【特別企画】

【AC6】「アーマード・コア6」インプレッション【追記あり】

初心者にもオススメ! ウェザリングなどの表面素材のカスタムも

【ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON】

8月25日 発売予定

価格:
通常版8,690円(税込)
デラックス エディション9,680円(税込)
コレクターズエディション29,700円(税込)
プレミアムコレクターズエディション57,200円(税込)

 我々傭兵が、待ちに待った約10年ぶりの「アーマード・コア」シリーズ最新作「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(以下ACVI)」の発売日が遂に1カ月後にまで迫った。そこで本稿では先日実施されたメディア先行プレイで判明した要素について紹介していく。

 先行プレイでは、シングルプレイにおけるいくつかのミッションとアセンブルにショップなどを実際に楽しめた。その中で、今回判明したのは大きく分けて「いかに“初心者”でも楽しめるように作られているか」、「最大4,096枚のレイヤーを使えるエンブレム作成や機体表面の材質から劣化具合までカスタムできるアセンブルの自由度の高さ」、「惑星ルビコン3を取り巻く状況と各種心沸き立つミッション」の3つだ。それぞれの模様を映像や画像と共にお届けしたい。

そもそも「アーマード・コア」シリーズとは?

 まずは、具体的なレポートに入る前に同作と「アーマード・コア」シリーズの基本的なことについて紹介する。

 最初に紹介するのは、「アーマード・コア」シリーズの基本情報だ。同シリーズは、簡単に言えば用意された多数のメカ(プレーヤーが操作するのは一部を除きAC:アーマード・コアと呼ばれている)のパーツを、部位ごとに自由に組み合わせて作ったオリジナルメカを用いて、SF世界を舞台に縦横無尽に戦うゲームだ。

 世界観などはナンバリング毎に異なる場合が多いものの、プレーヤーは基本的に企業に雇われた傭兵となりお金のために戦うこととなる。もちろんレジスタンスの一員になるなど例外となるストーリーを持った作品もあるし、プレーヤーによっては人類を虐殺するようなロールプレイを楽しんでいる人もいることだろう。シリーズを通して筆者が気に入っているのは、独特なデザインの人型兵器ACを自由にカスタマイズ(シリーズではアセンブルという)できる点だ。さらに、主人公の性別や政治的信条などが描写されていないことによるロールプレイの幅広さも大きな魅力となっている。

 筆者のお気に入りは「アーマード・コア フォーアンサー」の「人類種の天敵」ルートなので、同作でも共に戦った味方と仲違いするようなルートがあると嬉しい。これまでのシリーズに漏れずオペレーター(主人公をサポートしてくれるキャラクター)となるハンドラー・ウォルターも声がいいので軽蔑されるようなことをしたくなる。

10年ぶりのファン待望シリーズ最新作! 「ACVI」基本情報

 では、続いて「ACVI」について触れていく。同作は、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)用3D戦闘メカアクション。これまでの過去作と基本的なプレイサイクルは同じなので、シリーズファンはすんなりと進められると思う。ごく簡単に説明すると「ミッションに赴く→戦う→報酬をもらう→お金を貯めてパーツや武装を買う→機体をアセンブル→ミッションに赴く」といった流れだ。シリーズ未経験者の人に気を付けていただきたいのが、この「アセンブル」が非常に重要だということだ。

 先行プレイの際の説明では、プロデューサーの小倉康敬氏が自ら、この「アセンブル」によってミッション毎に適したパーツを使うことの大切さを強調していたぐらいだ。というのも、序盤は購入できるパーツも少ないうえに、同作では「トレーニング」や「OSチューニング」といって、使ったことの無いパーツを使う機会やスキルの様にできることをアンロックしていく要素もあるので序盤に自分の方向性を完全に決めてしまうのはもったいないと思うからだ。自分の機体コンセプトを決めるのは十分に慣れてきてからでも遅くないだろう。なにより色々な機体コンセプトで遊べるのが魅力なので、是非様々なパーツを試していただきたい。

 また、既に公開されているPVなどから、最新機種への対応によって美しく、より詳細に描写されるようになった「アーマード・コア」の世界に期待している人も多いことと思う。7月20日には同作の主人公となる強化人間「C4-621」(以下621)とその同類を描いた「ストーリートレーラー」が公開され、次第に過酷な物語が明らかとなってきた。

【ACVI ストーリートレーラー【2023.7 SDCC】】

 “火をつけろ、燃え残った全てに”というのが同作のキャッチコピーだが、このキャッチコピーからは人類が星ひとつ燃やしても何も学んでいない様子や、開発陣からの「好きに戦え」といったような思いが伝わってくる気がする。我々傭兵は10年間、様々な憶測が飛び交い、ネットミーム化されようともこの日を待ち続けてきたのだ。

 話が逸れたが、要は「ACVI」が楽しみでしかたがないのだ。早速ファーストインプレッションをお届けしたい。

“初心者”にやさしい! 快適に繰り返せる戦闘に親切なチュートリアル

 「ACVI」は初心者に優しい。ここでいう“初心者”にはシリーズに触れたことの無い人だけでなく、シリーズファンである我々傭兵も含んでいる。というのも、回復(リペアキット)などの新要素によってかなりプレイした際の感触が異なるのだ。本稿では“同作を初めてプレイする人”という意味でこの“初心者”というワードを使っていく。

 当然筆者も“初心者”に含まれるわけで、ここで問題になるのが操作についてだ。正直に言って本作の操作は結構忙しい。しかしながら、ただただ操作が難しいといった“理不尽な忙しさ”ではなく、プレイしていて「自分でACを動かしているぞ!」と思えるような忙しさなのが心地いいのだ。

リペアキットのおかげで戦闘経験を積みやすい! 回復があるからと突撃は禁物な体幹要素「スタッガー」

 まず筆者がやさしいと感じたのは、各ミッション毎に3つ持ち込めるしているリペアキットだ。これは特に装備する必要もなく、使用の度に一定のAP(他のゲームでいうところのHP)を回復できる。これによって、操作に慣れていなくてもある程度の継戦能力が確保できるので、「撃墜→再戦」を繰り返さずとも操作に慣れやすいと思う。ようは短い時間で沢山トライアンドエラーができるのだ。

 リペアキットがあることから、ストーリートレーラーの強化人間617のように「無茶な突撃もできるのでは?」と考える人もいるかもしれない。しかし、実際には中々難しいように思われる。というのも、同作には、ACS(姿勢制御システム)という要素がある。これは被弾などによる機体への負荷を表すゲージで、限界を超えることで機体が一時的に止まってしまう状態「スタッガー(人間でいうところの一瞬気絶してしまうようなイメージ)」になってしまう。そのため、強大な火力がある敵に対して突撃すると体勢を崩され動きを止められた上で、集中砲火を食らうことになるのだ。特に最序盤のボスである「大型武装ヘリ」はこの読み合いを学べて“戦っている感”を味わえたので戦闘経験も詰めるし、とてもいいチュートリアルボスだった。

惑星封鎖機構大型武装ヘリ

 ただし、タイミングによっては一気に加速する「アサルトブースト」を使うことで一息に間合いを詰めるような突撃もできるので、突撃自体ができないわけではない。間合いを詰めるタイミングを見極める読み合いが純粋に楽しい。また、「スタッガー」状態は敵にもあるため、高い火力を持つ武器で一気に体勢を崩して肉薄し、あるだけの攻撃を叩き込むような戦い方もできる。もちろん遠距離から攻撃するのも有効だろうし、この戦い方の自由度の高さはシリーズを通しての魅力と言える。

アサルトブーストしている様子

色々学べる「トレーニング」で新たなパーツの魅力を発見!

 次にやさしいと感じたのは、ミッションとは別に設けられた「トレーニング」という項目だ。ここでは「傭兵教育プログラム」として「操縦基礎」や「戦闘基礎」など同作における基本をチュートリアル付きで体験できる。さらに、各プログラムをクリアすると、武装やパーツも獲得できるのでミッションに詰まったりした際にはここで装備をある程度集められる。

 「トレーニング」には、前述した報酬が用意されていることである程度操作に自信がある人でも参加するモチベーションを上げられそうだった。何よりここでは自前のACではなく用意された機体を使用することになるので、これまで触れてこなかった種類のパーツや武装を、ショップで買わずに試せるのが大きい。武器やパーツを買わずに試せるというのはお金の内序盤にはかなり嬉しいポイントだ。

 筆者はこれまで基本的に軽量二脚と発射レートの高い連射武器で戦ってきたが、この「トレーニング」でタンク(文字通り戦車のキャタピラのような見た目の脚部パーツの種類)の重厚感ある動きと重量級武器による圧倒的な火力の魅力に目覚めそうになった。特にガトリングは「ストーリートレーラー」でも617が使う様子が描写されていたが、非常にロマンが溢れていてかなり気に入った。トレーラーでは限界を超えて撃ち尽くしたことによる砲身の赤熱し壊れた様子には興奮を隠せなかった。ガトリングで戦うときは617のように、ただミッションの達成に貪欲になりたい。

 他にも、四脚でのホバリングや逆関節の跳躍力を確認するプログラムもあるので、是非ともそれぞれプレイしてほしい。新しい自分の好みが見つけられるかもしれない。

タンクで戦うイメージ
【【AC6】「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」の「傭兵教育プログラム」を紹介!】

「アサルトアーマー」などできることが徐々に増えるスキル的要素「OSチューニング」!

 最後にやさしいポイントとして紹介したいのが、機体OSの強化「OSチューニング」だ。ここでは後述する「アリーナ」で獲得できる「OSTチップ」を使用することで機体の新しい挙動や機能を拡張していくことができる。「OSチューニング」は他のゲームでいうところのスキルで、「OSTチップ」はスキルをアンロックするためのポイントというような認識で問題ない。

 「OSチューニング」では、「OSTチップ」を規定量消費することで「アサルトブースト」発同時に行なえる「ブーストキック」や、両肩の武装の代わりに各腕部用の予備兵装を搭載できる様にする「ウェポンハンガー」などをアンロックできる。他にも、「クイックターン」や「アサルトアーマー」なども用意されており、ACに関する様々な項目を一気に覚えるよりも、スキルの様にアンロックして使える様にすることで、徐々に操作に慣れていける。

 また、「ACVI」には従来の敵を照準するモードの他にも「ソウルシリーズ」のようなロック機能がある他、「OSチューニング」を進めていくことで完全にマニュアルで照準することもできる機能もある。この敵の狙い方の多様性はプレーヤーの自由度的な意味でことさら印象的だった。戦闘中にもシームレスに切り替えられるので武器に合わせた照準方法を選べるのも戦術の幅が広がるので魅力的だ。

 正直なところ「これまでの『アーマード・コア』シリーズの集大成とも言える同作の新要素を一気に覚えるのは大変そうだな」と身構えていた筆者にとっては、丁寧に順序だってゲームに慣れることができたので嬉しい要素だった。

 さらにはショップで武装を購入する際には、ショップ内から実際に使っている様子を動画で確認できるのもいい。前述したように序盤ではお金がないので、「せっかくお金を貯めて買ったのに思っていたのと違う」といったミスマッチを減らせるのだ。特にチャージ攻撃がある武器などはその使用を確認できるのが大きい。武器によっては攻撃の後に隙が大きいものなどもあるので、その挙動を購入前に確認できるのは素直にありがたかった。

 次の項ではシリーズを通しての特徴である「アセンブル」について紹介していく。

【【AC6】「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」の「OSチューニング」紹介!】

進化したアセンブルで自分だけのACを表現!

 「アーマード・コア」シリーズ作品を紹介する上で外せないのがACのパーツを自由に組み替えてオリジナルメカを作れる「アセンブル」だ。前述したように、ミッション毎に武装を変更したり「何回やっても勝てない!」と思った時には大胆にパーツを入れ替えたりすることでミッションを進めやすくなるため、攻略の上で非常に重要な要素となっている。

 もちろん「俺は素早く動いて敵を翻弄するんだ!」だとか「火力こそ正義!大火力武装マシマシで突っ込むんだ!」といった個々人のプレイスタイルに合わせた機体構成ができるのも魅力だ。ただし、筆者個人としては、まずはミッションに合わせた武器やパーツ構成で物語を進めて欲しいと思う。その方がいろいろなパーツを試せて新しい好みを見つけられそうだからだ。

“壁越えニキ”ラスティとお揃いの機体もできた、素早く動けるので筆者好みだ

色だけじゃなく機体表面の質感も変えてオリジナリティを表現できる「ペイント」!

 オリジナルメカと言えば機体カラーを細かく変更できる「ペイント」やオリジナリティ溢れる「エンブレム」も見逃せない。マルチプレイが開始された際には凝ったエンブレムの機体には異常に強い人が乗っている確率が高い気がするので、一種の威嚇にもなっているのではないだろうか。当然個性を出すものなので、その人の雰囲気も察せるかもしれない。友人知人と見せ合うのも楽しそうだ。

 話が逸れたが、同作におけるペイントとエンブレムはかなり進化している。「ペイント」では、これまでのように機体カラーをただ変更するだけでなく、機体表面の質感を変更できる「ウェザリング」も実装されており、新品のような光沢のある素材からマット素材、さらには経年劣化したような錆の表現に塗装のはがれたものなど多岐にわたる表面素材が用意されている。これがいいのだ。また、この「ウェザリング」はパーツ単位で変更できる。ちなみにカラー設定のなかにはメタリックだったりマットだったり、質感を変える「マテリアル」という要素もある。同じヘッドパーツの中でも別々の雰囲気を出すことができる。

 筆者的に一番胸が高鳴ったのは劣化表現だ。錆びたり塗装が剥がれていたりすると「修理するお金がないながらも長いこと戦い続けてきた歴戦の猛者」といった風情を感じるし、新品なら「先輩パイロットに小言を言われながら成長する新人」や「お金にモノ言わせて良い装備をしているボンボン傭兵」といった雰囲気も醸し出せる。ようは自分のロールプレイの幅が視覚的に広がるのだ。

「ウェザリング」の様子。工場出荷直後のような新品から廃品一歩手前ぐらいまで幅広く変更できる

最大128枚重ねられる「エンブレム」。職人の仕事に期待大!

 「エンブレム」は文字通りプレーヤーや企業を表したもので、用意されている汎用素材をレイヤーと呼ばれる階層を重ねて組み合わせることでオリジナルのエンブレムを作れる。「シールを重ねて1枚の絵を作るようなもの」と言えば伝わるだろうか。

 今作では、最大128枚のレイヤーを重ねられるほか、レイヤー同士をまとめて最大32グループを作ることができる。これまでアニメのキャラクターやオリジナリティ溢れるエンブレムを手掛けてきた“エンブレム職人”の仕事に期待大である。

 実際に触ってみると、正直「ペイント」と「エンブレム」だけで1日どころか数日過ごせるほどに可能性を感じた。先行プレイの場での時間制限がなかったらずっと「ガレージ(アセンブルやペイントをするところ)」に引きこもっていたと思う。早く色々なプレーヤーの愛機が見たい。

 次の項では同作におけるミッションや世界観の雰囲気について紹介していく。

【7月26日編集部追記】
記事初出時、「ウェザリング」と「エンブレム」に関する記載の中で間違いがありました。「ウェザリング」は塗装部単位ではなく、パーツ単位で設定可能です。また「エンブレム」は当初、最大4,096枚を重ねられるとしていましたが、最大128枚(その中で32グループを作成可能)が正しい数値となっています。お詫びして訂正いたします。

【【AC6】「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」の「ガレージ」を紹介!】

感情の欠落した傭兵らしい無慈悲なミッション。カワイソウはカワイイ

 前述したように、7月20日に公開された「ストーリートレーラー」にて主人公となる621の姿が公開され、インパクトのある外観に衝撃を受けた方も多いことだろう。筆者もそのひとりだ。この621は、なんらかの要因によってAC操作技術と引き換えに感情がほとんど失われていることなど、色々と人権を感じられない処遇が徐々に明らかになっている。大災害によって捨てられた惑星で新資源を巡って未だ争う人類にとっては人権など関係無いのかもしれないが、我々現代人にとってはショッキングな要素が多い。そこがいい。感情が欠落していながらもミッションに貪欲な姿勢は一種の矜持が感じられて非常にかっこいい。

 一方で、ハンドラー・ウォルターはそんな人類のなかでもやさしさを持った人物のようだ。序盤のミッションでは、「…この惑星でコーラルを手にすれば、お前のような…脳を焼かれた独立傭兵でも人生を買い戻すだけの大金を得られるはずだ」として彼の621に対する気遣いめいた発言をしているし、「ストーリートレーラー」では「お前に意味を与えてやる」と保護者めいた発言もしている。若干の“パパみ”を感じた。

 このように既に物語の断片が明らかになってきて、意外と悪くない世界に思えてきてはいるものの、先行プレイでは無慈悲なミッションも散見された。特に印象的だったのが、パイロット訓練生の乗る敵ACと対戦するミッションだ。ミッション流れとしては「輸送中の敵ACを奇襲する」というもので、ストーリーとしては初の対AC戦闘となる。「アーマード・コア4」にも「DESART WOLF」という輸送中の敵ACを奇襲し、敵リンクス・アマジーグの駆るネクストAC・バルバロイと戦うミッションがあり、これのセルフオマージュのようにも思えた。

 アマジーグの場合にはゴリゴリの現役パイロットだったが、今回敵ACに搭乗していたのはパイロット訓練生。訓練生は、突然の実戦に動揺を隠しきれない様子だったし、最後には「俺も…コールサインが欲しかったなあ…」と悲しげな声を上げながら爆散して果てるのだ。最初はかわいそうに思えた。

 しかし、このミッションは序盤のお金稼ぎにちょうどいいのだ。敵は大して強いわけでもない相手が1体だし、フィールドも狭くクリア時間が短めで済むし、報酬もボチボチいいなのだ。繰り返さない手はない。しかも、曲がりなりにもACが相手なので操作の練習にもなるという一石二鳥のミッションと言える。別に騙したりしてはいないが、「仕事なんでな 死んでもらおう」と割り切って訓練生を狩るのがおすすめだ。筆者の場合には狩っていると次第に愛着が湧いてきたので、皆さんも狩り続けていくと昨今よく聞く“カワイソウはカワイイ”を感じられることと思う。

 訓練生に対するオススメの戦い方は「シールドを展開しながら一気に肉薄しブレードで切り付ける」というもの。距離がある時にはアサルトライフルなどで牽制し「スタッガー」を狙うのもよさそうだった。

【【AC6】「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」のミッション!】

 もうひとつ注目しておきたいのは、節目節目で登場するボス戦だ。ボス戦の場合には画面上部にAPゲージが出るので分かり易く戦闘が始まる。これがまた戦っていて楽しいのだ。それぞれ攻略法が違うし、軽いヒントをハンドラー・ウォルターが戦闘中に教えてくれる。しっかりと話を聞いていれば戦いやすいし、敵のモーションも分かり易いので、どれもいいボスのように思えた。さらに、「ACVI」では失敗したとしてもチェックポイントからやり直せるのではじめからやり直さなくていいのが魅力だ。加えてチェックポイントから再戦する場合にもアセンブルを切り替えられるので、何度もやり直す煩わしさがない。

 筆者が実際に戦えたのは、前述した「大型武装ヘリ」と、「アーマードコア・フォーアンサー」に登場する「アームズフォート」なみに巨大な兵器「EB-0309 ストライダー」に加え、“壁越え”ミッションのボス「HA-T-108 ジャガーノート」の3体。それぞれ特徴のあるボスなので是非下記の動画を確認していただきたい。ちなみに「HA-T-108 ジャガーノート」に関しては、筆者の場合かなり姑息に立ち回らないと勝てなかった。

【【AC6】「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」の序盤ボス戦ダイジェスト!】

 他にも、ミッションによっては透明化する敵や、巨大な固定砲台が登場するし、味方AC数機と協力してこなすものもあったのでミッション形式のバリエーションも多そうだった。世界観については未だ全貌がつかめていないものの、舞台となる惑星「ルビコン3」の治安維持活動をしているようにも見える描写のある「惑星封鎖機構」や、「ルビコン3」におけるレジスタンス「ルビコン解放戦線」など魅力的な組織も確認できた。この荒廃した惑星を舞台に、多数ある企業と「ルビコン解放戦線」に「惑星封鎖機構」が繰り広げる戦いに早く参加したい。

 ちなみに、今回傭兵達が加盟している組織の名前は「オールマインド」といい、ミッションの斡旋だけでなく前述した「傭兵教育プログラム」や次に紹介する「アリーナ」など積極的に傭兵をサポートしてくれているようだった。今回も「アーマード・コア フォーアンサー」における「首輪付き」のような通称が出るのかどうかに期待したい。今のところ劇中ではは621たちのことは「独立傭兵」と呼ばれている。

 前述した戦闘技能検証プログラム「アリーナ」は、ある程度ミッションを進めると参加できるようになるモードで、ルビコンにおける傭兵の格付けを担っている。仮想空間で疑似的に再現された各独立傭兵と戦うことのできるものの仮想戦闘シミュレータなので、戦闘中に敵の怒号などは聞こえてこないのが少し寂しい。しかしながら、敵を倒していくことで「OSチューニング」に使える「OSTチップ」を獲得できるうえ、対AC戦闘の練習にもなるので参加しない手はない。

【【AC6】「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」の「アリーナ」を紹介!】

発売まで約1カ月! あたまがACでいっぱい!

 既に筆者の頭は「ACVI」のことでいっぱいだ。2022年12月初旬に発表されてから常に頭にその存在があったし、10年待ったファンのひとりとしては期待が大きかった分、自分の中での面白さのハードルも上がっていた。しかしながら、今回の試遊ではそのハードルも軽々と飛び越えるような体験ができたので正直発売が待ちきれない。いっそ発売日まで寝続けて時間を飛ばしたいぐらいだ。それこそ621の様に簀巻きにして寝かせてほしい。

 閑話休題。

 ここまで紹介してきた様に、「ACVI」は“初心者”にやさしいし自分の好きを表現できるメカカスタマイズもできるのが魅力だし、何より作り込まれた圧倒的世界観に引き込まれる作品となっている。是非シリーズファンもそうでない方も発売したあかつきにはプレイしてみてほしい。「ロボットものって苦手」という方もいるかもしれないが、アクションゲーム要素が強いのでまずは手に取ってみてほしい。

 特に「ソウルシリーズ」の様なロック機能や、充実したチュートリアルがあるので、「操作が難しすぎて断念」ということは少ないと思う。強いて言うならば、アセンブルにおける各種細かい数値が最初は分かりにくいかもしれないとは思うが、最初は自分の思うままに機体を組んで思う存分戦って欲しい。細かい部分はそれからでも遅くないと思う。

 また、先行体験イベントも7月29日より順次開催されるので、気になっている人は是非そちらを訪れるのもいいのではないだろうか。いずれにしても、皆さんと戦場で出会うのが楽しみで仕方がない。

 最後に、いちファンとして「ACVI」ディレクターの山村優氏やプロデューサーの小倉康敬氏をはじめとした開発陣並びにフロム・ソフトウェアへ最大限の感謝を。本当にありがとうございます。ずっと待ってました。

会場で展示されていたグッズと予約特典フィギュア