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「Warframe」は誰のもの?コンテンツとコミュニティ構築に努めた5年間の振り返り
2018年3月25日 18:35
古代のテクノロジーで作られた有機的なアーマー「Warframe」に身を包み、銃器や刀剣、果ては「Kunai」や「Shuriken」を自在に操り戦っていく古代民族テンノ。彼らの爽快なアクションが楽しめるTPS「Warframe」は、ローンチ時からF2P(Free to Play)のビジネスモデルを貫き、2018年には5周年を迎えた。
しかし、その道のりは決して平坦な道ではなかったようだ。Digital ExtremesのRebecca Ford氏は、セッション「WHOSE GAME IS IT, ANYWAY? HOW COMMUNITY RELATIONSHIPS SHAPE GAMES: LESSONS FROM 5 YEARS ON THE FRONT LINES OF 'WARFRAME'」でこれまでの歩みを振り返った。
全プラットフォームで行なわれる細やかなアップデート。ユーザーのフィードバックも注視
「Warframe」では細かなゲームバランスの調整を含め、節々で大きなアップデートを繰り返している。アップデートではUIを含めたグラフィックスの向上や、アクションの刷新、装備やアイテムの追加、クエストの拡張、そしてオープンワールド要素の実装……等々、端的に言って2012年のローンチ段階とは"別ゲー"とも言えるほどの進化を遂げている。
特にパッと見でわかりやすいグラフィックスについてはスライドで示されている通り、2012年のローンチ段階より2018年現在まででちょっとびっくりするほど改善されているのがわかる。これらのアップデート内容はユーザーの意見を尊重し、それに後押しされる形で開発を進めているのだという。開発が何を考えているか、そしてユーザーが求めているものはなにかという相互のコミュニケーションを重視することで、プレーヤーとの良好な関係を築いているのが現状のようだ。
こうしたアップデートはPC版は1週間、コンソール(PS4/Xbox One)では1カ月周期で全プラットフォームに同内容のものが適用され、全てのプレーヤーが同じ体験をできるようになっている。
ではこうした関係やアップデートの内容が初めから全てうまくいったりのかというと当然そんなことなく、沢山の成功と失敗に彩られた歴史があるようだ。Rebecca氏は「HIT&MISS(成功と失敗)」として「Warframe」が歩んできた2012年より2018年に至るまでの軌跡を紹介していった。
2012年~2017年の「HIT&MISS」
「HIT」としては近接武器に大幅なテコ入れを行なった「Melee2.0」や初のムービークエストを実装した「The Second Dream(二番目の夢)」、そしてオープンワールド風「Plains of Edolon(エイドロンの草原)」などが挙げられた。こうした大規模アップデート/コンテンツはゲームプレイに大きな変更が伴い、いずれもワクワクするような内容であっただけあって、ユーザーからのリアクションも良好だったようだ。
また、開発中の内容などについて開発者が配信を行なう「Devstreams」を2013年に開始し、2018年現在に至るまできちんと定期的に行なっているのもポイントだ。継続は力なり、というが、こうしてユーザーとの関係構築に力を入れているのがわかる。
一方で、「MISS」として挙げられたのは課金モデルやゲームバランスの問題など比較的多岐に渡った。中でも「Excalibur」の派生Warframeである「Umbra」が"中国のみ"で実装されたことは、ユーザーたちから不評と羨望の声が多く上がったようだ。また、2013年に実装されたCosmeticsは見た目を変更する要素だが、特殊な性能が付いたり消えたり、ユーザー側で選択できるようになったりと仕様変更を繰り返しており、2018年には再び性能は無しになるなど若干迷走していたりする。
2017年までの振り返りを終え、最後にRebecca氏は「『Warframe』は誰のものか?」というセッションタイトルにも連なる問いに対し「Shared」、つまり開発だけのものではなく、ユーザーと共有するものであるという見解を示した。あわせて、「全てをつまびらかにすることは時に苦痛も伴いますが、重要なことです」としつつ、今後もユーザーとの人と人との繋がりを大事にして、時に起こる誤りは素直に認めるという姿勢を示した。