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【特別企画】「ガルパン劇場版」のラスボス「センチュリオンMk.I」に会いに世界最大の戦車博物館に行ってきた
2016年6月6日 00:00
別館も凄かった! 100輛以上の戦車が並べられた光景に衝撃
ところで、この「戦車博物館」には、ビークルコンサベーションセンター(車輌保存センター)と呼ばれる別館が存在し、1日に1時間だけ開放している。これがまた凄かった。
館内放送の案内に従い、14時になると来場者の多くがぞろぞろと別館に向かう(逆に言えば、この時間は本館が空くので写真撮影の大チャンスでもある)。来場者は入り口から入ってすぐ階段で2階に上がり、専用のビューエリアからセンターに保管されている車輌を眺めることができる。といっても5輛や10輛といったレベルではなく100輛近くが敷き詰められており、静かにレストアや展示の機会を待っている。中には標的車仕様のセンチュリオンや、チーフテンのドライバートレーニング車輌など、普段は表に出てこないような戦車も展示されており、どこに何があるのかリストを見て目視確認するのが大変だが、その雲霞のごとき戦車群に大興奮してしまうこと請け合いだ。
また、「THE TANK STORY」と呼ばれる常設エリアでは、第一次世界大戦から現代まで時代別に、時代背景を写真や解説で学びながら、当時活躍した戦車を鑑賞することができる。II号戦車を中心とした電撃戦の再現や、戦友であるチャーチルとシャーマンファイアフライが並んでいたり、独ソの最優秀戦車であるパンターとT34/85が砲を向け合ったりしていて、なかなか熱い。このほか第二次世界大戦エリアでも、意図的に並べたと思われる組み合わせがあり、戦車ファンにはたまらない。
さらに2014年に公開されたブラッド・ピット主演映画「Fury」の特設コーナーも見物だ。この映画は「戦車博物館」全面協力のもとで撮影されており、ここで行なわれた発表会の様子を映した写真や、映画で実際に使われた「Fury」仕様のM4A2 シャーマンがそのままの姿で展示されている。映画でM4A2 シャーマンのライバルとして登場したティーガーは、「戦車博物館」が保有するティーガー131で、世界で唯一稼働するティーガーとして「Tiger Day」や「TANKFEST」といったイベントの目玉として実際に走行デモンストレーションが行なわれる。
正直な所、戦車博物館は1日では全然足りなかった。300輛にも及ぶ戦車の説明文に目を通しながら四方八方から丁寧に写真を撮ったり、よりディープに理解するために現地ガイドによる無料ツアーに参加したり、軍用車輌の体験試乗なども愉しもうと思えば、丸2日は欲しいところ。この施設ではそれを見越して(!?)、英国では比較的採用例の多い、通常チケットがそのまま年間パスになるという粋なシステムを採用しているため、1度チケットを購入すれば2日どころか5日でも1週間でも愉しむことができる。「ガルパン」ファンも「アドバンスド大戦略」ファンも、そして戦車に関心のあるすべての人に訪れて欲しい博物館だ。