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「Vainglory」、世界大会決着!NAワイルドカード枠のチームが優勝!

5V5モードお披露目に続き、エキシビジョンマッチも開催

12月14日~12月17日 開催

会場:カランシアター(シンガポール)

 12月17日に行なわれたAndroid/iOS用MOBA「Vainglory」の世界大会「2017 Vainglory World Championship」決勝戦の結果、アメリカのチーム「Tribe」が優勝した。

 決勝戦で相見えたのは韓国の「ACE Gaming」とアメリカの「Tribe」だ。「ACE Gamingは準決勝にて、「イン、ピュー、ニーティ!」という地元シンガポールのチーム「Impunity」に対する会場の大声援にも動じず、きっちりと3-1で勝ち切り、決勝に進んだ。

 一方「Tribe」も準決勝で「Cloud 9(以下、C9)」に対し3-1で勝利。決勝の舞台へと駒を進めてきた。「Tribe」と「C9」は同じNA(北米)地域、そしてアメリカのチームということで同郷対決となったが、ここまで無敗で進んできた「C9」を「Tribe」は勢いで上回り、下馬評を覆して勝負強さを見せつけた形だ。

Tribe
ACE Gaming

 そしてついに火蓋が斬って落とされた決勝戦。決勝戦は4本先取のBo7と、展開によってはかなりの長期戦が予想された。しかし、「Tribe」は集団戦で着々とリードを築き、「ACE Gaming」から2ゲームを先取。

 続く第3ゲーム、ここで負けてしまうと巻き返しには4連勝が必要となり、もう後がない「ACE Gaming」。ここでは最序盤からハイリスクな相手ジャングルへのインベード(侵入)を試み、1分時点で2キルを獲得。前2試合の敗北を引きずらない大胆なプレイでリードを得た。

 しかし「Tribe」もひるまずコツコツとファームを重ね、金銭的には差のない状態に。しばらくお互い慎重に慎重を重ねたプレイが繰り広げられるが、最後の集団戦では「ACE Gaming」のYoungJoo選手がピックした「チャーンウォーカー」が大活躍。鎖を「Tribe」側の3人全員にヒットさせた上できっちりとULTのスタンを決め、集団戦を制して1勝を獲得した。

熱烈なオゾコール。しかし試合中はオゾに限らず、キルやいいプレイが決まるたびに大歓声が沸いた

 ここでスコアは2:1と1本を返した「ACE Gaming」。第4試合では序盤から有利を築くも、中盤から後半には「Tribe」が集団戦の上手さを見せて徐々に追い上げていく。この試合では「Tribe」のttigers選手がプロシーンでは珍しい「オゾ」をピックしており、会場は「オーゾ!オーゾ!」と大盛り上がり。

 序盤こそ「ACE Gaming」側の「アダージオ」や「ヴォックス」とのレンジ差に苦しめられるが、装備の整う後半からはヒーロー持ち前の驚異的な回復力を発揮し、最後の集団戦ではたった1人生存。クラーケンを「ACE Gaming」の陣地に送り出し、見事「オゾコール」に応えた。

 この時点で「Tribe」は3勝を獲得し、王座へとリーチをかけた。なんとか巻き返しを図りたい「ACE Gaming」だが、「Tribe」のプレッシャーからかピック段階では「ローレライ」、「アーダン」、「ブラックフェザー」とやや不安定な構成に。対するTribeは「ライラ」、「ヴォックス」、そして「レザ」と盤石の布陣だ。

 ゲームは「Tribe」ttigers選手の「レザ」が序盤の1キルを足掛かりにスノーボール。もはや誰も手が付けられないほどに成長し、「Tribe」持ち前の集団戦の上手さと相まって一切の隙を見せないまま「ACE Gaming」を完封。最終スコアは10-2、17分での勝利であった。

 こうして優勝を飾った「Tribe」。本番の強さと集団戦の上手さ、チームとしての強みをここぞとばかりに発揮し、世界王者の座を勝ち取った。

 今回の世界大会は第2回目の開催であったが、前世界王者のグループリーグ敗退、新興リーグの猛追、そしてワイルドカード枠のチームの優勝など、日本実況・解説のMokson氏、Yamanobeds氏の指摘した通り、まさに大荒れの大会であった。

 今後の世界大会は5V5モードで開催されるということもあり、来年はまた大きく勢力図が変わることが予想される。3V3の世界大会が早くも見納めとなってしまうのは寂しい限りだが、5V5でのより大迫力でより戦略的なプロの試合が今から楽しみだ。

「5V5モード」のデモンストレーション!

5V5モードを発表するSuper Evil MegacorpのCEO、Kristian Segerstrale氏

 決勝戦の直前には「5V5モード」が発表され、プロチームやアナリストの即席チームによる5V5モードのデモンストレーションも行なわれた。選手たちは事前にある程度5V5モードの練習はしていたとのことで、見ごたえのある試合が展開された。

 ゲームの参加人数が違えば大きくゲーム性が異なるのは当然の話で、しかもマップも倍ほど広くなっている。そこに戸惑いはあったことと推測するが、さすがはプロフェッショナル。5V5でも迅速な集団戦への寄りや、新要素の「スカウトカメラ」を用いた視界の確保、そしてこれまた新要素の2匹のドラゴンの確保など、5V5モード、そして新マップの面白さをこれでもかと感じさせてくれた。

 特にマップ上側におわすドラゴン、「ブラッククロウ」は凄い。何が凄いかというと役割としてはクラーケンと同等で、凄まじくタフ、それでいながらレーンを強烈にプッシュしてタレットなどをバキバキと破壊していってくれるのだが、なんと火を吐く。ドラゴンなのだからそれはそうなのかもしれないが、美しい炎がグワっと結構な距離に広がり、タレットを無残に破壊していく姿はまさしく圧巻であり、その姿を眺めているだけでもワクワクしてしまう。

 また、グラフィックスエンジンの改善の効果か、グラフィックス面での改善も目覚ましい。120hzでヌルヌルと動くキャラクター達、そしてマップ中央に位置する川の水の表現などは極めて美しく、にわかにはモバイルタイトルとは信じられないほどであった。ちなみにそんな美しく表現された川を"下る"時には移動速度が速くなるという要素がある。デモンストレーションでも川近くで相手チームに捕まりキルされそう……というところで、中央のレーンから川を下り、颯爽と駆け付けた味方と逆転するシーンなどもあり会場は大いに沸いた。

 そんな5V5モードは2018年2月にリリースを予定しているということだが、ゲーム内では現在5V5のアーリーアクセスに参加できる「ゴールデンチケット」が解禁されている。クエストの完了やマーケットのバンドルの購入、そのほか特別イベントへの参加で入手できるとのことなので、「5V5モード」が楽しみで夜も眠れないファンの方々は、是非入手を狙っていただきたい。