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「レッド・デッド・リデンプション2」ファーストインプレッション

挨拶し、狩りをして風呂に入り、銀行強盗に抗争……これぞ西部のリアリティ

10月26日 発売予定

価格:
8,800円(税別、PS4パッケージ版)
10,800円(税別、スペシャル パッケージ版)
12,800円(税別、アルティメット パッケージ版)

 ロックスター・ゲームスは、都内にて10月26日に発売となる「レッド・デッド・リデンプション2」のメディア向けプレゼンテーションを開催した。このイベントでは、ゲームの基本要素と共に、印象的なミッションを体験することができた。

 「レッド・デッド・リデンプション2(以下、「RDR2」)」は、大きなヒットを記録した「グランドセフトオート V」を越えるべくして作られた、ロックスター・ゲームスのオープンワールド最新作である。今回のデモでは、よりインタラクティブに、よりエモーショナルになり、そしてゲーム性を進化させた姿を提示するという。

 今回体験できたのは2時間というかなり長時間のデモで、1時間近くは実際にコントローラーを握ってプレイできた。圧倒されたのはそのリアルな感触である。4K映像で映し出された、精密で実在感のある西部の世界。そこでプレーヤーは馬に乗り、町に行き、人々と話し、交流ができた。馬の手入れ、銃の手入れ、町の娯楽や人々の接し方など、細かい部分も見ることができた。

 ミッションも非常にエキサイティングで楽しかった。プレーヤーが所属するダッチギャングの苛烈さ、そしてリーダーのダッチの人となりや、ビルやジョンといった仲間との関わり合い、死が隣り合わせのギャングの生活を支えてるのは……仲間との絆だ。今すぐどこまでも遊んでみたい、そう思わずにはいられなかった。今回体験できたデモをレポートしていこう。

【「レッド・デッド・リデンプション2」公式プレイ動画】

列車に飛び乗り機関室を奪え! 「ダッチギャングの列車強盗」

 最初に見ることができたのは「ダッチギャングの列車強盗」のミッション。スタッフによるプレイで1つのミッションを見ることができた。今作は前作「レッドデッドリデンプション」の“前日譚”となる。このため、前作の主人公ジョン・マーストンや、ダッチ、ビルなどが登場する。前作ではジョンとしてビルやダッチを倒すために追い詰めるという物語が展開したが、今作では主人公アーサーはダッチギャングの一員として、ビルやジョンと共に行動していく。

 最初のデモはまさにその「今作の仲間」を印象づけるシーンとなっていた。ジョンは何らかで大けがをしており、ベッドで顔を腫らしてうめいている。そこにジョンの女房であるアビゲイルが現われる。アビゲイルは幼い息子ジャックを連れジョンの前に現れ、大声でジョンを叱る。タジタジとなるジョン。ジャックはじっと父親を見つめている……前作をプレイした人は、彼ら家族がどういった道をたどるかを知っているだろう。筆者もまた彼らの行く末を考えてしまった。そして彼らの過去の姿を見て、旧友に再会したような親しみを感じた。

ギャング団のリーダー・ダッチ。どこか狂的なところもあるその力で仲間を引っ張る
風景、馬の描写、圧倒的なリアリティがある

 それは、ダッチも同様である。ダッチはむき出しの上昇志向で他のギャングとの争いを進めていく。彼の過激な志向はやがて仲間の離反を招いていくのだが、今回のミッションですでにその“凶暴さ”が垣間見える。現在のダッチギャングは、リーダーであるダッチの強い上昇志向、逆らう者を許さない苛烈さがギャング全体を引っ張っている。そしてダッチは敵対するギャング団が運行する列車を襲おうと、アーサー達を率いていくのだ。西部劇でおなじみの「列車強盗」を体験できるのである。

 列車を襲うポイントまでは遠い。ダッチとアーサーそして6~7人ほどの仲間達は馬で移動していく。「RDR2」は前作同様非常に広いフィールドが用意されている。今作では雪の表現に力が入っている。スタート地点はまだ日が昇っていない雪深い山の道だが、徐々に雪が減り、日が昇り明るくなってくる。地形や自国での風景の変化も細かい。今回はPS4の開発機材で、4Kでの映像を見ることができたが、その表現は圧倒的だった。

 向かう途中でのダッチ達との会話も、ダッチの飽くなき上昇願望、時代はすでにギャング達に逆風が吹いており、彼らは連邦の勢力に追い立てられている。しかしダッチは諦めていない。逆らうギャングを倒し、金を手に入れ、まだまだ強くなろうとしている。時代の変化に必死に抗う気概が感じられる。仲間達の馬鹿話もあり、ロックスターらしい無法者の雰囲気だ。

 列車の襲撃地点ではビルが先行して線路にダイナマイトを仕掛けている。ダッチに「様子を見てこい」といわれたアーサーはビルの元へ行く。ビルは独り言で悪態をつきながらダイナマイトを仕掛けている。アーサーはビルを手伝い、ダイナマイトの起爆装置へ繋がるケーブルを引き、起爆装置へ取り付ける。準備が整ったところを確認したところでアーサーは待ち伏せポイントに戻る。

 いよいよ列車が通りかかる。ビルは起爆装置のハンドルを押し込む……しかし爆発は起きない! パニックになりかける仲間達の中でダッチはアーサー達に指示をする。こうなったら列車に飛び乗り、列車を止めるしかない。アーサーは数人の仲間と共に走り、トンネルから抜け出た列車の屋根に飛び乗る。1人は落ち、1人は屋根の縁でもがいている。アーサーは屋根の縁につかまった仲間を助け上げ、列車内部に侵入する。大人数で列車を襲うはずだったのに、たった2人で列車を止めなくてはならなくなってしまった。

爆破に失敗、走る列車に飛び乗り先頭車両を目指す
仲間と共に戦う。スクリーンショットのように、逆ね列車で防衛を行なうミッションもありそうだ

 列車内は用心棒が襲撃に備えていた。しかし侵入には気が付いていないようでステルスキルが可能になっている。アーサーはナイフを引き抜き物陰に隠れる。ここでは仲間に指示を出し敵を襲わせ自分は援護するというプレイも可能。ちなみにミッションでは仲間か自分が倒されてしまうとチェックポイントからやり直しになるとのことだ。

 敵に見つかり銃撃戦へ。アーサーは給炭車の影に隠れていた用心棒ともみ合いになる。「近距離戦闘」は「RDR2」でパワーアップした要素の1つ相手の攻撃を防御したり、組み付いて床に押し倒したり様々な行動ができる。地形によっても変わり、今回は走る列車jから突き落とすアクションが確認できた。アーサーは運転席にたどり着き、列車を止める。

 ここから最後尾の車両に向かい、列車の外から迫っていく。列車の異常を察知し、用心棒達は総力を挙げて抵抗してくるが、ダッチ達も合流し、派手な撃ち合いとなる。銃撃戦で印象的な演出が「キルカメラ」である。ヘッドショットなど有効な射撃を決めると、カメラアングルが切り替わり、インパクトの強い映像となるのだ。また敵を倒すなどでたまるゲージを使用する「デッドショット」では、発動させると全てがスローになり、その間カーソルを動かして一気に多数の銃弾が撃ち込める。

 こうして用心棒達を撃ち倒し、残るは最後尾の車両に立て籠もる敵だけになった。最後尾の車両は鉄板で補強されており、防弾されているのだ。「やっちまえ!」。ダッチの声と共にアーサーを含む仲間達は一斉に弾丸を撃ち込む、しかし中の敵は降伏しない。ダッチの指示に、ビルとアーサーはダイナマイトを手に車両の入り口にダイナマイトを仕掛け入り口を爆破、中の敵はここで降伏を選択する。

強盗など犯罪をするときは、顔をスカーフで隠す

 特別仕様の車両はとても豪華な内装だ。葉巻などの嗜好品も奪うことができる。そしてこの中にあるお宝は現金でなく“証券”である。「RDR2」は、この内部を探るときの動きにもこだわっている。食器棚を開ける、テーブルの上を物色する、箱の中を探る……こうした動きはきちんとキャプチャーされた者を使用しているとのことだ。装甲車両内部の豪華な調度品も細かい。屋外のみならず、室内の表現力も非常に細かいことが実感できる。

 無記名の証券を奪ったダッチはこれを金にすべく持ち帰る。室内や屋外の降伏した敵達の処分はアーサーに任せるという。ここで関係してくるのが「RDR2」の「名誉システム」である。敵を皆殺しにすれば悪評が広まる。救えば「名誉レベル」が上がる。名誉レベルによって他の人達の反応が変わってくる。名誉レベルを下げれば相手を脅しやすくなるが、高額の賞金を掛けられやすくなり、承認などからも邪険に扱われる。ゲームのストーリーにも影響するという。ここで「ダッチギャングの列車強盗」は終わる。次からは本作のオープンワールド、そして実際にコントローラを握り、プレイすることができた。

馬との繋がり、人との接し方、全てがリアルになった「RDR2」の進化

 ここからは「RDR2」のオープンワールドの楽しさを見て、体験することができた。まず説明を受けたのが本作のもう1人の主役と言える“馬”の要素。「RDR2」の馬は前作以上に絆を問われる。馬と仲良くなっていないと、戦闘などの場面で馬が意のままに動かなくなってしまったりする。

 逆に関係を築いていけば、馬に乗ったまま左右に平行移動できる操作や、その場で足踏みする曲芸のような動きもできるようになる。戦闘時でもパニックは起こさない。今作では馬の手綱を持って引くことも可能だ。馬に対して働きかけるときは、馬に向かってL2トリガーを引くことでサブメニューが表示される。エサをあげたり、なでたり、手綱を取るなど様々なアクションが可能だ。

本作の馬との繋がりは非常に大事だ

 この時改めて周りの風景を見たが、空や雲、広がる山肌、草原、全てが美しい。街道では馬車が行き交っている。前作のようなランダムイベントも起きるようだ。地味に感心させられたのが馬がフンをするところ。連れてる馬は、時々ボトボトとフンを落とす、こういった表現にも強いリアリティを感じる。ここからコントローラを握り、実際に「RDR2」を体験できた。

雄大な自然には、様々な野生動物がいる

 「RDR2」ではこの“L2”が大きな鍵となる。馬だけでなく様々なキャラクターにこのL2でインタラクションが可能だ。「挨拶する」、「脅す」などこちらから働きかけることができる。このアクションはロックスター・ゲームスのファンには驚きだろう。前作はもちろん、「GTA」シリーズでもお道行く人への働きかけは、いきなり殴ったりといった過激な方法しかなかった、今作は自分から相手の反応を引き出す選択肢が大きくふくらむのだ。

 そして相手の反応はこちらの名誉レベルで変わっていく。チンピラのように周りを威圧することもできるし、道行く人に友好的な挨拶もできる。ならず者を挑発したりもできる。一方、R2トリガーは銃を抜くのだが、敵対ギャングが近くにいるといきなり撃ってこられたりして注意が必要だ。もちろん路上で人を打ち倒しても警察も来ない。西部の過酷な世界をどう生きぬいていくか、様々なインタラクションを試していくことになるだろう。

人とどう接するかが鍵となる

 そして相手の反応はこちらの名誉レベルで変わっていく。チンピラのように周りを威圧することもできるし、道行く人に友好的な挨拶もできる。ならず者を挑発したりもできる。一方、R2トリガーは銃を抜くのだが、敵対ギャングが近くにいるといきなり撃ってこられたりして注意が必要だ。もちろん路上で人を打ち倒しても警察も来ない。西部の過酷な世界をどう生きぬいていくか、様々なインタラクションを試していくことになるだろう。

 「RDR2」はプレーヤーキャラクター、馬共にスタミナ、健康状態などのステータスがある。特に馬のステータスは移動速度や、ここぞという時の早駆けなどに重要できちんと管理しておきたいところだ。食料は後述するキャンプなどでも重要となる。ステータスの表示や、マップの大きさなども細かくカスタマイズできる。

 狩り、の要素も体験できた。前作同様フィールドにはたくさんの野生動物がいる。これらを倒すことでざまざまな資材が入手できる。皮を剥ぎ、ロール状に丸めることもできるし、獲物を鞍に引っかけることもできる。前作では多くの獲物を1度に入手できたが、「RDR2」では、鞍の左右と背中にきちんと積むため、持ち運べる量は少ない。

 ちなみに銃よりも、弓を使った方が死体の損傷が少なく、買い取り価格が高くなると言う。皮を剥ぐ演出は前作ではカメラが獲物からずれていたが、今回は皮を剥ぐところがきちんと表示される。ヒツジなどの大きな獲物を鞍に積んでいるときは馬の速度が落ちてしまう。荷馬もいるので、狩りの時は足腰の強い馬を使ったり、馬車で運ぶ、といったこともできそうだ。

弓は獲物に大きな傷をつけない優秀な狩りの道具だ

風呂にも入れる町での暮らし、ギャング団をつなぎ止めるキャンプの存在

 町には様々な店がある。銃砲店、酒場、宿屋、厩もある。最初に進められたのが厩である。ここの面白いのが建物に入る演出が「GTAV」のロスサントス・カスタムに入る演出そのままなのだ。車のように馬が表示されており、様々な項目でグラフィックスが変わる。ここも車の改造そのままで、「GTAV」プレーヤーは思わず笑ってしまうだろう。

 手を入れられる所は馬のたてがみ、しっぽ、鞍、バッグや毛布など。色や形を変えるだけでなく、馬への負担も軽減できそうだ。たてがみやしっぽを三つ編みにするなど、自分だけの馬のスタイルにこだわることもできる。車のように色々なパーツが変えられるというのが面白い。

 銃砲店は、立派なカタログがある。当時の拳銃、ライフルなどが豪華な装丁のカタログに書かれている。ガンオイルなど手入れ小具も販売している。「RDR2」ではこまめに銃の手入れをすることも大事なようだ。銃の手入れはどこでもできるが、人前でやると警戒されるので注意が必要だ。

 今回肉屋の屋台で仕留めた鴨を売ったのだが、店主がいきなりけんか腰で驚いた。これはキャラクターの名誉レベルが低いためのようだ。名誉レベルが高ければ買い取り価格も高くなるのだろうか。狩りで獲物を仕留めて、鞍に結びつけて持ち帰り、肉屋で買ってもらう、という行動はとてもリアリティがあり、個人的にとても気に入った。調理などもできるか、興味が大きくふくらんだ。

酒場でのドラマは西部劇には欠かせない
銃の種類も多彩だ

 もう1つ興味深かったのが宿屋。ここには浴槽も用意されており、追加料金で風呂に入ることができる。風呂に入ることでよりスタミナやデッドアイゲージが回復するという。風呂では手や足を洗えるなどメニューが凝っている。しかも風呂の途中でノックと共になまめかしい女の声が……そして「特別な風呂に入る」という追加メニューまで表示される。

 そう、特別料金を払うと、女が風呂桶に寄り添い、アーサーの手足を洗ってくれるのだ。酒場の上は娼館がある時代、こういうサービスも合ったんだろうなと感じさせるなまめかしさで、ニヤリとさせられる。こういうアダルトな雰囲気も実にロックスターである。
 さらに「キャンプ」の要素がある。「RDR2」ではギャング団はキャンプを作り移動していく。ここに狩りの獲物や、稼いだ金を入れていくことでキャンプは発展していく。キャンプは仲間のならず者だけでなく、ギャングについてきた女などもいる。ならず者達でポーカーを遊ぶこともできる。

 キャンプは資源が少なくなると結束が弱くなり、荒れていく。逆に繋がりが強くなるとメンバーが増えていくという。ストーリーミッションでは参加するメンバーは固定されているが、狩りなどでメンバーを連れて行く要素もある。仲間と共に敵に戦いを挑んだり、逃走用の馬を用意してもらったり、さらには仲間と共に街に繰り出し、いかさまポーカーなどもできたりもするようだ。ギャング団としてどう暮らしていくかもとても楽しみな要素だ。

ギャング達の絆の場所、キャンプ
仲間達の繋がりにも注目したい

1人では生きられない、無法者達をつなぎ止めるギャングとしての生き方

 最後に体験できたのがキャンプ同士の抗争ミッション。敵対ギャングの1人を捕まえて尋問するのだが、ビルの尋問の仕方がエグイ。火に掛け続け、周りが熱で歪むほどに加熱した鉄のはさみを男に近づけ、男の股間のものをちょん切ると脅すのだ。見ているこちらがすくみ上がるような残酷さである。

 ビルは前作の最初のギャングとして印象的なキャラクターだが、後の悪党っぷりを思わせる酷薄さを見せる。前作をプレイしている人にとって、今作のキャラクターは様々なところで「この後彼はああなるのか」と思わせるだろう。

 ビルの脅しに男は屈服し、敵対ギャングの本拠地を白状する。アーサーは、ビルとジョンを連れて敵のキャンプへ向かう。ここではステルス戦闘で戦いを挑む。投げナイフは音を立てずに敵を仕留められる。自分で戦う事も、ビル達に指示をすることも可能だ。

 敵に見つかり正面からの戦いになる。ビル、ジョンと共に戦っていく。アーサーは不意を突かれ倒されそうになるが、裏切った男に助けられる。敵のボスは逃げていた。アーサーは男に「どこへなりと行っちまえ」というが男は首を振る。「こんな所1人でいたら死んじまう。仲間も裏切っちまった、お前らの仲間に入れてくれ」。アーサーは渋るが、男に重ねて頼まれ承諾する。

ギャング同士は激しい抗争を繰り広げていく
抗争は街中でも……

 ギャング達は1人では生きられない。世界は過酷で、特に銃で人を脅して生きているようなはぐれ者達は、団結しなくては生きてはいけない。仲間を裏切った者は、もう裏切った勢力に庇護を求めるしかない。「ギャング団の生き方」を端的に語るミッションと言える。最後にたイオケンしたミッションと、キャンプでの生活は特に興味を惹かれた。アーサーはどのように生きていくのだろうか。

 今回のデモプレイでは様々な要素を見ることができた。前作の要素を受け継ぎながら、より生活に根ざし、リアリティのある「西部の生き方」を提示していることが確認できた。そしてギャング団というこの時代に存在し、やがて時代の波に押し流されていく存在がどのように生きていたか、その一端を見ることができた。

 今すぐこの世界に飛び込みたい、もっともっとこの世界を深く知りたい。そう思わせるデモプレイだった。「RDR2」は、東京ゲームショウで本作の要素を紹介する小冊子を配布予定とのこと。発売日を楽しみにしたいところだ。