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「絶体絶命都市4 Plus」10月25日発売決定! 7月には体験版を配信

PlayStation VRにも対応し、震災を巡るドラマを“きちん”と描く!

 グランゼーラは、プレイステーション 4/PlayStation VR用サバイバル・アクションアドベンチャー「絶体絶命都市4 Plus -Summer Memories-」のスペシャルトークショー&体験会を開催し、発売日などの最新情報を発表した。長らく待たれた発売日は10月25日で、価格は7,200円(税別)。また、体験版の配信が7月に予定されている。

発売日が遂に10月25日に決定した!
「絶体絶命都市」のシリーズ統括プロデューサーを務める九条一馬氏

 「絶体絶命都市」のシリーズ統括プロデューサーを務める九条一馬氏は、イベントの冒頭「1998年に震災をテーマにしたゲームを思いつき、ここまで多くの人に支えられてきた。『絶体絶命都市4』が諸事情から発売されず、7年も待っていてくれた人たちや、ゲームを拡げようとしてくれる実況者の方々など、色々な方にお礼を言いたい」と切り出した。発売日については「決まらないといつまでも作ってしまうから、腹をくくりました」とコメント。

 まずは、昨晩出来上がったばかりの最新映像から公開された。地震が起き横転したバスの中から映像はスタート。荒れ果てた街の中を主人公の市川結子がさまよい歩くシーンが映し出される。九条氏は「淡々と描いていると言われるけど、本当に地震が起きた後は、誰もがよくわからず、ゲームの序盤も混乱した様を描いている」と説明。今作「絶体絶命都市4 Plus」では、震災に巻き込まれ困っている人たちのドラマはもちろん、震災による混乱を利用して悪事を働こうとしている人たちなど、様々な人間事情の物語が進行する。

震災から、地震によって引き起こされる火災なども描かれる

 「絶体絶命都市」のシリーズ誕生のきっかけとして九条氏は、作家の小松左京氏の「日本沈没」や、さいとうたかお氏のコミック「サバイバル」など、地震をテーマにしたエンターテイメント作品について触れた。「これらの作品で描かれているテーマはゲームに向いているテーマだと思った」と言う。当初は地震にあったときの意識の啓発などについては考えていなかったが、「ユーザーさんが実際に役立つのでは? 言い始めて、間違ったことを描いていたら大変なことになる」と思い始めて、3作目で本格的に入れることにしたのだという。

 「絶体絶命都市4 Plus」ではゲームを進めて行くことで徐々に「地震に被災したときに役立つ情報」が蓄積され、これらの「防災マニュアル」とも言うべき情報は、PS4と連動したコンパニオンアプリで見られるようになるのだという。このコンパニオンアプリは無料で配信される。

コンパニオンアプリに「防災マニュアル」とも言うべき情報が蓄積されていく

 「絶体絶命都市4 Plus」では“空腹”や“排泄”など新たなパラメータが用意されているという。これは、実際に被災したときに困ることを考えていった上で追加されたパラメータのようだ。より現実的になったと言えるだろう。

 同時に“情報の錯綜”といった状況も描かれるという。たとえば人から聞いた情報を信じて良いのか? 複数の人から得た情報のどれを信用するのか? それを他のキャラクターにアドバイスしたとき間違った情報であれば、それは自分がデマの発生源になっていることになる……など、よりリアルに、よりシビアに震災下の状況が描かれているようだ。

 また、様々な情報を得るためには高い場所から俯瞰で見ることが重要だが、もちろん高いところは足場も悪く、地震が発生すればそれだけリスクが高まることになる……と、どう行動するのか、ゲームとしてのトレードオフもしっかり用意されている。

 今作で盛り込まれる大きな要素としてPlayStation VRへの対応があるが、今回初めて実機デモが披露された。今作ではゲームで描かれたフィールド内をVRで見て回ることができる。プレーヤーが震災直後の街を歩いていると、さらなる地震が発生! 座っているはずなのに体験者は実際に揺れているように感じ、悲鳴を上げる。その恐怖は、VRゴーグルを付けていない我々が見つめるディスプレイ越しでも恐怖を感じてしまうほどの威力。デモプレイ中にたびたび「プレイエリア外です」という表示が出ていたが、これは体験者がそれだけ恐怖を感じて大きなリアクションが取ったからだ。その映像体験の迫力が伝わったデモンストレーションだった。

いまだ詳細は不明だが、ゲームに登場するフィールドをVRで見て回ることができるようだ

 このほかでは、ときどき発生する選択について、一種独特な「変な選択肢」が用意されているのもこのシリーズの魅力。九条氏としては特に「変な選択肢」と考えていないという。九条氏曰く「“ハイ”か“イイエ”の2択ではなく、嫌々の“ハイ”かもしれないし、色々な感情がある」と語り、その結果が選択肢の幅として現われているのだという。

 「自分だけが助かろうと思うのは悪いことと思わない。以前、スタッフがその結末をバッドエンドの設定にしていて、それは違うと指摘したことがある。自分の気持ちに正直にプレイして欲しいし、提示された選択肢には自分として責任を持って欲しい」という九条氏の想いから、様々な選択肢を用意しているのだとか。

 今回は東京で体験会が開催されたが、九条氏は「より多くの人に体験して欲しい」ということから、今後、日本全国のできる限り多くの場所で体験会を行なっていきたいという。さらには前述の通り7月に体験版の配信がPlayStation Storeで予定されている。

 九条氏は最後に「災害をテーマにしたゲームを作っていると『不謹慎じゃないか?』と言われることがある。実際に震災に遭って今だ心が癒えない方々もいる。だからこそ、キチンと作ろうと思う」と語った。

登場人物。シリーズに登場してきたキャラクターも登場する