ニュース
「アサクリ」のどのへんが好き?女性ファンに聞く「アサクリ」の魅力
UBIDAYに参加したファンの皆さんと座談会を実施!
2017年10月24日 12:00
いよいよ目前に迫った10月27日、プレイステーション 4/Xbox One/PC用アクション「アサシン クリード オリジンズ(以下、オリジンズ)」が発売される。「オリジンズ」は「アサシン クリード(以下、アサクリ)」の起源を物語る作品であり、シリーズの最新作でありながら、下知識なしでも楽しめる内容になっているという。そこで、弊誌でも「アサクリ」シリーズの手引きとして、過去作の振り返り記事を掲載している。
【特別企画】10周年を迎えた「アサシン クリード」シリーズ!
ところで「アサクリ」シリーズには女性ファンも多いという。今でこそ様々なアプローチの多種多様なタイトルが発売されてはいるものの、いわゆる"洋ゲー"といえばゴリゴリのマッチョな主人公や登場人物、そして初心者を突き放すような難易度、血飛沫飛び散るゴア描写と、誤解を恐れずに言えばある種男性的なイメージがつきまとっている。しかし、UBIDAYの様子やオンラインでのファン交流を見るに、やはり「アサクリ」には熱心な女性ファンがついているようだ。
そこで、「アサクリ座談会」と銘打って、「アサクリ」のいったい何が女性ファンを惹きつけるのか、生の声を伺ってきた。参加してくださったのは氷戯さん、くろさん、いちさんの3名で、みなさんはSNSでの活動を通じてオンラインからオフラインへと仲を深めた「アサクリ」仲間だという。編集部からは女性代表としてなっつと、担当編集として男性の柳島が参加し、計5名での座談会となった。
今回の座談会は10月9日のUBIDAY終了後に開催したのだが、もちろんみなさんは宿泊も含めて遠路はるばるUBIDAYに参加していた。移動、そしてイベント本番とハードなスケジュールでお疲れだったことと思うのだが、「アサクリ」とあらば!と2つ返事で座談会への参加を了承してくださった筋金入りの「アサクリ」、そしてユービーアイソフトのファンである。
これは濃ゆい話が聞けそうだ、とお話を伺ったところ、やはり皆さんかなりディープな「アサクリ」ファンで、一時も話題が途切れることなく「アサクリ」に対する濃厚な愛が溢れる座談会となった。期せずして大長編となった「アサクリ」座談会、早速その模様をお伝えしたい。
三者三様の「アサクリ」シリーズとの出会い
編集部:早速ですが、「アサクリ」との出会いを教えてください。
氷戯さん:お店に行って、偶然「アサシン クリード ブラザーフッド(以下、ブラザーフッド)」のパッケージを見て、なんだこのイケメンはと(笑)。主人公なのにフードで顔を隠していて、ヒゲが生えてる。すごくかっこよくてそのまま買って帰りました。ゲームを"ジャケ買い"したのは初めての経験でしたね。
編集部:確かに顔が見えなくても、見えてる部分だけでイケメンなのがわかりますね。
氷戯さん:そうそう。ここだけでイケメンだと思って(笑)。
編集部:「ブラザーフッド」から入ってシリーズをずっとプレイされているのですか?
氷戯さん:やってます。そこから入ったんですけど、エツィオ3部作(編注:エツィオ・アウディトーレ・ダ・フィレンツェ(以下、エツィオ)を主人公とした「アサシン クリードII(以下、アサクリII)」、「ブラザーフッド」、「アサシンクリード リベレーション」の3作)は繋がっているので、「ブラザーフッド」からだと話がわからなくて、その前の「アサクリII」、「アサクリ」に戻って、そこまで遡ってからどんどんナンバリングを進めていきました。
編集部:やはりエツィオ3部作は抑えておかなければ、という感じですかね。
氷戯さん:エツィオ3部作はできれば、押さえていただけると。もしかすると「アサクリ」から始めると難しくて挫折する可能性もあるので、その時に「2」はプレイしやすいよ、とおすすめすることが多いですね。
編集部:「アサクリ」はどういうところが難しいですか?
氷戯さん:「アサクリ」だと1回やられると連続でやられてしまうこともあるので。「アサクリII」ではカウンターシステムがあるので、攻撃されそうな時にタイミングよくボタンを押すと敵にカウンターを仕掛けることができて、それが連続でできたりするので戦闘はやりやすいですね。
いちさん:「アサクリ」ではボタンを押してから戦闘のモーションに入るまでに若干ラグがあるんですよ。1度囲まれるともう抜け出せなかったりして、結構シビアな戦闘になりがちですね。「アサクリII」だと結構逃げ切れたりもするんですけど。あと、シリーズの1番最初ということもあって、戦闘のシステムが練りこまれてないということもあります。それはユーザーの中でも言われていて、その声を受けて「アサクリII」で改良したという感じらしくて。
なっつ:「アサクリ」以前からいわゆる"洋ゲー"をプレイしていたんですか?
氷戯さん:やってないです。本当に「アサクリ」からです。洋ゲーは難しいという印象がすごく強いので、なかなか手を出していなかったんです。「アサクリ」も洋ゲーと気づかず、そのままジャケ買いしちゃったので。
いちさん:その気持ちすごくわかる(笑)。洋ゲー=FPS、戦争ゲームっていうイメージがありますよね。私は兄がプレイしているのを横で見ていたのですが、兄はいつも戦争ゲームばっかりやっていて、やっぱり見てても難しいし、どこに魅力があるんだと思いつつ、洋ゲーを遠い目で見ていました。日本では美形なキャラクターがウケて、洋ゲーだとリアル寄りなキャラクターが多いから、あまり日本人の感覚に合わないような気がするんです。
編集部:確かにゴツイキャラクターが多いイメージですよね。
くろさん:女性受けはあまりしない(笑)。
いちさん:でも、「アサクリ」はちょっと洋ゲー風味はあるけれども、衣装の感じやキャラクターの顔とかにすごく魅力があるので、そこに惹かれますよね。「アサクリ」にキャラクターから入るという人は本当に多いと思います。氷戯さんみたいにぱっと見でとか。
編集部:ちなみに、お兄さんがゲームやっているのを見てた時って、ご自分でもゲームはプレイしてたんですか?
いちさん:そうですね、「三國無双」とか。
なっつ:それはそれでゴリゴリのアクションですね。
いちさん:お兄ちゃんの影響でアクションゲームばっかりやってましたね。あとはRPGなんかも少し。
なっつ:くろさんはどうですか?
くろさん:私は実は当時の記憶がなくて。気づいたら手元にあった、みたいな(笑)。でもプレイステーション 3を買った当初から「アサクリ」は手元にあったゲームで、多分オープンワールドのゲームがしたかったのかなと。「デッドライジング」ってあるじゃないですか。あれが好きで、ああいう風な勝手に自由に動き回れるようなゲームがやりたいなと思って、前知識無しでパッケージの裏とかを見て買ったんだったと思います。
なっつ:もともとゾンビとかホラーゲームがお好きだったんですかね?
くろさん:もともとは「サイレントヒル」とか「バイオハザード」とか「クーロンズ・ゲート」が好きで、そこから「デッドライジング」にいき、オープンワールドの世界に。それで「アサクリ」を初めて触った時に「わ、これ凄いな」と思って。
なっつ:「アサクリ」を始めるきっかけも皆さんそれぞれですね。私はかつて印象的な出来事があって、2年前のUBIDAYで「シンジケート」を触って、超難しかった記憶があるんです。試遊のあと、休憩の時にフードスペースでご飯食べてたらたまたま「ここいいですか?」って岡山から来たっていう3人組の女の子が現われて、「アサクリ」ファンだというんですよ。
「『アサクリ』難しくないですか?」と聞いたら「いや、かっこいいんです」と言われて。「逆に私がスタイリッシュに技を決めてあげないと!」っていう気持ちで練習しましたって(笑)。
氷戯さん:わかる。すごいわかる(笑)。
いちさん:ありますね、それ。ほんとめちゃくちゃにやられた時とか、「ごめん」ってなるんです。かっこよくしてあげられなくてごめんねとなるんです。ほんとに。すごくわかります、それ。
なっつ:ちなみに、操作が難しくてとか、皆さん自身でこれちょっと挫折しかけたなというタイトルはありますか?
いちさん:ないです。
氷戯さん:完全に「アサクリ」です。「アサクリII」から入ったので、難しくて心も折れそうになって、本当にボロボロに負けながらやったので。「アサクリII」はとりあえず海に飛び込めば逃げられるんです。でもアルタイルって海に飛び込んだらシンクロ解除して、びっくりして。
いちさん:泳げないからね(笑)。
氷戯さん:これは自分の足で逃げるんだ、と思って、ちょっと挫折しかけました。敵は強いし逃げられないし。
くろさん:私は「アサシンクリード・クロニクル」ですね。横スクロールアクションなので、いろんなところに行くというのができなかった。面白いけど、やりたいこととはちょっと違うなと。
なっつ:ちょっと外伝的な立ち位置のゲームですよね。いちさんはきっぱり「ない」と、すごいですね。
いちさん:すごいかどうかは。何となくやっちゃっているので。
編集部:ユービーアイソフトさん⽈く、仮にそういう途中で脱落してしまった⼈に対しても、システムもガラッと変わってストーリーも1からということで、「オリジンズ」は遊びやすくなってるよと。
なっつ:言ってましたね。やっぱりストーリーを気にせず入れるというのが1番大きいポイントみたいですね。ここからまた振り返ってやれるかなというモチベーションが大きいですね。
くろさん:最近だと「ユニティ」とかは新規プレーヤーを意識しているのをすごく感じますね。アサシンのほうの話は続きじゃないけど、現代編がデズモンドで結構続き物だったので、途中から手を出しづらかったんです。デズモンド以降は途中からでも入りやすいように方向を変えたのかなという風に感じます。オリジンズは完全にそっちにいくのかなと。
ユービーアイソフトはファンに優しい?ファン活動についても聞いてみた。
なっつ:皆さんはファン活動というか、なにかやられてますか?
氷戯さん:私は完全にコスプレです。
くろさん:コスプレとイラスト両方ともやってます。
いちさん:私もコスプレです。
なっつ:「アサクリ」ファンの中では女性のコスプレ率が高いんでしょうか?
いちさん:でも男性もやってるよね。なんだろうね。
氷戯さん:絵を描いている方と比べると確実にコスプレイヤーのほうが少ないですね。
いちさん:それは確かに。
氷戯さん:衣装も売ってるのは売ってるんですが、なかなか海外製とかになっちゃって買いにくいです。買わなかったら作らなきゃいけないので。ちょっと複雑なお洋服をしているので、それはそれで大変です。
編集部:衣装はご自分で作られてるんですか?
氷戯さん:私たちは作ってます。
なっつ:公式でコスプレのシートを配ってるじゃないですか。こんなものを身に着けてますよっていう、キャラクターごとのシートみたいなもの。あれは結構斬新だと思うんですよね。
氷戯さん:ユービーアイさんはユーザーにすごい優しい。
なっつ:ちょっとズレて「ウォッチドッグス」の話になっちゃいますが、レンチくんの詳細もあるんです。でもこれのトゲトゲどうしよう、みたいな(笑)。
いちさん:すごいですよね。海外のゲームはみんなで作っていこうという感じがすごい伝わるなと思って。キャラクターの細かい設定資料を提供してくれたりとか。
編集部:UBIDAYの会場自体もコスプレイヤーさん大歓迎みたいな感じでしたもんね。
いちさん:そうですよね。本当に社長さんとかも本当に気さくに話しかけてくれたり。
氷戯さん:1ファンにかまってくれるっていうメーカーさんはほんとにないですよね。
いちさん:ファンの前に顔を出してくれる機会がめちゃくちゃ多いなと思って。
なっつ:それはちょっと大事なポイントかもですね。愛を伝える場があるっていうのは、モチベーションになりますよね。
いちさん:そうですよね。本当に。
なっつ:ところで、コアな洋ゲー好きな女性というのはもしかしたらあまり人数いらっしゃらないのでは、という気もするのですが、みなさんはどうやって知り合われたんですか?
くろさん:氷戯さんとはゲームショウで出会ったんです。
氷戯さん:ゲームショウ前にちらっとネット上でやり取りをして、当日は私がエツィオのコスプレしてて、そこから繋がりました。いちさんは私が「アサクリ」にハマったときに、コスプレで検索したらヒットして、「うわ~やってる方がいる!」と思って、そのあとに連絡を取って、UBIDAYで初めて会ったんだよね。
くろさん:そうだったそうだった。
氷戯さん:そこから一緒にコスプレやりませんかということで毎年3人で遊ぶようになって。
いちさん:そうだね。会場であって。
氷戯さん:会場じゃないと、あそこ以外ではUBIDAYのファンに会えない。毎年1回みんなに会う場、みたいな。
編集部:ある意味同窓会みたいですね。
くろさん:地方だとこの関東近辺よりもさらにいないんですよ。ゲームショウとか、UBIDAYでやっと会えるみたいな。
なっつ:UBIDAYは毎年参加されてるんですか?
一同:そうですね。
編集部:すごい。それはすごいですね。
なっつ:私が前に会った岡山のファンのみなさんも、グッズにお金を投資するから移動は高速バスでいいです、とかめちゃめちゃ気合入ってて。フード買ったんです!それ着るんですか!うおお~!って話が盛り上がりましたね(笑)
もちろん試遊済み!「オリジンズ」はファンの目にどう映るのか
編集部:皆さん、「オリジンズ」はプレイできました?
一同:プレイしました!
編集部:おお(笑)。手触りはいかがでしたか?
氷戯さん:敵が強いです!あとやっぱり、マップがないから迷子になりました。
いちさん:暗殺コマンドがわからなくて、敵の後ろから忍び寄ってるのに武器を思いっきり振ってしまいました(笑)。
くろさん:町で微妙なモーションをしてるモブがいるのが「アサクリ」っぽい。この人何してるんだろっていうことを時々やってて。そこが良かったですね。
なっつ:「アサクリ」って現代と過去を行き来するという設定があるじゃないですか。「オリジンズ」では現代のほうはどうなるんでしょうね。
氷戯さん:どういうふうにするんだろうな~という。
くろさん:めっちゃ興味ありますね。
いちさん:シリーズ1作目からから出てる現代組のショーンとレベッカが「アサシン クリード シンジケート(以下、シンジケート)」の後どうなっているのか気になります。
編集部:アサシンだけじゃなくて、現代のキャラクターたちの動向も気になるところですね。あとは「オリジンズ」というだけあってバエク本人が主人公なのかなとも思ったんですが、ゲームが始まってすぐ、砂漠がだんだん実体化していくというところからしてアニムスを通してる感じでしたね。やっぱり仮想世界なんだなと。
氷戯さん:ロード画面見てたらそうでしたね。
くろさん:そこはなにも気にしてなかったですね。
いちさん:あれが当たり前だと思ってた。確かに、あれがあるってことは。
氷戯さん:やっぱりアニムスだ。
くろさん:じゃあ最初はゲームは現代から始まるのかなぁ。
氷戯さん:なにも事前の情報はなくても、実際やってみるといきなり現代だったりするよね。
編集部:そういえばシリーズで世界中を巡り巡って、今作の舞台はエジプトですね。
くろさん:エヴィーが最後にエジプトに行ってたから、その続きなのかなと思ってたら、相当昔に遡るんだなと。
氷戯さん:ユーザーのリクエストからエジプトに決まったという噂を聞いていて、本当にエジプトになったんだと。「シンジケート」でいろいろエジプトに関係するものはあったし、「アサシン クリード ユニティ(以下、ユニティ)」でも最後にちらっと出てくるし、もしかしたらかなり前からエジプトに決まっていたのかなのかなという感じもします。
編集部:「ユニティ」で時代がざーっと流れてきて、最後にエジプトのヒエログリフみたいなものが出てくるので、そこから伏線が貼られていたみたいな話もありましたね。みなさんの間では、エジプトになるという予想もあったんでしょうか。
氷戯さん:新候補地についてはちらっちらっと話題が出ていて、みんなで予想をして、あの時ああなったから次はこっちかな、どっちかなとという話をして盛り上がってますね。
いちさん:歴史をなぞっていってるから、大きな歴史の戦争、例えばアメリカの独立戦争とかそういうのを1つずつ候補を消していって、「アメリカ独立戦争終わった、アレも終わった、じゃあ次はドイツのアレかな?」みたいな感じに目星をつけていた感じはあります。
くろさん:しかもだんだん近代に近づいてたから、このままいったら現代に追いついちゃうんじゃないかと思ってたら今回。
編集部:ガッツリ戻ったと(笑)。「オリジンズ」の次はどうなるんでしょうね。
いちさん:この次それこそ現代が来るんじゃないかと思うんですよね。
くろさん:アサシンブレードがレーザーみたいな?
いちさん:SF的な(笑)。
くろさん:もう未来だね(笑)。
氷戯さん:歴代の伝説のアサシンたちの像があるんですが、あの人たちは一切ゲーム化していなかったのでそこは絶対ないんだろうなと予測していた中で、エジプトのアサシンがいるのに今回は舞台がエジプトになったんです。なのでそのあたりも全然可能性が出てくるんだなと。そうなるといろんなバージョンが思いつくので、まだまだできるなと。
好きな「アサクリ」について熱く語ってもらいました!
氷戯さん「エツィオが好き、衣装も好き」
なっつ:皆さんには事前にそれぞれお好きなタイトルを挙げていただいてるんですが、氷戯さんは「ブラザーフッド」を挙げていますね。
氷戯さん:ジャケ買いのフィーリングから惚れ込んでしまったのと、エツィオは「アサクリII」ですごく辛いことがあったはずなのに、それでもアサシン教団を引き連れてやっていこうという強さがすごいかっこよくて。お洋服もすごく好みですし、とにかくかっこいいなと。
なっつ:お洋服ですか。
氷戯さん:衣装も見ますね。これはレイヤーの性質ですごい見ちゃうんですよ。「ブラザーフッド」は少し前に高画質のもの(アサシン クリード エツィオコレクション)が出て、服の模様もこれまで以上に細かくわかるようになったので。そういうのも忠実にやらないと気がすまないんです(笑)。
編集部:ありがたい反面、大変ですね。
氷戯さん:そうなんですよ(笑)。「ブラザーフッド」の衣装は昔に作ったんですが、今回模様も全部作り直しで、全部こだわってこだわって、3カ月くらいかかって刺繍とか全部やったので。そのくらい「ブラザーフッド」が大好きなので、とにかく妥協できなくなってしまって。UBIDAYが今年は1カ月前倒しになったので、準備期間もその分前倒しになって、辛いです(笑)。
もちろん衣装だけじゃなくてキャラクター愛というのもすごくあります。最初はやっぱり耽美で綺麗な青年とかではないという印象なんですが、やっていくうちに中毒じゃないですけど、すごいかっこよく見えはじめちゃうんですね、「アサクリ」のキャラって。
いちさん:目が慣れてきてだんだん許容範囲が広くなってくる(笑)。
氷戯さん:そうなのかな?何やってもかっこいいよね。
いちさん:ストーリーを進めていく中でキャラクターの内面に触れて、生い立ちとか性格とかを知っていく中でどんどん中身を好きになっていくみたいな。ほんと、ちょっとおかしいかもしれませんが、人間に恋してるみたいな感情になってきちゃうんですよね。
編集部:世界観の設定がすごく細かいから、その世界観と一緒にキャラクターの背景みたいなものが細かく語られますよね。この人はこういう考えでこういう行動をするんだという。
いちさん:それもあって深く感情移入もできるし、みたいな。
なっつ:だんだん好きになっていくということですが、現実の男性の好みとはまた違うんですか?
氷戯さん:あんな女ったらしはちょっと困るよね(笑)。
いちさん:ちょっとね(笑)。
編集部:それでも好きになっていっちゃうんですね。
氷戯さん:エツィオはほんとにあんなに明るく振る舞っているくせに、実はすごく辛い思いをしてきた経験を持っている。でもそれを弟子たちにも絶対みせなくて、よき上司、よき指導者としてありつつも、そこで完成じゃなくて、さらに「リベレーション」でもどんどん成長していく過程がすごく魅力的でした。
くろさん「北アメリカという舞台が好き」
なっつ:くろさんは好きな「アサクリ」として「アサクリ」、「アサクリIII」、「アサクリIV」、「ローグ」と複数タイトルを挙げていただいていますが。
くろさん:「アサクリ」は1番最初にプレイして「これは面白いゲームだ!」と思ったタイトルではあるんですが、「アサクリIII」、「アサクリIV」、「ローグ」が北アメリカのシリーズなので、そのシリーズが好きです。
編集部:北アメリカの舞台設定が好き、というのは面白いですね。
くろさん:時代が変わるにつれて、世界観もどんどん変わるんですけど、毎回きっちり時代考証して作られているのがすごく好きで。キャラクターも好きではあるんですが、そういう世界の中を歩き回るのが好きなんです。なかでも特にアメリカの独立戦争の時代の雰囲気が1番好きで、その時代について本で調べてみたりとか、実際に行ってみたりとか。
なっつ:えっ、行ってみたというのは純粋に「アサクリ」愛が高じて、ということですか?
くろさん:そうですね(笑)。まさに聖地巡礼で。ただ、イタリアとかフランスとかなら一緒に行ってくれる人がいたんですが、ボストンに行ってくれる人があんまりいなくて、もう1人で行っちゃえと。
なっつ:ボストンはいかがでしたか?
くろさん:ほぼイメージ通りだったんですが、1カ所、当時は1番大きい建物だったというオールドサウス集会場は、今はそこだけ古い建物を残して、周りは全部近代の大きなビルが建っていて、当時とは全然違うんだ、と。
なっつ:当時の風景はゲームの中だけで見られると。
くろさん:そうですね。ゲーム画像と重ねて写真を撮りました。
なっつ「アサクリ」を手にとった理由もオープンワールドがやりたかったということで、やはり時代考証とかフィールドがお好きなんですね。
くろさん:そうですね、エジプトもめっちゃ楽しみだなと。
編集部:聖地巡礼といっても、海外まで行っちゃうというのは凄いですね。
氷戯さん:実は私もイタリアに行きました(笑)。くろさんと同じようなことをしてて、自分でガイド本を作って、ゲームのこのシーンはここって。ゲーム画面をはがきくらいに印刷して、実際の建物にあてて、写真を撮りました。
なっつ:それはアサクリファンの方と一緒に行かれたんですか?
氷戯さん:実は会社の旅行だったんですが、どうしてもイタリアに行きたくてずっと社長にイタリア行きたいですとお願いしていて、「今年はどこにしようかなあ」というので、そのたびに「イタリアで」と。そしたら「じゃあイタリアにしようか」って(笑)。
なっつ:会社の旅行の説得から始まってるのがドラマティックですね(笑)。実際に見てどうでした?
氷戯さん:本当にゲームそのままだったので、写真がぴったりと合うんですよね。本当に感動して、本当に楽しかったです。はじめは海外の方が「ユニティ」の時に、ゲーム画像とパリの風景を重ね合わせるというのをやっていたのを見て、私もやりたいと思って。会社の方々がいる中こっそりと「どこだどこだ」と言いながらやってました。
編集部:会社の旅行でもブレませんね(笑)。エジプトに実際行くのは大変そうですが、今回も色々なところを見て歩いて探索するという楽しみ方もできそうです。
くろさん:ディスカバリーツアーもありますしね。楽しみだなぁ。
編集部:「オリジンズ」でははまるまるエジプトを作るということなので、舞台も広くなりますね。ファイユームも実在した地名で、当時はこのへんにオアシスもあって……という考察の上で作っているそうです。
いちさん:まるまるエジプトを作る。すごいね。
氷戯さん:エジプト内部も忠実に再現しているということですごい楽しみにしていて、発掘するたびに色々更新されるじゃないですか。それをどこまで再現できるのか、最新の研究まで全部入っているのかなとかいろいろ考えて、気になって仕方ないです。「ユニティ」の時も政府の許可を得て、聖堂とかの屋根のほうとか、本来なら入れないところまできっちり行って調べているという話だったので、エジプトもちゃんと中に入って、そのままモデリングをしてってやってるのかなと思って。
いちさん「毎回新鮮な戦闘システムが好き」
なっつ:いちさんは「アサクリ」、「アサクリII」、「ブラザーフッド」、「シンジケート」を好きな「アサクリ」として挙げていただいていますが。
いちさん:「アサクリ」はシリーズで初めてプレイしたタイトルなので、すごく思い入れが強いというか。初めての洋ゲーで、独特の感じに苦戦しながらクリアして、洋ゲーでも女性が楽しめるようなものがあるんだという印象でした。
「アサクリII」は舞台がイタリアのフィレンツェだったり、すごく華やかじゃないですか。街並みとか、主人公の衣装だったり、モブのキャラクターの衣装まで、こんな華やかな町を自由に歩き回れるんだ!という。「ブラザーフッド」ではマルチが初めて実装されて、それが印象的でしたね。
「シンジケート」は主人公が初めて双子でダブルキャストみたいな感じで、それもすごい新しいなと思って。「シンジケート」でマルチ要素がまったくなくなって、完全にオフラインオンリーで原点回帰みたいな感じで、ストーリーに力を入れて作っているのが感じられて、「アサクリ」をやったときのような新鮮さがありました。舞台もイギリスのスチームパンクとヴィクトリア朝が混在する産業革命の時代で、その世界観だけでグッときました。それに最新作なので、グラフィックスが格段に綺麗になってるじゃないですか。本当に、大きい画面で近くで見ていると没入感というか、その街の中を実際に見て歩いているような感覚に凄く惹かれました。
なっつ:イチさんはゲームの手触りを大事にされている感じですよね。先ほどの「操作がワンテンポ遅れる」とか、そういった感想はアクションゲームがお好きというところからきてるんでしょうか。
いちさん:ああ、それは大きいですね。やっぱり操作があまり好きじゃなかったり、平凡で面白くなかったりするとそのゲームから離れちゃうので、でも「アサクリ」は毎回改良が凄いんです。毎回シリーズごとに戦闘が一新されていたりしてそれがすごく新鮮なので、1つ合わないのがあっても、次をやらないのはもったいないなというのがすごくあって。
ストーリーが繋がってるというのもあったんですけど。そういうところが好きなのでずっと続けてますね。せっかくナンバリングだからというのもあるんですけど、実際やったらやったですごく楽しいし、最初はやっぱり苦労するんですけれど、あとは洋ゲーあるあると言ってるんですけど説明不足じゃないですか。「さあやってみな」、みたいな感じの。最初は「全然できないよ~」ってなるんですが、やっていくうちに体に染みつくというか。
くろさん:全然自転車乗れなかったけど、気づいたら乗れたみたいな。
いちさん:そう、それで最後まで終わって振り返ると面白かった、みたいな感じになるのかな。
なっつ:「触り心地」と「世界観」と「キャラクター」、「アサクリ」の好きなところといっても三者三様ですね。一般的に女性の好きなゲームってキャラクターの造形にフォーカスするようなところがあるじゃないですか。でも全然違ったのでちょっと驚いてます。
いちさん:みんなキャラ萌えだもんね。日本人は組み合わせ好きだよね。
氷戯さん:もちろんそうなんだけど、やっぱりゲームの背景がないとそこまでキャラ萌えにならないな。
いちさん:うん。できないかな。ちゃんと基礎がしっかりしているから安心して飛び込んでいけるんですけど、キャラクターの顔だけがきちっとしてても、中身がへにょへにょだったら「なにこのゲーム、キャラゲーじゃん」ってなっちゃいますね。それがあまり好きじゃないってのはあるかな。
編集部:キャラクターの中身まで好きになれるという仕組みがすごいですよね。「アサクリ」はアクションとかキャラクターだけじゃなくて、キャラクターを肉付けするストーリーもいいんですよね。アサシンと聞くとアウトローという感じですが、実は平和のために動いているという。
いちさん:それがまたいいんですよねぇ。
くろさん:私は「アサクリ」以外にも「メタルギア」シリーズとかも好きで、そういう意味ではちょっと映画っぽいっていうのが好きなのかも。だから「アサクリ」も好きなのかもしれないですね。
なっつ:友人に洋画の俳優さんで割とおじさま寄りの登場人物が好きな友達がいるんですが、やはり「アサクリ」好きでしたね。「メタルギア」も好きですし。声という要素で見ても、洋画の声を当ててる人と、洋ゲーの声を当ててる人って結構似てたりするので、そこがいいのかもしれませんね。
熱烈なファンに聞く「アサクリ」の面白さ
なっつ:それでは最後に、改めて「アサクリ」の素晴らしいところを紹介してもらえますか。
いちさん:そうですね、まずやりこみ要素が多い。本編以外に宝箱の収集とか、「アサクリII」だったら羽根の回収みたいな、長時間ゲームと向き合っていても苦にならないサブクエストが多いと思います。
操作も慣れてくると簡単な操作で華麗なアクションが決められるので、すごく爽快ですね。戦闘はもちろんですが、個人的にイーグルダイブがクセになります(笑)。あと、単純に暗殺者を動かせるのも楽しいよと。「アサクリ」キャラクターのアイデンティティであるフードを被っているアサシン!日本でいう忍者的な……オタクってアサシン好きなんですよね(笑)。衣装もカスタマイズできるってところも魅力的ですね、衣装集めの要素もあるのですごく楽しいんです。
それにストーリーもしっかり、ちゃんと筋が通っている。キャラクターを好きになって、ぱっとゲームをやった人もちゃんとストーリーを楽しめる。キャラクターだけ、アクションだけじゃなくて全部しっかりと作りこまれている完成度の高いゲームだよ!とオススメしたいです。洋ゲーなので、日本のゲームと比べてお値段が高めなんですが、それでも絶対損はしないよと。
なっつ:確かにジャケ買いでもハマれるくらい1作が濃縮されているというか。
いちさん:ほんとゲームの好きな子にやって欲しいという感じですね。日本のゲームちょっと飽きてきたなという人に、本当にぜひやって欲しい。日本の女の子でもキャラクターに抵抗なく、比較的入りやすい洋ゲーだと思います。
なっつ:ありがとうございます。ではくろさんお願いします。
くろさん:私は逆に、狭く細く、じゃないですが、あんまり手広くゲームをしているタイプではないのであんまり操作性とかは考えてなかったんですけど、ゲームとして能動的に自分がしたいようにできるのがいいところだなと。最近はゲームの実況プレイなども流行っていますが、「アサクリ」に関しては自分で好きなように動かせるから、プレイした方が楽しいと思います。
特に「アサクリ」は自由度が高くて何でもできるし、映画を見ているのが好きな人は、それこそ映画の主人公を自分の好きなタイミング、やり方で動かすことができるようなイメージで、「そうしなかったらもっとうまくできるのに!」っていうところが、自分でできるし、逆にその瞬間は、これやったのが私なのか!という瞬間があったり。しかもそれが歴史が好きな人だったらきっとさらに面白いし、好きじゃない人でも作りこまれたゲームとして面白いんじゃないかなと思います。
なっつ:ゲームをしない人や映画好きにもおすすめできると。
くろさん:ゲームの中で自分の好きに演じることができるのがいいですね。
なっつ:なるほど。ありがとうございます。氷戯さんはいかがでしょう。
氷戯さん:ゲームが好きな人は歴史が好きという人も多いので、好きな歴史からやるのも全然いいと思います。アメリカが好きなら「アサクリIII」からやればいいし、産業革命とか、ビクトリア王朝が好きなら「シンジケート」があります。それこそ最近の作品はシリーズの途中からでも遊びやすくなってますし、本当に好きな作品からやって大丈夫だよと。そこから「アサクリ」の舞台はここ、「アサクリII」はここ、という感じで、歴史や地理が好きだと、ハマれると思います。
あとは「オリジンズ」に期待するのは、アサシン教団もテンプル騎士団も全くない状態で、どうやって信条もない状態で、どうやってそれを教団として成り立っていくのかなと。ほかのゲームではクレオパトラもカエサルもアサシンが暗殺したことになっているので、その未来は決まっているんです。でもバエクはあの2人と一緒にいるので、そこからどうやって分かれていったのか、そこが何があったのかなとすごく期待しています。
これまでのシリーズでは突然イーグルアイを使えと言われて主人公は普通に使えるんですが、何故使うことができるのかということがこれまで全く描かれていないので、もしかしてイーグルアイの起源も全部わかるようになるのかなと。バエクはセヌを連れているし、もしかして実は一族とは違う出身なのかなとか。そこも見たいですし、期待して楽しみにしています。
編集部:好きな歴史から遊ぶという見方はすごく面白いですね。
くろさん:好きな歴史から入って、現代編が気になって現代編を追うというパターンも全然アリですよね。
なっつ:いろんなルートで結局コンプリートできちゃうという。
編集部:やらずにはいられなくなっちゃいますね。
一同:ぜひ!
――それでは、本日はありがとうございました。
© Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Ubisoft, Ubi.com and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.