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ゲーミングヘッドセット「G433」をPS4「モンスターハンター:ワールド」で試す!

PC版「フォートナイト」で7.1chサラウンドサウンドも体験

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今回ご紹介する「G433」。スタイリッシュなデザインと音質が魅力のゲーミングヘッドセットだ。実売価格は11,000円前後
カプコンの大人気タイトル「モンスターハンター:ワールド」。極上のグラフィックスと演出で世界観により深みが増している

 突然だが、皆さんはゲームをプレイしているときの「音」にどれほどこだわっているだろうか。モニターからのスピーカーで直に音を出して楽しんでいる人もいれば、高級なオーディオセットを組むことで臨場感抜群の環境を作っている人もいるかもしれない。家族や近所への配慮としてヘッドフォンを使用している、なんてケースもあるだろう。

 最近筆者がハマったタイトルの1つにプレイステーション 4用ハンティングアクション「モンスターハンター:ワールド」(以下、MHW)があるのだが、これはそんな「音」がプレイ内容と密接な関係を持っているゲームだ。BGMの良さはもとより、ゲーム中に登場するモンスターたちの咆哮や移動音、風の音や水のせせらぎといった環境音など、さまざまな音によって世界が構築されていて、プレーヤーにより深みのあるプレイ体験をさせてくれる。

 しかも、これらの音は単に発せられているだけではなく、その音によってどんなモンスターがどの方向にいるのかを判断する状況把握に使うことができる。また、トラップなどが他の仲間によって設置されればそれをサイン音で教えてくれるといったシーンもある。つまり、音は安定した攻略に欠かせない要素となっているのだ。

 ちなみに、筆者はスピーカーにそれほどこだわっているわけではなく、特別な音響装置などは所持していない。ふだんはモニター備え付けのスピーカーから出力される音でもゲームをプレイしていることがあるし、ボイスチャットでのやり取りが必要な場合や、ゲームの実況配信を行なうときなど、マイクが必要なときにはヘッドセットを使う……という具合で、その時どきでスタイルも変わる。

 そんな筆者が、今回、各種PC用デバイスでおなじみロジクールに協力いただき、ミドルクラスのゲーミングヘッドセット「G433」(実売価格:11,000円前後)を体験できる機会を得ることができた。以下ではこのヘッドセットにて実際にゲームを楽しみながら使ってみた感触をお届けしていきたい。

「モンスターハンター:ワールド」で「G433」の実力を体感!

 「MHW」などゲームにおいて音の重要性は冒頭でもお伝えしたとおりだが、そんな本作を、まずは普通にモニタースピーカーから音を出しつつプレイすることにした。なお、「MHW」を動作させるハードはPS4。この音を筆者の低価格帯ゲーミングモニター備え付けのスピーカーで聞く、という音響装置の設備としてはかなりシンプルな環境下でのプレイとなった。ともあれ、ゲームのBGMは当然ながらそれなりに聞くことができた。モンスターの咆哮やある程度の動作音も聞こえたのだが、いずれも立体感はなく、平坦な音が展開されるのみであった。

 また、パーティプレイ時、一緒に遊んでいたメンバーにPS4のボイスチャット機能を使ってしゃべってもらってみたが、相手がボソボソとしゃべっているような音しか聞き取れず、話している内容を理解することは難しかった。モニター付属スピーカーでプレイする場合、ソロはともかく、パーティプレイだとあまり快適ではない、という印象だ。

 続いてゲーミングヘッドセットの「G433」を試してみる。本品はもともとPC用のゲーミングデバイスではあるが、付属のコードを使うことでPS4をはじめ、Nintendo SwitchやXbox Oneでも使用することが可能。ゆえに、今回の体験でも問題なくテストすることができた。

 モニターのスピーカーからヘッドセットへと環境を変えてプレイすると、タイトル画面表示の段階から、すでに多彩な音が鳴っていることに気付かされる。「MHW」のタイトル画面はハンターが狩りに出るフィールドがランダムに背景として用意されるのだが、その際にBGMが流れているだけでなく、風の音や生き物の鳴き声など、その背景に準じた環境音も鳴っているのだ。それらは、筆者がすでに所持している3,000円ほどのヘッドセットよりも明らかに音質がクリアで、表現力も高く感じられた。同時に、ヘッドセット1つでゲームの印象がガラっと変わることを認識した瞬間でもあった。

キャラクター選択画面では、キャラクターが動くたびに衣擦れの音、着用している装備が触れ合う音なども聞き取れる
PS4では、プレイ前に設定を済ませてヘッドセットとして使えるようにしておこう。「サウンドと周辺機器」から、ボリュームや、マイクレベルが調節できる

 そして、いざ探索へと出れば、そこはもうめくるめく音の世界だ。古代樹の森で南西初期キャンプから足を踏み出すとすぐにアプトノスの群れに遭遇し、その鳴き声や歩行音などを聞くことができる。さらに森の奥に入れば、名前も知れない野鳥の声、森のざわめき、水のせせらぎといった環境音にも包まれる。これだけでも、ヘッドセットによるゲームへの没入感は満点と言えるだろう。

 モンスターと遭遇し戦闘状態になるとBGMが鳴り始めるが、ヘッドセットを付けていれば周囲の環境音を損なわずゲームを続行できるのはとても快適だ。モンスターの移動音、咆哮なども、左右どちらから聞こえてくるのかがわかり、画面内にモンスターがいなくてもおおよその位置がつかみやすく、それだけ戦いも有利に立ち回ることが可能だった。とくに筆者の場合は3D酔いをしてしまうという理由からターゲットカメラ(モンスターを自動追跡するカメラモード)を使用していないため、音による状況判別は大きな助けとなった。

フィールドにはさまざまな生き物がいて、リアルな自然が広がっている。ヘッドセットがあればこの世界を十分に堪能できるだろう
モンスターとの戦闘でも音の情報は重要だ。視覚情報と音源の位置を活用しながら戦いたい

 パーティプレイにおけるボイスチャットに関しても非常に良好な結果を得られた。静かな探索中はもとより、BGMが鳴る戦闘中でも会話ができたので連携も取りやすく、プレイは快適そのもの。また、こちらのマイクの音声もクリアで問題なかったとパーティメンバーよりコメントがあり、その点についても一安心といったところだ。

 このような流れでヘッドセットの有無を体験してみたが、「MHW」はヘッドセットを使用したほうが圧倒的な臨場感のなかプレイできて楽しいという点は、間違いないだろう。さらに、マルチプレイ時には無くてはならないレベルで必要なアイテムでもある。そして、それらはより高性能のヘッドセットであるほど、プレイの没入感がもたらされる、ということも強く感じられた。

マイクのミュートはコードについているミュートスイッチで簡単にオン/オフを切り替えられる。また、緊急のときはマイクを引っこ抜けば物理的に音声の遮断もできる

「フォートナイト」で7.1chサラウンドサウンドの威力もチェック!

 今回は「MHW」に加え、PC版の「フォートナイト」でも「G433」の威力を試してみることにした。あえてPC版を選んだのは、PCでは7.1chサラウンドサウンド対応でプレイできるからだ。

 「フォートナイト」を知らない方のために軽く解説しておくと、本作はバトルロイヤル形式で他のプレーヤーと戦うTPSだ。ゲームについての概要は紹介記事(連載記事「山村智美の『ぼくらとゲームの』」から「明日から『フォートナイト バトルロイヤル』の日本語版がPS4とPCでプレイできる! こりゃ大変だ!の話」)をご参考いただくとして、以下では「G433」使用時の音について、その感触を述べていきたい。

 マッチングが成立すると、まずは参加者全員が揃うまで、ロビーに相当する屋外ステージに各プレーヤーが集められる。そこでは各々が自由に行動できるようになっており、銃を撃ってもいいし、歩き回ることもできる。「G433」を装着した筆者の耳に飛び込んでくる音は、この時点でかなりのリアルさをともなっていた。

 自身の発する動作音はもちろん、遠くから聞こえる銃声、付近を歩き回る他のプレーヤーの足音。それらが、だいたいどの辺りで発生しているかを確認できる。さすがに現実世界ほど、とは言えないが、それでも視覚情報と合わせればかなりの精度で判別できるのだから、ゲームをプレイするには十分すぎる効果だと言えるだろう。

 実際に戦闘が開始されると、戦場の上空にあるバトルバスから、任意のタイミングで降下できるようになる。その際に、戦場へとダイブしているときの風を切る音も単調ではなく、気流の流れを感じ取れるような立体感のある音となっていた。なお、本作はプレイ中、基本的にBGMがないので風のざわめきや他プレーヤーが撃つ銃の音などがハッキリと聞き取れる。

 そんなリアルな音響効果は、TPSが苦手な筆者に、屋内を歩く恐怖を植え付けることにもなった。そもそも、いつ倒されるのかもわからない静寂のなか、自分だけが空き家を物色しているのも静かすぎて怖いのだが、同じ屋内で誰かの足音がしているときはもっと恐ろしい。「今2階にいる!?」「階段を降りてきた!?」「もしかして壁の向こうにいる!?」……と、なまじ位置情報がわかるだけに、恐怖心もいや増していく。そして、その数秒後にゲームオーバになるのである。

 音響効果でこんな恐ろしい気分になったのはホラーゲーム以来だが、つまりはそれほどに音が重要な要素を占めているということでもある。筆者はまだ1キルも取ったことはないほどに下手なのだが、TPSが上手なプレーヤーが「G433」のように良質なヘッドセットを手に入れた場合、かなりの戦果を上げるファイターへと変貌するのではないだろうか。そう思わせるほど、本作の音からは説得力を感じることができた。

先日、iOS版もリリースされた「フォートナイト」。多彩な戦略が魅力の1つとなっている、人気上昇中のTPSだ
自由落下の感覚と風を切る音が気持ちいいスタートシーン。しかし数十秒後には足下で地獄絵図が展開する……
仕切りの多い建物内では、とくに音の情報が重要となる。ヤダ! 相手が近づいてくるのヤダ!

音質は問題なし! 装着時の使用感はいかに

 ヘッドセットを使うにあたって大事な要素である装着感についてもお伝えしておきたい。まず、「G433」を手に取り、軽く広げてみると強めの抵抗感があることに気づく。頭部を締め付けることによる痛みを懸念したのだが、実際に装着時してみると、痛みも違和感もなく頭部にぴったりとフィット。また、少々強めに首を振ってもイヤーカップの位置がズレることはなかった。

 また、どのくらいの長時間使用ができるものなのかも試してみた。具体的には仕事中に5時間以上装着する日々を1週間ほど繰り返してみたのだが、結果、頭部へのストレスはほぼナシ。本体重量がそれほどないこともあってか、首の疲れや肩こりなどもなかった。また、筆者は眼鏡を掛けているのだが、イヤーカップ部分がフレームと干渉するようなこともなく、快適に利用できたのが好印象だ。

 ヘッドフォン外の音がどのくらい聞こえるかについての遮音性、そしてヘッドフォンからの音漏れについてもチェックしてみた。まず、遮音性に関しては、ゲームに集中できるくらいの音量でプレイしていると、話しかけられても聞き取れない程度には音が聞こえなくなる。一方、音漏れについては、よほど大きな音で聞かなければ、外に音が漏れるということもなかった。

 デザインの秀逸さにも触れておきたい。ゲーミングヘッドセットといえば、ごつい外観と接続部分が可動するマイク、というのが一般的な形だと思う。一方、「G433」は、シンプルな形状と単一色によるカラーリングで、とてもスタイリッシュな感じに見えるのが特徴となっている。また、マイク部分はミニプラグでイヤーカップに接続する形となっているので容易に着脱が可能。そのため、マイクを外せば外出時に装着していても見た目はヘッドフォンであり、通勤時などでも着用できそうな感じだった。

 長時間装着をしていて、まったく蒸れることがなかったのも特筆すべき点であると言える。筆者がこれまでに使用してきたヘッドフォンやヘッドセットは、長時間使うと耳が蒸れて不快感をともなうことも少なくなかったが、「G433」についてはそれがゼロだった。実況配信などで長時間ヘッドフォンをしている人にも、とても向いているのではないだろうか。

 なお、先にもお伝えしているが、「G433」の接続用端子にはUSB接続のデジタル-アナログコンバーター、パソコン用スプリッタ、モバイル用ケーブルの3種類が用意されている。これらを使い分ければ、PCやモバイル、そしてコンソール機でも使えるので、幅広く活用していくことが可能だ。

マイクは簡単に着脱が可能。このマイクのフレームはフレキシブルな構造になっていて、曲げて利用することもできるようになっていた
細かい部分では、ボリューム調節の段階がしっかりとしていて、かなり細かく、かつスムーズに音量調節ができた点が使いやすかった。

同系統モデル「G233」&「G533」も紹介

 今回レポートした「G433」だが、同系統のモデルも用意されている。「G233」は価格を抑えたモデルで、ステレオヘッドフォン(サラウンドサウンドはなし)としての利用が可能なもので実売価格は10,000円前後。一方、上位モデルと言える「G533」は、「G433」の性能はそのままにワイヤレス機能が付加されたもので、こちらの実売価格は12,000円前後。なお、「G433」の実売価格が11,000円前後と、価格帯がそれほど変わらないのが非常に悩ましい部分である。ちなみにG433を始めとした一連のモデルは全て同じサウンドユニット「Pro-G ドライバー」を使用しているので、低価格帯のモデルでも高い音質を期待してよさそうだ。

 なお、今回のレポートで驚くほどの立体音響を披露してくれた「G433」と「G533」に搭載されている7.1chサラウンドサウンド機能なのだが、こちらはPCのみの対応であり、PS4の7.1chサラウンドサウンドには非対応とのこと。PS4メインで考えている方は、その点にご注意いただきたい。

 「MHW」と「フォートナイト」の2タイトルにまたがって試してみた本品。デザインや性能、装着感などを総合的に見て、今すぐでも購入したくなるほど良質なヘッドセットであると感じられた。とくに気に入ったのはやはり音質で、このクリアな音を体験したあとでは、筆者がもともと使っていたヘッドセットに戻るのを思わずためらってしまう。すでに筆者のなかではイチオシとなった「G433」だが、もしヘッドセット選びに迷っている方がいれば、ぜひ本品も検討の対象に入れていただければ幸いだ。

「G233」は「G433」と作りはほぼ同等だが、ハウジングはプラスチックでサラウンドには非対応
高級感あふれる「G533」はマイクが折り畳み式になり、無線接続も可能に