【特別企画】

「ドラゴンボール Sparking! ZERO」試遊レポート

「ドラゴンボールのキャラになりきって遊んでほしい!」古谷純氏合同インタビュー

 ここからは本作プロデューサーの古谷純氏の合同インタビューの様子も紹介していく。

「ドラゴンボール Sparking! ZERO」プロデューサーの古谷純氏

 先ずは17年振りとなる「Sparking!」シリーズ復活の経緯について聞かれると、古谷氏は「最後に発売した『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』はかなりの完成度で、『Sparking!』シリーズとしては1つの完成形だったと思っています。しかしその後、プラットフォームの進化などもあり、新しくユーザーの皆様にドラゴンボールバトルとしての驚きや感動を与えられる時が来たな、というところでチャレンジしていこうということで、制作させて頂くことになりました」と語った。

 開発チームについては17年も経過してしまっているが、前作と同じく今回もスパイク・チュンソフトが開発を担当し、スタッフについても当時関わった開発者の一部が携わるなど、その魂は今回も引き継がれているとした。

 前作と比べてゲームのボリュームがどのくらい大きくなったかについて問われると、今回は一応シリーズ最大規模のキャラクターが登場するというところでチャレンジしているという。

 「ドラゴンボール」のゲームは格闘ゲームの「ドラゴンボール ファイターズ」やオープンワールドの「ドラゴンボール Z KAKAROT」など色々なシリーズがリリースされているが、こうした他のシリーズと比較した際に、「Sparking!」ならではの特徴や差別化などについても質問があった。

 これに古谷氏は「『Sparking!』シリーズで目指したところは、『ドラゴンボール』のキャラクターになりきって遊んで貰うことです。なので、なりきる幅という意味では、たくさんのキャラクターが遊べるという点をかなり大事にしています。またなりきりの部分についても、ちょっと気を溜めるだけで周りがパタパタとなったりとか、フルチャージしたら周囲の岩とかが壊れていくような、まさにキャラクターたちのパワーの体感はそういうところから感じられるだろうなと思い、そういった『ドラゴンボール』のキャラクターとしての体感をより味わえるところを追求しているのが本作の特徴になっています」と語った。

 続けて「そのため、対戦ゲームという目線だと、『ドラゴンボール ファイターズ』のように厳格な格闘ゲームもありますが、格闘ゲームとしての厳格なバランス調整というよりは、『ドラゴンボール』のキャラクターらしいアクションというところにかなりフォーカスを置いています。そういった意味では、強いキャラクターはやっぱり強いですし、原作で苦労したキャラクターはゲーム内でも苦労するといったところで、勝ち負けよりも、らしさを味わって楽しむことに重きを置くような形でバランスを取っています」とした。

試遊バージョンの段階で50人ものキャラクターが選択できるほど豊富なキャラクター数が魅力の1つ
筆者の最も好きなキャラクターは髪型的にクリリンなので、クリリンのエピソードバトルで18号とイチャイチャしたい(本音)

 本作における原作の収録作品について聞かれると、これについては未発表キャラクターについての話も絡むのでここでは言及を避けた。

 なお、これは筆者の勝手な予想だが、本作のタイトルが「ドラゴンボール Sparking! ZERO」となっており、「Z」が含まれていない点には注目しておきたい。特に今回の試遊バージョンで登場した大猿ベジータだが、同様に巨大化して戦う敵としては、アニメ「ドラゴンボール」で最初に悟空と戦ったマジュニア(ピッコロ)が挙げられる。こういった観点から無印の「ドラゴンボール」から印象深いキャラクターたちの参戦があってもおかしくはない。

 また、「ドラゴンボールZ」のベジータ戦では、孫悟空の息子の孫悟飯も僅かな時間ながら、大猿化して暴れた経緯もあるので、個人的にはこの辺のキャラクターが登場する展開に期待したい。

せっかく大猿ベジータが登場するので、同規模の巨大化キャラクター参戦も期待したいところ

 対戦モードにおけるチーム内の選択可能なキャラクター人数についての質問もあり、ここでは最大5人までキャラクターが選択できるという情報が紹介されたのだが、それに加えてコストのような物を導入する方式も用意するつもりだという情報が明かされた。それによると、個々のキャラクターそれぞれにポイントが設定され、強いキャラクターほどポイントが高く、チーム内に加えられるポイント数に上限を設けることで、チームとしてのバランスを調整する方式を予定しているようだ。この辺りは現段階では調整中とのことで、正式な情報については続報を期待したい。

 また、オンラインマルチプレイについて、ランキングマッチのようにランキングのモードがあるのかという質問もあったが、これについても用意があるようだ。

対戦モードやオンラインマルチプレイの詳細については今後の続報を待ちたいが、「エピソードバトル」とはまた違ったやり応えのあるものになりそうだ

 ここでエピソードバトルのIFの分岐の先にどのくらい原作からかけ離れたIFが展開するのか質問があった。これに古谷氏は「イメージとしては、巨大な木のような物をイメージしてもらって、太い幹はずっと続いていて、枝葉は色々分かれていくような感じ」としており、分岐した物語がそのまま続いていく場合もあれば、元の原作の流れに戻ることもあるという。展開によっては、原作とは全く異なる結末を迎える可能性もあるというわけだ。

 加えて「基本的には原作のシチュエーションに沿ったバトルを楽しめるモードではあるので、それが中心なのは変わらず、その上でのちょっとしたIFを楽しんで頂ければくらいの位置付けで考えています」とのことだ。

 続いて「カスタムバトル」で作成可能なバトル設定について確認してみたところ、これについてはかなり柔軟に自由なキャラクター同士のやり取りなどが作れるとしており、例えばミスター・サタンが破壊神ビルスに修行をお願いするといった普通ならあり得ないようなストーリーなども作成できるという。

 ここでのセリフのやり取りは基本選択肢から選ぶ形になるが、使えるセリフのバリエーションはかなり豊富に用意されているようで、かなり自由なエピソードがあれこれエディットできるようだ。

 タイトルに含まれる「ZERO」の意味について聞かれると「『Sparking!』シリーズは17年振りの新作となるわけですが、17年間の間に色々と状況が変わっており、例えば同シリーズは海外では別タイトルで発売していた経緯もあったので、ここでタイトルを世界統一することで、世界中のファンの皆様に親しみを持ってもらいたいと考えています。また、この17年間の間に新たに『ドラゴンボール』のファンになった方も大勢いると思うので、そういった方々がここから始めるのに分かりやすく表現したかったという思いもあってZEROとしました」と語った。

 過去シリーズにはなかったスキルストックの要素について、新たに追加された経緯について聞かれると「前作ではブラストストックという名前で同じような機能がありました。本作ではスキル使用以外にも相手のかめはめ波などの気功波をバシンと手で弾くようなアクションを行なう際に消費したり、自分が攻撃を受けている途中で発動することで、コンボ中などでも割り込んでカウンターをすることでイーブンの状態に戻せるリベンジカウンターのアクションなどで消費するようになっています」と名称の変化とできることの変化について説明した。

 最後に楽しみにしているファンの方へのメッセージとして「発売は10月とまだ少しお待ちいただく時間がありますが、本作に関してはキャラクターになりきって、楽しんでいただけるような体験ができるように、最大限の努力を尽くしてまいりたいと思いますので、ぜひご期待いただければなと思っております。使用キャラクターの情報なども、随時情報を展開していきますので、ご期待いただければと思います」としてインタビューを締めくくった。

本記事公開前に2024年10月10日発売(Steam版は10月11日発売)という情報が発表された。今から発売が楽しみだ