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MSI、京都コンピュータ学院でゲーミングノートPC「G」シリーズの最新モデルを発表
144Hz駆動の薄型ハイスペックゲーミングノートPC「GS65」をさっそく触ってきた
2018年4月12日 22:33
エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)は4月12日、京都コンピュータ学院においてゲーミングノートPCブランド「G」シリーズの春モデルを発表した。
会場となった京都コンピュータ学院は、今年で創立55周年を迎えるIT系専門学校の先駆け的な存在。20年前からゲーム学科を設置し、MSIとはゲーム関連教育の拡充に合わせて2016年より協業がスタートし、現在では学生の過半数が「G」シリーズを使って授業を受けているという。
発表会は学院内の1室で、学校の授業の一環として行なわれた。我々メディアや流通関係者に加え、4月に入学したばかりの新入生も大勢参加し、途中休憩を挟みながら、4時間以上に渡って“授業”が行なわれた。司会進行役は、情報処理科 IT声優コースの学生たちが務め、先生達が付きっきりでレクチャーするなど、教育実習感溢れるイベントとなった。その多くは学生向けの内容だったため、本稿ではMSIの発表会部分に特化してお届けする。なお、発表会の最後にサプライズ発表されたプロゲーミングチームSunSisterのスポンサー就任発表については別記事でまとめているので、合わせてご覧頂きたい。
今回発表されたのは、ハイエンドモデルの「GT」、薄型ハイスペックの「GS」、性能と機能を重視した「GE」、コストパフォーマンスに優れた「GP」、そして今年から日本で新たに取り扱いをはじめるエントリーモデル「GF」も含めた5シリーズ18モデル。非常に数が多いため本稿では一部モデルのみの紹介に留める。全ラインナップについてはニュース記事を参照いただきたい。
全モデルの共通点としては、従来の4コア/8スレッド構成から6コア/12スレッド構成に強化された第8世代インテルCoreプロセッサーを採用し、多くのモデルで筐体を一新。MSI謹製ゲーミングソフトウェアDragon Center 2.0をはじめとした各種プリインストールソフトウェアのアップデートや、これまで一部のみに採用されていたRGBキーボードの全面採用など、全シリーズにおいて改良が施されている。
そして今回の発表でもっとも注目されるのは、日本でも人気の高い“薄型ハイスペック”の「GS」シリーズの最新モデルとなる「GS65 Stealth Thin」だ。
MSIとしては初、世界的に見てもほとんど前例のない144Hz駆動の15.6インチフルHD液晶を採用。応答速度は7ms、“IPS相当”の色再現性を持つTNパネルを採用しており、最大144fpsで快適にPCゲームを楽しめる。
スペックは販売先によって若干異なるが、最上位モデルとなる「GS65 8RF-007」ではCPUはインテル第8世代モバイルプロセッサーとなるCorei7-8750H、GPUはNVIDIA GeForce GTX 1070、メモリはDDR4-2400 SO-DIMMを16GB、ストレージは、M.2 NVMeのSSDを、OS用、インストール用に256GBずつ、計512GBを確保。PCゲームを快適に楽しむためにハイエンドパーツが惜しげもなく投入されている。
そして「GS65 Stealth Thin」の最大の魅力は筐体を一新しているところだ。薄さが際立つフラットなブラックボディに、随所にゴールドがあしらわれ、従来の「G」シリーズとも、「GS」シリーズとも一線を画す洗練されたデザインとなっている。
モデル名には15.6インチモデルを意味する6を冠しているが、先述したように筐体サイズは14インチ相当になっており、既存の「GS63」と比較して厚さはそのまま(17.8mm→17.9mm)に、横2cmほど1cmほどコンパクトになっている。モニター部分は、ベゼルレスデザインになっており、筐体は14インチ相当ながら、モニターサイズは15.6インチを確保。より没入感の高いゲームプレイを堪能できる。
実際に持ってみた印象は、“薄くてコンパクト”という従来のMSIにはない斬新なプロパティとは裏腹に、ズッシリ感が凄い。言い換えればそれだけ中身が詰まっているわけだが、1kg台のビジネスノート気分で手に持つと、重量感に驚かされるはずだ。そしてまるでデスクトップモニターのようなベゼルレスデザインも良好で、筐体のふちギリギリまで表示されているのが心地よい。細かいところでは電源アダプタが、MSIとしてはもちろん、GSシリーズとしても史上最小となっているため、従来の「GS」シリーズと比較してかなり持ち運びしやすくなっている。
144Hzモニター、Corei7-8750H、GeForce GTX 1070搭載で、厚さ17.9mm、軽さ1.89kgという絶妙なラインを攻めてきた「GS65」は、発表会でスポンサーになることが発表されたプロゲーミングチームSunsisterSuicider'sのメンバーにも人気で、手軽に持ち運べる「PUBG」マシンとして「これいいよなあ」と話していた。発売は4月20日以降で価格は上記紹介モデルで350,000円前後となる。
続いて紹介したいのは、第8世代インテルCoreプロセッサーの最上位、ノート向けとしては初のCore i9プロセッサーを搭載した「GT75 TITAN」。これまでGPUをSLI構成にしたり、デスクトップ用のキーボードを丸ごとビルトインしたり、数々の無茶をしてコアゲーマーに愛されてきた「GT」シリーズだが、「GT75 TITAN」は、新CPUのオーバークロックにこだわった比較的真面目なモデルとなる。
Core i9-8950HKを、9本のヒートパイプと2つの大型ファンを組み合わせた超強力な冷却システム「Cooler Boost Titan」によって冷却し、極限までのオーバークロックを可能にしている。GPUは「GS」シリーズでは冷却性能の問題から搭載できないGeForce GTX 1080を搭載。この2つの組み合わせにより圧倒的なゲーム性能を実現する。
モニターは、リフレッシュレート120Hz、応答速度3msのフルHD液晶、もしくは60Hzの4K(3,840×2,160)から選択可能。4K/120Hzではないのが残念なところだが、4Kゲーミングも堪能できるようになっている。
そして個人的に実機を触ってみて好印象を持ったのは、性能よりむしろSteelSeriesと共同開発した薄型のメカニカルキーボードだ。従来のSteelSeries製メカニカルキーボードと、過去のGTシリーズに搭載されていたデスクトップ用のメカニカルキーボードのちょうど中間ぐらいの打鍵感を備えたキーボードで、しっかりとした押下感と、カチリカチリという感触が心地よい。このキーボードは「GT75」のみに採用されており、文字通りハイエンドモデルのみの特権となる。「GT75」は4月下旬より発売予定で、価格は440,000円より。
そして3つ目は、多機能ハイパフォーマンスモデルとなる「GE73/63 Raider RGB」。「GT」、「GS」に次ぐ性能を備えており、「GT」と同じ17.3インチ(フルHD/120Hz)と、「GS」と同じ15.6インチ(フルHD/120Hz)からモニターサイズを選択できる。
最大の特徴は新型筐体による充実したRGB機能だ。キーボードのみならず天板にもRGBライト「Mystic Light」を内蔵し、天板とキーボードの両面でRGBイルミネーションを楽しむことができる。天板に設置されたイナズマのような2本のラインが「Mystic Light」で、単にライトアップしたり、色を変えられるだけでなく、24カ所にゾーンを分割し、4種類のエフェクトから個別に光らせ方を変えることができる。テンプレートも9種類用意されており、毎日変えても楽しそうだ。「GE73/63」は4月20日発売予定で、価格は300,000円より。
このほか、超弩級ゲーミングノートPC「GT83 TITAN SLI」、薄型ハイスペックの「GS63/73 Stealth」の3モデルにおいて、CPUが第7世代から第8世代に差し替えられる。筐体は従来のまま、CPUのみが新型となっており、既存モデルがお好みの人はこちらも選択肢に含めていいだろう。