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復活! 「メタルマックスXeno」。門倉サウンドが炸裂するファン感謝復活祭ライブを開催

なぜ、ナンバリングではなく「メタルマックスXeno」と題されたのか?

12月28日 開催

会場:東京・青山「月見ル君想フ」

イベントでは発売日が発表された

 角川ゲームスは12月28日、プレイステーション 4/PlayStation Vita用戦車と人間の真・世紀末RPG「METAL MAX Xeno(メタルマックスXeno)」のファン感謝ライブイベント「『メタルマックス』25周年 ファン感謝復活祭(Live)~WANTED!!~」を東京・青山のライブハウス「月見ル君想フ」で開催した。

 約4年ぶりとなるシリーズ最新作の「メタルマックスXeno」が発表されたことを記念してのライブで、「メタルマックスXeno」のサウンドコンポーザーなどを務める門倉 聡氏が率いる「LADY beat MANIAX」や、エンディングテーマを手がけるELFIの迫力のライブが行なわれたほか、開発者による「メタルマックスXeno」のコンセプト紹介、そして発売日や商品仕様などが公開された。

 イベントに参加したのは、製作総指揮を手がける安田善巳角川ゲームス代表取締役社長、そしてディレクターの宮岡寛氏、開発ディレクターの友野祐介氏、そしてプロデューサーを務める河野順太郎氏とヒロインの「トニ」を演じる声優の石飛恵里花さんが登場し、トークを展開した。

 まずは安田氏から「4月19日に発売することが決定しました」と発表があると、会場からは大きな拍手が巻き起こった。安田氏は「宮岡氏からは『Fallout』をプレイしろと言われるが、『The Elder Scrolls V: Skyrim』のほうがいいと話していた」とその関係性を暴露し会場の笑いを誘いながら、「前作の『メタルマックス』の成績が悪く封印されているという話を聞き、宮岡さんとしても『自分でやりたい作品がある』と言うことでしたので、封印を解いてお力沿えをしたいと思った」と制作の経緯を説明すると、宮岡氏も「次は無いと思っている」と語り、全身全霊で製作に取り組んでいると語った。

 そして今作でも共に開発を担当している友野氏は、自身が「メタルマックス」の濃いファンである事を自負しており、「『メタルマックス』は、ソフトが出尽くしたと言われたファミコンの後期に発売され、出るべくして出た最高のRPGだと思っている」と語る。

イベントに登壇したメンバーでのフォトセッション
ディレクターの宮岡寛氏と製作総指揮を手がける安田善巳角川ゲームス代表取締役社長(右端)
開発ディレクターの友野祐介氏
プロデューサーを務める河野順太郎氏(右)とヒロインの「トニ」を演じる声優の石飛恵里花さん
会場でライブを楽しんでいた山本貴嗣氏もラストに登壇
【「METAL MAX Xeno」(メタルマックス ゼノ)2nd Trailer】
この日初公開となった「2nd Trailer」
なぜ、ナンバリングではなく「メタルマックスXeno」と題されたのか?

 今作がなぜナンバリングではなく「メタルマックスXeno」となっているかについて宮岡氏は、「今回、シリーズの最初に戻りたいと思い、いらない部分を削ぎ落としていったらなにが残るのか? そうして作ったら、これだという作品になった」と語り、「人類の文明を崩壊させきったらどうだろうと。そうしたらナンバリングタイトルでは無くなるので、(タイトルを新しくして)新しくチャレンジとなった」と説明。

 「世界はかつて無く滅んでおり、違うテイストの登場キャラクターになっている。そこで何をするのか?」と自問した上で「世界に唯一残った乙女を巡る青春物語」を描くことにしたのだという。その象徴がヒロインの“トニ”だ。友野氏も「キャラクターと宮岡氏の考えた世界観との折り合いを付けるのが難しい」としたが、そこにこそ「メタルマックス」らしさがあるのかもしれない。ただ、宮岡氏は「乙女の気持ちになってセリフを考えるのが難しかった……」とトニのセリフ作りにかなり悩んだようだった。

物語の中心となるのは、世界に唯一残った乙女「トニ」のようだ

 そして重要なのがゲームの手触り感だ。友野氏は「絶滅した世界を、1つ1つデータを積み重ねて構築している」という。リアルな世界を組上げるために、細かく作り込んでいるようだ。そして、今作でのシリーズ作品との1番大きな違いは、フィールドにいる敵に能動的に攻撃を加えることができること。つまり、遠くを歩いている敵を狙い射撃することができる。もちろん、強い敵も闊歩しているわけで、敵を撃たないで逃げ回ることも可能だ。

 また友野氏によれば、「メタルマックスXeno」の世界ではパーツも売ってはいるが、基本的には敵を倒して壊すことで各種パーツを入手して、タンクをビルドアップしていくことになる。いわゆるハクスラ要素がバランス的に重要視されているようだ。そしてそれこそが、人類滅亡後のリアリティを高めているとしている。

 こういった理由から、周回プレイを見込んでおり、ほぼストーリーを排除した「ハンターモード」が用意されており、好きなようにプレイできるようになっているという。

 友野氏も「やればやるほどこれが『メタルマックス』だとわかる。そして、これが『メタルマックス』だとわかるかどうかでファンかどうかがわかるという、踏み絵のようなソフト」と語っていた。宮岡氏も何度となく「なにが『メタルマックス』だったのか?を追求した」と語っており、ストーリーや世界観もそうだが、かなりゲーム性の高い自由度の高い世界となりそうだ。

ゲームの魅力と共に、今回は実現できなかった点が1点発表となった。「メタルマックス」シリーズと言えば“ポチ”の存在が大きいが、今回は登場しないのだという。……世界観も違うということで、残念だが致し方ないところ

 イベントでは、通常版に加え限定版の内容についても発表となった。通販サイトの「Amazon」と「ebten」での限定販売となる「Limited Edition」の注目点の1つは、発売されなかったタイトルの資料なども含めシリーズ作品の貴重な資料などを収めた特典本「破壊と創造の歴史書」だろう。

 また、25周年オリジナルサントラは「誕生」、「再生」、「新生」と題された3枚組というボリューム。「誕生」には1作目のファミコン版が収録される。門倉氏によれば1作目のデータは残っておらず、「いや、打ち込みすればいいんですけど……」と言いながらも、制作にはかなり苦労しているという。「1作目の音楽を今作ったらどうなるだろうと考えながら作っている」と言うことで、期待感が高まるところ。イベントトークでは、1作目の音楽制作秘話として「1作目の時は宮岡さんから『ビョーク(アイスランドの歌手“Bjork”)を作れ』と言われた」と激白。ファミコン音源でBjorkを再現するとはかなり高い要求だったわけだが、そこからあの数々の音楽が生まれたわけだ。ちなみに2枚目の「再生」には2~4作目の音源を収録、「新生」には今作の音楽が収録される。

 この他にも冒険において有用なダウンロードコンテンツなども同梱される。

【Limited Edition】

 PlayStation Store専売の「Digital Premium Edition」は、DLCなどの内容が少し変わるほか、PS4、PS Vitaで使用可能なオリジナルテーマが付属。オリジナルサウンドトラックはデジタル版が付属する。

【Premium Edition】

 最後に宮岡氏は「17年ぶりに3作目が復活し4作目でしくじったりしたが、25周年と少しで復活したのも奇跡だと思う。それもここに来ていただいた(ようなファンの)皆さんのおかげ。これからもよろしくお願いします」と語って締めくくった。

発表会ではLINEスタンプの制作も発表された。第2弾までは計画されているようだ

音楽を手掛けた門倉 聡氏の迫力のライブ。ELFIはエンディングテーマを披露

 ライブイベントは2部構成で行なわれた。まずは門倉氏が率いる「LADY beat MANIAX」のライブ。今回は生バンドによるライブ演奏ということで、迫力が違った。

 テクノっぽいアレンジの「Thema」から一気にハードな展開の「宿敵」に。ここからは一転ジャジーな展開の雰囲気でアレンジされた「メタルマックスXeno」の新曲「Toni」。題名を見ればわかるとおりヒロイン“トニ”のテーマ曲だ。女性を表現したような、ジャジーなビートを刻みながらピアノの旋律でアクセントを付ける新しい「メタルマックス」を感じされる展開の曲に仕上がっていた。

 ここから2曲「メタルマックスXeno」の曲が披露。バックのスクリーンには、東京の痕跡が見られる荒廃し滅亡した荒野が映し出される。激しいリズムをベースに骨太な演奏を聴かせていった。「鋼の咆哮」と題された曲では、細かく刻んだビートに早弾きのギターを絡めたハードなロック調の展開で魅せた。そして「Battles」から「Wanted」、ラストに「メタルマックスXeno」のテーマ曲「Unforedoomed」が披露された。

 「Unforedoomed」は主人公のテーマで、宮岡氏から「3曲作って欲しい」と依頼を受けて作られた楽曲のうちの1曲(ちなみにもう1曲は前述の「Toni」)。「Unforedoomed」はボーカル曲なのだが、ボーカリストのTOMOKOさんがニューヨークにいるということで、ボーカルとビデオをバックに演奏が披露された。しっかかりとそして艶っぽいボーカルは作品世界を余すことなく表現しており、聴かせる曲に仕上がっていた。

演奏中はスクリーンにゲームの映像などが映し出された
「Unforedoomed」はボーカリストのTOMOKOさんのビデオをバックに演奏が披露
新作の映像だけでなく、懐かしいモンスターの姿も見られる

 後半はPOPユニットELFIのライブ。ELFIはボーカルを担当するerinaさんとキーボードを担当するkayaさんの2人組みユニットで、懐かしい音色をベースにシンセの優しいメロディが包む自身の楽曲を4曲披露し、最後に演奏されたのがエンディング曲「aube」。erinaさんは「どうしたらELFIとして『メタルマックスXeno』の世界観を表現できるのか、2人で考えて作りました」と語る。ストリングスも入った壮大な曲に仕上がっており、ゲームをクリアして再度聴きたい曲だ。

 実はELFIを河野順太郎プロデューサーに紹介したのは門倉氏。ELFIを知らなかった河野氏は実際に聴きに行ったのだという。河野氏は「aube」について、「『メタルマックスXeno』のすさんだ荒野を舞台にしたゲームを遊び終えたエンディングに流れるとき、色々と振り返って欲しい」と語った。