【特別企画】
「NIKKE」や「Tower of Fantasy」もヌルサク! Samsung「Galaxy S23 Ultra」ファーストインプレッション
2023年4月6日 10:00
- 【Galaxy S23シリーズ】
- 4月20日 発売予定
- 開発・発売元:Samsung
- 価格:197,650円〜
2月にSamsungの最新スマートフォン「Galaxy S23」シリーズのグローバル版が発表された。Galaxy Sシリーズは同社スマートフォンのフラッグシップモデル。今回のラインナップは、無印のGalaxy S23とディスプレイサイズが少し大きくなったGalaxy S23+、そしてサイズもスペックも最高仕様のGalaxy S23 Ultraの3モデルだ。3モデルとも共通の仕様として、2022年末に発表されたQualcommの最新ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載。これにより、内蔵GPUに搭載されたリアルタイムレイトレ-シングにも対応する。
今回、Galaxy S23シリーズの国内発売が正式に発表となった。発売キャリアはNTTドコモとau、楽天モバイルで、国内キャリア向けモデルについては、楽天モバイルはGalaxy S23の1モデル、NTTドコモとauはGalaxy S23とGalaxy S23 Ultraの2モデル展開となる。
これまで弊誌ではゲーミングスマートフォンをレビューなどで扱ってきた、今回なぜGalaxy S23 Ultraをチェックしたか。その理由についてはシンプルで、何やらGalaxy S23 Ultraはゲーミングスマートフォンとしても訴求していくとの話があったからだ。
そこで今回は、事前に開催されたメディア向け体験会にて、2時間ほどの時間をかけてGalaxy S23 Ultraを触ってみた。Galaxy S23 Ultraにゲームなどをインストールしてプレイした感触についてのファーストインプレッションを紹介したい。
ありとあらゆる機能の入った全部入り! リアルタイムレイトレーシングは今後に期待!
先ずはスペックについて簡単に確認しておこう。SoCは全モデル共通で最新の「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載。Galaxy S23のディスプレイは6.1型/1,080×2,340ドットの有機ELを採用し、内蔵メモリ8GB、ストレージ256GBだ。Galaxy S23 Ultraのディスプレイは6.8型/1,440×3,088ドットの有機ELで、内蔵メモリ12GB、ストレージは256GB。なお、Galaxy S23 Ultraについては、オンライン限定で512GBモデルも用意。さらにauのみオンライン限定でストレージ1TBモデルも用意する。
メインカメラはGalaxy S23が約1,200万画素/F2.2の超広角、約5,000万画素/F1.8の広角、約1,000万画素/F2.4の光学3倍望遠を内蔵。前面カメラは約1,200万画素/F2.2。Galaxy S23 Ultraは約1.200万画素/F2.2の超広角、約2億画素/F1.7の広角、約1,000万画素/F4.9の光学10倍望遠と約1,000万画素/F2.4の光学3倍望遠を備える。
本体形状は比較的オーソドックスなスマートフォンの形状だ。ゲーミングスマートフォンのように背面にLEDがガッツリ仕込んであるという事もなく、シンプルなデザインなので、さりげなくゲームを楽しむのにはいいだろう。
スマートフォンでゲームをプレイする際に気になるポイントの1つが冷却性能だろう。Galasy S23 Ultraにおいては、ベイパーチャンバー冷却システムを搭載しており、これまでの同社スマートフォンと比較しても冷却性能が向上している。
実際に何度かベンチマークソフトの「3DMark」を実行してパフォーマンスを計測しつつ、手に持ったり、手の甲に触れさせて温度をチェックしていたが、熱く感じるレベルまで本体が発熱することはなく、冷却性能の高さが実感できた。
Galaxy S23 Ultraには、Sペンと呼ばれるペンを内蔵しており、手書き入力にも対応する。本体サイズはGalaxy S23が146×71×7.6mm(高さ×幅×厚み)、重量が168g、バッテリー容量は3,900mAh、。Galaxy S23 Ultraは、163×78×8.9mm(高さ×幅×厚み)、重量が234g、バッテリー容量は5,000mAhとなる。また、ユニークな機能の1つとして、自宅などでゲームをプレイする際に役に立つ、ゲームプレイ中の「直接給電」にも対応する。これによりバッテリーに余計な負荷をかけることなく、ゲームプレイの電力をダイレクトに給電できる。
圧倒的なパフォーマンスの高さを実現!
ここからは、ゲームをガンガンプレイした時の様子をレポートしていこう。と、その前にベンチマーク「3DMark」と「PCMark」を起動した際の結果についてご報告しておく。
まず「3DMark」のスコアについては、最も負荷の高い「Wild Life Extreme」において3,638を記録した。1年前の最新ハイエンドゲーミングスマートフォンのスコアが大体2,800前後だったことから見ても、この1年で大幅に性能強化したことがうかがえる。
なお、その他はMaxed Out!(計測不可)となった。過去のゲーミングスマートフォンと比較しても、さらにパフォーマンスが向上しているのがわかる。また、「PCMark」の「Work 3.0」では15,612を記録した。こうしたスコアからもゲーム以外のスマートフォンのパフォーマンスの向上が確認できる。
続いて、今回の貸出機に事前にインストールされていた「原神」をプレイした。プリインストールではなく、あくまでも今回の貸出機の評価用と思われる。当たり前だが、パフォーマンス的に劣るところは一切なく、快適に動作するのが確認できた。
ただし、昨今のスマートフォンであれば、「原神」が快適に動くのは当たり前。ということで、続けて「Tower of Fantasy(幻塔)」についてもインストールしてプレイしてみた。こちらは画質設定を最もハードに調整してプレイしてみたが、思いのほかサクサクだ。今回はフレームレートが測定できなかったため体感レベルでしかないが、重そうな場所でもカクツキなく高パフォーマンスが発揮できていたように感じた。
続けてプレーヤーも多く、比較的最新タイトルの「勝利の女神:NIKKE」もプレイ。チュートリアルの途中からのプレイを試したが、こちらも全く苦もなく敵をバッタバッタと撃墜できた。流石は最新のハイエンドSoCを搭載しているだけあり、ゲームプレイの感覚的にはゲーミングスマートフォンその物といったビジュアルとパフォーマンスが改めて堪能できた。
なお、Galaxyシリーズは昔からゲームランチャーを標準装備しているのがポイントの1つだった。筆者は「Galaxy S8」の時代にメイン端末として利用していたが、この標準の「Game Launcher」の使い勝手がかなりよかった印象が残っている。
今回久しぶりに同社独自の「Game Launcher」に触れてみたが、インストールされたゲームを自動で認識して管理できる機能などは健在だ。そして、「Galaxy S23」シリーズにはさらに、ゲームに集中できるようにする「Game Booster」機能の利用が可能になっていた。こちらを利用する事で、通知をブロックし、ゲームのパフォーマンスを向上できる「ゲーム優先モード」が利用できる。
他にも誤操作防止や、バッテリーを節約するために画面のリフレッシュレートを48Hzに制御できる「低リフレッシュレート」機能も備える。それ以外にもスクリーンショットやゲームプレイ映像の録画機能なども備える。こうした機能については、画面上に表示可能な小窓を配置することで、ワンタッチで簡単に呼び出しが可能だ。
会場で触れていた時にあれこれ操作していたが、標準の「Game Booster」ではフレームレート常時表示の機能や、本体のパフォーマンスの状態などを表示できないため、昨今のゲーミングスマートフォンと比較するとちょっと機能が不足しており、ゲーミングスマートフォンと呼ぶには相応しくないと感じていた。
ところが、これは後から調べてみて知ったのだが、「Game Booster」にはプラグインが用意されており、これを使うことでさらにランチャーの機能を強化できるようだ。プラグインの1つ「Game Booster Plus」を導入する事で、ゲームごとのプレイ時間やフレームレート測定、CPUやGPU、本体温度やバッテリーの使用状況などのデータが確認できるようだ。また、ゲームプレイ中に画面上に常時こうした情報を表示できる「Perf Z」という機能もあるようなので、ゲーム目的でGalaxy S23 Ultraを購入する人は是非導入してみてほしい。
ゲーミングスマートフォン好きには朗報のパフォーマンス
以上、体験会の会場でGalaxy S23 Ultraを使用してあれこれゲームを遊んでみた様子をご紹介した。正直なところ、Androidスマートフォン黎明期の頃から「Galaxy S」シリーズの圧倒的パフォーマンスはゲームをプレイする上での最適解の1つであり、どのスマートフォンを買うか迷ったり困ったときにはGalaxy Sシリーズを買ってきた身からすると、むしろこれまでゲームを積極的に推してなかった事が不思議に感じるレベルの完成度の高さだ。
ゲーミングスマートフォンの多くはキャリア販売がないため、まとまったお金を工面するなど購入する際に苦労する事が多いが、キャリア販売で購入できるGalaxy S23シリーズであれば、分割払いの仕組みなど、まとまったお金がなくても購入できる方法があるため、購入の敷居が下がるのは強みの1つと言えるだろう。
「Galaxy S23 Ultra」のパフォーマンスは正直なところ、最新ゲーミングスマートフォンと比べても全く劣るところはない。強いてゲーミングスマートフォンと比べて劣るポイントは、背面のサブディスプレイやLED発光、側面部の操作で他のキーが代用できる特殊操作の機能くらいだろう。
また、個人的には「Game Booster」の機能がちょっとわかりにくく感じた。特に画面上にパフォーマンス情報を常時表示する機能は、ゲーミングスマートフォンではデフォルトとなっている機能だけに、標準でこうした機能が使えないのは非常にもったいないと感じた。是非アップデートなどでは標準機能に組み込んでほしいところだ。
もう1つ、最新SoC「Snapdragon 8 Gen2」に搭載された3Dリアルタイムレイトレーシング機能についても、いつごろ対応ソフトが出るのか、もう出ているのか、出た際にはどのようなビジュアルなのか、このあたりについても是非チェックしてみたい。