ニュース

「ロックマンX」の全てがここに。「ロックマンX アニバーサリー コレクション」インプレッション

上級者を待ち受ける「Xチャレンジ」も新たに登場!

7月25日 発売予定(PC版)

7月26日 発売予定(PS4/Nintendo Switch/Xbox One版)

【PS4/Nintendo Switch版】

価格:3,300円(税別、パッケージ版)

【PS4/Nintendo Switch/PC版】

価格:3,056円(税別、ダウンロード版)

【Xbox One版】

価格:3,080円(税別、ダウンロード版)

 カプコンが7月26日(PC版は7月25日)に発売を予定しているプレイステーション 4/Nintendo Switch/Xbox One/PC用「ロックマンX アニバーサリー コレクション」は、1993年に誕生した「ロックマンX」シリーズのすべてを収録した、往年の名作を最新ハードで楽しめるタイトルだ。

 2018年現在のシリーズ最新作で約13年前の「ロックマンX8」、原点ともなると25年前まで遡る。どの年代にとっても、思わず「懐かしい」と思うことだろう。筆者もまた、シリーズを1作目からプレイしてきたファンの1人だ。

 本作は「ロックマンX アニバーサリー コレクション1」、および「2」と2つのパッケージに分けて発売されるが、今回は両方をプレイする機会が得られたので、そのプレイレポートをお伝えしたい。

グラフィックスの"見せ方"にも細かなこだわり

 本作の基本的なところから紹介すると、「ロックマンX アニバーサリー コレクション1」には「X」から「X4」、「ロックマンX アニバーサリー コレクション2」には「X5」から「X8」までと、きれいに4タイトルずつ分かれて収録されている。

 「コレクション1」に収録されている4タイトルについては、オリジナルはスーパーファミコンからプレイステーション時代に発売されたもので、すべて2Dの横スクロールアクションになっている。

 グラフィックスは基本的にオリジナル版をそのまま再現しており、画面の比率も4:3のまま。左右の隙間には壁紙が入る。

 また、グラフィックスの見え方が変わる、3種類のフィルターが用意されているのも本作の大きな特徴。フィルター1ではなめらか補正がかかり、最新のモニターにも耐えうるビジュアルを実現している。フィルター2はブラウン管調の線が表現されており、ノスタルジックな雰囲気を醸し出す。

 3つ目はフィルターをオフにするというもので、当時のドットグラフィックスを当時のまま体験できる。当然画面の見やすさだけで言えばフィルター1が最適だが、往年のファンにとっては他の2種類も気になるところだろう。実際、ブラウン管調のフィルター2はかなり印象も変わる。幸いフィルターはゲーム内でいつでも変更できるので、ちょっとした気分転換に使ってみてるのもいいだろう。

「フィルター1・2」、あるいは「なし」を選択できる。いつでも変更できるので、色々試して雰囲気の違いを楽しんで欲しい
画面横の壁紙も好きなものから選んで表示できる。「ロックマンX2」の壁紙で「ロックマンX」をプレイする……なんてこともできる

 一方の「コレクション2」に収録されているのは、 プレイステーションとプレイステーション 2で登場した4作品。「X7」「X8」はシリーズでも珍しい3Dで制作されたタイトルだ。そのためフィルターなどが存在しない代わりに、高解像度化が施されている。

 また「X7」は他のシリーズ作では見られない、奥行きのある3Dステージも存在する。そのため当時のファンにはかなり驚かれたものだ。こういったシリーズの変遷を一気にたどることができるのも、本作の魅力と言えよう。

「X7」では独特の3Dステージも登場!

 ゲームの進め方については説明不要という人も多いだろう。8種類のステージから1つを選び、最奥地にいるボスを倒していく。ボスを倒すと特殊武器が手に入り、より強力になって次のステージに挑戦できる。特殊武器は「弱点」として特定のボスに大きな効果を発揮するので、アクションのスキルはもちろんどのステージから挑戦するかも重要なのだ。

 また、作品によっては主人公・エックスの盟友である「ゼロ」を操作できたり、強化パーツが存在したりと細かな違いも散りばめられている。ストーリーやキャラクターの関係性は作品ごとで地続きになっているケースも多い。全8タイトルをプレイするにはかなりの時間を要するが、全て通してプレイする価値が十分にある。

技術と知識が物を言う「Xチャレンジ」

 歴代の作品を楽しめるだけでも十分なボリュームを誇る本作だが、これに加える形で新モードの「Xチャレンジ」も搭載される。このモードでは、各作品に登場したボスキャラクターがタッグを組み、エックスに襲い掛かる。シリーズの枠を超えたコラボレーションが実現しており、プレーヤーからすれば厳しい戦いを強いられるが、その一方で今までではあり得なかった敵側の共闘を楽しむことができる。

 その実態は、かなり歯応えのあるコンテンツといったところ。当たり前の話だが、プレーヤー側がエックス1人なのに対して相手はボスが2体同時に出てくる。1体だけでも相当な苦労なのだから、その戦いの激しさは言うに及ばずだろう。

2体のボスを相手に戦いを挑む「Xチャレンジ」

 一応このモードには「イージー」、「ノーマル」、「ハード」3種類の難易度が用意されているため、初心者でもイージーモードを選べば雰囲気だけでも味わえる。また上級者であっても、2体のボスの組み合わせがどんな化学反応を起こすのかを知るために、まずはイージーから試してみるのも一考だ。

 2体のボスの組み合わせには、何かしらのコンセプトが存在しているのも面白い。例えば最初に挑戦することになる「アイシー・ペンギーゴ」と「フロスト・キバトドス」は、いずれも雪や氷をイメージしたステージのボスだった。また「ワイヤー・ヘチマール」と「ウェブ・スパイダス」という、森林を連想させるコンビもプレーヤーの前に立ちはだかる。ワイヤー・ヘチマールの素早い動きに翻弄されていると、ウェブ・スパイダスが放つ蜘蛛の糸に捕まってしまうことも。あくまでも自然な形で意地の悪いコンビネーションを見せてくるのだ。

「アイシー・ペンギーゴ」と「フロスト・キバトドス」。いずれもアクションは原作準拠だが、2体同時だと「あれ?こんなにキツかったっけ?」という新鮮な驚きと苦しみがある
「ワイヤー・ヘチマール」と「ウェブ・スパイダス」。ウェブ・スパイダスの蜘蛛の糸がフィールドにしばらく残るので、動きがかなり制限される

 そうは言っても、有効な特殊武器さえ使えれば簡単なのでは……と思うかもしれないが、実はこのモードで所持できる特殊武器は3種類のみ。1回のプレイで3回戦までが用意されているので、開始前に選択した3種類の特殊武器で6体のボスを相手にすることになる。

 つまり、全体の半分のボスにしか弱点をつけないのだ。何度も挑戦して、通常攻撃のエックスバスターのみで倒せる実力を養っておくことも攻略においては重要だ。また、そもそも誰にどの武器が有効なのかをしっかり把握しておくことも大切。これまでに培ってきた知識と経験が、そのまま役に立つモードとも言える。

「Xチャレンジ」はオンラインランキングにも対応している。クリアできるようになったら、今度はスコアアタックにチャレンジしてみるのも面白そうだ

 昨今のゲーム発売スケジュールを見渡すと、以前のゲームをベースにした、いわゆるリマスター作品が多く見受けられる。本作もそれと同じカテゴライズができるかもしれないが、ビジュアル面での進化だけでなく、長時間遊べる新モードも導入した意欲作に仕上がっている。「Xチャレンジ」がただのおまけで終わらず、繰り返し挑戦したくなるバランスになっているのは既存のファンにとっても嬉しいことだ。

 往年のファンにも新規ファンにも、そして「Xのあの作品だけやってなかったんだよな」という方にも、本パッケージは非常にお勧めできる。是非通してプレイしてXシリーズの全てを味わうとともに、ボスの共闘という新たな高難易度コンテンツにチャレンジしてみていただきたい。