「Vainglory」世界大会、準々決勝決着。いよいよ4チームの猛者たちが準決勝にて激突！

　12月14日より開催中のAndroid/iOS用MOBA「Vainglory」の世界大会「2017 Vainglory World Championship」。Day2に当たる12月15日は、グループリーグを勝ち抜いた8チームにより準々決勝が行なわれた。

　準々決勝を突破し、Day3の準決勝へと駒を進めたのはアメリカの「Cloud 9（以下、C9）」と「Tribe」、シンガポールの「Impunity」、そして韓国の「ACE Gaming」の4チームだ。

準決勝のトーナメント表

準々決勝（左）とグループリーグの結果（右）

　思い返すと今回の大会はグループリーグからして大荒れだった。昨年の世界王者である韓国「Rox Armada（当時はPhoenix Armada）」、そして準優勝チームである「Team SoloMid（以下、TSM）」は今年2017年の世界大会でも目下優勝候補であったにも拘わらず、彼らはグループリーグで敗れ去った。

　特にe-Sports大国である韓国代表、EA（東アジア）地域では最強の名を欲しいままにした元世界王者「Rox Armada」をグループリーグで2-0という試合結果で完膚なきまでに叩きのめしたのは他でもない、USA地域からワイルドカード枠で出場した「Tribe」だ。

　同じUSAでいうなればNA（北アメリカ）地域の各シーズンで優勝経験のある「C9」や「TSM」のほうが知名度や期待値ははるかに高く、恐らく彼らがここまで活躍するとは誰も予想はしていなかったに違いない。彼らはそんな予想をよそに、準々決勝でも「Group A」を2位で通過したドイツの「G2 Esports」を3-0で下し、まさしく破竹の勢いで準決勝へと駒を進めた。

「Tribe」

　また、開催地であるシンガポールのホームチーム、「Impunity」も大躍進だ。シンガポールは地域で言うと新設されたばかりのSEA（東南アジア）リーグに属しており、サーバー自体は古くから存在していたもののリーグの歴史は浅く、他地域と渡り合う経験もまだまだ……と思われていたはずだ。しかし、彼らは「Group C」において「Tribe」と1-1、「Rox Armada」相手にも1-1の結果を残し、2位でグループリーグを通過した。準々決勝では「Group B」で「DetonatioN Gaming」を下し、「Group C」1位をもぎ取った中国「Kraken」と激突。ここでは3-1のスコアで勝利し、準決勝へと進出した。

　試合を観戦している限り、この勢いには彼ら自身が持つ強さも勿論だが、やはり地の利も少なからず影響しているようにも思える。というのも、観客はホームチームだけあってほぼ全員が「Impunity」の味方なのだ。シンガポールではe-Sports観戦の文化が根付いているようで、観客はまるで野球やサッカーのスポーツ観戦をしているかのように、いいプレイには沸き、惜しいプレイには落胆の声を漏らす。

　しかし、こと「Impunity」の試合ともなればその歓声、声援の量は段違いで、会場が一丸となって「Impunity」を応援しているのを肌で感じることができる。こうして会場の、あるいはシンガポールの期待を背負って戦う彼らはプレッシャーを跳ねのけ、その声援を力に変えて次の試合も勝ち進むことができるのだろうか。

「Impunity」

　ある意味では"新参"、あるいは"ダークホース"が活躍する一方、古参の強豪たちも勝ち上がってきている。韓国「ACE Gaming」は「Rox Armada」の存在により常勝とはいかないまでも、強豪ひしめくEA地域で常に上位に位置してきたチームだ。彼らは「TSM」を2-0で下し、グループリーグを1位で通過。続く準々決勝ではブラジル「paiN Gaming」に3-2で勝ち切り、準決勝へと進んだ。

　準々決勝ではSA（南アメリカ）地域に属する「paiN Gaming」と観戦していて手に汗を握るような接戦を繰り広げた。試合は2-2までもつれ込み、もはやどちらが勝ってもおかしくない状態だった。そんな逼迫した状況のなか、「ACE gaming」は最後に残ったEA地域代表としての意地と誇りを見せつけ、最後のセットを勝ち取ったのだ。本日16日の準決勝ではホームチームの大声援の中「Impunity」と戦うことになるが、冷静にその実力を見せつけてくれるのだろうかと少し心配になる反面、期待も膨らむ。

「ACE gaming」

　そしてアメリカ「C9」はNA地域において春、そして夏と2シーズンを連覇している強豪で、恐ろしいことにここまで無敗で勝ち進んできている。ハンドスキルもさることながら、ヒーロー選択や集団戦なども高いレベルでこなす総合力があり、見るものを惹きつけるプレイが身上だ。

　準決勝では今ノリにノっている「Tribe」とのNA対決となる。戦績で言えば「C9」のほうが優位なようにも思えるが、魔物が棲む世界大会のこれまでの番狂わせ、意外な決着を見るに、何が起きてもおかしくないのかもしれない。

「C9」

　準決勝は各チームが全身全霊を賭けて戦いに挑み、決勝に進む最後の2チームを決める正念場だ。試合は日本時間で15時スタート予定で、OPENREC.tvの日本語配信は14時30分開始予定となっているので、是非ともこれらの試合を見届けて欲しい。