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「Monkey King Hero Is Back(仮称)」日中共同開発によるアジア圏注目のアクションゲームが登場!

9月20日~23日 開催

会場:幕張メッセ

 「西遊記」といえば誰もが知っている中国の超有名伝奇。日本では、お供に孫悟空たちを従えた三蔵法師が天竺へと壮大な旅に出る冒険ストーリーとして認識されており、これまで、アニメやドラマ、絵本、小説と、さまざまなメディアで展開されてきた。だが、日本で認識されている「西遊記」は、本来の莫大な物語のほんの一部にすぎない。

 9月21日、東京ゲームショウ2018 海外作品プレゼンテーションルームにおいて、ソニー・インタラクティブエンタテインメントとHEXADRIVEの共同開発によるプレイステーション 4用ゲーム「Monkey King Hero Is Back(仮称)」の概要が発表された。

【「MONKEY KING: HERO IS BACK(仮称)」TGSトレーラー】

「中国の至宝」が、ついにゲーム化!

 本作は、2015年7月に中国で公開されたアニメ映画の設定をもとに製作された。中国で「国の宝」と称される「西遊記」の物語をベースに、大聖(孫悟空)と仲間たちの冒険が描かれるアクションゲームだ。映画の公開以来、中国で絶大な人気を誇り、今なお愛され続けているタイトルということで、本作は中国ゲーム産業の発展に関する大きな期待がかかっている。

ディレクター・HEXADRIVE 服部達也氏(左)、プロデューサー・SIE 北川竜大氏(右)

 本作ディレクターの服部氏とプロデューサーの北川氏が登壇すると、まずは、本作がどれだけ多くの人々に知られているのかを解説。原作映画は日本語訳されて放映されたものの、日本での本作の認知度は中国と比べてしまうと決して高いとは言えない。だが、中国での本作の知名度は絶大だ。

映画の動員数、動画の視聴数、関連グッズの売上、全てが驚異的な数字。中国のファンの期待が高まるのも頷ける
先日開催された中国最大のゲームショウ「ChinaJoy」で多くのファンが本作ブースにつめかける様子も。この日、推定480万人が本作の発表を視聴。子供から大人まで本作に期待を寄せる人々がいることがよくわかった

 中国でのゲーム産業の展開と発展……「Monkey King Hero Is Back(仮称)」が多くの企業やファンに期待されていることが、ご理解いただけただろう。

日中共同開発の苦労と希望

 北川氏は「海外でのゲーム産業の成長には、海外の有力コンテンツが欠かせません。中国においてもローカルコンテンツの成長が重要になります。中国のクリエイターが作っていくコンテンツが必要なのです」と、日中共同開発である本プロジェクトの重要性を強調。中国の多くの人々に知られている「Monkey King Hero Is Back(仮称)」のゲーム化が決定した効果は大きい。

 だが、日本が認識している「西遊記」と、中国で伝わる「西遊記」では、意外なほどに大きな隔たりがある。三蔵法師と孫悟空の冒険譚は、なんと、壮大な「西遊記」の物語の中盤のほんの一部だというのだ。「Monkey King Hero Is Back(仮称)」は、日本で知られている物語のさらに前の時代の大聖(孫悟空)の活躍が描かれており、それさえも「西遊記」の中の一部に過ぎないのである。

 服部氏は「中国スタッフが考える“西遊記の常識”と、現地に派遣された日本のスタッフが認知している“西遊記の常識”が全く異なるため、開発当初はスタッフ間の溝を埋めることに苦労した」と、本プロジェクトのスタートが決して平坦ではなかったことを語った。

 本作を開発するにあたって最初に行なわれたことは「西遊記への理解」だという。原作映画を観るだけでなく、「西遊記」にまつわる地域を取材し、資料に目を通し、有識者の言葉に耳を傾け、「西遊記らしさ、中国らしさ」を作品に反映させることを目標としたのだ。

 結果、「ChinaJoy」で本作を体験したファンや、本作に期待を寄せ製作過程を見守る中国の人々からは「中国の作品を愛してくれてありがとう」、「中国に伝わる伝奇を期待通りにゲーム化してくれてありがとう」と、スタッフに向けた多くの温かいメッセージが寄せられているという。北川氏、服部氏ともに、情熱的な開発行程を解説する表情は感慨深げだった。

どんなゲームに仕上がるのか!?

 「西遊記」に対する認識の隔たりこそあるものの、中国と日本の人々の中で変わらない事実がひとつだけある。それはもちろん、「孫悟空は強くてかっこいい!」ということに他ならない!

画面は開発途中のものだそうだが、大聖(孫悟空)が妖怪どもを相手に次々と派手な攻撃をブチかましている!

 服部氏は「アクションも、中国に根づいた文化を取り入れました」と、1980~1990年代の香港映画で表現されてきたコミカルかつ大胆なアクションを採用したことを語った。

 本作の大聖(孫悟空)のアクションは映画俳優のジャッキー・チェン氏のもとで修行したというスタントマンの協力を得ており、周辺の道具を使った意外なアクションはもちろん、時には攻撃を失敗して痛がったり……という、思わずクスリと笑ってしまうようなリアクションも表現されている。

 北川氏は「アクションゲームといえば、最近は“スタイリッシュ”、“グロテスク”という方向に走りがちです。原作映画もコミカルアクションを採用していますが、本作は子供も大人も楽しめるというコンセプトがありますので、かつての香港映画にみられたようなこういった表現をゲームに盛り込みました」と補足した。

 本日のプレゼンテーションではゲームシステムの詳細は語られなかったが、現在も日中のスタッフが手を取り合い鋭意製作中であるとのこと。アジア圏のゲーム産業の未来を担うであろう本作の動向は、今後も目が離せない。

 以下は、先日公開された本作のプロモーション映像。全容が判明するまでは、この動画の大聖(孫悟空)のアクションを見ながら期待を高めよう!

【「MONKEY KING: HERO IS BACK」China Joyトレーラー (日本語字幕付)】