【特別企画】
「JUDGE EYES:死神の遺言」5周年! キムタク×神室町!! カタギの探偵と元極道コンビが駆け回る
2023年12月13日 00:00
- 【JUDGE EYES:死神の遺言】
- 2018年12月13日 発売
セガが2018年12月13日に発売したプレイステーション 4用アクション・アドベンチャーゲーム「JUDGE EYES:死神の遺言」を発売してから本日で5周年を迎えた。
「JUDGE EYES:死神の遺言」は、アピールポイントの1つに「木村拓哉 in PS4」を掲げており、主人公の八神隆之(やがみたかゆき)を木村拓哉さんが演じている。ゲームの舞台は2018年の東京・神室町。木村拓哉演じる八神が、「龍が如く」シリーズでお馴染みの神室町を駆け回る。
また、本作は「龍が如く」シリーズのスピンオフ作品だが、主人公の八神はカタギということで「龍が如く」シリーズ作品のファンがプレイしても新しい体験がたくさんできるものとなっている。
そんな「JUDGE EYES:死神の遺言」だが、リマスターとしてプレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC版も2021年に発売された。本稿では、本作のゲームシステムと思い出を振り返っていこう。
神室町をカタギの主人公が駆け回る
本作の主人公は神室町で探偵兼便利屋を営んでいるの八神隆之。八神は元々弁護士だったが、過去に無罪を勝ち取った依頼人が、釈放後に恋人を惨殺し放火するという凶行に出たことで法廷を去り、神室町で探偵として生活をしていた。
八神が法廷を去ってから3年が経った頃、神室町で目玉をくりぬかれた状態で殺害されている連続猟奇殺人が発生していた。殺されていたのは東城会の三次団体「松金組」と対峙していた関西の極道「共礼会」の組員たち。そこで容疑者として名前が挙がったのが、当時被害者と揉めていた「松金組」の若頭の羽村で、そのまま逮捕されてしまう。無実を訴える羽村の依頼を受けた八神の古巣「源田法律事務所」は八神に事件に関する調査を依頼。調査を進めて行くことで、事件は思わぬ方向に進んでいく。
本作は「龍が如く」シリーズのスピンオフということで、神室町の街並みはほぼそのままになっている。「龍が如く」シリーズと比べると、主人公の八神に合わせてバトルアクションが軽快なものに変更されていたり、八神の職業に合わせて、メインストーリーをメインケース、サイドストーリーをサイドケースと呼び、探偵としての調査アクションも多数追加されているのが特徴だ。
八神は神室町を舞台としたゲームの主人公の中では珍しいカタギの人間だ。「龍が如く」シリーズの戦闘アクションと比べると、軽やかな身のこなしとアクロバティックな攻撃が特徴になっている。また、ターゲットを尾行したり、「聞き込み」で情報を引き出すといった探偵らしいアクションも搭載。法廷での立ち位置が今までは被告人側であることが多かった「龍が如く」シリーズから、弁護人側に主人公が立つというのも新しい体験だった。
キムタクを操作するという面白さ
正直に言うと、筆者が本作を最初に知った時は、木村拓哉×神室町の親和性があまりないなと思った。神室町はヤクザが幅を利かせている街で、ダークなイメージがあまりない木村拓哉さんが神室町で生活するというのが純粋に想像できなかったからだ。
もちろん本作は「リーガルサスペンスアクション」というジャンルなので、主人公の八神の職業も探偵で、前職も弁護士という正義の職業ではある。ただ、今までの神室町のイメージがあり不安だった。
しかし、実際にプレイしてみると、木村拓哉さんが神室町の中にいても全く違和感がない。むしろいてもおかしくないほど馴染んでいた。探偵事務所の相棒「海藤正治」が元東城会傘下のヤクザであるというのが神室町らしくて好きだ。
筆者は木村拓哉さん演じる八神と元極道である海藤の関係性が好きで、海藤こそが木村拓哉を八神として見せてくれる重要なキャラクターだ。「龍が如く7」以降主人公の春日一番の隣にいるナンバも俳優の安田顕さんが演じているが、この2人が一緒にいると安田顕という俳優の印象から「ナンバ」というキャラクターの印象が強くなる。オリジナルのキャラクターと俳優が演じているキャラクターがコンビを組むと、思った以上の名コンビになっている印象だ。
八神と海藤のコンビはお互いに対しての嘘のない信頼関係がいい。海藤も嘘をつけない真っ直ぐとした気質の持ち主なので、相棒としても気持ちのいいキャラクターだ。
アクションも軽やかで、これまでの「龍が如く」シリーズで登場したキャラクタ―にはないスタイルとなっている。今まではキャラクターたちが極道ということもあり、何でもありの戦闘スタイルが多かったが、八神は基本的な攻撃スタイルも素手での攻撃か、落ちている鈍器での攻撃がメインとなっており、銃やナイフなどは使用できない。軽やかな身のこなしとアクロバティックな攻撃がメインで、木村拓哉さんらしいアクションが本作ならではの体験だ。
本作でもう1つ印象的なのが、主人公がきちんとした職業についているというところだ。メインケースというメインストーリー以外にもサイドケースとして様々な依頼が探偵事務所にやってくる。それぞれの解決方法も尾行や変装、聞き込みなどの探偵らしいアクションで遂行していくのは、神室町を生きる極道以外の人たちの生活を垣間見ているようでとても楽しかった思い出だ。時には、ドローンレースで遊ぶような探偵の範疇を超えた依頼もやってくるが、それこそ「龍が如く」シリーズのスピンオフらしさがある。プレーヤーの想像の上を行く豪快な依頼が飛び込んでくるのもおもしろい。
また、本作の舞台が神室町ということで、「龍が如く」シリーズで過去に起きた事件の印象的な場所がそのまま登場しているのもおもしろい。今までは桐生一馬として当事者目線で見ていたが、その事件を別の視点から「こういうことあったよね」という不思議な体験もできる。
また本作は、TVや映画で見ている「キムタク」をプレーヤーが操作できるというのも醍醐味の1つだ。神室町らしく様々なプレイスポットがあり、木村拓哉さんが現実ではやらなさそうなことができるというもの楽しい。例えばゲーセンで「FANTASY ZONE」を遊んだり、バットや街の立て看板を持ってチンピラたちと戦うなど、「龍が如く」シリーズではお馴染みのことを、木村拓哉さんがしている絵面がまたおもしろい。
例を挙げはじめるとキリがないが、筆者的に好きなのは「麻雀」だ。ドヤ顔で「ロン」と言ってくれるのは意外性があり、かっこいい。演出も込みでなかなか見られない姿が見られるのは貴重だ。
本作は発売から5年を迎えたが、2021年には続編の「LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶」とそのDLCとして追加ストーリー「海藤正治の事件簿」が発売されている。いずれも記憶を消してもう1度プレイしたいと思える作品だ。改めて5周年おめでとうございます。
(C)SEGA