【特別企画】
「真・女神転生V Vengeance」先行プレイレポート! クール系ヒロインの追加で物語は今までにない展開へ!? 全てがアップデートされたシリーズ最新作
2024年4月11日 09:30
- 【真・女神転生V Vengeance】
- 6月14日 発売予定
- 価格:
- 通常版9,878円(税込)
- デジタルデラックス版11,660円(税込)
アトラスは、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC用「真・女神転生V Vengeance」を6月14日に発売する。
本作は、2021年11月11日に発売されたNintendo Switch用RPG「真・女神転生V」に多くの新要素を含めた、「真・女神転生」シリーズの最新作。新悪魔や新スキル等の追加はもちろんながら、既存ルートとは全く異なる展開が繰り広げられる新たなる物語「復讐の女神篇」が追加されたりなど、あまりにも膨大な量の新規要素が追加されている。見慣れたフィールドであっても新たな道が追加されていたり、より操作性やゲーム性をストレスフリーにするUIの進化など探そうと思えば幾らでも進化要素が出てくるような、まさに「真・女神転生V」の決定版に相応しいタイトルとなっているのだ。
今回はそんな本作を一足早くプレイする事ができたので、ネタバレを踏まぬように新ストーリー「復讐の女神篇」の序盤部分をベースに本作の魅力について紹介していこう。
当初のトレーラー映像では物語中盤から全く異なるストーリーになると紹介されていた本作だが、実際は序盤からかなりガッツリストーリーの変化を楽しむ事ができた。それでいてゲーム性も大きな変化が加わっている事でオリジナル版とは全く異なるゲーム体験が目白押しだった。決定版と聞いて「あの膨大なストーリーをもう一回やるのかぁ…」としりごみしてしまった一部プレイヤーの背中を押せればと思う。ぜひ本記事を参考にして再び「メガテンV」の沼に浸かってもらいたい。
新ストーリー「復讐の女神篇」。新ヒロイン追加で物語の序盤から目新しい展開が
「尋峯ヨーコ」の存在が多くの運命を変えていく……?
まず初めに全プレイヤーが気になっているであろう「復讐の女神篇」について触れて行こう。
今作で追加された新ストーリー「復讐の女神篇」はオリジナル版で繰り広げられていた物語「創世の女神篇」とは全く別のエンディングを迎える内容となっており、新キャラクター「尋峯ヨーコ」の追加で物語の序盤から目新しい展開が用意されている。
ゲーム開始直後にプレイヤーには2つの選択肢が表示され、正体不明の少女の手を取るか取らないかでどちらのストーリーで開始するかを選べるような形だ。オリジナル版を既に遊んだプレイヤーは初っ端から追加要素である「復讐の女神篇」を選んでプレイできるという訳だ。
そんなこんなでスタートできる「復讐の女神篇」は序盤からストーリーに数多くの変化が見られた。今回はネタバレ防止のために「創世の女神篇」における「縄印学園への悪魔襲撃」までの内容を中心としてピックアップしていこう。
最初に変化を感じたのが、主人公が魔界「ダアト」に降り立ち東京タワーへ目指すタイミングだ。朽ちた山手線を発見する場面にて、「創世の女神篇」ではこの場所で「敦田ユヅル」と再会しお互いの状況を確認し合うのだが、このタイミングで新キャラクターである「尋峯ヨーコ」が登場し、見慣れない悪魔に襲われるイベントが発生する。人間の身でありながら何故か魔法を扱える「ヨーコ」と悪魔召喚プログラムを駆使できる「ユヅル」と協力して悪魔を撃退するのだ。
この戦闘では本作の追加要素である「ゲストキャラクター」を用いたバトルが発生する。「ゲストキャラクター」はシナリオ上共に行動する際などに「仲魔」と同じように一緒に戦ってくれるキャラクター達であり、それぞれが独自のスキルやステータスを持っている新要素だ。
バトルスタイルもそれぞれで特徴が出ており「ヨーコ」や「タオ」なら悪魔たちと同じように魔法を直接扱えたり、「ユヅル」や「イチロー」のように悪魔を使役しているキャラクターはスキルを使用する際に悪魔を召喚するなど、非常に新鮮味のあるバトル風景を見ることができる。
システム的な部分を掘り下げると主人公が使役する「仲魔」との違いとしては、人間なのでバトル中に自分の手番でアイテムを使えるのが大きい。オリジナル版では基本的に主人公しかアイテムの使用ができなかったことを考えると、ゲストキャラを戦闘メンバーに入れるだけでバトルの勝手はかなり変化している。「仲間」と「仲魔」を使い分けられる事も新ストーリーの大きな特徴と言えるだろう。
悪魔を撃退した後は「創世の女神篇」と同じく「ユヅル」とは別れて行動する事になるのだが、ここから徐々に物語の流れは変わっていく。共に戦った「ヨーコ」が魔界を探索する間は主人公と一緒に行動する事になり、「ゲストキャラクター」としてパーティーに残り続ける展開になるのだ。
本作の序盤は特に「仲魔」によってはピンチになりやすかったり、敵の弱点を突けるようなスキルを用意できなかったりする事も多かったので、多彩な攻撃スキルを持ちつつ回復・サポートが行える「ヨーコ」が同伴してくれるのは心強かった。
それでいて難易度が下がるかと言えばそんな事はない。「ヨーコ」は人間だからか結構撃たれ弱い部分もあり、あくまでも「使い勝手のいい仲間が1人追加されている」位の感覚でプレイできた印象だ。
それよりも筆者がワクワクしてしまったのが、序盤のストーリーから常に「ヨーコ」が近くにいる事で些細なイベントでもかなり変化している点だ。メインストーリー内では「創世の女神篇」でのイベントの合間に彼女なりの考えを話してくれる新イベントが追加されていたり、一部のサブイベントでも彼女がパーティーに加わっている事で会話内容が変化している部分が多く見受けられた。
例えば主人公と旅を共にするナビ悪魔の「アマノザコ」と合流した際には軽くあしらうイベントが挟まったり、物語序盤の山場である「ジョカ」や「八雲」と対峙する場面では彼女もその場に居合わせる事で臆せず彼らに問答するクールな姿が描かれたりなど、「復讐の女神篇」のキーパーソンとなるキャラクターだけあって強くフィーチャーされている。ストーリー内の随所で彼女の考え方やキャラクター性を強く感じさせるようなイベントがしっかり用意されているのだ。
そして当然ながら、彼女が物語に関わる事で物語が大きく変化するような場面も数多く存在する。というより筆者的には想像以上に「ヨーコ」が最初からヒロイン兼相棒ポジションのような関係に収まってきて少し驚いたほどだ。
ストーリーが進む際にはかなりの頻度で「ヨーコ」は「ゲストキャラクター」としてパーティーに参加するし、物語の本筋に関わるイベントでもガッツリ介入して話の流れを変えるような場面も確認できた。「ヨーコ」がストーリーに介入した事で他のキャラクター達も「創世の女神篇」とは異なる行動を起こしたり、主人公以外のキャラクター達とも彼女が友好関係を結ぶようなストーリーが追加されたりなど、キャラクター同士の関係値もしっかり埋めるような形でストーリー展開が再構築されているようだった。
登場キャラクター達の新しい一面を見ることができながら、「ヨーコ」が登場した後は基本新しい展開が続くためオリジナル版をプレイした筆者でも非常に新鮮な気持ちでゲームをプレイできた。
味方だけじゃない。新たなる敵「カディシュトゥ」と呼ばれる4人の女魔達
新ストーリーを語る上で欠かせないもうひとつの存在が、新たなる敵「カディシュトゥ」と呼ばれる4人の女魔達だ。彼女たちはとある目的の為に「マガツヒ」を集めており、その為に人間を襲うなど非道な行為を繰り返す悪魔らしい残虐な性格をしている。一番最初に主人公達の目の前に立ちふさがった際も容赦なく殺しにかかるし、メインストーリー内でも主人公達が暮らす「東京」に攻め入って余裕で殺戮を行ったりなど、官能的で美しいな見た目と相まって非常に「メガテン」らしい魅力的な悪魔キャラクターだ。
彼女たちもまた「復讐の女神篇」の序盤からしっかり登場する。何なら「創世の女神篇」では何もなかったタイミングでいきなりボス戦が始まる事もあって、初見殺しされるタイミングも多かった。序盤から別ゲーレベルの刺激的な体験ばかりで嬉しい限りだ。
最初に立ちふさがる「ナアマ」は「カディシュトゥ」の中でも特に官能的な見た目をしているのだが、「魅了状態」などの状態異常を活用したり、弱点属性や戦い方にクセがあり過ぎたりなど、序盤で唐突に出てくるボスにしては(二重の意味で)いやらしすぎる存在となっていた。ストーリー内ではナホビノとなった主人公に興味を示すようなシーンもある事からストーリー内で現れる頻度も多く、どのような目的をもって行動しているのか非常に気になるキャラクターだ。
この「カディシュトゥ」の面々と「尋峯ヨーコ」が今回の新ストーリー「復讐の女神篇」において重要なキャラクターとなる。ここまで何度も語ったが信じられないくらい序盤から新展開のオンパレードでストーリーの惹きは非常に強い。敵味方問わず既存の「メガテンV」には居なかったキャラクター性を持つ者だらけな事もあり、プレイ中は常に新鮮な感覚を味わえた。新キャラクターが両サイドとも女性な事もあって「復讐の女神」が意味する事とは何なのかとても気になるポイントである。
そして個人的にだが「ジョカ」戦までの道中は序盤からかなり性癖破壊ゾーンとなっていたと感じる。物語冒頭から実質ヒロイン的な「ヨーコ」と出会って、可愛らしい相棒枠の「アマノザコ」とも出会い、敵ながら官能的な「ナアマ」と戯れて最期には美しすぎる「ジョカ」と戦うと……。(癖の強い)美女ラッシュに興奮を押さえられなかったほどだ。”シナリオ的な面白さ”も”性癖的な良さ”も素晴らしい作りとなっていたので、ぜひ期待しておいてほしい。
奥深さはそのままにユーザビリティとゲームボリュームがアップ!より”仲魔”を好きになれるような数多のシステムに注目
新ストーリー以外にも多くの追加要素が本作には用意されている。中でも筆者が面白いと思ったのが「仲魔」周りの新要素だ。
大きな追加要素として今回「仲魔」となる悪魔たちにはそれぞれ個別のパッシブ効果を与える「ユニークスキル」が追加された。これによって悪魔により強い特徴が生まれ、パーティーに入れる「仲魔」のチョイスやバトルの戦略もより幅広くなっている。レベル帯が低い悪魔でも覚えているスキルや「ユニークスキル」次第で使い続けたい場面が発生するため、悪魔合体やパーティーチョイスはより楽しくなった印象だ。
ここで筆者が個人的に序盤でよく助けられていた「ユニークスキル」を一部紹介しよう。
まずは、最初に仲間になる「ピクシー」が持っている「悪魔の仲立ち」だ。これは悪魔と会話をして敵の機嫌が悪くなった際に一定の確率で割り込んで仕切り直しをしてくれるというスキル。特に余裕がない序盤では、1回の悪魔会話の失敗で全てを失う事があるほどシビアなゲーム性なので、ランダムとはいえ何回も仲裁をしてくれた「ピクシー」には頭が上がらなかった。最初に「仲魔」になってくれたのが「ピクシー」で本当に良かったと常に感じていたレベルである。
特定ボスに対して有効な対策を行えるのも「ユニークスキル」の面白いポイントだ。例えば「ヴィーヴル」が覚えている「煩悩コントロール」は「魅了状態」になった味方が勝手な行動をとる可能性を低くできる能力を持っているため、先述した「ナアマ」戦では対策悪魔としてパーティーインしていた。
他にも特定属性のスキルにバフを与えたり、自分の後に行動した味方の能力を上げる、戦闘メンバーを入れ替えた際に能力を引き継ぐなど、序盤に登場した悪魔たちだけでも非常に個性豊かな「ユニークスキル」を楽しむ事ができた。本作のバトルをより深く面白くしてくれる新要素と言えるだろう。
そんな「仲魔」達と、より親密に関われる「悪魔の裏庭」も見逃せない新要素だ。「悪魔の裏庭」は、パーティーにいる「仲魔」達が集う憩いの場のような空間となっている。「仲魔」たちと会話を楽しんだり写真撮影が行えたりなど、殺伐とした世界観の中で非常にハートフルなゲーム体験を味わえる。
悪魔会話の時には恐ろしかった「仲魔」達と砕けた雰囲気で話せるので意外な一面が見れることもあり、加えて何度も交流を重ねていると「仲魔」が成長したり、主人公にアイテムをくれたりなどゲーム的にプラスになる要素も多かった。
何よりも主人公と合一して力を発揮している「アオガミ」とも「悪魔の裏庭」では会話できるのが素晴らしい。本編中でもチラホラ見受けられた主人公との絶妙な距離感の会話を追加で堪能できてしまうのが嬉しいところだ。ストーリーの進行に合わせて主人公の事を気遣ったり、たまにクスっとしてしまうようなボケを言ってきたりなど、「主人公」と「アオガミ」の関係性が好きだったプレイヤーには堪らない追加要素となっていた。
そしてこんなに悪魔周りで新要素が増えている中で、本作ではオリジナル版を超えた270体以上の悪魔たちが登場する。この変化はゲーム体験に妙実に反映されており、序盤の探索や悪魔合体の段階からバチバチに本作では見知らぬ悪魔が登場することが多かった印象だ。
より新しく深張りされた「仲魔」システムをまだ見ぬ悪魔たちと共に体験できる点で、オリジナル版とはかなり異なるゲーム性へと進化していると強く感じた。
オートバトルにどこでもセーブ! 決定版に相応しいシステムの追加要素が随所に
最後にゲームシステム周りの追加要素を紹介したい。今作では「龍脈」以外の場所でセーブを行えるようになったり、オートバトルモードやスキル演出の倍速カット等の設定が行えるようになったりなど、細かな調整によってオリジナル版で感じていた不必要なストレス要素がほとんど消えている。
さらに今作は、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC用で展開されため、オリジナル版以上のグラフィックで遊ぶことが可能となった。残酷ながらも美しい「真・女神転生V」の世界観をよりダイレクトに感じ取れるようになったのも感動したポイントだ。筆者もオリジナル版をプレイしていた身だが、思った以上にこれらの変化は大きく作用しており、新ストーリーの完成度と合わさって「同じゲームをプレイしている感覚」は全くなかったほどだ。
加えて今作ではオリジナル版でリリースされていたDLCクエストが全て詰め込まれているのも嬉しいポイントだ。改めて「メガテンV」の世界を楽しみながらDLCを適切なタイミングで楽しめるため、新要素の数々と合わせて非常に新鮮なゲーム体験を味わえた。
総評して、簡単な言葉になってしまうがメチャクチャのめり込んでしまう作品となっていた。所謂「完全版商法」はプレイヤーからは不信感を持たれることが多いが、今作に関してはしっかりと決定版として各要素を極めて来たなと強く感じとれた。既存プレイヤーでもまた新しい気持ちで遊べるレベルで新要素がテンコ盛りとなっており、この完成されたユーザビリティと濃密なゲーム性であれば初心者にも強くお勧めできる内容となっている。気になるプレイヤーはぜひ今後の情報を追ってみてはいかがだろうか。
(C)ATLUS. (C)SEGA.