いに望むが、さすがは開発者。相手の自滅を誘い、見事に勝利を掴んだ。

最後に、お知らせとしてゲーム開発社パートナープログラムと、500万円分山分けキャンペーンが告知された

 イベント終了時にコメントを求められた公式アンバサダーの「麒麟」は、「ゲームをプレイしてみて面白かったです。みんなでワイワイ遊べて楽しかったし、ポイントは家族のために使いたいと思います。ゲームをプレイして上手くなり、賞品に替えられるものにできるなんて、僕らの夢ですね。シンプルなゲームがたくさんあるので、誰に勧めても食いつくと思いますし、エムスポを広めるためにも頑張りたいと思っています」と、綺麗にまとめた。

 最後に寺田氏と、よしもとゲームスタジオの斉藤祐士社長による質疑応答が行なわれたので、それを掲載しよう。

――アプリはエムスポ独自のものですか? それともID連携などなのでしょうか?

寺田氏: 先ほど紹介したタイトルについては、ダウンロード後起動すると、エムスポモードのボタンが表示される状態になります。こちらをタップするとエムスポモードで遊ぶことができ、それ以外では通常のモードが立ち上がります。特別エムスポのアプリをダウンロードするということではないです。

 エムスポ対応アプリでは、メニュー画面にエムスポのロゴなどが入ったメニューやアイコンが表示されます。そこをタップすればエムスポモードに、それ以外を選ぶと通常のゲームがプレイできます。

――エムスポのIDのようなものを新たに作る必要があるということでしょうか?

寺田氏: そうですね。エムスポモードを押すと、まずはエムスポに会員登録をしてもらうようになります。

――吉本興業がゲームに参入する狙いを教えてください。

斉藤氏: ゲーム業界に本格的に参入することを決定した際に、ゲーム業界への第1歩としてガンホーとこの話をする機会があり、プロモーションという観点で吉本興業としてエムスポというサービスをしっかりとケアしていきたいというところがあり、この取り組みに対して参入しました。あわせて、吉本興業としても8月によしもとゲームスタジオというゲームを取り扱う会社を設立したので、今後も引き続きゲームというところでエムスポのサービスに対してを色々と推し進めていければと考えています。

――eスポーツも視野に入れているということですか?

寺田氏: オフラインでうまくPRできそうであれば考えていますが、コンセプトとして気軽にやるというところがあるので、時間的な問題だったり殺伐としたことになるのであれば、ちょっと考える部分ではあります。今日やってみた感じでは、会場が沸いてみなさん楽しんだので、将来的には視野に入れるかもしれません。

――吉本としては既にeスポーツに参入していますが、将来的な連携も大きなゲームという枠の中で動いていますか?

斉藤氏: そうですね。寺田氏からあったとおり、先々の部分で当然連携ができるような状況や内容というようなものが見えてくれば、そこの連携も当然狙っていくべきかなと思っています。

――ゲーム業界への本格参入は、具体的にはどういった分野のことを指すのでしょうか?

斉藤氏: 現状アプリゲームがはやっていますが、当然そこにゲームを出すことをしながらも、先々コンシューマやパソコンなど、デバイスに限らずゲームという媒体が出せる環境に関しては色々出していきたいと考えています。そういう意味では、全方位でゲームというものに対して真正面から取り組もうと考えています。

――吉本として独自のゲームを開発するという所にゴールを持っていくのでしょうか?

斉藤氏: そうです。具体的には、吉本興業という名前がつくとタレントであるお笑い芸能人や文化人といったところに直接繋がる方が多いと思いますが、それだけではなく吉本として純粋に面白いと思うものを出していきます。極端な話では“普通のRPGやSLGを作ります。その中に芸人がないものもあります”かもしれないし、中の企画をタレントが組み立てたり、シナリオやイラストを書いたりと、演じる側だけでなく作る側にもタレントを起用しながら吉本ならではのものを世に出したいと思っています。

――今はゲームに関してはアプローチが強い時代ですが、商業的な意味と文化的な意味、両方で勝算がある企画なのでしょうか?

斉藤氏: ゲームビジネスそのものが出してみないとわからないというのは、どこでも同じだと思います。ただ、面白いものを継続的に出していくと言うことと、日本がゲームが強かったという過去の流れからも文化的にこれからも形成していく必要があると思いますので、ビジネスの観点のみならず文化としてもしっかりと、吉本興業としてもゲームというものに関してバックアップしていくというところを考えて進めていくという形になります。

――先ほど紹介された4つのゲームで新作が2つありましたが、それはエムスポのために作られたのでしょうか?

寺田氏: 「消しゴム落とし 戦」に関しては、元々は離れた人と対戦する機能を持たないアプリでした。携帯1つで向かい合って遊ぶゲームでしたが、それにネットワーク対戦機能を入れてもらったのがエムスポに対応しているところです。「おこづかいクイズQuQ」は完全新作で、クイズがあったら面白いのでは? というところで1から作りました。今後も対象ゲームは増やしていきたいと思っています。

――4勝モード8勝モードで得られるポイントを教えてください。

寺田氏: コインは、勝つとルーレットを回して得られるので若干ランダム制がありますが、ポイントに関しては4勝モードで50ポイント、8勝モードなら500ポイント得られます。

――課金型のアプリは先々入りますか?

寺田氏: 課金をすることで、勝敗に優劣がつくのは入れられません。勝敗に関係がなかったり、基本は課金型ゲームでもエムスポモードで遊ぶとした時には強さが同じもので戦えるなら問題ないと思います。

――エムスポにおける、吉本のPR方法を教えてください。

斉藤氏: 地元として、京都国際映画祭で何らかのプロモーションサービスは展開しようと思っています。学園祭にも力を入れていますので、大学生のようにこういった形のサービスやゲームを多く遊んでいただけるユーザの方に、何かプロモーションの施策を考えて進められないかなとも考えています。

 それ以外にもさまざまな環境が吉本にはありますので、劇場へお越しいただくお客さんにサービスプロモーションを展開することも先々やっていこうかと思っています。芸人活動とエムスポがリンクするイベント展開も、ありうると思います。

――収入モデルはどのような形でしょうか?

寺田氏: 対戦が終わりスコアをアップロードする時に、広告が表示されるようになっています。1日1対戦だと1回しか見られませんが、何度も対戦してもらえれば、その回数分だけ広告を見ていただけることになります。

――ガンホーとサイバーエージェントは、自社の名前を出したアプリを提供することはあるのでしょうか?

寺田氏: 今のところ、特に予定はないです。協力してもらっているのは、サイバーエージェントには広告の企画運営力の知見を求めたり、ガンホー側はゲームなどのサービスに対する開発運営力を活かしてという形になります。