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【特別企画】発売直前「アサシン クリード オデッセイ」のここに注目

全てはあなたの「選択」次第。アサシンとなって古代ギリシア世界を大冒険

10月5日 発売予定

価格:8,400円(税別、通常版)

 ユービーアイソフトは10月5日にプレイステーション 4/Xbox One/PC用アクションゲーム「アサシン クリード オデッセイ」を発売する。

 発売も目前に迫った今、事前に明らかになっている情報や試遊の手触りなどを含め、「アサシン クリード オデッセイ」の発売を楽しみに待っている人、「アサクリ」シリーズは久しぶりという人に、本作の魅力をお伝えしたい。

【「アサシン クリード オデッセイ」WORLD REVEALトレーラー】

舞台は古代ギリシア、今作では主人公が選べて、よりRPGライクに

 数あるアクションゲームの中から「アサシン クリード」シリーズに興味を持つ人は、やはり歴史好きな人が多いのではないだろうか。筆者は「アサシン クリード II」に登場するモンテリジョーニやサンジミニャーノ、フィレンツェを訪ねたことがあるが、見覚えのある塔や広場、建物にワクワクしながら聖地巡礼を楽しむことができた。残念ながらまだエジプトには行けてないが、今回の舞台となるギリシアも、きっとゲームをプレイすると行きたくなるだろうと予測している。

 今作で冒険の舞台となるのは紀元前431年のギリシア。世界史でもおなじみの古代ギリシア都市国家アテナイやスパルタの街並みが、広大なオープンワールドとなって、プレーヤーの眼前に広がる。ギリシアというと、アテナイのアクロポリスにそびえるパルテノン神殿と、そこから一望できる紺碧のエーゲ海というイメージが強いだろう。もちろんそういうギリシアを代表するアイコニックな風景は今作のキービジュアルとして登場している。だがそれだけではない。

専門家も納得の緻密な考証で作り上げられた古代ギリシア世界

 ギリシアには、クレタ島、ミノコス島、サントリーニ島、デロス島など多くの島々がある。クレタ島は怪物ミノタウロスを閉じ込めた迷宮ラビリンスがあったとされる島。アポロンとアルテミスが生まれたと言われるデロス島。サントリーニ島には現代でも活発な火山活動を続けているサントリーニ火山がある。このサントリーニ火山は伝説の都アトランティスが一夜で海に沈んだ原因ではないかとも言われている。現代でもギリシア観光では外せないこれらの島々が「アサシン クリード オデッセイ」の中でどのように登場するのかも気になるところだ。

 現在わかっている情報では、発売後のダウンロードコンテンツとして「アトランティスの運命」というストーリーが配信される予定だ。これは、怪物と戦い、水中に沈んだ都市の謎を解き明かすというDLCだ。ほかにも北部の陰鬱とした山岳地帯や、呪いに満ちた湿地など、冒険心をそそる風景が多数登場する。考証にこだわり、細部までリアルに再現された古代ギリシアの街や自然の中を、パルクールや馬などで自由に駆け巡る楽しさは本作でしか味わえない。

メデューサのようなギリシア神話のモンスターも登場する

主人公や物語など、すべてはプレーヤーの「選択」で決まる

 「アサシン クリード オデッセイ」はアクションゲームと銘打たれているが、RPG的な要素が多く盛り込まれている。今作でその最大の特徴となるのが「選択」というテーマと、プレーヤーにゆだねられる多くの選択肢だ。

 ゲームを開始する時から選択は始まる。プレーヤーは主人公を男性キャラクター「アレクシオス」か、女性キャラクター「カサンドラ」のいずれかから選ぶことができる。どちらも鷹を連れた傭兵という設定で、どの勢力にも与しない自由な立場から物語がスタートする。

【2人の主人公】
アレクシオス
カサンドラ
会話の中には多くの選択肢が登場する

 ストーリーを進めていくと、様々な選択肢に出会うことがある。例えば、筆者がプレイすることができた体験版では、ある村で村の男たちに囲まれて非難されている女性と出会う。男たちは彼女が村に呪いをかけたと主張し、女性はそれを否定する。村人たちを信じるかそれとも女性を信じるかは、会話の中の選択肢でプレーヤーが決定する。

 この時には女性の言い分を信じて、モンスターに体を乗っ取られたという彼女の恋人を助けるためにメデューサとの戦いに挑むこととなった。時間がなくて他の選択肢を試すことはできなかったが、同じモンスターを倒すにしても、村人たちを信じていれば違う物語が展開していたのだろう。

 また、本作では世界史の教科書でもおなじみの、アテナイとスパルタによるペルポネソス戦争が描かれる。ここでは筋肉ムキムキのマッチョが剣と盾で殴り合うというようなバイオレンスで混沌とした戦場になる。史実ではスパルタの勝利で終わる戦争だが、「選択」がストーリーを左右する本作で、この歴史的事実がどのように描かれるのかも注目したいポイントだ。

アテナイとスパルタによるペロポネソス戦争がストーリー中に登場する

自由度が高くなったアビリティ選択、敵との駆け引きが熱い近接バトル

 キャラクタービルドの点でも、今作はさらに自由度が強化されている。今作ではハンター、ウォリアー、アサシンという3つの系統からアビリティを選んでキャラクターを育てていくことができる。ハンターは弓の技能、ウォリアーは直接戦闘能力、アサシンはステルス能力といった分野でそれぞれのプレイスタイルに合わせて自分だけの能力を持ったキャラクター育成が可能だ。

 前作では、あるアビリティを取るにはその前提となるアビリティを取るなど、一定のルートに従って能力を拡張していく必要があったが、今作ではアビリティ選択の自由度が増し、各アビリティを強化していくという方式に変更された。欲しいアビリティがピンポイントに入手できるようになり、キャラビルドの自由度がさらに高くなった格好だ。まさに「バトルの楽しさは目の前の敵とのせめぎあいだ!」という人に今作の戦闘システムはうってつけと言える。

相手の動きを見ながらの読み合いが重要になる
スパルタ式キックももちろん登場する

 前作までの一撃必殺で受け身な戦闘が好きだった人の中には難易度が上がって遊びにくくなったと思う人もいるだろうが、「アサクリ」のアクションはぬるいと感じていた人たちからは大好評を得ている。一撃必殺プレイができなくなったわけではなく、草むらで待ち伏せての暗殺や、屋根から飛び降りて一撃で倒す攻撃、窓枠につかまって相手を引っ張り落としたりといった「アサクリ」らしいアクションも健在ではあるので、よりプレイの幅が広がったとみるべきだろう。

 戦闘システムは、上にも書いたように防御とガード崩し、コンボを相手の動きに合わせて使い分ける。ガードしている敵には攻撃が通らないので、ガードしつつ、相手のガードを崩しながら戦う。防御は相手の攻撃によって回避とパリィを使い分ける。また、今作の主人公は「レオニダスの槍」という伝説の力を秘めた武器を携えている。

 例えば周囲を囲まれたときに、自分を中心とした円周上の敵を吹っ飛ばす強力な攻撃を発動したりと、人智を越えた力を使うことができる。システム的には前作の「オーバーパワー」を進化させたもので、通常攻撃でゲージを貯めてから発動させる。使える力は、プレイスタイルに合わせてアップグレードしたり、カスタマイズすることもできる。

レオニダスの槍の力を使うと、人智を越えたパワーを繰り出すことができる

 また、筆者が新たなシステムの中で最も気に入っているのは、鷹を使ったストラテジー要素だ。今作の主人公も鷹を連れており、自由に操作して上空からの風景を観察できる。鷹からの視点で、暗殺すべきターゲットの位置や、弓兵の配置ポイント、地形やルートなどを事前に調査して、潜入方法をじっくり考えることができる。特に放置すると厄介な弓兵を上手く事前に処理できれば、拠点への侵入難易度はぐっと下がる。できるだけ敵に気付かれない暗殺プレイには、事前の下調べが欠かせない。鷹から見た情報を基に敵を1人ずつ倒してルートを確保していくプレイは、パズルのようでもあり、肉弾戦とはまた違ったスリルを楽しめる。

 さらに今作では海を舞台にした海戦が登場する。古代ギリシア時代にはペルシアと戦ったサラミスの海戦など、海での戦いが戦争の重要な位置を占めていた。そんな時代背景を反映したガレー船を操作して、海戦や、海での冒険が楽しめる。船は外見や装備のカスタマイズが可能、公開されているトレーラーやスクリーンショットを見ると、船上に部下となる兵士を配しての激しい戦いを繰り広げることができそうだ。

カスタマイズした自分だけの船を駆っての海戦

発売後にも冒険は続く。シーズンパスで多数の新要素が追加予定

 発売後のシーズンパスで追加される要素もすでに発表されている。本作のシーズンパスには、というと、2つの追加ストーリーと、追加ミッション「ギリシアの秘密」、「アサシン クリードIII リマスター」が含まれている。

 「最初の刃の遺産」は、初めてヒドゥンブレードを使用して、歴史の流れを変えた伝説の人物が登場し、アサシンについての秘密や、彼らが戦う理由を知るというストーリー、「アトランティスの運命」は海に沈んだアトランティスの謎を追うというものだ。どちらも3部構成になっており、「最初の刃の遺産」は12月より、「アトランティスの運命」は2019年春より、どちらも6週間間隔で配信される。

 「アサシン クリードIII リマスター」は、アメリカ独立戦争が舞台の第5作目をより美しいグラフィックスで遊ぶことができるリマスターバージョン。「III」は、それまで続いていたデズモンド・マイルズのストーリーが完結する作品であり、海賊ミッションや狩猟など現在のシリーズに続く要素が生まれた作品でもある。

 さらに、無料アップデートとして「アサシン クリード オリジンズ」でも収録された「ディスカバリーツアー」の追加が決定している。ほかにも新たな敵や、強くてニューゲームが選べるモードや新チャレンジなどが、ストーリーの配信の合間を縫って追加される。

【「アサシン クリード オデッセイ」発売後の施策トレーラー】
【シーズンパスの追加コンテンツ】

 E3トレーラーの後半部分では、重装歩兵風のものからフードがついたいかにも暗殺者然としたものまで数種類の装具が発表されている。自分のプレイスタイルにあった服装で、自由に古代ギリシアを旅する。そこで見つけたトラブルや、冒険に自分なりの選択で挑んでいく。無頼の傭兵になるのか、民衆の英雄になるのか、それとも冷酷な暗殺者に徹するのか、自分のアレクシオスやカサンドラ像への想像を膨らませつつ、間近に迫る発売を待ちたい。